Dyson Sphere Program(ダイソンスフィアプログラム)

Last-modified: 2024-03-05 (火) 00:40:15

このゲームの目標であるDyson sphere(ダイソンスフィア)を建築したり、それが生産する電力を受電し実際に利用するための施設。

最終目標だけあって要求される部品も大量かつ生産が大変な物ばかり。安定した建設ができるよう、ここに手を出すまでにはある程度安定した生産ラインを構築しておきたい。

 

建設概要

ダイソンスフィアは、このゲームにおいてはDyson swarm(ダイソンスウォーム)Dyson shell(ダイソンシェル)の総称である。

それぞれを別々の方法で形成する必要があるので、ダイソンスフィアを建設していくには2つの段階があることになるが、いずれも何らかの発射するものを適切な施設に運んで装填し、打ち上げることが共通している。

発射するもの発射施設形成物
1Solar-sail.pngSolar sail
ソーラーセイル
EM-Rail-Ejector.pngEM-Rail Ejector
EMレールイジェクタ
Dyson swarm
ダイソンスウォーム
2Small-carrier-rocket.pngSmall carrier rocket
小型輸送ロケット
Vertical-launching-silo.pngVertical launching silo
垂直発射サイロ
Dyson shell
ダイソンシェル

また、スウォームとシェルのいずれも、それぞれ発射するものを打ち上げれば打ち上げるほど発電能力が向上していくことも共通点である。

ダイソンスウォームの形成

Dyson-swarm.jpg
ダイソンスフィア建設の前段階として、Solar sail(ソーラーセイル)をEM-Rail Ejector(EMレールイジェクタ)で打ち上げ、Dyson swarm(ダイソンスウォーム)を形成する。

ダイソンスウォームとは、このゲームでは大量のソーラーセイルが恒星軌道上を周回することにより形成されるリング状のものを指す。個々のソーラーセイルには寿命があることからも、まだこれは実質的な建造物であるとはいえない。

これによる発電能力は、作り始められる頃の生産力ではMini fusion power station(ミニ核融合発電所)のせいぜい20~30基分程度。電力事情の改善には役立つが、必ずしもすぐに作らなければゲームが進まないというものではない。

しかし後々、ゲームクリアのためには最低限、ダイソンスウォームの形成が必須となる。またダイソンシェルの面を張るためにも必要不可欠であるため、電力事情が十分であったとしても気が向いたら手を出しておくとよい。

ダイソンシェルの建設

Dyson-shell.jpg
ダイソンスフィア建設の実際の段階として、Small carrier rocket(小型輸送ロケット)をVertical launching silo(垂直発射サイロ)で打ち上げ、Dyson shell(ダイソンシェル)を構築する。

ダイソンシェルはさらに3つの構造に分けられる。ダイソンシェルは多面体(実際は球状になるが)をしていると考えられ、それぞれの構造が多面体の要素と対応している。

構造多面体の建築資材
Node(ノード)頂点に相当Small-carrier-rocket.pngSmall carrier rocket
小型輸送ロケット
Frame(フレーム)に相当
Shell(シェル)に相当Solar-sail.pngSolar sail
ソーラーセイル

小型輸送ロケットは、あらかじめダイソンスフィアの画面で設定しておいたノードに向かって自動的に航行する。ノードはダイソンシェルの骨格を作るための起点である。このノードが完成すると、今度はノード同士を接続する辺、すなわちフレームの建築を開始する。

建築されたフレームの近くに、さらにフレームで囲まれた面、すなわちシェルを建築するために、ノードがすでに打ち上げてあるソーラーセイルを吸い込み始める。ここでダイソンスウォームが必要になるわけである。このとき吸い込まれているソーラーセイルは青く表示されている。吸い込んだソーラーセイルはダイソンシェルの面を徐々に広げていき、永続的な構造物として固定される。

こうして作られたダイソンシェルによる生産電力はGW単位にもなり、また寿命もないためその星系においては無限のエネルギーを得たも同然である。しかし他の星系ではこのエネルギーを直接享受できないため、気が済むまで何個でもダイソンスフィアを建設しよう。

関連アイテム

発射施設

名称発射速度消費電力待機電力
EM-Rail-Ejector.pngEM-Rail Ejector
EMレールイジェクタ
20/min1.80 MW60.0 kW
Vertical-launching-silo.pngVertical launching silo
垂直発射サイロ
5/min18.0 MW60.0 kW

これらの施設を用いて、ダイソンスフィアの構成物を恒星軌道まで打ち上げることができる。

EM-Rail Ejector (EMレールイジェクタ)

EM-Rail-Ejector.png

Solar sail(ソーラーセイル)を恒星軌道へと撃ち出し、ダイソンスウォームを形成するための施設。

UIからダイソンスフィア画面で作成した軌道を設定することができる。設定後にソーラーセイルを供給しすると、恒星*1がピッチ(仰角)5~60°で見えている間は最大で1分間に20個のペースでソーラーセイルを撃ち出し続ける。ただし、他惑星により恒星が覆い隠されている間は、撃ち出しが停止する。

撃ち出されたソーラーセイルは恒星の周囲に留まり、1個当たり 36.0 kW の電力を生み出す。この電力のうち一部Ray receiver(γ線レシーバー)で受電することができる。

ソーラーセイルは一定の期間*2で寿命を迎えるため、イジェクタを稼働し続けなくては電力を維持できない。このため、簡単に言えばソーラーセイルを消費して発電する施設とも捉えることができる。それに加え、以下の特徴を持つ。

  • 火力発電の燃料よりも生産が複雑な代わりに、より大きな電力を得られる
  • 同じ星系の別の惑星でも電力を得られる
  • 最大出力が得られるまで多少時間がかかる
  • 火力発電の燃料と異なり、電力供給が過剰だったとしてもソーラーセイル射出は止まらない

Solar sail life(ソーラーセイルの寿命)の性能強化を行えば、間接的に最大発電能力を伸ばすことにつながる。

 

配置場所について

Solar panel(ソーラーパネル)と同じように考えれば、なるべく長い時間恒星が見える位置(つまり白夜の極)に設置した方が稼働時間が延びると思えるが、実際はそうではない。これは、銃身の仰角が5度以上でないとなければならず、恒星が直接見えていても地平線すれすれにある場合は動作しないという点で、日光が届いてさえいればよいソーラーパネルとは異なるためである。

例えば、下図のように極付近に配置しても、結局半数以下のイジェクタしか稼働していないのがわかる(が稼働中、が停止中)。しかもこの画像は冬のもので、夏になると5個しか同時稼働しなくなった。

EM-Rail-Ejector-efficiency.jpg

どうしても常に稼働させ続けたい場合は、昼夜のサイクルが無いTidal locking(潮汐固定)の惑星に置くしかない*3。もちろん、潮汐固定の惑星を持つ恒星を探すところから始める必要がある。

緯度に応じて以下のような利点があるため、惑星/衛星の開発方針に応じて設置場所を決定することが望ましい。

  • 高緯度(極地付近)
    • 同緯度地帯の長さが短いため、1日を通して射出量を安定させたい場合にソーラーセイルの輸送ラインを短くできる
    • 低緯度地域はグリッドの均等性が高いため、生産ラインとしての利用価値が高い。イジェクタのような完成品のみ取り扱う建物は極地に配置する方が土地を有効活用しやすい。
    • 惑星の自転軸傾斜角が概ね30°~60°の場合、年間平均での運用効率が最も高い。
  • 中緯度
    • 惑星の自転軸傾斜角が概ね0°~30°または75°~90°の場合、年間平均での運用効率が最も高い。なお、大抵の惑星の自転軸傾斜角は、この範囲に収まっている。
    • 惑星の自転軸傾斜角を確認せずに設置する場合、大きなハズレとなるような傾斜角が無い*4
  • 低緯度(赤道付近)
    • 惑星の自転軸傾斜角が概ね60°~75°の場合、年間平均での運用効率が最も高い。
    • 中高緯度地帯で年間通して安定した射出量を得たい場合、北半球と南半球の双方に同数のイジェクタを設置する必要がある。赤道付近であれば、単に1周するだけで良い。
  • 例外と補足
    • 衛星の場合、上記箇条書き中の「自転軸傾斜角」を「母惑星の公転面と衛星の赤道面がなす角」と読み替える。ただ、ゲーム内に表示される数値からは計算できないので、目測せざるを得ない。
    • Orbital resonance(軌道共鳴)やTidal locking (潮汐固定) が発生している惑星には当てはまらない。

詳細な数値データは、Tipsを参照。

 

最大発電能力について

イジェクタの設置状況から、以下のようにスウォームによる最大発電能力を概算することができる(もちろん建設中のダイソンシェルのノードがない場合)。

スウォームの発電容量(MW) = 0.012 × ソーラーセイルの寿命(秒) × イジェクタ設置数 × イジェクタ稼働率*5

例えば、ソーラーセイルの寿命が3600秒・イジェクタが20個・イジェクタの稼働率が40%のときは、スウォームの最大発電能力は432MWになる。

Vertical launching silo (垂直発射サイロ)

Vertical-launching-silo.png

Small carrier rocket(小型輸送ロケット)を適当なダイソンシェルのノードへと発射し、ダイソンシェルのノードとフレームを形成するための施設。

EM-Rail Ejector(EMレールイジェクタ)と異なり、この施設自体のUIから設定すべき項目は存在しない。この施設にロケットを搬入したうえで、ダイソンスフィア画面で作成したダイソンシェルの建設計画があれば、自動的にロケットが適切なノードに発射される。

さらにロケットを打ち上げてからは自動操縦されるので、恒星が直接見えている必要もない。そのため建築場所も完全に自由である。しかも一度建設された構造物には寿命もなく、自ら削除しない限り永久に発電し続ける。イジェクタより後なのに運用が楽……というよりは、今までの全労力はこのために費やしてきたのだから当たり前か。

発射されたロケットがノードに到達すると、そのノードにStructure point(構造ポイント)を1点与える。この点数が規定量に達すればそのノード自体と、ノードが支えるフレームの建築が完了したことになる。

Vertical-launching-silo-UI.png

現在の星系における、全てのノードが必要とする構造ポイントの総和はサイロのUIにTotal structure pts.(合計構造ポイント)の分母として表示されている。これは言い換えれば、現在の建築計画を完了するために打ち上げなければならないロケットの数という意味である。なお、分子は既に打ち上げた数。

このようにして建設されたダイソンシェルの生み出す電力のうち一部Ray receiver(γ線レシーバー)で受電することができる。

受電施設

名称最大出力
(発電モード)
消費電力
(光子生成モード)
Ray-receiver.pngRay receiver
γ線レシーバー
6.00~15.0 MW48.0~120 MW

ダイソンスフィアが生産する電力を地上で受信する施設。ダイソンスウォームやダイソンシェルを作ったとしても、この施設を一度用いなければ実際に役立つ形で利用することはできない。
※受電の継続状態に応じて、出力・消費電力・光子生成速度が変動する。
※Graviton lens(重力子レンズ)を投入すると、出力・消費電力・光子生成速度が上表の値の2倍に上昇する。

Ray receiver(γ線レシーバー)

Ray-receiver.png

ダイソンスフィアが生産する電力を受信し、地上の電力網にそのまま受け渡すか、Critical photon (臨界光子) を生成できる施設。

同じ恒系であれば同じダイソンスフィアから受信することになるので、ダイソンスフィア関連部品の打ち上げとレシーバーによる受信を同じ惑星で行う必要は無い。もちろんダイソンスフィアへの電力負荷も、同じ星系に属する全ての惑星からの電力需要の合計となる。

基本的に光線を受信するためには恒星が見える位置になければならないので、Solar panel (ソーラーパネル) と同様に極付近に設置することで効率が上昇する。連続して受信し続ければさらに出力が上がっていくため、白夜になる場所に設置するとよい。ただし、Graviton lens (重力子レンズ) を搬入して消費することで、恒星が見えなくてもある程度受信させることが可能になり、設置場所の制限が緩和される (詳細は後述)。

Ray-receiver-UI.png
UIでPower generation (発電)、Photon generation (光子生成) のどちらのモードにするか選択できる。臨界光子の生成は Dirac inversion mechanism (ディラック反転機構) の研究が必要になる。

その他、UIに表示される各種データは少々難解なため解説する。

Strength (光線強度)
恒星がはっきり見える状態(昼)に100%となり、夜には0%になると考えればよい。重力子レンズを使用すれば、夜間でも光線を曲げて強度を得られる場合がある。詳細な数値データは Tips を参照。
Continuous receiving (連続受信)
設置当初は0%だが、光線強度が75%超の状態を保ち続けることにより100%まで上昇していく。一方、光線強度が75%未満になると減少していく。この値は最大出力と受信効率にボーナスを与えるため、高く保てるようにするとよい。数値の具体的な計算法は、Tipsを参照。
Max output (最大出力)
連続受信するほど向上し、最大で設置時の2.5倍になる。重力子レンズの効果中にはさらに2倍。発電モード時は現在このγ線レシーバーから電力網に流せる最大の電力を表す。光子生成モード時はこのレシーバーの消費電力を表し、高いほど光子生産が高速になる。具体的な値は後述する。
Ray receiving efficiency (受信効率)
ダイソンスフィアが生産した電力はγ線レシーバーに届くまでにある程度減衰する。受信効率は、その減衰分を除いて受信可能な電力の割合を示す。必ず100%未満になり、この数値に応じてダイソンソフィアへの要求電力が増えることになる。受信効率は、Solar ray basic energy dissipation (太陽光線エネルギー損失(基礎)) の値をベースにして、連続受信値が太陽光線エネルギー損失を軽減する形になる。そのため、太陽光線エネルギー損失(基礎)を性能強化で減少させたり、連続受信させたりするほど向上する。

受信効率 = 100% - 太陽光線エネルギー損失(基礎) × (1 - 0.4 × 連続受信)

連続受信が100%になれば、太陽光線エネルギー損失(基礎)値が0.6倍される形で受信効率が向上する。
Requested power (要求電力)
分母
このレシーバーがダイソンスフィアに要求している電力が表示される。この値は以下の式で求められる。

要求電力 = 最大出力 / 受信効率

受信効率は100%未満なので要求電力が最大出力より大きくなる。
分子
実際にダイソンスフィアから受信できている電力が表示される。オレンジ色になっている場合、ダイソンスフィアの発電能力が不足していて要求電力の一部しか送られていないことを表している。
Dyson sphere status (ダイソンスフィア状態)
分母
この星系のダイソンスフィアの発電能力が表示される。つまりダイソンスフィアの情報で表示される Generation capacity (発電容量) と一致する。
分子
この星系にある全てのレシーバーがダイソンスフィアに要求している電力、すなわち Requested power の分母の総和になる。
分子/分母
この星系のダイソンスフィアの電力負荷率となる。例えば画像の場合、電力負荷率が 2.80 GW / 2.66 GW = 105% となっている。つまり、さらにダイソンスフィアの発電能力を向上させなければ、この星系にある全てのレシーバーの現時点での要求電力を満たせないということである。100%を超えた状態では、オレンジ色になることでも把握できる。
 

長々と書いたが、Requested power (要求電力) と Dyson sphere status (ダイソンスフィア状態) の値がオレンジ色で表示されなくなるように''すれば、とりあえず健全に運用できていることになることだけ覚えておけばよい。そのためには、通常はダイソンスフィアの発電能力を向上させておけばよい。また、出力に余裕が無い場合は不要なγ線レシーバーを設置するのは避けるべきである。

 

Graviton lens (重力子レンズ) の利用
Graviton-lens.png

Planetary ionosphere utilization (惑星電離層の利用) の研究を行った後、Graviton lens (重力子レンズ)Ray receiver (γ線レシーバー) に投入できるようになる。

重力子レンズは 0.1/min の割合で消費され、その効果中には以下のような効果が生ずる。

  • Strength (光線強度) が上昇する。これよりレシーバーの設置場所の条件が緩和される。
    • 惑星に大気がある場合のみ有効である
    • 設置場所が白夜の場所周辺などであれば常に最大効率で動作させられるようになる。
    • 普通に昼夜が訪れる立地の場合、朝には連続受信が0%に戻っている事が多い。重力レンズがあれば、これをある程度プラスに持っていける。このプラス分は毎日累積するので、設置から数日~十数日経てば、昼間の大半が連続受信100%になる。
  • Max output (最大出力) が2倍になる。もちろんダイソンスフィアから送られてくる電力を2倍にするというようなことではなく、1基で2基分の働きができるようになると思えばよい。

特に前者は非常に有用なので、重力子レンズの一部はレシーバーにも回したい。消費速度が非常に遅いので、レンズをレシーバーに回したことが原因で Space warper (空間歪曲器)Gravity matrix (重力マトリックス) の生産に支障が出る可能性は低い。

なお、レシーバーに投入された重力子レンズは、レシーバーの状態にかかわらず規定の速度で消費される。つまり、ダイソンスフィアへの要求電力が過大でレンズを入れる意味がなかろうが、夜間で全く受電できなかろうが無関係にレンズが消費される。レンズの必要量を計算する場合は、この点に留意する必要がある。



条件別の要求電力と光子生成量
下表の通りになる。要求電力は、下表の値を受信効率で除する必要がある。また、「増産剤」は、重力子レンズに Proliferator Mk.III (増産剤 Mk.III) を塗布してγ線レシーバーに投入した場合の数値である。

モード重力子
レンズ
連続受信発電量
要求電力
光子生成量
発電なし0%6.00 MW-
100%15.0  MW-
あり0%12.0  MW-
100%30.0  MW-
あり&
増産剤
0%24.0  MW-
100%60.0  MW-
光子生成なし0%48.0  MW0.04/s
100%120    MW0.10/s
あり0%96.0  MW0.08/s
100%240    MW0.20/s
あり&
増産剤
0%192    MW0.16/s
100%480    MW0.40/s

*1 厳密には「目標とするスウォーム軌道の内、到達後の進行方向修正が最小限で済む位置」なので、恒星中心からは若干ズレる。
*2 性能強化画面を開き、右側のSolar sail life(ソーラーセイルの寿命)に表示された時間
*3 目標軌道の手動変更を年に3~4回行うのでも良ければ、通常の惑星の極地でも常時稼働可能になる場合がある。
*4 例えば、極地では悪条件が重なると全く稼働できなくなることがある。
*5 稼働率不明の状態で概算する場合、0.35 ~ 0.45程度が目安。