【フラグ】

Last-modified: 2022-06-13 (月) 07:09:57

概要

RPGのほか、AVGやSLGなどでも幅広く使われる用語だが本来は情報処理用語で専門書では、

プログラムの実行中に、何かの条件が成立しているかどうかを示すために用意された目印をいう。

と解説されている。
これだけ聞くと難しい印象を受けるだろうが、DQ2で【サマルトリアの王子】の加入までを例に説明すると、次のようになる。

  1. まず【サマルトリア王】と話すことで第一のフラグが立つ
  2. 次に【勇者の泉の洞窟】にいる老人と話すことで第二のフラグが立つ
  3. (さらにリメイク版ではこの後【ローレシア王】とも話し、第三のフラグを立てる必要がある)

各段階でそれぞれの人物と話すことで条件が満たされ、その人物と話したという証拠であるフラグが立つという仕組みである。
そして、これらのフラグをすべて立てた後に【リリザ】の街の【宿屋】に行くと、そこにサマルが現れ、【パーティ】に加えることができるという一連のイベントになっている。
 
DQシリーズでは、フラグは以下に説明する2種類に大きく分類される。

冒険の記録としてのフラグ

先述したようなイベントの進行管理のほか、【宝箱】【タンス】を開けたかどうかや、【船】など各種の乗り物を所持しているかどうかの判定にもフラグが使われている。
これらのフラグは一部の例外を除いて、基本的には一度立ったフラグは降りることはない。
また、特定の【アイテム】を所持していることをフラグの代わりにしている場合もあり、例えばDQ1では【おうじょのあい】の有無で【ローラ姫】を助けているかどうかを判定している。少年ヤンガスでは大半のフラグ管理がこのパターン。
一見何もなさそうな特定の場所を調べるとストーリーが進行する場面の場合、大抵は予め場所を知っていれば進行出来るが、中には場所のヒントを聞いて初めて調べられるフラグが立ち、ヒントを聞かずに正解の場所を調べても何も見つからないようになっているものもある。
DQ6の【川の抜け道】、DQ11の【デルカダール城】の隠し通路など、ヒントを聞くイベント中にヒント以外の重要な情報(伏線など)が含まれているものが該当する。
 
FC版のDQ1・DQ2でのフラグ管理は【復活の呪文】で行われているが、記憶容量や復活の呪文の長さなどとの兼ね合いで、すべてのフラグを格納することができなかった。
そのため、このフラグ管理の穴を突いた【装備技】【水の羽衣重複技】といった裏技を利用することができる。
後にソフトの記憶容量が増え、【冒険の書】も導入されたことで扱うことのできるフラグの数が増えたが、そのぶん、フラグ立てに時間も手間もかかるイベントが増えてしまった。

状態変化に関するフラグ

【バイキルト】【フバーハ】など、戦闘中の一時的な【状態変化】にもフラグが用いられている。
これらは、その【戦闘】が終了すれば自動的にフラグが初期化され、元の状態に戻る。
【いてつくはどう】をプログラム的に解説すると「すべての戦闘用フラグを初期化し、戦闘開始時の状態に戻す」という簡単な処理をしているだけにもかかわらず、プレイヤーにとってはとても厄介な特殊攻撃となっている。
 
また、戦闘終了後にも効果の残る【毒】【麻痺】【呪い】などの状態であるかどうかも、フラグで管理されている。
これらは、対応する【呪文】やアイテムなどを使用することでその状態でなくなれば、フラグが降りる。
【死亡】もフラグで管理されているが、HPが0になった際にフラグを立てて蘇生したらフラグを降ろすのではなく、「HPが0になったり蘇生した際にフラグの有無を切り替える」という処理がされている。

余談

フラグは情報処理用語であることは概要に書かれたとおりだが、その元々の由来はアメリカの郵便受け(に付随する旗)だとされている。
郵便配達員は配達物を投函すると、その脇に備え付けられている赤い旗を立てる。住人は赤い旗が立っているのを見て配達物を取りに行き、配達物を回収するとその旗を下ろす。
アメリカでは都市部を除き自分の家の郵便受けからも郵便物を発送できるようになっているが、このときにも旗が使われる。住人は発送したい郵便物を郵便受けに入れると、発送する荷物があることを示すために赤い旗を立てる。郵便配達員はその旗を目印に荷物を回収し、旗を下ろす。
つまり赤い旗が「ポストの中に荷物がある」かどうかの状態を示す目印になっているのである。