DCS:Christen Eagle II

Last-modified: 2025-11-11 (火) 14:04:35

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概要

Christen Eagle IIは、1977年に初飛行した曲技飛行用複葉機です。 第二次世界大戦のP-51DパイロットであるFrank Christensenによって設計され、Pitts Special*1に対抗することを目的として開発されました。
従来の複葉機とは異なり、上下の翼が同じスパンで翼間支柱が張線で補強されています。 これにより優れた操縦性と安定性を実現しています。 尚、パイロットと乗客は大きなバブルキャノピーの下にタンデムに座ります。
現在もなお、軽快で応答性の高い操縦を楽しめる曲技飛行用複葉機として、多くのパイロットに愛されています。

購入時のアドバイス

DCS WorldのChristen Eagle IIは、曲技飛行に興味のある、ある程度DCS Worldの操作に慣れたユーザーにおすすめです。

メリット

  • 卓越したアクロバット性能: この機体はアクロバット競技用に設計されており 、非常に高い応答性を持ちます 。ループ 、スピン 、ハンマーヘッド など、多くのアクロバット飛行(Aerobatics)が可能です。
  • 高レスポンス: 操縦翼面への入力に対する反応が非常に敏感で、軽い力で機敏な操作が可能です 。
  • 背面飛行性能: 上下翼ともに対称翼型(symmetrical airfoils)を採用しており、マイナスG(negative-g)がかかる背面飛行(inverted flight)も、通常の飛行とほぼ同様の感覚で行えます 。
  • スピンの学習: 意図的にスピンに入れやすく、4種類の基本的なスピン(通常正立、フラット正立、通常背面、フラット背面)すべてからの回復特性も正常です 。

デメリット

  • 操縦の難易度: 非常に高い応答性は、裏を返せば「過敏(over-control)」になりやすいことを意味します 。特に大型機や安定性の高い機体に慣れたパイロットは注意が必要です 。
  • 限定的な計器: 計器は日中の有視界飛行ルール(Day VFR)のみに対応しており 、夜間や悪天候(雲、霧)では姿勢判断が不可能になります 。
  • 視界の制限: テールドラッガー(taildragger) 特有の3点姿勢(three-point attitude)では、前方の視界が制限されます 。

まとめ

Christen Eagle IIは、純粋なアクロバット飛行と、機体を意のままに操る「スティック&ラダー」の技術を追求したいパイロットにとって、最高の選択肢の一つです。ただし、その機敏さゆえに操縦は難しく、初心者パイロットや重爆撃機などに乗り慣れたパイロットは、基本的な飛行技術から学び直す心構えが必要です 。航法や戦闘よりも、純粋な「飛行」そのものを楽しむための機体です。

キーアサイン

優先度の高いもの

  • ピッチ (Pitch): 操縦桿(スティック)前後
  • ロール (Roll): 操縦桿(スティック)左右
  • ヨー (Yaw): ラダーペダル
  • スロットル (Throttle): スロットルレバー
  • プロペラRPM (Propeller RPM): RPMレバー(High RPM / Low RPM)
  • 混合比 (Mixture): ミクスチャーレバー(Full Rich / Idle Cutoff)
  • ホイールブレーキ (Wheel Brakes): 左右のブレーキ
  • エレベーター・トリム (Elevator Trim): トリムレバー(Nose Up / Nose Down)

余裕があれば割り当てたいもの

  • マグネトー・スイッチ (Mags Switch): Off, Right, Left, Both, Start
  • 燃料バルブ (Fuel Valve): ON / OFF
  • マニュアル燃料ポンプ (Manual Fuel Pump): プライミング操作
  • キャノピー操作 (Canopy Control): Lock / Unlock , Open
  • コントロール・インジケーター (Controls Indicator): RCTRL + ENTER(表示/非表示)

レイアウト

始動

始動手順

コールドスタート(Cold-engine start)の基本的な手順は以下の通りです 。

  1. BATT スイッチ (Battery Switch): ON
  2. ALTERNATOR OUTPUT サーキットブレーカー: 押す(有効化)
  3. ALTERNATOR FIELD スイッチ: ON
  4. PROPELLER CONTROL (RPMレバー): HIGH rpm(最前進)
  5. FUEL SELECTOR (燃料バルブ): FUEL ON
  6. THROTTLE (スロットル): わずかに開く
  7. MIXTURE (混合比): FULL RICH(最前進)
  8. マニュアル燃料ポンプ: FUEL FLOWゲージの圧力が上昇するまで操作する
  9. MIXTURE: Idle Cutoff(最後退)
  10. MAGS スイッチ: START位置まで回し、エンジンがかかったらBOTHに戻す
  11. MIXTURE: FULL RICH(最前進)
  12. OIL PRESSURE (油圧): 30秒以内に上昇することを確認(60-85 psi)
  13. 暖気: 1000-1200 rpmでエンジンを暖気する

注意点

  • エンジン始動時やランナップ(run-up)中は、機体が前に転倒(flipping forward)するのを防ぐため、必ず両方のブレーキを踏み、操縦桿(stick)を後方(aft)に引いておくこと 。
  • もし意図せずスロットルを開けすぎた場合、多くのパイロットはスロットルを戻すより先にブレーキを踏んでしまい、機体が転倒する原因となります 。

飛行

特性

  • 高い応答性: すべての軸(縦・横・方向)において、わずかな操縦入力に機敏に反応します。
  • 意図しない失速: 応答性が高いため、不用意な操作(急激な入力)は、意図しないスピン (spins) やスナップロール (snap rolls) を引き起こす可能性があります。
  • 高いパワーウェイトレシオ: 高いパワーウェイトレシオ (high power-to-weight ratio)により、ループ(loop)などの機動も比較的低い速度(例: 100 mph) から開始できます。
  • 背面飛行:対称翼型(symmetrical airfoils) と翼の取り付け角 (0°)により、背面飛行(inverted flight) と正立飛行(upright flight) の特性が非常に似ています。

禁止操作

  • 計器飛行: この機体はDay VFR(有視界飛行ルール)専用です 。雲の中や夜間の飛行は、姿勢を失う(disorientation)ため禁止です 。
  • プロペラRPM: プロペラの制限により、2000 rpmから 2350 rpm の間での連続運転は禁止されています 。

離陸

離陸手順

離陸はDCSの他の機体と比較しても最も複雑な手順の一つです 。

  1. 離陸前チェック: MIXTURE (FULL RICH) 、ELEVATOR TRIM (NEUTRAL) 、CANOPY (LOCKED) などを確認します。
  2. プロペラ/マグネトーチェック: 1700 rpmでプロペラ動作確認 、2200 rpmでマグネトーチェックを行います 。
  3. パワー投入: スロットルをスムーズかつ迅速に全開にします(apply full power) 。
  4. ラダー操作: エンジントルクによる左への偏向(left-yaw momentum)を打ち消すため、穏やかな右ラダー(right rudder input)が必要です 。
  5. テールリフト: 速度が 45 mph IAS を超えたら、スティックを少し前に倒して尾部をわずかに(約8インチ)持ち上げます 。
  6. 中立位置: 尾部が浮き始めたら、すぐにスティックを中立付近に戻します 。
  7. 離陸: スティックをわずかに引き、離陸します(lift-off) 。
  8. 上昇: 離陸後、90~100 mph IASまで加速してから上昇を開始します 。

関係する速度

  • 最良上昇角速度(Vx): 78mph
  • 最良上昇率速度(Vy): 94 mph
  • 推奨上昇速度(Recommended climb speed): 100 mph

巡航

巡航速度

巡航速度(Cruise Speed)

  • 設計巡航速度(Vc): 173mph / 150 knots
  • 実用巡航速度(TAS):
    • 75%パワー時 (5000 ft): 162 mph
    • 65%パワー時(5000ft): 151 mph
    • 50%パワー時 (5000 ft): 133 mph
      巡航中は、スロットル (Manifold pressure)、RPM レバー、Mixture (EGTを基準に調整)を適切に設定することで、燃費を向上させることができます。

自動操縦

この機体に自動操縦(Autopilot) は搭載されていません。常にパイロットが操縦桿を握る必要があります。

着陸

成功への鍵

  • 着陸前チェック: MIXTURE (FULL RICH) 、PROPELLER (HIGH RPM) 、ELEVATOR TRIM (NEUTRAL) を確認します。
  • パターン: 90~100 mph IAS、高度 400~500 ft AGL で、近接したパターン(close-in pattern)を飛びます 。
  • 速度管理: 最終アプローチ(final approach)では 85-80 mph を維持し、滑走路進入(threshold)後にアイドル(idle)にします 。
  • 3点姿勢 (Three-point attitude): 滑走路の表面近くで機体を3点姿勢に保ち、失速(stall)と接地(touchdown)を待ちます 。スティックは中立よりわずかに後ろになります(最後端まで引かない) 。
  • 接地後: 接地したらすぐにスティックを後方に引き、穏やかなラダー操作(gentle rudder inputs)で方向を維持します 。
  • ブレーキ: ブレーキは短く断続的に(in short impulses)、両方同時に使用します 。急なブレーキは機体の転倒(flip forward)を引き起こすため厳禁です 。

関係する速度

  • 失速速度(VS): 58 mph / 50 knots
  • パターン速度: 90-100 mph IAS
  • ファイナルアプローチ: 85 mph
  • スレッショルド (Threshold): 85 - 80 mph

外部リンク

公式サイト(販売ページ)

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ピッツ・スペシャルは、カーティス・ピッツが設計した曲技飛行用飛行機シリーズです。 1944年に初飛行したS-1を皮切りに、改良を重ねた様々な派生型が開発されました。 単発の複葉機で、単座または複座のタイプがあります。 高出力エンジンと軽量な機体により、優れた曲技飛行性能を発揮します。 世界曲技飛行選手権では、S-1CとS-2Aが3連覇を達成するなど、輝かしい成績を残しています。 ピッツ・スペシャルは、その高い性能と美しいデザインから、現在でも多くのパイロットに愛されています。