文字通り「飛んで行く」こと。
飛行形態によって「飛翔」「滑空」「浮遊」といった呼び分けがされる。
- 大雑把に
- 「能動的に空を飛び、自由に上昇下降できる」のが『飛翔』(例:ハチ、鳥、コウモリ)
- 「能動的に空を飛び、ある程度行動を制御できるが降下しかできない」のが『滑空』(例:モモンガ、ムササビ)
- 「受動的になら空を飛べるが、その行動を制御する事は出来ない」のが『浮遊』(例:タンポポの種、風船)
目次
概要
- 飛竜種をはじめ、モンスターの中には羽や翼、滑空用の皮膜を持ち、それを用いて空を飛ぶ能力を持つ種が多数存在する。
旧作では飛行しながら襲い掛かってくるモンスターは非常に限られたが、
MH3以降からは低空飛行をしながらハンターに襲い掛かるモンスターも増えた。
現在では特に立派な翼を持つモンスターは、
大多数が空中から攻撃を仕掛けてくる場合があると考えていい状況となっている。
- 飛行を戦法として組み込んでいるモンスターは、多くの場合は低空飛行で襲ってくるため、
こちらから反撃、あるいは迎撃できないわけではない。
しかし、ハンターの何倍もある巨体が大きな翼を力強くはためかせながら近付いてくるため、
その周囲や着地時には風圧が発生して動きが制限される恐れがある。
また、頭や胴体が通常より高い位置にくるため、それらの場所に攻撃を叩き込む事が難しくなる。
さらに落とし穴などの地面に仕掛けるタイプの罠はそのまま飛び越えられてしまい、
なかなか効果を発揮しないという危険性もある。
基本的にモンスターが空中に居る事で、こちらが有利になる点は存在しないのである。
ただし、その巨体を空中で支え続けるのはいくら屈強な大型モンスターと言えど困難であるようで、
四六時中空中に陣取る事ができるモンスターはそうそう存在しない。
- 空中のモンスターに強力なダメージを与えたり、音爆弾や閃光玉で感覚器官を強く刺激したりすると、
バランスを崩して墜落する場合がある。
地響きを立てながら地面に叩き付けられるが、これに関してはダメージは発生しない。
ほら、ハンターだってどんだけ高い場所から飛び降りても平気でしょ?
ただし、それでも完全に衝撃を吸収することはできないのか(それが普通だが)、
一定時間はダウンした時と同じようにその場に倒れたままもがく。
この間にそれまで稼げなかったダメージを少しでも取り返そう。
ただし、モンスターによっては起き上がると同時に反撃してきたり、
間髪入れず再び空中に飛び上がったりする場合もあるので注意。- MHW:IではMRクエストの個体はほとんどが閃光撃墜でダウンしなくなった。
即座に立ち上がるだけならマシなものの、ターゲットを定めずに暴れ回るのが普通なので、
ダメージを大量に稼ぐのはあまり現実的ではなくなってしまった。
どうやら新大陸のモンスターは遂に衝撃を完全吸収する術を身につけたらしい。
- ちなみに峡谷には地面に大きな棘状の岩が生えている場合があるが、
この上で空中のモンスターを墜落させると大ダメージを与えることができる。
…が、誘導すること自体が難しい上に数も少ないので実際に活用できているプレイヤーはそうそういない。
あまつさえ、飛行能力が突出したベルキュロスは怯ませる程度では絶対に落ちてくれない。
- MHW:IではMRクエストの個体はほとんどが閃光撃墜でダウンしなくなった。
- 飛行ということでやはり飛竜種のイメージが強い部分があるが、飛竜種以外でも飛行できるモンスターはいる。
むしろ初期シリーズでは飛竜種であっても飛行しながら戦うモンスターはほとんどいなかった。
飛竜種以外では甲虫種のランゴスタやブナハブラ、鳥竜種のクルペッコやホロロホルルなどが代表的か。
また、古龍種にも高い飛行能力を備えたモンスターが数多く存在する。
空中からの攻撃を長時間仕掛けてくるクシャルダオラやアルバトリオンに始まり、
翼膜を完全に展開するだけで羽ばたきひとつせず滞空することが可能なシャガルマガラ、
そして生物でありながらジェット飛行が可能なバルファルクが代表的か。
- クシャルダオラのような四肢に翼という骨格で共通した古龍種のなかでも、
司銀龍ハルドメルグだけは翼の構造が他のモンスターと全く異なっている。
ハルドメルグの背には本来、5対10本の突起物状の部位しか存在しないが、これでもしっかり飛行できる。
その秘密は彼らの能力、操核という器官による流体金属の操作にあり、
ただの突起物のようにも見える骨格へ巨大な刃のように変形させた流体金属を纏わせ、
10本の「刃翼」で飛行するという、翼で飛行するタイプとしては非常に特殊なモンスターなのである。
- ゴア・マガラとその成体の古龍シャガルマガラは『翼脚』と呼ばれる第3の脚を使って自在に空を飛ぶ。
特にシャガルマガラの飛行能力は、前述の通り翼膜を完全に展開するだけで羽ばたくことなく滞空し、
飛竜種の中でも驚異的な飛行能力を持つセルレギオスの強襲をいとも容易くいなして見せる程に昇華されている。- なお、マガラ種と同じ骨格を持つゴグマジオスも同様に、翼脚を使って飛行を行う。
- ヤマツカミやアマツマガツチ、シャンティエンなどは、自身の能力を利用して「浮遊」している。
飛行とは若干ベクトルが異なるが、空中に居るという点に違いは無い。
ちなみに今上げた3種は同じ「浮遊」でもその原理は全く異なる。
ヤマツカミは体内にガスを溜めることでその巨体を風船のように浮かせ、
アマツマガツチは周囲の風の流れを操って自身を空中に据え置いており、
シャンティエンは風だけでなく「翔気」と呼ばれる圧縮された荷電性の空気の塊を
ジェットのような原理で全身から噴射し続けることで揚力を生み出している。- 大雷光虫も正確には「飛行」しているが、その飛び方は「浮遊」に近い。
なお、ジンオウガと共生関係にある超電雷光虫は高速での「飛行」を可能とする。
- 大雷光虫も正確には「飛行」しているが、その飛び方は「浮遊」に近い。
- MH4で新登場した中型甲虫種アルセルタスは単体でランゴスタ等と同様に自在に飛行するだけに飽きたらず、
自身の数倍はあろう大型の雌を持ち上げ、時にはそのまま高速で突進する
という体格からは想像も出来ない規格外な飛行能力を有している。- 同作で登場したケチャワチャは前足付近の皮膜を使い、
自在に中空での上昇・下降・方向転換などを可能としている。
エリア移動の様子からするに厳密には滑空に含まれる様だが、
飛行と形容しても違わぬ飛びっぷりである。
牙獣種ながらその滞空頻度は大抵の飛竜や鳥竜種よりも遥かに多い。
え?ラージャンも空中で向き変えて突っ込んで来るって?
- 同作で登場したケチャワチャは前足付近の皮膜を使い、
- MHXXに登場するバルファルクも、他のモンスターとは大きく異なる独特な飛行を行う。
後方に向けた翼の先端から「龍気」という龍属性エネルギーを噴出し、
なんとその反動を利用してジェット機の如く飛ぶ。
赤い龍気の尾を残しながら天空を駆けるその姿は長らく彗星と誤認され、
「天彗龍」という別名の所以となったという。
ちなみに、素材の説明文やゲーム中のムービーなどの様子からすると、
バルファルクの飛行速度は少なくとも超音速、一説によれば時速10,000km超での飛行すらも可能らしく、
恐らく現在確認されている全モンスターの中でもゲーム上の処理・演出や、外伝作品のモンスターを除けば
最速の飛行能力と考えられる。
これでいてホバリングや急制動といった高度な空中機動能力を持ち合わせており、
飛行能力に関して言えば全モンスターの中でも最高峰と断じて差支えは無いだろう。- 加えて全モンスターの中で最も高い高度まで飛翔できるモンスターも、
現状確認されている中ではバルファルク種がダントツと思われる。
中でも傀異克服を遂げた奇しき赫耀のバルファルクはキュリアから供給されたエネルギーの影響もあってか、
外敵との戦闘中にも通常以上に高い天空まで一瞬で飛翔する。 - エネルギーの噴射という点では、全身から噴くか一点からエンジンのように噴くかの違いはあるが、
上記のシャンティエンが少し近いモンスターになるだろう。
- 加えて全モンスターの中で最も高い高度まで飛翔できるモンスターも、
- 現在確認されている飛行能力を持つモンスターの中で最大の種は巨戟龍ゴグマジオスである。
全長4920.5cmという巨体が翼を広げ、力強く羽ばたきながら宙へと舞い上がる様は
特撮映画の怪獣も顔負けの迫力であり、初見であれば圧倒されること間違いなし。
- MHSTではライドアクションの1つに「飛行」が存在する。
その名の通り、モンスターの背に乗って、上空からフィールドを探索するというもの。
移動速度も速いためかなり重宝されるライドアクションだが、ある程度広さのあるマップでなければ使用できない。
また、特殊状況の1つに「飛行対決」なるものが存在する。
- MHST2では前作のものに加えて、リオレウスやパオウルムー、レイギエナなどの
一部の大型モンスターが戦闘中に特定の特技を使用して飛行状態に移行する。
飛行状態では行動パターンが変化するのに加え、設置した罠に引っかかることが無くなってしまう。
基本的には翼などの揚力に関係している部位を破壊するか、(怒っていなければ)閃光玉を使用するかで
飛行を解除しつつダウンを奪うことが可能となっている。
もちろん飛行されたまま戦い続けてもいいが、いずれの飛行使いのモンスターたちも
自発的に地上に降りる際には高威力の大技を使用するため、警戒しておきたい。
飛竜種の飛行能力の比較
- 飛行能力の高さはそのモンスターによって異なる。
試しに代表的な飛竜種のモンスターを比べてみよう。
ティガレックス
- 前脚が「翼」としてではなく「歩脚」として発達した飛竜。
一応飛膜はあるのだが、それを羽ばたかせて飛行するのは苦手としており、
遠距離まで移動する際には強靭な四肢で跳躍してから滑空に移行する。
その特性や構造の関係から飛行や滑空を戦法として取り入れることは出来ない。
翼を持つ飛竜の中では飛行能力が最も低い部類に入る。
グラビモス
- ティガレックスと違いちゃんとした翼になっており、見るだけなら飛べそうに見える。
実際飛行能力はあるが、自重が重過ぎて長距離及び高高度飛行は不可能。
エリア移動なども基本的に歩行で行うなど、必要最低限しか飛ばない。
しかもその影響なのか翼が退化しかけているらしい。
勿論こちらも飛行能力は低い部類である。
フルフル
- 翼を持つと同時に比較的小柄な飛竜。
エリア移動の際には遥か上空へ飛び上がり、そのまま高空を移動する。
但し高速飛行は不可能で、戦法として取り入れられる程では無い。
あくまで移動する為だけの飛行能力と言った所である。
バゼルギウス
- 非常に獰猛な上に爆発性の鱗を撒き散らして無関係な周囲さえ巻き込みながら獲物を狩るという
極めて危険な性質を持つ大型飛竜。
翼を大きく広げ、高空から獲物を探しつつ非常に広い範囲を移動する。
行動範囲の広さは特筆すべき点であるが、飛行速度はそれほど速くはなく、上下方向の急制動も苦手としており、
羽ばたきながらの飛行よりも滑空による移動が多いため、飛行が「得意」と言えるかは意外と微妙。
ただし、翼を動かさないために非常に静かに移動でき、
バゼルギウスにとっては獲物に接近を気付かれにくいという利点となっている。
また、場合によっては滞空したまま外敵と交戦したり、
敵の攻撃を回避するために一気に飛翔する事もあるので、総合的には「苦手」というほどでもないと思われる。
ベリオロス
- ティガレックスと同じく、前足を「歩脚」として用いる事を重視した進化を遂げた飛竜。
しかしながら本種は飛行能力も捨てず、その両立に成功した稀有なモンスターである。
速度はあまり出せないが、必要とあれば滑空によって速度を獲得し、奇襲などを仕掛ける。
リオレウスなどと比べると若干制御力に劣り、ブレスを発射するとその反動を殺しきれず後方に着陸するが、
極一部の個体はこれを前に落ちるような体勢で撃つ事で相殺、
そのまま滞空することを可能にしている他、3連射する事もできる。
リオレウス
- 「空の王者」の異名で知られる飛竜の代表格。
当初は飛竜種と言えど、飛行しながら襲ってくるのはリオレウスのみであった。
ハンターの攻撃が殆ど届かない高高度からの攻撃は非常に厄介だが、
肉体構造の問題か、自分の真下には攻撃出来ない弱点を持つ(特異個体のみ例外)。
MH3からは他のモンスターと同様に低空飛行戦法を獲得。
そればかりか滑空から身を翻して再び獲物を襲ったり、ブレスの反動を空中で殺して滞空を維持したりと、
他のモンスターとは一線を画すレベルでその戦法を使いこなす。
亜種や希少種となるとそのレベルは更に高まり、
以前とは違った意味で迂闊には手を出せない状況も多くなった。
セルレギオス
- リオレウスに匹敵する空中戦のプロ。
MH4Gのとあるムービーでは蒼火竜を相手に互角の空中戦を繰り広げ、多くのハンターを圧倒して見せた。
リオレウスと比べると瞬発力と制御力では同等かそれ以上であり、
弧を描くような軌道で周囲の敵を纏めて蹴り払う、背中に乗られたままでも空中で暴れる、
地上の敵を急襲した直後、すぐさま上空に飛び退いて二撃目を見舞うなどの行動を取る。
その代わり持久力は僅かばかりリオレウスに劣り、あちらほど長時間滞空を維持することは滅多に無い。
飛行能力のベクトルが異なるため、どちらの方が総合的に優れているかについては簡単に判断はできないが、
いずれにせよリオレウスに比肩する強敵であることは間違いない。
ライゼクス
- 独自的な進化の末にとりわけ強靭且つ攻撃的な翼を手に入れた飛竜。
翼を「武器」として扱う事に長け、特に地上戦では薙ぎ払ったり殴りかかるように振り回して敵を攻撃する。
かと言って飛行能力が低いかと言われれば断じてそんな事は無く、
むしろリオレウスを相手に互角以上の空中戦が可能。
ホバリングしながら身体を横に一回転させる、前のめりに近い体勢のまま高空から地面まで急降下する、
頭(冠殻)や尻尾を武器として振るい、滞空したまま地上の敵を攻撃するなど、
他の飛竜には見られない独特で激しい動きを見せる事もある。
《青電主》の二つ名を持つ個体ともなればその飛行能力にはさらに磨きがかかり、
空中で側転するように飛びながらブレスを放つという妙技を繰り出すことも可能になる。
なお、同じく空中戦を得意とするリオレウスやセルレギオスは脚を武器とする空中戦を得意としているが、
ライゼクスは彼らと比較して脚部の発達が芳しくないためか、脚を用いた技は一切使わない。
レイギエナ
- 新大陸の高地に広がる陸珊瑚の台地の環境に適応し、その地の"主"として君臨する飛竜。
他の飛竜種に比べて翼膜が非常に発達しており、葉のように骨から翼膜が広がった独特な形状の翼を持つ他、
頭部や尻尾にも翼膜を有する。
これは、”湧昇風”という台地特有の強風を最大限に利用するための進化であり、
翼膜を用いて的確に気流を捉えることで、
リオレウスのような急制動や長時間の滞空は勿論のこと、空中での宙返り、
更には錐揉み回転しながらの飛行突進といった、自由自在な空中機動を可能とする。
また陸珊瑚の台地を離れ、渡りの凍て地と呼ばれる寒冷地帯に飛来することもあるが、
湧昇風が吹かないこの地でも、特に問題なく飛行することが出来る。
以上のことから、飛行能力の高さは飛竜種の中で最も高い部類に入るが、
その反面地上戦は不得手である他、飛行能力の要である翼膜が傷付くと、
空中機動に支障を来すという弱点も存在する。
ベルキュロス
- 舞うような飛び方をする、翼から鞭の如き鉤爪が生えた特殊な骨格の飛竜。
平常時は基本的に常に飛行しているのが特徴で、怯ませても墜落せずに空中で耐えきるほどである。
反面、怒り状態では著名な必殺技である急降下放電キックとともに地上へ急襲する性質があり、
このあとは地に足をつけながら、攻撃の際には一時的に飛行したりという行動が多くなる。
なお、環境の変化によって変異した亜種であるドラギュロスは、地上での狩りを主としているが、
攻撃を繰り出す際は相変わらず一時的に浮上する気質が強い。
ゼルレウス
- リオレウスの新種であるゼルレウスは非常に高い飛行能力を持ち、
開幕登場時にはエリアを旋回した後、錐揉み回転しながら登場したり、
低空飛行しつつ顎で地面を抉りながらハンターへ突進したり、
低空で横回転しつつ周囲をなぎ払ったり、
飛び上がった急降下して強襲したりと非常に多彩な飛行能力を誇る。
- 特殊個体である極み耀くゼルレウスはさらに凄まじい飛行能力を持ち、
とある技の予備動作として、
光の塊と化し残光を曳きながら、エリア外の彼方を複雑な軌道で飛び回る。
バルファルクさえ超える軌道と速度で移動するその姿は明らかに生物の域を超えているといえる。