【ゲマ】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 04:59:19

概要

初出はDQ5の中ボス。にもかかわらず、その外道きわまる所業(後述)により、ラスボス級の存在感を誇る稀有な存在。
同作のラスボス【ミルドラース】の影が薄いのはゲマのせいでないかとさえ言われている。
DQ5の記憶は「結婚、ゲマ、ブオーン」という人も多いのではないか。
 
【量産型】【ネクロマンサー】がおり、DQ5(SFC版)では完全に同色なので本当に量産品に見える。
モンスターズ等では幽鬼と化した邪悪な大魔道士という設定で【ゾンビ系】扱い(DQMJ3P除く)で登場する。
 
胴体部分の扱いは作品によって異なる。PS2版DQ5やライバルズの3Dモデルでは胴体部分に厚みがあり、服の中に身体があるようにも見えるが、スキャンバトラーズでは服の中が空洞になっていることが確認できる。
ジョーカー2プロ~ジョーカー3プロのモンスターズシリーズでは胴体部分に厚みがなく、完全に頭と腕だけのモデルになっている。
 
なお意外にも2文字のモンスター名はこいつがシリーズ初。
現在では他に【セト】(DQ7)、【バル】【ベル】【ボル】【ブル】 (DQ8)、【ロウ】(DQ11)、【ピモ】 (キャラバンハート)、【チウ】(ダイ大、ジョーカー3プロ)がいる。
 
DQ10オンラインの【デスマスの礼服セット】(デスマスター専用装備)は彼の衣装にアレンジを加えたデザインとなっている。
 
【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】に原画が掲載されているモンスターの一体。
 
PS2版DQ5の公式ガイドブック下巻には、『要注意モンスター』と称して、所謂中ボスモンスターを紹介したページがあるのだが、何故かソコにゲマの名前はない。上司や部下たち?(ジャミ、ゴンズ、ラマダ、イブール)は載っているというのに…ついでに巻末の五十音順モンスターインデックスでも、「グロンデブス」の次が「ケムケムベス」で、「ゲマ」の名は見事に抜け落ちている、つまり同書内にて扱ってるページが無い

DQ5

主人公との因縁が生じたのは幼年時代の【古代の遺跡】
【光の教団】の幹部として、売られた奴隷を引き取りにきたりする使い魔のような初登場をする。
 
捕らわれたヘンリーを救い出し、主人公の父【パパス】を殿に遺跡から脱出しようとする主人公の前に立ち塞がり、圧倒的な実力で追い詰める。
遅れて駆けつけたパパスに部下である【ジャミ】【ゴンズ】を嗾けるが、パパスは一度はそれを圧倒。
そこで自分に敗れた主人公を人質にとり、無抵抗になったパパスを子どもの目の前で立ち上がった部下に徹底的に痛めつけさせ、なおも立ち上がりもはやこれまでと息子に後を託さんとするパパスを目の前で焼き殺す
子を思う親の心を逆手に取ってパパスを殺害するという卑劣にして残虐、冷酷非道ぶりを見せつけ、プレイヤーたちの心に深いトラウマを植え付けた。
その後、【天空城】復活の鍵となる【ゴールドオーブ】を破壊し、主人公と【ヘンリー】を奴隷として神殿建設現場に送り込んだ。

SFC版

SFC版では幼年時代が終わると、物語終盤まで主人公たちとは接点がなく出番なし。その間、どんな働きをしていたのかを窺い知ることはできない。
青年時代後半では【ボブルの塔】の地下において主人公と因縁の再会を果たし【りゅうのみぎめ】を賭けて戦闘することになる。

ほっほっほっほっ。ここで 待っていれば来ると思っていました。
私のことをおぼえて いますか?
ほっほっほっほっ。そんなことは どちらでもいいでしょう。
ともかく あの時○○を 殺さなかったのは私の 大きなミスでした。
しかし 同じミスは2度とは しません。
あの時 私が焼き殺し 灰にしてあげた〇〇の 父のように
お前たちも ここで楽にして あげましょう。ほっほっほっほっ。

この戦闘で敗れた彼は【教祖さまばんざい!】という最期の言葉を残し、果てたのだった。

こ この私が 負けるとは……。教祖さま ばんざい!ほっほっほっほっ。ぐふっ!

SFC時代のドットだと暗色の顔周辺がよくわからず、長い顎の先にオレンジ色の部位があったり、上司のイブールがワニ顔だったので、顎のオレンジ部分が口、本来の口が鼻に見えて「頭部が紺色のワニの獣人」と誤認されやすかったりもした。

リメイク版

「幼年時代ではパパスを殺し、青年時代後半ではりゅうのみぎめを賭けて戦う」という基本的な立ち回りは変わっていないが、ストーリーが若干見直され、こいつの出番が大きく増した。

  • パパスがゲマを認識している描写が追加
  • パパスをリンチするシーンがリアルになる(PS2版のみ。「やり過ぎだ」との声が上がったのか、あるいはハード上の制約からかDS版では元通りになった)
  • パパスにトドメを刺す描写が、炎ブレスから【メラゾーマ】(と思われる火球)に変更
  • 移動手段がルーラからワープの様な呪文に変更(SFC版では「天井を突き破るルーラ」になっていた為、あるいは今作のルーラは失われた古代呪文という設定だからか)
  • 【デモンズタワー】にて主人公夫婦を【石化】させる(SFC版ではジャミの役割)
  • ボブルの塔で倒しても消滅せず、【エビルマウンテン】で最終決戦を迎える
  • 【イブール】にトドメを刺す
  • 【マーサ】をメラゾーマ(と思われる火球)で攻撃する

特に大きいのが、主人公夫婦の石化とボブルの塔以降の展開。
SFCでは主人公の石化はジャミが行ったが、リメイクではジャミが死に際にゲマを呼び寄せ、そのまま呪術をかけて石化させた。
これによりゲマへの遺恨が倍増しただけでなく、幼年時代・青年時代前半・青年時代後半の全てにこいつが登場することになり、存在感がアップした。
またSFC版ではボブルの塔で果てたが、リメイクではイブールではなくミルドラースに忠誠を誓っているのでボブルの塔では死ぬまで戦う様なマネはせず…

……そうですか……。ここまで チカラをつけているわけですね……。
おや?なにを おどろいているのです。この程度で私が 本当に ほろびるとでも? 
ほっほっほっほっ……。こんな所でチカラつきるまでたたかうほど バカではありません。
どちらにせよ あの時……パパスを 灰にした時に 〇〇を殺さなかったのは 私のミスでした。
この私が たたかっても息の根を止めることが できぬほどチカラをつけるとは じつに感心です。
どうやら とり急ぎ ミルドラースさまに ご報告しなくてはいけません。
私も 少し 休ませてもらいましょう。くっ…… ほっほっほっほっ……。

SFC版での最期を知っているプレイヤーをあざ笑うような、ある意味メタ的な台詞を吐いて去って行く。
だが戦闘前の台詞も「ともかく今ここでお前たちのチカラを確かめさせてもらいますよ」というものに変わっているので、ここで死力は尽くさないだろうと予想することはできる。
きちんとセリフを見ていないと面食らうだろう。
 
大神殿では、主人公に敗北し余計なことをしようとした上司のイブールを嘲笑い躊躇なくトドメを刺す。
そして物語のクライマックスで魔界エビルマウンテンにおいて、ミルドラースを止めようと祈りをささげていた主人公の母マーサに瀕死の重傷を負わせる。
そこで決着をつけることになるのだが、怒りを爆発させた主人公一行の前にゲマはついに倒れた。

ぐっぐはあ…! あ 熱いぃ~っ! なんですかこの光は~っ!?
こっ この私が こんな光に焼かれるなどと…そんな そんな ことが あっては…
げぐぁ~っ!!

かつてパパスを散々いたぶった末、灰も残らないほどに焼き払ったゲマ。そんなこいつが敗れた直後に天から射した謎の光によって焼かれて苦しんで死んだのは、まさしく因果応報と言えよう。
暴れた代わりに散り際は無様なもので、安らかに殉教していたSFC版とは違って相応の報いを感じさせる最期だった。今度こそパパスの無念を晴らすこともできただろうか。
直後にマーサもミルドラースの攻撃で力尽きてしまうものの、マーサの魂を迎えにパパスの魂が降臨。
このとき、主人公は両親から最後のメッセージを受けとるのだった。
 
全体として出番も残虐度も大幅にアップし、既に十分存在感があったSFC版よりも大幅にテコ入れされている。
しかし、その弊害でますますミルドラースとイブールの影が薄くなってしまった訳だが…。
ちなみにリメイクにおいて「クリア前に撃破必須のボス戦が追加される」というのは非常に珍しい。
SFC版で既に十分印象が高かった影響か、リメイク版では自分の上司だったイブールに対し実質的な下剋上を果たしており、その後の外伝作品でもミルドラースの代表的な部下として登場するなど、DQ3でいう「バラモスポジション」を完全に勝ちとったと言える。
歴代の中ボスは特定の場所に腰をすえて活動することが多いのだが、彼はどちらかというと前作の【ピサロ】のように各地を飛び回るタイプのようである。

評価

DQ5の主人公「一族」を約20年に渡り苦しめた敵であり、敵(カタキ)役としてはシリーズでも有数の因縁深さを誇る。
幼少期には主人公の目の前で部下二人と共に父をなぶり殺しにして主人公らを奴隷とし、リメイク版では家庭を得てようやく幸せを掴んだ主人公と彼の最愛の妻を石像に変えて家族を引き裂いた挙句、その後にやっと再会できた主人公の母親にも致命傷を負わせるという暴れぶり。
なおリメイク版ではさらにミスを犯したイブールまで殺害し、残虐性が強調されている。
国盗りを企てたジャミ・武器を持ってパパスをいたぶったゴンズも大概だが、こいつはそんな部下二人を遥かに凌駕すると言っていい。
名前の由来は「外道な魔族だからゲマ」なんじゃないだろうかこいつ……。
 
常に丁寧な言葉遣いで話すが、その本性は人の絶望を何より好むゲスの極み。
丁寧な言葉遣いはかえってゲマの悪辣さを引き立たせ、中でも【子を想う親の気持ちは いつ見てもいいものですね。】という台詞は印象的。
親子の絆というものを「理解できませんね」と真っ向から否定するのではなく、むしろ「それを理解した上で思いきり踏みにじっている」からだ。
言葉遣いが丁寧という点ではDQ9の【ゲルニック将軍】やDQ11の【フールフール】とも共通するが、3者ともその丁寧さが卑劣さや残虐さを際立たせる。
もしこれが粗野な口調だったら、同じ悪逆非道でも印象は大きく変わっていただろう。
 
また、パパスとの戦いで主人公を人質にした際も
「息子の命が惜しければ武器を捨てなさい」ではなく
「息子の命が惜しくなければ存分に戦いなさい」
という間接的な言い方で彼に「武器を捨てるしかない」と自発的に悟らせているあたり、その狡猾さが滲み出ている。
たとえ敵の意に沿った行動をとることで絶望的な状況になるとわかっていても、そうするより他にないと悟らされたときの屈辱や絶望感は、単に命令されただけのときとは比べ物にならないのだ。
 
「主人公の大神殿脱出」という想定外の事態が引き金で最終的に敗れており、SFC版では出番が多いわけでもなかったが、それでも悪役としてとても印象に残るキャラであった(ラスボスが霞むほどに)。
何の道具なのか知らないゴールドオーブを念の為に破壊しておく等の周到さを持っており、また「幼年時代の主人公にトドメを刺さず奴隷にしたのは自分のミス」と考えるなど自分に厳しいという点も悪役としてポイントが高かった。
 
ちなみに「ラスボスの影を薄くした中ボス」自体は、主にDQ6の【ムドー】、DQ8の【ドルマゲス】【神鳥レティス】等、他にも色々といるが、彼らの場合は戦闘での強さによる部分が大きい。
それにドルマゲスはゲマ同様に因縁の相手でこそあるが、リメイク前ならともかく3DS版ではその過去が明かされたことで「同情を禁じ得ない部分」もでき(所業自体は決して許せるものではないが、ストーリーを進めるとその行動のほとんどは単にラスボスに操られていただけであったことが判明する)、後者に至ってはそもそも何の因縁もない。何ならラスボス討伐の手助けもしてくれる。
対してゲマの存在感は、戦闘よりもストーリーによるものである。【負けバトル】【やけつくいき】など、戦闘でも印象に残る部分はあるが。
"戦闘以外で"「ラスボス(と上司)の影を薄くする程の存在感」を持ち、リメイクがなされてもなお「一切の同情の余地なしの仇敵」というのはゲマだけなのだ。

リメイク版における致命的な失態の数々

一方のリメイク版では出番が大幅に増えたが、追加されたゲマの行動の全てにおいて詰めが甘く、大量の失態を引き起こした。
それぞれの失態の影響の大きさ、数の多さから、あっという間に「ゲマはポンコツ」という評判が広がり、今では悪辣さとともに無能さが際立つ存在としても語られている。
いったいゲマが何をやらかしたのか、以下に記す。

  • デモンズタワーで主人公・妻を石にするがそれで放置
    ゲマにとって最大にして致命的なミスで、リメイク版で生じた矛盾の代表格としてプレイヤーからも多くの指摘がある。
    SFC版では、ジャミが「死に際の最期の力」で主人公と妻を石化させ、直後にジャミは息絶えるため、その後放置せざるを得なかったのも仕方ないことだった。
    しかしリメイク版では、ジャミがゲマの名を呼び消滅した後、その呼び声に応じたのかゲマが現れ主人公たちを石化させる。
    無傷のゲマが石化させたなら、復活しないように石像を砕いておく、仮に砕けなかったとしても教団で保管する、夫婦の偽物をグランバニアに送りこんで勇者を抹殺する等、他に有効な策も取れたはずなのだが、SFC版とは状況が全く異なるにも関わらずその場に放置していた。
    ここでゲマ直属の部下であるジャミがやられるということは、主人公たちもそれなりに実力をつけてきているということである。もし想定外の事態が起こって石化が解けてしまった場合、そのまま主人公側がさらに実力を上げ続け、ゲマ自身が負ける可能性もあることは十分に予測可能である。しかも、「想定外の事態が起こりうること」はゲマも理解しているべき(数年前に「主人公が大神殿を脱出する」という「想定外」をゲマも既に経験している)はずなのに、ただ放置するというのはあまりにも詰めが甘すぎると言わざるを得ない。
    ちなみに、後に妻の石像だけは教団が押さえたが、それはイブールが改めて別ルートで入手し保管していたので、完全に尻拭いをしてもらっていることが分かる。ゲマが持ち帰っていれば余計な手間は掛からなかったのだ。
    主人公の石像も持ってきて両方大神殿で保管していれば、子供達とサンチョのみでは天空城の再浮上もできず、必然的にマスタードラゴンも復活できなくなったので彼らが大神殿まで辿り着くことは事実上不可能になっていたのは明らか。
    ましてや、石化させたときの発言ではどうやらやろうと思えば砕くことはできたらしい(実際にできたかどうかは不明)。
    ならばなぜそうしなかったのかというと、自分の悪趣味(殺すのはつまらない。石化させた状態で世界の終わりを見届け、絶望させ続けたい)が動機だから。
    ……それならばなおのこと、世界を見渡すに最も相応しい場所である大神殿まで石像を運んだ上で、教団に歯向かった者の末路としての見せしめにしつつ世界の終焉を見届けさせた方が良かったのではないのか。
    動機が甘い上に、行動も杜撰。これではもうどうしようもない。これにより、またも主人公を追い詰めた上で殺さなかった形になった。
    なお、死に際の断末魔で繰り出したジャミと違って普通の持ち技のひとつのように繰り出した石化の魔術は、その後何度も出番があるはずなのに何故か二度と使わない。別に主人公側が石化を打ち破る手段を手に入れたわけでもなく、むしろSFC版と違ってストロスの杖は壊れるので、もう一度勇者もろとも石化すればジ・エンドのはずなのだが…。
  • グランバニアの出生記録調査をすっぽかす
    なお、主人公を石化させた際、伝説の勇者の赤ん坊が既に誕生していたことは知らなかった模様。まぁ、グランバニア襲撃の黒幕であるジャミも知らなかったのだからそのときは無理はない。
    ……だが、石化させた後すぐに調べればわかることであり伝説の勇者を葬ることも簡単だったろうに、石化させたから大丈夫と高を括っていたのが甘かった。
    ちょっと調べて勇者が生まれていたことがわかっていれば、赤ん坊のうちに始末することもできたはず。天空の剣の力が城に魔物を寄せ付けなかったとしてもそれなりに実力を持つ自らが城に出向くという手もあったはずであり、あるいはサンチョと共に旅に出ている道中で襲撃して勇者のレベルが低いうちにまとめて始末することもできただろう。
    なのに、こんな簡単なことすら調べなかった。デモンズタワーの件に続いて、あまりにも痛すぎる連続ミス。
    【光の教団】の項でも指摘されているが、この組織は情報収集を軽視し過ぎである。
    これほどまでに杜撰な仕事ぶりでは、初歩的なミスや重大な失態ばかり犯すのも自明の理である。
  • ボブルの塔でゴンズを放置して逃走(ゴンズを後回しにした場合のみ)
    リメイク版ではSFC版とは違いここで戦死せずに退却する。
    主人公たちがここまで強くなっていることは想定外だったようで、「自分では主人公たちに対処できない」と悟ったゲマは、すぐに【ミルドラース】に報告するために逃げ帰るのだ。
    余裕ぶって「こんなところで力尽きるまで戦うほどバカではない」と言ってはいるが、「これ以上戦ったら自分は力尽きる」と自白しているようなもの。
    表面上の余裕とは裏腹に実は瀕死になって命からがらだったのかも知れない。
    デモンズタワーでの決定的好機で主人公を放置しなければ、こんな「想定外」も起こらなかったのに。
    ここに至るまで、いつまでも目的を完遂しようとせず、自分勝手に状況を放置した挙げ句、後になって自分では手に負えない状況になってしまうなど、リアル世界の社会人の仕事においても壊滅的な無能ムーブであり、組織人としても致命的である。
    なお、SFC版と違ってこのときはなぜか【やけつくいき】も使わない。これは本気を出していない設定だからではないかとも取ることができる。
     
    SFC版と同じくゴンズを後回しにすることが可能で、その場合は部下の手に負えない相手がいることを分かった上で見殺しにして逃げていることになる。上司が部下を見捨てたり捨て駒にすることはよくあることだが、大抵は部下にも責任があったり上司の時間稼ぎに使われたり、罰か囮の意味があるのがほとんど。
    離れた場所にいる上に特にミスがなかったゴンズが置いてけぼりにされた理由は謎である。せめて退却命令ぐらいしてあげれば倒されずに済んだものを……。
    主人公が想定外に強くなりマスタードラゴンが復活してしまうのは仕方ないにしても、どうせ逃げ帰るならゴンズと共に逃げ、後で2匹同時に主人公たちを襲った方が勝率も上がっただろう。
  • 大神殿で見せる慢心と職務放棄
    すでに倒されていたSFC版とは異なり、このときは元気に生きていたにもかかわらず、地上の本拠地である大神殿での攻防には参戦どころか一切関与せず放置、あげくの果てに最後に顔を出してイブールを抹殺して去るという謎すぎる行動をとる。
    ここでのセリフでも、ぬか喜びさせた後でより大きな絶望感を与えようとしていることが分かるが、ゲマはボブルの塔の時点で主人公に負けている。後で戦うゲマがさほど強化されるわけでもなく、既にゲマごときが戦闘において主人公に絶望を与えることなど、実力的に無理なのだ。
    その状況でも自身の愉悦にこだわるとは……愉悦を優先する状況ではないことは明確なはずなのに、自分の実力が既に主人公たちの格下になってしまっていることに気付いておらず、状況を甘く見過ぎている。油断だらけ隙だらけとしか言いようがない。
    そしてその慢心は間も無く、自身へ牙を剥くことになる。
    ミルドラースの予言では「光の教団が滅ぶ」となっていたことから、予言通りにするためにあえて加勢しなかった可能性もある…が、そもそもイブールとゲマが共に戦った方が主人公たちに勝てる確率は上がっただろうし、光の教団が滅ぶ予言を実現したいにしても主人公たちを抹殺した後でイブールを裏切り殺せば良いだけの話であり、仕事の優先順位も完全に間違っている。
    なお、リメイク版でも(正気に戻った奴隷の台詞から)「イブールが妻の石像に強い呪いをかけた」という設定は残っているため、彼を殺してしまったことで妻の石化が解け、それを放置するというミスも犯している。イブールが戦っている間に石像を破壊するか、あるいは石化が解けた直後主人公たちが戻ってくる前に始末しておくだけで済む話なのだ。しかも妻は長期離脱の影響で戦闘の実力も大幅に低い状態であるため、主人公たちよりも簡単に抹殺できるはずである。
    一応勇者たる子供はすでに生まれてしまったので、勇者の母親は予言上はもう重要なポジションにはないかもしれない。とはいえ主人公一族はミルドラース側から見て目の上のタンコブ、抹殺しておけば士気の大幅な低下も狙えただろう。

 
上記の様な詰めが甘いどころではない大ポカが目立ち、それがいずれも組織にとって致命的なミスの原因となっている。
ついでに、ゲマ本人の直接的なミスとは言えないが光の教団が「預言の勇者の目を摘むために高貴な子供を誘拐していた」という後付け設定がついたにもかかわらず、目ぼしい存在であるはずの大富豪の娘である【フローラ】(と【デボラ】)を放置していたというお粗末な話もついてきている。
この問題は、ゲマ本人というよりも光の教団の体質そのものの問題が大きいため、詳しくはそちらを参照。
 
そしてそんなゲマおよび光の教団の悪行は、上司のミルドラースには別にどうでもよかったと言われてしまう。
このような行動に理由があるとすれば、ゲマはあえて最善の一手を取らずに主人公を弄んで状況を楽しんでいた可能性が高いという点である。
これがもしも、人々の負の感情を糧にする【ゾーマ】や、人々を絶望させたところを一気に闇に引き込む【オルゴ・デミーラ】辺りに仕えていたら、もしくはミルドラースも人々の負の感情を糧にしていたら、上司からの評価は全然違っていたかもしれない。人の感情を踏みにじることに愉悦を抱くこいつにはこの上無い「理想の上司」であろう。

戦闘面

オリジナルのSFC版では幼年時代と青年時代にそれぞれ1回ずつ戦うことになる。リメイク版では青年時代の戦闘が1回分増え、計3回戦うことになる。
ドロップアイテムはオリジナルとリメイクで共通であり、プログラム上は幼年時代に【ひのきのぼう】、青年時代に【ちいさなメダル】を落とす設定になっている。ただし、いずれもドロップ率は1/4096なので落とすことはまずないだろう。

SFC版

  • 一回目 古代の遺跡

HP1024 MP∞ 攻120 守100 早8 経験値なし 初期マホカンタ 自動回復100 1回行動
様子を見る→笑う→メラミ→笑う→かえんのいき→痛恨の一撃
 
所謂【負けバトル】
様子を見たり笑っていたりと明らかな【無駄行動】が目立ち、完全に主人公達をナメきっており、戯れ半分で対峙していることが窺える。
 
力量差がありすぎるので大抵は攻撃してもまるでダメージが通らない。
メラミで大幅に消耗し覚えたてのベホイミで必死で回復、かえんのいきを何とか凌いだと思えば遊びはおしまいですとばかりに直後の痛恨の一撃で主人公があっさりやられて全滅するのがオチである。
しかし、大きくレベルを上げてローテーションを読めば倒すことは可能。
 
問題は、その労力があまりにも果てしないこと。
幼年時代の戦闘手段で守備力100をある程度貫通し、かつ1ターンに自動回復分100以上のダメージを与え続ける為には、それが唯一可能な主人公を力がカンストするくらい(最低でもLv80程度)まで育成する必要があるのだが、道中ちからのたねを落とすモンスターもいない為、レベルアップに頼らざるを得ない。DQ3のアバカム修得がヌルく感じられるぐらいの苦行で、もしこれを達成できたら最早廃人を通り越して超人の域。どのみち常人にできることではない。
 
経験値を稼ごうにも、ラインハット周辺や遺跡内の敵からは精々50~60、よくて100近くの経験値しか得られず、メタルスライムすら出現しない。
その為、気の遠くなるような戦闘回数が必要で、実質最低ラインのLv80でさえ、必要経験値は4531198。だいぶ現実的に経験値を80だと仮定しても、ノルマの戦闘回数は約56640回。
あくまでこれは最低限なので、間をとってLv90前後なら5502155、カンストでは6376016。それぞれ約68777回、79700回という計算になる。1日に100回戦闘するとしても、大体2年前後かかるのだ。
当然ながら実際に得られる経験値はばらつきがある分さらにノルマも増えるので、この地獄のレベル上げを最後まで投げ出さずに達成したプレイヤーはシリーズ屈指のヤリコミスト。その超人的根性、当時まだ消えやすい部類であったセーブデータを守り抜いた保守管理能力は称賛と感嘆に値する。
 
これをやるに当たって厄介なのは、遺跡内でパパスとの合流後は普通に外に出ることはおろか【リレミト】による脱出もセーブもできないこと。【デスルーラ】も仕様上不可能で、遺跡内に閉じ込められた状態になる。
戦闘に関しては主人公とパパスは超絶仕様のホイミで全快できる為回復に困らないのが救いか。
だが、主人公のMPだけはパパスのホイミでも回復せず、ゲマ戦では余程運良く会心を連発しない限り【ベホマ】での回復にある程度必要になるので、遺跡で手に入る【エルフののみぐすり】を頃合を見て使って必要分を確保しよう。
 
とはいえ、セーブができなくなるのは主人公の消耗や長期間のプレイによるデータ消え等のリスクがかなり高い。
多少経験値が低くパパス分の戦力は惜しいが、レベルアップはラインハット周辺、もしくは遺跡の序盤部分で行うのが吉か。
 
そうして鍛え上げた主人公の豪腕を以ってしても120前後のダメージで、自動回復分もあって実質1ターンに20~30前後しか蓄積できない。
あくまで序盤なので強い装備もなければ人間側の特技だのテンションだのといったブースト機能もこの時代には無く、ひたすら通常攻撃で殴るしかない上に一度でも回復の為に手を緩めたら自動回復され、撃破が遠のく。運よく会心の一撃を連発できれば撃破も現実的になるだろうが、不確定要素をアテにすること自体が非現実的。
なお、ベビーパンサーは最大レベル+てつのつめ装備でも攻撃力が90行くかどうかで、精々20前後しか与えられない。それでもいないよりかはずっとマシではあるが…。
守備力に影響されない呪文に頼りたいところだが、ゲマは最初からマホカンタ状態。SFC版当時は永続だった上にいてつくはどうなどもないので、道中【バギクロス】を覚えていても無用の長物。
改造でマホカンタがかかっていない状態にするorマホカンタを貫通させた所でバギ完全耐性なので無意味である。
ならばと候補になりそうな【バイキルト】【ファイトいっぱつ】という一時ドーピングさえもこの時点では使えず(主人公はバイキルトを覚えない)、一気に大ダメージを与える手段が無い分DQ6の【ドグマ】撃破よりも辛い。
あちらと違ってターン制限が無く、時間さえたっぷりかければ確実に倒せるという点ではマシか。
 
負けバトルであるにもかかわらず、戦闘後しっかり金を半分取られ、しかもその後パパスが倒されることでさらに半分持っていかれる。一応青年期に修道院で旅支度金として1000Gほど保障してもらえるが、この辺りもゲマへの恨み憎しみを抱かせる要素だろうか。
普通だとトータルで1/4に減らされてしまうが、ここで勝利すれば1/2に減らせる為メリットはある。もっともこのレベル上げの時間でさっさと進んで普通に稼いだ方が明らかに金は増えるが。
もちろん勝利してもイベントとしては負けたことになっており、何事もなかったかのように進行する。
事前に所持金を使い切っておきたいところだが、ラインハットから古代の遺跡内部までの道中で結構な戦闘回数をこなすことになる為、逃げまわっていない限りは結構な資金が貯まっているはず。
遺跡に突入する前に資金稼ぎをして換金アイテムを持ち込むぐらいなら、素直に青年時代に稼いだ方が効率がいいので諦めよう。
なお、どうせ負けバトルなのだから道具欄に空きがあるならばベビーパンサーの装備品は主人公に渡して持ち越した方が効率がいい。
 
仮にパパスが主人公と同じ条件でこのゲマにタイマンで挑んだ場合でも毎ターン100の自動回復がある為にまず勝てない。
理論上はパパスが2回攻撃と会心の一撃を連発してくれれば勝てる可能性もゼロではないのだが、パパスの膨大なHPでもメラミやブレス分も考慮すると痛恨2~3発で尽きてしまう。
それまでに会心連打で押し切る可能性はもはや天文学的なものである。
息子を人質に取られていようがいまいが、パパスの死という末路はほぼ変わらないのだ。
 

  • 二回目 ボブルの塔地下

HP4500 MP∞ 攻280 守250 早90 経験値12000 1回行動
通常攻撃・マホカンタ・メラゾーマ・はげしいほのお・やけつくいき
 
「あの時私が焼き殺し灰にしてあげた○○の父のように お前たちもここで楽にしてあげましょう」という台詞の通り、炎系の攻撃を得意とする。
HP・攻撃力・守備力・素早さの全てが高く、特にHP4500と守備力250により非常にタフで何気にミルドラース第二形態より上。
その上、補助呪文はマホトラしか通用しない。ミルドラースと違ってルカニすら効かない。卑劣な外道には真っ向勝負で打ち勝てということだろう。
ダメージ系すべてに完全耐性を持っていた幼年時代とは違い、ヒャド系、バギ系以外は弱耐性になった。ただし、マホカンタを使うため呪文攻撃は避けたい。
行動パターンはいかにも炎系のエキスパートといった印象なのに炎系に弱いため、【こおりのやいば】よりも【ほのおのツメ】の方がダメージが通る。
また、幼年時代に使っていた痛恨の一撃は使わない。
 
強烈なはげしいほのおや3桁ダメージのメラゾーマなどを繰り出してくるが、最も恐ろしいのはやけつくいき。こいつは「馬車なしのパーティ全体にマヒ攻撃」という、地の利を得た最悪の攻撃を度々仕掛けてくるのだ。
命中率自体はかなり低めに設定されているが、耐性の乏しい仲間モンスター中心でパーティーを組んでいる場合、あっさり全滅することもあり得る。
特に無耐性の仲間モンスター3匹のPT(スライムなど)だと焼け付く息を使われた時点でほぼ全滅確定。またSFC版は他の作品と異なり3人PTなので、1人マヒするだけでも全滅のリスクがかなり高まる。
幸い、ほとんどのプレイヤーが第一線で使っているであろう息子やスライムナイトがキアリクを習得する他、無限に使えるストロスのつえもあるので、対策は可能。
ある程度攻撃力があり麻痺(ザキ系)強耐性持ち、回復治療やフバーハが使える男の子は非常に相性が良いので、ぜひ連れていきたい所。
ただ、スライムナイトは弱耐性でマヒが当たりやすく、DQ6~7の強耐性並に罹るので、過信せず運用すること。
道中でもホークブリザードによるザラキの恐怖があるため、マヒ被弾率に直結するザキ耐性の有無は道中で既に問われている。ここで梃子摺るようならパーティを見直すこと。
 
また、麻痺(ザキ系)に完全耐性を持つ仲間モンスターを連れて行くのも良い。
【メッサーラ】【エリミネーター】【ソルジャーブル】あたりは火力も申し分なく、仲間にいるなら連れて行きたい。
仲間になりやすく、回復に長け、麻痺(ザキ系)に完全耐性を持つ【オークキング】はうってつけの人材と言える。
前述したようにザキ・麻痺に無耐性のモンスターは連れて行かないこと。特にキアリクを覚えるホイミスライムは一見有利そうだが、彼は焼けつく息で9割前後の確率で麻痺するので、連れて行くだけ危険である。
残念ながら、キアリクを使える仲間キャラに麻痺完全耐性持ちはいない。
 
ボスとしての強さは【ブオーン】と同レベルだが、とにかくやけつくいきのインパクトが大きい。
だが逆手に取れば、完全耐性の仲間を揃えることで、やけつくいきの地位を無駄行動にまで叩き落とせる。
安全に回復できるチャンスが増える為、これならメラゾーマも激しい炎もそれ程脅威にならなくなる。
 
いてつく波動がないので味方の強化も非常に効果的。戦闘開始直後にスカラ・スクルトとフバーハをかけるだけでもかなり楽になる。
特にルカニに完全耐性を持ち、高い守備力を下げられない為、バイキルト(無い場合は【ファイトいっぱつ】)はぜひ使いたい。
マホカンタは天空の剣等で解除すればかけ直しを誘発できる為、かかる度に解除することで他の攻撃の頻度を下げることができ、比較的安全に戦えるようになる。
が、こいつは判断力が高いので、逆にこちらのマホカンタは厄介な攻撃の増加を招く悪手となりやすいので要注意。
 
なお、この戦闘では【HP無限バグ】が発生する可能性がある。
この時点でのバグ回避手段はパルプンテによる敵味方HP完全回復くらいしかないので、いくら叩いても倒せないなどの現象が発生したらリセットすべきかもしれない。
そういう意味でも、条件となる残りHPに引っかかりにくくする様、バイキルト(ファイトいっぱつ)は惜しまず使うべき。
また、【ちいさなメダル】を落としていくことがあるが、確率は1/4096でとても狙って入手できるものではない。

リメイク版

  • 一回目 古代の遺跡

HP1024 MP∞ 攻124 守100 早81 経験値なし 初期マホカンタ 自動回復100 1回行動
様子を見るor笑う→メラミor笑う→かえんのいきor痛恨の一撃
 
ヘンリーも戦闘に参加し、マホカンタがターン経過で切れるようになったものの、行動が3段階ローテーションに変更され行動が読みづらくなったので、総じて強行突破がやりづらくなった。
全滅しても金は取られなくなっているので、悔しいだろうがぐっと堪え、素直に負けておこう。
 
PS2版でもかなり頑張ればこのゲマに勝つこともできてしまう。
【オープントレイ技】を駆使して【メタルキングのけん】などの強力な武器や【ファイトいっぱつ】をフライング入手する方法や、【ちからのたね】などのドーピングアイテムを【アイテム無限増殖】で大量生成する方法(こちらの方が手っ取り早くかつ確実)が考えられる。
因みにパーティ人数が5人以上のときにここのゲマ戦(及びその後のジャミ&ゴンズ戦)に敗北した場合、直後に【フリーズ】してしまう。
普通は起こり得ない事態ではあるがパパスを青年期に連れていく為には様々な条件の都合上その人数を満たさざるを得ないので、ゲマ一味の撃破は絶対条件となっている。
ここは是非パパス自身の手で決着をつけてやろう。
 

  • 二回目 ボブルの塔地下

HP3800 MP∞ 攻285 守260 早90 経験値12000 1~2回行動
通常攻撃・マホカンタ・メラゾーマ・はげしいほのお
 
SFC版の恐怖であるやけつくいきは飛んでこないが、4人パーティが組めるようになった為か1~2回行動になった。
メラゾーマと激しい炎は制限行動。メラゾーマはスロットが2つあるため稀に2連発がある。
SFC版より攻撃力・守備力が微増していて、搦め手抜きの攻撃もきつく、固さも健在。
守備力と素早さは3戦目より高い。素早さはエスタークより高く、リメイク版のボスの中では最も素早い。
ただ、SFC版と違いルカニ系が効く様になったので、まずは守備力を下げよう。
補助呪文が数ターンで消えるので、SFC版とは違う意味で強化されていると言える。
PS2版の通常攻撃のアクションは2通りあり、基本は両手で殴打してくるのだが、時々カマを振り回して攻撃してくる。
このカマは恐らく幼年時代に主人公に当てた死神の鎌だろう。非常に凝った演出である。
なお、SFC版のHP無限バグは解消されているので安心しよう。
それでもHPが700も減ったのは、攻撃の苛烈さや固さを考えたバランス調整、あるいは本気で戦っていないことを体感させる為に微妙に倒しやすくしているとも考えられる。
 

  • 三回目(エビルマウンテン・リメイク版のみ)

HP4000 MP∞ 攻305 守245 早75 経験値12000 1~2回行動
通常攻撃・メラゾーマ・はげしいほのお・やけつくいき・かがやくいき
 
ボブルの塔では封印していたやけつくいきに加え、【かがやくいき】も使用する。ゲマと言えばここまで「炎」というイメージを強く見せてきたのだが、なぜかかがやくいき。
灼熱だとミルドラースが使うので自重したのかもしれないが、1戦目で使っていた痛恨の一撃ではいけなかったのだろうか。
しかしながら、かがやくいきは耐性を得るのが難しい人間キャラ中心のパーティだとそこそこ痛手。
【制限行動】に指定されているので2回行動しても2連発がくることはないが、輝く息と激しい炎のコンビネーションは普通にありえる。
 
散々詰めの甘かったゲマも流石に本気になったことが窺える…と言いたいところだが、ボブルの塔と違い馬車を連れていける為、最大の脅威であるやけつくいきはSFC版ほどは脅威にならない。
出現場所がエビルマウンテンというのも逆風気味で、ここ迄に魔界のモンスターを勧誘でき、こちらの戦力はボブルの塔より大幅に高められる。【グレイトドラゴン】なら通常攻撃とメラゾーマ以外全く受けない。
本気を出している割に、守備力と素早さは2戦目より低下している。2戦目の負傷が残っているのだろうか?
ただし、生意気にもルカニが利かない上にヒャド系・バギ系・多くの補助呪文を無効。他の呪文も耐性があるので有効打を与えにくい。
 
焼けつく息はリメイクされるたびに命中率が上がっているので油断は禁物。
特にDS版の焼けつく息は無耐性に100%、弱耐性に80%、強耐性に50%というとんでもない命中率を誇り、馬車が使えるからといって油断してはいけない。一度に2人も3人も同時に麻痺する光景は恐怖。
心情的には家族4人パーティで倒したいところだが、人間キャラは麻痺が効きやすいので危険である。
また、キアリクを覚えるキャラも麻痺強耐性以下なので、キアリクに頼るのもリスクがある。
そのため、麻痺完全耐性の仲間を揃えることがSFC版以上に重要。
キアリクを使えるキャラが麻痺したりすると戦闘キャラがどんどん減っていくので、麻痺完全耐性のモンスターを1匹は連れて行き、【ストロスのつえ】を持たせておいた方がよい。
そうそう無いだろうが、馬車の中を含めて麻痺完全耐性持ちが一人もいないパーティで戦闘すると、こいつの脅威度はSFC版の二戦目と同等以上になる。
 
色々と厄介ではあるが、結論としては麻痺への対策さえ整えれば、ボブルの塔と同様補助呪文で固める戦法でどうにかできる。
ブレス攻撃の頻度が高いが【いてつくはどう】は使わないので、【フバーハ】があればだいぶ楽になる。
凍てつく波動が無いとこんなもん。こんな所でまで詰めの甘さを発揮……

小説版

幼少期の終盤に登場するが、挿絵で描かれているのはどう見てもワニ顔の【イブール】
文中では赤紫のローブに深々とかぶった頭巾というゲームそのままの姿が描写されているのに……。
ボブルの塔では眩術により主人公一行を苦しめるものの【天空の剣】の力によって無効化され、その直後に王子、主人公、ピエール三人の攻撃で倒された。
倒される際、主人公の武器【メタルキングのけん】が道連れになる形で壊れている。
その正体は誰もが心の内に秘めた小さな闇がひとつになったものだと言われている。【ミルドラース】と同質の存在であり、彼の体の一部、髪の一房のようなものと表現された。そのせいか、イブールの部下であったSFC版とは異なり、彼より優位にあるかのような描写がなされていた。
なお、第1巻の初版本では初登場シーンで名を名乗っていないにもかかわらず、地の文で「ゲマ」と当たり前のように呼ばれていたがこれは作者のミスであり、第2巻のあとがきで謝罪が入った上で、第二版からは修正された。

CDシアター

CV:鈴置洋孝
概ね原作どおりだが、かけつけたパパスに対し『パパス…流浪の王か』と呟いており、パパスの正体を知っているものと思われる。
幼少の主人公リュカと対峙した際、暫く彼に攻撃させたあと一撃であっさり昏倒させるという、ゲームでの1戦目で大体のプレイヤーが辿るであろう展開である。直後にヘンリーも同じように昏倒させている。
また、本作が声だけという都合上、リュカとヘンリーの首元にあてがった死神の鎌についてを解説している。
 
後にボブルの塔でリュカ一家と対峙した際はリュカに対し「可愛いジャミを倒したことは許せませんね」と告げているあたり、部下への愛着はあったようだ。また、リュカの武器が【パパスのつるぎ】であることも同時に教えてくれる。
そしてパパスと同じ方法で彼を焼き殺そうと炎を吐いたが息子ティミーのフバーハで防がれ彼の一太刀を浴びて怯む。反撃にメラゾーマを放つも娘ポピーのマホカンタで跳ね返され、彼女にバイキルトをかけてもらったリュカの渾身の一撃に、パパスの剣を道連れにする形で倒れる。
なお、死に際での殉教ぶりは無くなり、「この私が、負けるとは…」のみとなっている。
さも苦戦したかのように描かれているが、実際はリュカ一家が一方的にゲマを攻め続けて勝利している。

ユアストーリー

CV:吉田鋼太郎
本作でも主人公との因縁の相手となる。容姿はローブがかなり派手になり、顔はアゴが突き出た形になっている。両手を本体から離して操ることが可能。
 
封印された大魔王ミルドラースの復活を企み、その呪文を聞き出すためにマーサを拉致。
幼年時代までは原作と同じくパパスを殺害し、リュカ(主人公)とヘンリーを神殿造りのための奴隷とする。
青年時代前半ではリュカとビアンカがサンタローズで息子アルスをもうけたところに攻め込み、リュカを天空の剣ごと石化して封じ、ビアンカを大神殿へ連れ去る。石化をゲマ自らの手で行う点はリメイク版と同じ。
結界に籠もって協力を拒み続けるマーサの元へビアンカを連れていき、天空人同士としてマーサを説得させようとするが、企みが失敗しビアンカも石化させる。
この頃はマーサの結界を破る力はなかったが、ミルドラースから徐々に力を得ていき、青年時代後半では大神殿にやってきたリュカたちの前でマーサの結界を破って彼女を殺害。
その後リュカとアルス(男の子)のダブル攻撃で致命傷を負うが、死に際にマーサの死体からあたかもウルノーガの如く力を奪って魔界の門を開くことに成功しそのまま絶命する。

DQ11

裏エンディングに登場。ちょうどゴールドオーブを砕くシーンだった……
のだが、直後に迷シーンが入る為、名シーンと迷シーンを同時に味わえる。

余談になるが、海外版の主人公の幼馴染の表記がよりにもよってGemmaである。ただし発音はジェマ

DQMJ2P

ゾンビ系のSランク。
原作を意識してのものなのか、ジャミ×ゴンズの特殊配合で誕生する。
また、【ブランパレス】でも中ボスとして登場し、このときもジャミとゴンズを伴って出てくる。
【キラーパンサー】【まおうのつかい】【ピサロナイト】とこいつの4体配合で【ギュメイ将軍】が、
【エビルプリースト】との配合で【アクバー】が作れる。
よって、ライブラリを埋めようと思うと何度も作らないといけない。
 
所持スキルは【メラ&イオ】
特性は【つねにマホカンタ】、AI1~2回行動、いきなりインテ、メラブレイク。
賢さが非常に高く、メラブレイクの特性を活かしたメラ系呪文で攻めるのが強力。
但し本人はゾンビ系の為メラに弱い。
またHP、MPはともかく攻撃力、守備力、素早さの上限が低く、つねにマホカンタを考慮しても耐久性には難あり。
特に素早さの低さは致命的で呪文で攻める前に斬撃で倒れていることも多々あり使いどころが難しいモンスターと言える。
特性が類似しているゾーマとは、運用方法で共通する部分が多いかも知れない。
 
余談ではあるがゲマの体技発動モーションは光る金の玉を握りつぶすもので、
原作のゴールドオーブ(ひかるオーブ)破壊のシーンを彷彿とさせる。
通常攻撃のモーションでも火の玉を投げつけており、
これもやはりパパス殺害シーンを思い起こさせる絶妙なモーションである。
だが残念(?)なことに、主人公に当てた死神の鎌を使ったりはしない。
配合方法やモーションに常時マホカンタ、メラ系呪文に特化した特性と原作を忠実に再現したモンスターとなっている。

しかしあれほど印象に残る前座キャラにもかかわらず、主君のミルドラースの配合に関わっていないのが残念。

テリワン3D

前作と同じくゾンビ系だが、ランクはAに下げられているので、前作があれば【引越しアプリ】ですぐに仲間にできる。
原作で男とも女ともとれる敬語で話していた為か、性別比は♂♀半々。
前作とは配合方法が変わっていて、【イデアラゴン】×【シュプリンガー】というよくわからない組み合わせで誕生する。
シュプリンガーは簡単に入手できるが、イデアラゴンの入手はちょっぴり面倒。
【キラーパンサー】と配合するだけでギュメイ将軍が作れるようになったが、今作でのこいつを使った特殊配合はこれだけで、アクバーの素材にはなっていない。
DQ5をやっているとちょっと微妙な気持ちになる配合である。
前作とは違ってメラは弱点ではないが、炎ブレスには弱い。
特性は特に変わっていないが、+25で常にマホカンタを、+50でいきなりインテが追加される仕様になった。
ちなみにこいつ、攻撃呪文には弱点が無く、メラ、ギラ、ザキは等倍だがドルマ吸収、ベタン無効、イオ、バギ、ヒャド、デイン軽減という珍しい耐性を持つ。

イルルカ

ふしぎな鍵の異世界で雑魚モンスターとして出てくる可能性がある為、入手はより楽になった。
また、かつて全国の「マックでDS」で日替わりで「魔王クラスモンスター」が期間限定で配信されており、木曜日に行くとこいつがボスのカギを受け取れた。
中に入って倒せば仲間にできるが、このときもお供にジャミとゴンズを連れている。もはや恒例行事と言えよう。
配合での作り方は前作と同じ。配合先も同じ。
【新生配合】【スタンダードキラー】【メガボディ】化で【メラ系のコツ】【ギガボディ】化で【わるぐち】を習得。

DQMJ3P

無印版では欠席していたが、ある意味で人気モンスターであることもあってか復帰。
ついでに部下のジャミ・ゴンズも復帰し、量産型であるネクロマンサーまでついてきた。
しかし、イブールだけは呼ばれなかった。
 
そんな彼だが、配合方法がまたまた変更されネクロマンサー×【魔軍師イッド】という配合方法になっている。
固定特性は火ブレイク。他の特性はノーマルボディ、AI1~2回行動、+25以上でつねにマホカンタ、+50以上でいきなりインテ、【超生配合】でスモールキラーを習得する。
メガボディ化で火系のコツ、ギガボディ化でマジックガード、超ギガボディ化で聖賢を習得する。
概ねイルルカと変わり無し。
合体特技は【神の裁き】、合体特性は【オーバーチャージ】

相変わらずHPと賢さ以外は壊滅的。素早さに至っては490。傾向は【ガルマッゾ】とよく似ているがMPが高い。
地・重力・闇無効、風・爆発・氷結・電撃を軽減し弱点なしという相当優秀な属性耐性を持つが、
代わりに状態異常・即死耐性は毒半減のみで他は全て普通と微妙。素早さ賢さ弱点だが素早さは元からこれなので気になることはないだろう。
 
大魔王の側近及び前座枠が兼並み好待遇された今作の彼はゾンビ系ではなく???系、さらにはランクSSと大幅パワーアップし、オマケに専用スキルまで習得。
モンスターズでは割と新参な彼からするとかつてない優遇っぷりである。
ただこいつがゾンビ系のままでいてくれれば待望のゾンビ系SSランクとなってくれていたのだが(無印と本作にはゾンビ系SSランクがいない)。
ただし地・闇・毒耐性かつ賢さ弱点で耐性面はゾンビ系寄りのまま。
 
【バルボロス】、アクバー、【魔戦神ゼメルギアス】との4体配合で【グレイナル】ができる。グレイナルは【スカウトQ】のお題になっているため、ゲマも1回は作ることになるだろう。
ちなみに今作ではギュメイ将軍も登場しているが、こちらの方がランクが上がった為かキラーパンサー共々配合に使用しない。

ミルドラースの配合に関わっていないのは相変わらずミルドラースはゲマから生まれるのがそんなに嫌なのだろうか?

DQM3

???系のSランク。
【ライオネック】【エビルプリースト】の配合でできる。
 
特性は【火のコツ】【いきなりインテ】(Lv20)、【火ブレイク大】(Lv40)、【2回行動】(Lサイズ)、【いやがらせ】(Lサイズ)、【いきなりマホカンタ】(LサイズLv60)。
所持スキルは【ゲマ(スキル)】
 
【キラージャック】との特殊配合で【ドルマゲス】ができる。
【メカバーン】【ムーンフェイス】【セルゲイナス】との四体配合で【ミルドラース】ができる。

DQMSL

Ⅴコラボにて実装。ガチャ限定。
【ゾンビ系】のSランク。Aランクの【ネクロマンサー】からの転生先。
特性は【呪文会心出やすい】と、【ときどきバーハ】
リーダー特性は「全系統呪文ダメージ+10%(新生転生後は+12%に増加)」
習得特技はリメイク版5でパパスを焼き払ったであろう【メラゾーマ】と、【魔力かくせい】
新生転生後は特性に「ときどきインテ」「自動MP回復」が追加され、【ドルモーア】と敵単体の呪文耐性を2段階下げる「まがまがしい光」を習得する。
後に強新生が実装された。こちらはときどきインテが無くなった代わりに【呪文会心出やすい】「ときどき魔力かくせい」の特性を所持しており、ランダム3回無属性攻撃呪文の「邪悪な魔弾」と呪文耐性・炎耐性低下の追加効果付きランダム攻撃体技「ディバインフレア」を習得する。

邪教の使徒ゲマ

2019年8月23日のⅤコラボ復刻と共に伝説ピックアップフェスで実装。ゾンビ系のSSランク。
いかにも呪文を唱える瞬間のポージング。さりげなく攻撃力と賢さの数値が444になっている。
特性は、確定亡者+HP0のときマヒブレイクの「憎悪の怨嗟」、3ターン行動停止無効+攻撃呪文を威力を増加して反射の「魔瘴のころも」、偶数ラウンド開始時に状態異常解除+様々な攻撃ダメージ1.5倍の「部下呼び」、敵のメラ耐性を1段階下げて判定する「炎の使い手」。
リーダー特性は「全系統HP&呪文ダメージ+15%」。
特技は、先制でランダム無属性呪文攻撃を行い、命中した敵の呪文の威力半減+自身のみかわし率上昇効果の「闇討ちの魔弾」、即死・猛毒・マヒの追加効果付き(即死の判定がダメージより先に行われる)で毒・マヒ・【マ素】特効の全体斬撃「死神の大鎌」、
呪文耐性低下の追加効果付きのランダム炎属性攻撃呪文【メラゾストーム】【ゴールドアストロン】と同じ効果の「石化の呪い」。
 
2023年7月に新生転生が実装された。
新生後は素早さが+50され、特性に「教団の光(味方のゾンビ系が2体以上なら、儀式系特技を使用した際に【ひかりのはどう】が発動する)」が追加される。
新生で習得する特技は「業火のロンド(敵全体にメラ系の踊りダメージ+命中時一定確率でマヒ)」と「非道の儀式(敵1体にレベル依存・軽減無視で無属性の儀式攻撃。【???系】の敵に威力5倍)」の2つだが、業火のロンドは外せない固定特技であるにも関わらず威力がかなり低く不評であった。

バトルロード2

第三章から魔王として登場。肩書きは「邪教の使徒」。
ステータスはHP:4100(2人プレイ:4900) ちから:193 かしこさ:158 みのまもり:52 すばやさ:31。
原作同様に「メラゾーマ」や鎌を使い、その他炎・灼熱属性の攻撃を多様するほか、「やけつく息」で麻痺させてくる。
HPが低く、氷や雷に弱いので短期決戦を狙おう。弱点ではないが、打撃もよく効く。
とどめの一撃は【ミルドラース】による【マヒャデドス】
倒すとミルドラース戦へと移行する。ちなみに戦闘BGMはなぜか【不死身の敵に挑む】ではなく【魔物出現】が流れるようになっている。
まあレジェンドクエストVの第7章ではちゃんと【不死身の敵に挑む】が流れるが。

バトルロード2レジェンド

3章以降はレジェンド魔王カードとして登場し、こちらも使用可能となる。
使える技は、持っている鎌で斬りつける単体攻撃の「死神の大鎌」と、
灼熱の光線で敵を焼き尽くす「おぞましい熱線」。
回避率が高く、自身のステータスを無視するほど技の威力が凄まじく高い。
但し、そこまで能力は高くない上打撃に弱いことには変わりないので、使用の際は注意。

バトルスキャナー

第10章よりミルドラースと共に登場。アルバ神殿のクエスト「悪辣なる大魔道士」とスコアアタックモードの入門編で戦うことになる。
HPは3636。弱点は光と聖。
時折見せるゲス顔はこいつの非情な性格を良く表しており必見。
スペシャルチケットに「死神の大鎌」が存在する。

スキャンバトラーズ

第3弾で登場。
最初に【マジックバリア】【スクルト】を使うので、物理と呪文両方の攻撃技を持っておいた方がいい。
また、熱くやけつく息を吐くので、マヒ耐性も重要。

スコアアタックではジャミとゴンズを引き連れているので、全体攻撃でもダメージが通る。

トレジャーズ

お宝に【ゲマの像】が登場。

クロスブレイド

第5弾で「邪教の使徒ゲマ」名義で【シークレット】として登場。

ライバルズ

第2弾カードパック「解き放たれし力の咆哮」にて、魔剣士専用レジェンドレアカードとして実装。

5/3/3 ゾンビ系
ステルス
相手がデッキからカードを手札に加える度
そのカードのコストを+1
敵リーダーに2ダメージ

相手のコストを増加させつつじわじわダメージを与えていくコントロール型のカード。同様に相手のドローにデメリットを与えられる【どくやずきん】【邪神の呪い】などと共に、【ニードルマン】【ふくぶくろ】等のコスパはいいが相手にドローさせるカードと組み合わせて魔剣士の速攻デッキ(いわゆるアグロピサロ)のフィニッシャーとして採用されることが多い。
 
いるだけで厄介なユニットな上に最低限のHP+ステルス持ちなので処理しづらく、デッキの構成によっては対処ができずにそのまま死の宣告になることも。
当人の戦闘能力は低く除去が当たればあっさり落ちやすいことと、隠れて居続けることに意味があるカードなので盤面の取り合いにはまるで機能しないのが欠点。
やはり速攻デッキの最後の詰めとして使うのが一番だろう。

ライバルズエース

真1弾カードパックの拡張カードとして「邪教の使徒ゲマ」名義で登場。魔法使い専用のレジェンドレア。
CV:中尾隆聖(DQ11Sの【フールフール】役)
丁寧口調、慇懃無礼な態度、残忍な本性、笑い方、主人公の父親へのトドメなどかねてより【ドラゴンボール】のフリーザとの類似性が指摘されていたが、ついにフリーザの声優である中尾隆聖のCVが充てられた。
パパスへのトドメの再現であろう指先で高らかにメラゾーマを掲げるカードイラストも、
フリーザの必殺技「デスボール」(あるいは「スーパーノヴァ」)を彷彿とさせる。

5/5/5 ゾンビ系
召喚時:次の相手ターン開始時、相手は受ける効果を選ぶ
・味方リーダーに5ダメージ 味方リーダーのテンション-3
・攻撃力が最も高いランダムな味方ユニット1体を死亡させる

パパスに突き付けた悪魔の二択の再現。
苦しみを自分で選ばせるという、相変わらず陰湿極まりないデザイン。
効果を選ぶのは相手だが選ばせるタイミングは使う側が決められる。どちらを選んでも地獄の状況を見極めて出せば心身ともに致命傷を与えられるだろう。
魔法使いは他にも【メラ系】など直接リーダーのHPを削る能力が高いので対戦相手としてはユニットを犠牲にしなければならない場面が多く、その点も原作の再現と言える。
 
敵にパパスがいると「パパスの顔を絶望に歪めたくて歪めたくてたまりませんね。」、味方にパパスがいると「パパス、私がいいように使ってあげましょう。」と言う。他にもDQ5キャラとの掛け合いは例によって豊富に用意されているので、興味があれば調べてみよう。
 
また、一人用モード「ソロバトルアドベンチャー」のステージ15「エビルマウンテン」のボスとしても登場。
「ジャミ&ゴンズ」や【イーブルフライ】などのユニットで手札やテンションを整え、メラゾーマや後述するテンションスキルでガンガンリーダーのHPを削ってくる。
テンションスキルは敵リーダーに10ダメージ&敵リーダーのテンション-3&自分のデッキからランダムなユニットを1体出す「灼熱の魔弾」。
テンションを0にされてしまうのでテンションは温存せずにとっとと使うか、テンションを上げ直す手段を多く用意しておきたい。
 
メラゾーマやイオに交えて、ブラストアローも使ってくる。
光の「教団」幹部だけに、十字を描く攻撃を会得したということか。

ウォーク

DQ5コラボイベント中の2021年10月11日より登場。
クエスト5章6話でゴンズと共にボスとして登場し、同時にメガモンスターとしても登場する。
メガモンとしてはHPは約135000。推奨レベルは上級職Lv65。
最大弱点はメラ系。次いでデイン、バギ系の順で有効。ジバリア系は等倍となる。それ以外の属性には耐性を持つ。
 
1ターン目で攻撃1回と1人を石化する「石化の呪い」、【マホターン】を使用し、次の行動の最初で呪文耐性を下げるふしぎな呪文を使う。
石化にかかると2ターンの間行動できなくなり、あらゆる攻撃も回復も受け付けなくなる。言わば単体版【ゴールドアストロン】、といったところ。
ストロスの杖に付くスキル「回帰のいやし」で解除でき、まもりのたてで防ぐことは出来る。
ただし、攻撃の1つにある死神の鎌でなぎはらう全体攻撃を使われると、200程度のダメージと共にまもりのたてを引きはがされてしまう。
それ以外は単体400程度のメラゾーマ、いずれも全体200程度のこごえるふぶき、はげしい炎、イオナズン、
3回行動のフレーズでは全体250程度のメラ系の全体物理攻撃の「憎悪の魔弾」などを使用する。
マホターンがあるので、攻撃の際はメラ系でもメラゾーマなどの呪文はあまり使えない。斬撃又は体技を中心にしたほうが良い。
なかまモンスターのお気に入りを設定しておくことで1日1回(この1回はグレイトドラゴン、ミルドラースと共有)約20%ダメージカットできるので、挑むなら忘れずに設定しておくこと。
 
こころは紫色でコストは119。
攻撃魔力と素早さが高く、耐久性は低めと【ゾーマ】と似通った能力を持つ。
高グレードではメラ、ギラ系の呪文ダメージと魔力の暴走率が上昇し、状態異常成功率のアップと石化への耐性もつく。

ドラけし!

「ゲマ」

DQ5イベント「父パパスとの旅路」後半の古代の遺跡2の終盤でNPCとして登場。
そして常設ステージのサラボナ周辺から行けるエビルマウンテンの中ボスとして登場。属性は青で、肩書きはシンプルに「父の仇」。
星3つを獲得すると彼のアイコン入りの宝箱を開けられる。

イベント「天空の花嫁と魔界の王」ではクエストで入手できる扉を使い、クエスト進行のために倒すこととなる。
ドラけしはイベントのけしコン!大魔王ミルドラースの報酬で、同けしコン!に挑戦した際編成に入れていると50pt獲得できる。
星は4で、スキルは菱形の範囲を呪文攻撃する「闇討ちの魔弾」。

「邪教の使徒ゲマ」

上記イベントの復刻版で実装。強敵チャレンジとけしコン!ではこちらと戦うことになり、赤いオーラに包まれている。けしコン!でのみ巨大敵。
ドラけしはけしコン!の報酬である星5青属性で、見た目は口を開き両脇に炎が舞っている。
スキルは特殊なとびとびの範囲を呪文攻撃する「メラゾストーム」。
けしコン!邪教の使徒ゲマ戦では500pt獲得。強敵邪教の使徒ゲマ戦では効果大。

海外版での名称について

ゲマの北米DS版の名称は「Bishop Ladja」というのだが、Ladjaとはスロベニア語で大型船舶を意味する。
北米版ではミルドラースの部下の名前がチェスの駒で統一されていることを考えると、直接的にはロシア語でチェスのルークを意味する「ладья」を英字に置き換えたものと思われる(スロベニア語もロシア語もスラヴ語派に属するので語彙が似ている)。
何故城を意味するルークが船なのかというと、それはチェスや将棋の元になったゲーム「チャトランガ」に車または船と呼ばれる駒があったことに由来する。動きはルークや飛車と同じで、現在でもルークは国によって戦車や船を意味する言葉で呼ばれているのだ。
で、結局こいつはビショップなのかルークなのかだが……チェスの駒の価値はルーク>ビショップ=ナイトなので、ルークの方が相応しいかもしれない。
だがローブを被った姿がビショップぽかったからか(名前を直訳するとLadja司教となり、ビショップが役職を表している)、それともビショップはキングとクイーンの隣に初期配置されるからか(元々ビショップは将棋の銀将に当たる駒だった為。なおルークは香車で、将棋の駒の価値は銀将>桂馬≒香車)。