このゲームに登場する建造物は、ほとんどが電力を消費する。
安定的な電力供給がプロジェクトの成否に関わるので、賢い生産を心がけよう。
電力の基本 
電力供給の流れ 
電力は基本的に、以下のような流れで供給されていく。
発電施設だけを設置した場合は、余程近くにある施設までしか供給を行えないため基本的に送電施設で遠隔地まで電力を届ける必要がある。
また、このうち蓄電施設は必須ではないが、安定した電力供給を行うためにはあると望ましい。
Satisfaction(電力供給率) 
Tesla tower(テスラタワー)などをクリックすると、そのPower grid(電力網)におけるSatisfaction(電力供給率)を見ることができる。電力供給率の値は、常に100%となることが望ましい。これが低下すると、その分だけ施設の稼働速度が低下して生産に支障をきたす。
生産力が下がる → 発電用の資材(燃料やダイソンスフィアに打ち上げるもの)の生産力が下がる、というループに入ると一気に全体が止まってしまうので、電力には余裕をもっておこう。
また、電力供給率が10%を下回るとOFFの表示になり、その電力網に接続されている施設が完全に停止する。ただし、物流ステーションへの充電はOFF状態でも普通に行われる。
円グラフの意味 
生 産 | Generation(生産) | 発電施設で生産している電力の合計 |
---|---|---|
Discharge(放電) | 蓄電施設やEnergy exchanger(エネルギー交換器)から放電中の電力の合計 | |
消 費 | Consumption(消費) | 様々な施設で消費している電力の合計 |
Charge(充電) | 蓄電施設やEnergy exchanger(エネルギー交換器)への充電に使用している電力の合計 |
基本的に充電と放電が同じ電力網で同時に行われることはない(当然だが、電力余剰と電力不足が同時に発生することはないため)。
ただし例外があり、Energy exchanger(エネルギー交換器)の放電は優先度が高い(後述)ため、これによる余剰電力が発生した場合はAccumlator(蓄電器)に充電する。その場合はグラフにも充電と放電が同時に表示されるだろう。
電力供給の優先度 
電力供給を行う施設には稼働する優先度がある。優先度が高い施設のみで需要を満たせる場合は、優先度が低い施設は稼働しない。
優先度 | 種類 | 施設 |
---|---|---|
1 | 自然エネルギーによる発電 | |
エネルギー交換器の放電 | ||
2 | 燃料による発電 | |
3 | 蓄電器の放電 |
上の表を見れば分かる通り、まず自然エネルギーによる発電(とエネルギー交換器による放電)が最優先される。自然エネルギーによる出力は電力需要に関わらず常に自身の最大出力となり、エネルギー交換器の放電は需要と常に*1一致する*2。
自然エネルギーによる発電(とエネルギー交換器による放電)で需要を賄えない場合に、燃料による発電が稼働し始める。
例えば、同じ電力網にSolar panel(ソーラーパネル)とThermal power station(火力発電所)が存在するときは、ソーラーパネルによる発電で需要を賄えるのならば火力発電所は動作しない。
この仕様によって、昼間にソーラーパネルによる発電が行われているときは火力発電所が停止して燃料消費が抑えられ、夜間にソーラーパネルが発電しなくなった際には火力発電所が稼働し始めるといったように、柔軟な電力供給が可能となる。
さらに、燃料による発電でも需要を満たせない場合は、同じ電力網に充電された蓄電器があればそこから放電する。
それでも尚、需要を満たせない場合は電力供給率100%を切ることになる。
電力消費の優先度 
一方で電力消費する施設に関しては、優先度は存在しない。すべての施設の電力供給率はそのまま電力網の電力供給率が反映されるので、電力網の電力供給率に応じてすべての施設の稼働速度が一定の割合で変化するということになる。
ただし、Logistics Station(物流ステーション)だけは充電速度(=供給電力)を設定で変えられるため、優先度を設定できることになる。
関連アイテム 
発電施設 
名称 | 消費燃料タイプ | 最大出力 | 発電効率 | |
Wind turbine 風力タービン | 燃料消費なし | 300kW *3 | - | |
Thermal power station 火力発電所 | Chemical 化学 | 2.16MW | 80% | |
Solar panel ソーラーパネル | 燃料消費なし | 360kW *4 | - | |
Mini fusion power station ミニ核融合発電所 | Nuclear energy 核エネルギー | 9.0MW | 100% | |
Artificial star 人工恒星 | Mass energy 質量エネルギー | 75.0MW | 100% |
燃料を消費して、あるいは自然エネルギーを活用して発電を行う施設。人工恒星はダイソンスフィアプログラムカテゴリではあるが、比較しやすくするためこのページに記載。
燃料について
燃料による発電施設の場合は、発電施設の種類に対して使える燃料のタイプが決まっている。また発電効率は、燃料が持つエネルギーをどのくらいの割合で電気的なエネルギー(電力量)に変換できるかを表す。
現時点では火力発電所のみが発電効率100%を切っており、燃料が持つエネルギーのすべてを電気的なエネルギーに変換できない。
出力について
自然エネルギーによる発電施設は、惑星のタイプやその他の状況によって出力が変化するが、電力需要には一切左右されない。そのため自然エネルギーのみで需要を賄いきれる場合は電力が余る。余剰電力のある時間帯と、電力不足が起こる時間帯があるのであればAccumulator(蓄電器)の設置を検討しよう。
燃料による発電施設の出力は、自然エネルギーによる発電施設の出力(とエネルギー交換器の放電出力の合計)を、電力需要から差し引いた残りによって決まる。
燃料発電1基あたりの実際の出力 = 最大出力 * Clamp({総電力需要 - (自然発電出力合計 + 交換器出力合計)} / 燃料発電最大出力合計, 0, 1)*5
さらに実際の出力というのは、燃料をエネルギーに変換する速度ということになるため、出力が落ちれば燃料の消費速度も低下することになる。
Wind turbine(風力タービン) 
最初期から使える発電施設。資源を使用せず、昼夜を問わず常に一定の発電が可能で信頼性が高い。
ただし、風力タービン同士は9マス離して設置する必要があるため、これだけを使用して大きな出力を得ようとする場合は広大な土地を必要とする。
下記の写真のように、タービン同士の隙間にソーラーパネルを敷き詰めてやると、面積当たりの発電効率を改善できる。
出力は低いがMining machine(採掘機)のような基本的な機械を動かすには数基あれば十分のため、未開の惑星を単なる鉱石採掘場とし、鉱石の輸出のみを行いたい場合*6や、確実な電力供給を行い続けたい部分に、既存の大きな電力網と接続しないように注意して設置するなどといった活用法がある。そのため、意外にも終盤まで活躍機会がある。
惑星のタイプによって風の強さが異なり、Wind energy ratio(風力発電効率)が異なる。この値は風力タービンの出力への補正倍率であり、例えば70%の場合は実際の出力は 300kW*70% = 210kW となる。これが0%となっている(=大気がない)惑星では何の役にも立たないため注意。
風力タービンの間にソーラーパネルを配置した例。風力タービンの間には2枚程度のソーラーパネルを設置可能。
Thermal power station(火力発電所) 
Thermal power(火力発電)の研究をすることでアンロックされる。Fuel type(燃料の種類)がChemical(化学)である燃料を用いて発電する。発電所の中では最も扱える燃料の種類が多い。
燃料の選択肢に乏しい序盤は採集してそのまま利用可能なCoal(石炭)やCrude oil(原油)を用いることになる*7。
燃料の加工の手間が少なく手軽に発電能力を伸ばせるという点では取り回しが良く、序盤~中盤の主力となる。ただしエネルギー効率が悪く(燃料が持つエネルギーのうち2割は失われる)、出力の割にスペースを取るため大規模な施設が増えるとこれだけでは追いつかなくなってくる。
少し変わった用途としては、製油所等のような複数の生産物を産出する施設のオーバーフロー対策として利用される。
一例として、製油所は精製油と水素を産出するが、基本的にどちらかが需要に対して過剰になるため、長時間放置しているとラインが詰まってしまう。
これを防止するために、余った産物を火力発電機で処分する対処法がある。
Solar panel(ソーラーパネル) 
太陽光を当てることで発電する施設。日中の出力は惑星ごとに固定で変動要素がない*8。日の出時には出力が徐々に上昇し、日没時には出力が徐々に減少する。夜には発電しない。
蓄電器と併用して夜間の出力を補うという方法もあるが、蓄電器の製造コストはソーラーパネルや風力タービンと比較して、かなり高い。風力タービンを使ったり、ソーラーパネル群を複数の経度に分けて設置して常にどこか一か所が発電できるようにする等のアプローチの方が安上がりになる場合が多い。
日中の出力は恒星からの距離、恒星の明るさによって惑星ごとに決まっているSolar energy ratio(ソーラー発電効率)に依存する。そのため、風力タービンとソーラーパネルのどちらが1日を通した発電量が多いかは惑星によって異なる。
風力タービンと違って隣接して設置可能なので、スペースを取らずに大量に設置できる。そのため夜に発電しないことを考慮しても、面積あたりの発電量は風力タービンよりも大きい場合が多い*9。
また、ソーラーパネルは風力タービンのすぐ隣に置くことが可能なので、風力タービンとの併用も可能。
発電時間を伸ばすため、なるべく長く日光に当てたうえでAccumulator(蓄電器)を併用する工夫が必要になる。
ただし、自転軸の傾きが標準的な惑星であれば、北極と南極のどちらに設置しても常時発電可能。これは太陽光が直接届かない夕暮れ時などでもわずかに発電を行うのと同様に、Polar night(極夜)側でも日光をある程度受けている判定になるためである(もちろんPolar day(白夜)側のほうが発電量は多い)*10。
いずれにしても、出力はそこまで多くないので消費施設が増えてくるとやや安定性に欠ける。他星系に進出すればTidal lockingの特性など有用な場合があるので、活躍機会はある。
電力の出力と安定性があまり必要のない採掘専門の惑星であれば中盤以降も活用していけるだろう。
リソース不要の発電なので、発電用の燃料を現地調達したり本拠地から送ったりする手間をかけずに済む。
Mini fusion power station(ミニ核融合発電所) 
Deuteron fuel rod(重水素燃料棒)を入れることで発電する上級の発電施設。
重水素燃料棒を作るには(重)水素・チタン・水・原油と必要な資源が広く、初期惑星にはチタン鉱脈がないため必然的に星間進出を果たさなくては運用できない。また、アンロック直後は原油加工で出た水素のぶんぐらいしか運用できないため主力にするには使い勝手が悪い。
核融合が主力になるのはMiniature particle collider(粒子加速器)・Interstellar Logistics Station(星間物流ステーション)・Orbit Collector(軌道収集機)が回り出してからであり、割と遅咲き。それまでは火力発電とSolar sail(ソーラーセイル)から得られる太陽光発電で賄おう。
重水素燃料棒と核融合発電をまとめて持ち込めば未開の惑星でも星間物流ステーションを充電して当分自活できるぐらいの電力が得られる。快適な開拓が可能になるため、最初の恒星系を飛び出して次の恒星系に向かう際には最低限実用化しておきたい。
Artificial star(人工恒星) 
Antimatter fuel rod(反物質燃料棒)を燃料とし、75.0MWもの莫大な電力を発生する最高位の発電施設。反物質燃料棒は7.50GJのエネルギーを持つため、これ1本で100秒間も発電可能。
事実上最後のテクノロジーで解放されるだけあって極めて高性能で、核融合をもってしても逼迫する終盤の電力需要を支えていくのに十分な発電量を持つ。これの運用が回り出せば拡大を阻むものは環境的制約以外ほぼ無くなるだろう。
燃料の生産にはダイソンスフィアが必要になる。燃料には有限資源も用いるため、使い勝手としてはダイソンスフィアによる発電のほうが上ということになる。またダイソンシェルを建設すれば、自ら破壊しない限りは一度得られた発電能力が減少するといったこともないため、人工恒星はバックアップ用途に使うわけでもない。新しい恒星系に進出した際にダイソンスフィア建設までの繋ぎとして利用するのが主になるだろうか。
送電施設 
名称 | 接続距離 | 配電範囲 | 待機電力 | 消費電力 | |
Tesla tower テスラタワー | 22m | 10m | 0W | - | |
Wireless power tower 無線送電塔 | 45m | 6m | 90.0kW | 4.80MW | |
Satellite substation 衛星変電所 | 53m | 26m | 360kW | - |
いわゆる電柱の類。離れた場所にある発電施設と電力消費施設を繋ぐ役割をする。これら同士で接続可能な距離はより長いほうに依存する。例えばテスラタワーと無線送電塔を接続する場合は45mまで可能。
給電範囲は土台の根本を中心とする球形である(円筒形ではない)*11。無線給電しているのか電線は不要であり、給電範囲内にある電力消費施設はすべて自動的に接続する。送電できる最大電力はいずれも無制限であり、1本のテスラタワーに何GWもの電力を流そうとも問題はない。
Tesla tower(テスラタワー) 
最初期から使える基本的な送電施設。
無線送電塔と比べると接続距離は短いが周囲への配電範囲はこちらのほうが広い。長距離の接続は無線タワー、近距離の接続、施設への配電はテスラタワーと使い分けるのがいい。
小さいため建物と建物の隙間にねじ込めることも多く、使い勝手が良い。
Wireless power tower(無線送電塔) 
接続距離が長く、特に海を隔てている場所など離れた施設同士を接続するのに適する。その反面給電範囲は狭いため直接の電力供給には適さない。テスラタワーと併用しよう。
また近くのプレイヤーにエネルギーを補充する機能を併せ持つ。ちなみに近くにいくつも建てることにより、その分だけプレイヤーに対して高速でエネルギー供給が可能である。ただし、この際の消費電力は4.80MWと高いため注意。
またテスラタワーと違い、待機時も消費電力が設定されているので多用はしないほうがよい。
Satellite substation(衛星変電所) 
接続距離及び給電範囲がゲーム中最高の、高性能な送電施設。その名の通り設置すると空高く舞い上がるが、地上の土台部分は残って3x3マスを占有する。テスラタワーを配置する隙間もないような区画があれば、これを全体がカバーできるように設置しよう。
稼働中の製錬所1個の消費電力と同じ360kWを待機電力として常に消費するが、これを実用化する頃には些細な問題だろう。
蓄電施設 
名称 | 最大入力 | 最大出力 | 容量 | |
Accumulator 蓄電器 | 600kW | 600kW | 90.0MJ |
必須ではないが、電力供給の安定性を向上させる施設。
蓄電施設が存在しない場合、発電量が消費量を上回った際の余剰電力は全て無駄になってしまう。しかし蓄電施設を電力網に接続していると、自動的に余剰電力を溜めておいて、逆に消費量が発電量を上回った際には放電を行い不足電力を補ってくれる。
Accumulator(蓄電器) 
基本的な蓄電池。空の状態から最短150秒*12で充電可能。最短で充電できる場合は
余剰電力 > 電力網に接続されている満充電ではない蓄電器の数 x 600kW
となる場合である。逆に満充電の状態から、最大出力で150秒間電力を供給可能である。言い換えれば、150秒間だけ600kWの出力を持つ発電機として見なすことが可能である。
ただしそのように動作するのは不足電力が電力網に存在する蓄電器1個あたり600kW以上の場合であり、不足が300kWであれば倍の300秒間機能する。
Accumulator(full)(蓄電器(満充電)) 
蓄電器をアイテムとしてCharge(充電)モードのEnergy exchanger(エネルギー交換器)に入れるか、建造物としての蓄電器を満充電にした状態で解体すると、この状態のアイテムが得られる。
これは主にDischarge(放電)モードのEnergy exchanger(エネルギー交換器)に入れて45.0MWの電力を得るのに使用される。また、Orbital Collector(軌道採集機)の作成材料でもある。
Cキーで開けるFuel chamber(燃焼室)に投入することで、自機の燃料補給に使用*13することもできる。
建造物として設置すると、そのまま満充電状態の蓄電器として設置される。
ちなみに満充電以外の状態の蓄電器を解体した場合は普通の(未充電状態の)蓄電器になるので、中途半端なエネルギーをアイテム化することはできない。
関連施設 
名称 | 最大入力 | 最大出力 | |
Energy exchanger エネルギー交換器 | 45.0MW | 45.0MW | |
Ray receiver 光線レシーバー | - | 5.00~12.5MW *14*15 |
建築の電力カテゴリにはないが、電力を取り扱う。解説は各ページへ。