峡谷

Last-modified: 2023-09-16 (土) 17:08:51

タイトル

日本語

峡谷
急峻を恐れず競り勝て、待ち受けるは凱旋の門

英語

Valley of Triumph
Race down the ridge, and the city gates will open to honor you

中国語

霞谷
竞逐落城,再遇荣耀

ゲーム外情報

 Twitterの日本語公式アカウントにて、峡谷は「Skyの王国のダウンタウン、中心街のような場所です。人々は巨大な都市を山の上に建設し、舟を使って他の地と行き来していました。」「劇場を中心に、富裕層と貧困層、両方のコミュニティで形成された都市で、全ての人々が都市全体を駆け抜けるレースという娯楽に興じていました。」と言及されている。
 また生放送ではスケートリンクでスケート大会が行われていたことも明かされている。
 Yui氏のGDC講演資料や生放送などでの言及を総合すると、峡谷は「文明の頂点」「夕暮れの時間帯」「人生の中の心身ともに成長した成熟期」と結び付けられている。

先行版情報

 初期において領域名が「Peaks of Sunset」、サブタイトルが「Race to the City」となっていた。一時期においてサブタイトルが「Race down the ridge, the Glory awaits」となっている(領域名は同じ)。この後サブタイトルは現在のものになるが、領域名が「Mountain」だった時期がある。また日本語に訳された当初は領域名が「凱旋の峡谷」、サブタイトルが「急峻を恐れずに競り勝て、待ち受けるは栄光の門」となっていた。
 全体的に異なるが、天球儀エリアと空中レースが存在せず、天球儀エリア方面に滑走レース入口があった。レース自体も今とはシステムが異なり、8つの瞑想場所のうち左半分は赤、右半分は青になっており、瞑想することでチーム分けがなされ、完走するとその勝敗によって神殿前の大きな垂れ幕の色が変わった(正確にはその色の垂れ幕が生えてくる)。
光の代わりに蝶を集める時期があった。

星座

ejv0pg.jpg
3tdntp.jpg

峡谷の各エリア

交流広場

雲と岩のエリアを抜けると、交流広場に着く。
IMG_0266.jpg
SKY_20230916_112440_.jpg

最初の坂(仮名)

SKY_20230916_112517_.jpg

スケートリンク

SKY_20210216_223521_.jpg
 英語名は「Ice Rink」。
 凍った円形の池を中心としたエリア。中央には島があり、天球儀エリアと滑走レース前への道の2つの方向に橋が架けられている。滑走レース前の方向の橋は途中で崩れているが残骸は見当たらない。
 スケートリンクには氷が薄い部分があり、それを割ることで下に入ることができる。いくつかの小さなクラゲの群れと、光の翼、近くに装飾のない小船がある。
 暴風域は天球儀エリア方面に見える。
SKY_20230916_162638_.jpg
滑走レースが始まると正面に見えることからこれはおかしいのだが、Light Awaits版では天球儀方面に滑走レースがあった名残なのかもしれない。

滑走レース前(仮名)

 スケートリンクからこのエリアに通じる通路にはぼろぼろの赤い旗が垂れている。
SKY_20210216_225346_.jpg
 建物内部の旗は、左右ともに青色である。
SKY_20221014_152745_.jpg
 建物の出口の上には金色の像がある。
IMG_0272.jpg
他は赤いキャンドルがない以外ほぼ空中レース前と同じである。

滑走レース(仮名)

角笛のようなものを掲げる像がある。正面に暴風域が見える。
IMG_0270.jpg
青い旗がある。
SKY_20210216_225502_.jpg
橋のようなものがある。
SKY_20230916_163440_.jpg
崖の上に街のような建物群がある。
SKY_20230916_163513_.jpg
SKY_20230916_163535_.jpg
建物の間に橋のようなものがたくさんある。
SKY_20210216_230333_.jpg

天球儀(仮名)

SKY_20210216_224438_.jpg
SKY_20221014_171933_.jpg
 中央に大きな天球儀があるエリア。瞑想場所が二つあり、一つは入り口の壁上にある「天球儀の側(Citadel’s Arch)」、もう一つは天球儀内の高めの場所にある「都市の上層(Valley's Citadel)」である。
 エリア奥には2つに割れた山がそびえており、割れ目の中に空中レースのスタート地点の建物がある。周囲にこの山以上の高さの山は無い。
 鳥の群れの筋は建造物内を一度旋回してから次のエリアへ抜けていく。
 
ゲーム外情報
 パッチノートに「城塞都市エリア」と記載されたことがある。
 
考察
 この設定画との相似、また天球儀という名前から、この天球儀はSkyの王国の地図なのではないか、という説がある。真ん中の大きな回転盤は首都である暴風域を示し、王国の外に位置する孤島に対応する円盤が天球儀の外にあり、捨てられた地の円盤は神殿内にあると考えれば数は合う。あるいは捨てられた地の円盤が天球儀内にもあったとすると、書庫が中央の円盤内にあると考えれば数は合う。
なおこの「天球儀」は、渾天儀あるいはアーミラリ天球儀(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%BE%E5%A4%A9%E5%84%80 )と呼ばれるものに似ている。
 天球儀の前にはひっくり返ったツバメのような雪像がある。このためなんらかの儀式で鳥などの光の生物を犠牲にしたのではないか、光の搾取のため乱獲したのではないか、あるいはその前の円盤を孤島に見立て孤島の大精霊が追放されたことを表しているのではないかなどといわれている。ちなみに先行版のあるバージョンではここで生物クエストのひとつをすることが出来た。

空中レース前(仮名)

 入って右側が青、左側が赤の旗である。
SKY_20221014_153112_.jpg
 両脇の壁には石碑が合計8個ある。精霊の墓碑と同一の形で、金のペイントがされている。
0A5F0828-CFD4-413E-9648-081A9A78D60F.jpeg
42A3FDFC-5188-4563-8C89-990D66015158.jpeg
 レース開始の建物の出口上にある像のデザインは左右反転のようである。レースコースに向いて左側の像は、左上腕と左手首に輪をはめ、顔の左側を出すように仮面をつけている。右側の像は右上腕と右手首に輪をはめ、顔の右側を出すように仮面をつけている。
40C0D7F2-FD6C-46C3-B8A6-8D8D4C5B52FC.jpeg
6CC4A930-E1B2-4A76-9194-0B28B0C47031.jpeg
 
考察
 峡谷の大精霊たちが左右対称に近い造形であるため、大精霊を模した像であるという説と、峡谷の大精霊のように、対になり競い合うという峡谷のあり方を表しているのではないかという説がある。

空中レース(仮名)

赤い旗がある。
7C91B572-F28F-455A-AE22-E5ED5761DD83.jpeg
レース開始すぐの左右にはペイントが見られる。
E99695BB-9CE7-4A9A-BCB0-58475D603E27.jpeg
レース開始後。
437A57E8-A86F-46FB-BE6F-CC790C7DD438.jpeg
9A876D24-9662-4244-B31A-CCA8DDEA954F.jpeg

レースの合流地点(仮名)

両レースの合流地点となる共通のエリア。
下の画像では合流地点を下から見上げている。この画像では左側が滑走レース、右側が空中レースからの合流となる。
SKY_20230916_163758_.jpg
SKY_20230916_163854_.jpg
SKY_20230916_163934_.jpg
 
考察

レースの終着点

 英語名は「Race End」。
「円形劇場(Coliseum)」と呼ばれることもある。
レース終了直前にここで光を集めるイベントが発生する。
SKY_20230916_164025_.jpg
レースを終えるとここで光のかけらをもらう。
SKY_20210216_230845_.jpg
SKY_20210216_230912_.jpg
SKY_20210216_230946_.jpg
SKY_20210216_231004_.jpg
SKY_20210216_231013_.jpg
 小さい壺のようなものに火をつけると花火が打ち出される。
 大精霊のムービーでは似たような建物が見られる。ムービー内では祭壇があるが、これはこのムービーが作られた当時(先行版時代)に神殿内エリアがなく、このエリアに祭壇があった頃の名残と思われる。空の色は、神殿に向かって右側が青、左側が赤である。
ムービーの一部。2枚目は神殿側から円形劇場の入口の方を向いているため、右側が赤、左側が青になっている。
CA215BBB-A528-463F-9E4F-048B3DDA95AA.jpeg
IMG_0298.jpg
夢かなう季節では、この建造物が「円形劇場(英語ではColiseum)」と呼ばれた。
レースコースから見て右手前と左奥に損傷が見られる。
SKY_20220629_181644_.jpg
ゲーム外情報
公式ツイートやパッチノートでも何度かこの建造物が「円形劇場」と呼ばれている。
 
考察
 造形がコロッセオ(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%AA )によく似ている。コロッセオには凱旋門(フランスのものが有名だがもともとはローマのものである)(英語でarch of triumph)が隣接しており、領域名、またサブタイトルとの相似から峡谷のモデルのひとつには円熟(あるいは爛熟)した文明の例であるローマが含まれていると思われる。日本語で「円形劇場」となっているのは、コロッセオが「アンフィテアトルム(様々な見世物を行う施設(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%A0 ))(日本語で円形劇場)」と呼ばれていたことに起因するのではないかという説がある。剣闘士のイメージが強い「コロッセオ」または「コロシアム」「闘技場」という語より、競技やサーカスなど幅広い見世物が行われるニュアンスを持つ「円形劇場」が選ばれたのかもしれない。またローマ劇場(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%8A%87%E5%A0%B4 )との類似を指摘する見方もある。アンフィテアトルムとローマ劇場は似たものであるが演目が違い、アンフィテアトルムでは主に闘技やスポーツに関連したイベントが、ローマ劇場では演劇が行われていたとされており、峡谷円形劇場では両方が行われていたらしいことを考えると、両方の役割を兼ねた施設だったのではないかという説がある。
 赤と青の観戦スペースの設備は同等であるように思われる。
 預言者の季節より、風の知恵が埋め込まれた円形劇場が浮いているような壁画があったが、夢見の町から見上げると実際には浮いていないように思われる(峡谷全体では浮遊技術は多用されている)。
 上記の損傷から、何らかの攻撃があったのではないかという説がある。
 どちら側からの攻撃かはわからないが、光の生物が体当たりしたのではないか、という見方がある。
旧バックストーリー案などにみられるように、この領域は王率いる精霊達がダークストーンの力を使い、ダークストーンの使用をよしとしない生物の攻撃に抵抗し勝利した時代を表しているという設定があった時期があり、この設定が何らかの形で残っていて、ここで示されているのではないかという説もある。

夢見の町

交流広場・レースの終着点から入れるエリア。(→夢かなう季節)

隠者の峠

夢見の町から入れるエリア。(夢かなう季節)

夢見の劇場

夢見の町から入れるエリア。(→夢見の劇場)

神殿内(仮名)

SKY_20210216_231239_.jpg
 神殿内倉庫についてはこちら
 神殿内では峡谷の大精霊のムービーを見ることができる。
 大精霊像の周りの赤いキャンドルの並び
SKY_20210216_231436_.jpg
考察
 神殿の扉(レースの終着点から神殿内に行く時にもある)に描かれた模様は、風の試練の最後の島を表しているようにも天空へ向かう際に通る建造物のようにも見える。

神殿後(仮名)

 大精霊像の前で瞑想した後に開く扉の先から交流広場まで。
 神殿を出てすぐはオレンジ色の風景が広がる。
SKY_20230916_170609_.jpg
 雲の穴を下ると、景色が緑色に変わる。なおここでは巨大な魚のような生物が雲の中から現れる。この生物は鳴き声を発しつつ何回かジャンプしながら渦の方へ向かう(メタ的な理由からか動きはループしているようである)
IMG_0319.jpg
 捨てられた地の交流広場より峡谷神殿側には、塔のような建造物がいくつか立っている。この建造物の頭部の金色の四芒星の近くには赤い旗がついている。
51CE6173-D709-4B0F-8A06-5DAC0DCAED27.jpeg
 捨てられた地の交流広場から蟹の沼地エリアに続く渦を見下ろす付近には、旗が2枚あり、そのうちの1枚はランタンで照らすとくすんだ青のように見える。
SKY_20210109_173636_.jpg

峡谷全体についての考察

 レース、(くるりと舞う優勝者がトリプルアクセルをしていることからおそらく)フィギュアスケート、大精霊のしているスポーツ、逆立ちする怖いもの知らず精霊達の競走など、峡谷では様々なスポーツが行われていたようである。
 これは推測でしかないが、文明の成熟期というものは娯楽が発達するものであるから、スピードスケートやスノーボードなどほかのスノースポーツ、氷がなくても行えるスポーツ、またツイートにてコロッセオのような建物を劇場と形容していること、表現者たちの季節では夢見の劇場やエレキギターのような楽器、ペアダンスも登場したことなどから演劇や音楽、ダンスなども流行したかもしれない。また、前述のエレキギターのような高度なダイヤ技術の使われている楽器を(おそらく)一般の精霊が持っていることなどから技術も相当発展していたことが見て取れる。
 峡谷は氷や雪に埋もれた領域であるが、以前はそうでなかったという説もある。例えば滑走レースコースは何かが雪に埋もれているようであり、それが本来のレースコースなのかもしれない。またこれに関連して「レース」も星の子が現在行っているような滑走レースや空中レース(そもそも精霊は自力で飛べないはずである)ではなく、船や生物などに乗って雲の上を飛んだり急流下りをしたりするものであったかもしれないという説がある。

峡谷はいつ冷えたのか

 峡谷には雪が積もっていたり氷が張っていたりと、かなり寒そうな地形であることが分かる。フィギュアスケートの大会も開かれていたようであるから、精霊の時代にはスケートリンクは出来ていたことになる。では気温が低いのは元からなのか、後から低くなったのかは諸説ある。

  • 元々気温が低かった
    峡谷は雲の上にあり、かなり標高が高い領域であると見られている。そのため気温も低く、元から雪が積もっていたり氷が張っていたりしたのではないか、あるいはたまたま切り取られた時期が冬であるだけで、原因は精霊ではないのではないかという説がある。
  • 精霊の行いのために後から低くなった
    峡谷は斜陽期であり、光を使いすぎて地表から熱が失われつつあったのではないか、あるいは太陽の活動が活発ではなくなり小氷期(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B0%B7%E6%9C%9F )のようになっていたのではないかという説がある。あるいはメガバードが太陽のような存在であるならメガバードに還る光がなくなればメガバードの熱も衰えるかもしれない。イギリスでは小氷期にテムズ川が凍り市民がスケートに興じたが、峡谷の精霊達は気温の低下を軽視して娯楽に興じていたのではないかという説もある。

峡谷は負の時代/領域か

 捨てられた地という明らかに闇の濃い領域の手前にあり、全ての領域の中で1番栄えていたらしいことが見て取れることもあり、その繁栄の影になにかがあったのではないかという考察がある。

  • 負の時代/領域であるという説
    峡谷にはコロッセオがあるが、ローマ帝国のコロッセオは奴隷による闘技が行われていた場所である。上層を通り抜ける空中レースと下層を滑る滑走レース、また両者の旗の色の違いなどから、コンセプトアートにもあるように貧富の差が出来ており、それに付随して奴隷制度が生まれていたのではないかという説がある。また精霊には奴隷制度がない代わりに生物を奴隷のように扱っていたのではないか(AURORAコンサートではマンタを捕らえようとするシーンもある)、あるいは峡谷の繁栄は雨林や捨てられた地を犠牲にして(光を徴収するなどして)成立していたのではないかと言う説もある。また、捨てられた地の戦士達と同じような仮面を被っている精霊がおり、捨てられた地と戦争した(そして勝利し、捨てられた地を犠牲にして繁栄した)のではないかという説もある。
  • 負の時代/領域ではないという説
    公式ツイートにもあるように、この頃は富裕層も貧困層も全ての人々が娯楽に興じていたとされる。また大精霊の持ち物もスポーツバットであり、武器ではないと明言されている。峡谷時代は斜陽期ではあるが、少なくとも捨てられた地の戦争が起きる前は精霊達は平和を謳歌していたのではないか。