【中断】

Last-modified: 2024-03-24 (日) 11:04:59

概要

ゲーム用語としては、次回のプレイで続きからできるように、現在の進行状況をセーブした(あるいはパスワードとして書き取った)うえで今回のプレイを終えること。
 
DQの場合、広義では城や教会でのセーブを行ってゲームを終えることをも指すが、携帯機での作品が登場して以降は、城や教会に行くことなくその場ですぐにセーブを行うことを指すようになった。「クイックセーブ」「クイックロード」にも近いものであり、現に英語版ではquick saveと呼ばれる。初登場はGB版『DQ1・2』。
携帯端末版を中心としたナンバリング作品とジョーカーシリーズ、不思議のダンジョンシリーズで採用されており、通常のセーブに比べて手軽にゲームを終えられるのが特徴。
 
携帯端末では据置ゲーム機のように、家の中で時間がある時に腰をすえてプレイする状況ばかりとは限らないため、思わぬところでゲームを止めなければならない状況が想定される。
そんな状況が多数想定される機種において、従来の【王様】【教会】でのセーブしかできない仕様だと流石に不親切なので、これらのセーブポイントでない場所でもセーブができるようにしたものである。
中断用のセーブデータは通常のセーブデータである【冒険の書】とは別枠を使用し、「中断の書」と呼ばれる。ただし中断用の枠はソフトにつき1つしか無い。
 
なお、SFC版以前のDQ2では【ふっかつのたま】を使うことで同じようなシステムを利用できるが、あくまでこちらは復活の呪文または冒険の書へのセーブであり、その場所から再開できるわけではない。
 
GBシリーズ作品とDQ9では基本的に「次にゲームを再開するまでの間」だけ一時的にセーブをするためのものなので、中断をすると必ず電源を切ったりリセットをしなければならない(ゲームを続行できない)うえ、一度再開するとその中断セーブデータは消える
 
DS天空シリーズでは再開してもデータは消えなくなった。それに加えてスマホ版ナンバリングシリーズ以降のリリース作品では中断という名にも関わらず、中断の書にセーブをした後もそのままゲームを続行できる。したがって実態は中断というより「どこでもセーブ」に近く、「4つ目の冒険の書」として利用することもできるようになっている。
ボスの目の前で中断セーブをして負けたらそこからやり直すということも可能。
「最初だけ冒険の書を作って後は中断の書だけでゲームを進めていく」ということも可能ではあるが、前述のとおり中断枠は1つしかないため、他のセーブデータで中断をするとそのデータで上書きされてしまう。そのうえ、エンディング後のセーブは必ず冒険の書に行わなくてはならないので、このようなケースでも冒険の書を他のプレイデータですべて埋めてしまうようなことは避けたほうがいいだろう。
なお、これらのタイプの中断の書は任意に削除することはできない。別のデータで上書きすることは可能。
 
過去マシンのゲームをそのまま復刻したタイプのバージョンでは、ゲームの状態(キャラクターの位置、メモリ上の各種数値やフラグなど全て)そのものを保存する中断機能が搭載されている。
 
DQ11SやDQ10オフラインは携帯可能なSwitchでも発売されているが、中断セーブは【オートセーブ】に取って代わられており登場しない。

DQ1・DQ2・DQ3

GB・GBC版

『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』にて本編初登場。
移動中にスタートボタンを押すことで、その場で「ちゅうだんの書」にセーブし、冒険を一時的に終了できる。
【ダンジョン】などで再開される場所は、中断した場所ではなくそのフロアの入口。状況によっては簡易版【リレミト】として活用できる。
基本的にボスがいたり特殊な仕掛けのあるフロアでは使えない。もちろん例外あり。
DQ3では移動せずその場で再開するように変更された。
再開するとその中断データは消える。
 
基本的に【エンカウント】は「特定の歩数(地形によって異なり、また若干のランダム要素あり)ごと」に発生し、再開後は0歩扱いとなるので、低レベル・短時間クリアを目指す際に非常に役に立つ。
ただし肝心な時に使えないので、その場合は戦闘を覚悟しよう。

ガラケー版

オプションメニューの「ちゅうだんのしょ」コマンドか、0ボタンまたは#ボタンで中断セーブができた。中断後に再起動する際には中断データから始めるかどうかの確認メッセージが表示された。
なお、DQ2(DoCoMo版)・DQ3で後編アプリへの「引き継ぎの書」を作成すると消えてしまう仕様だった。

Wii版

収録されている各ゲームプログラムそのものを中断させる機能。
詳しくは作品記事を参照。

スマホ・PS4・3DS・Switch版

【さくせん】コマンドの「ちゅうだん」で中断セーブを行う。中断セーブ後もそのままゲームを続行できる。
中断はどこでも可能で、再開しても中断データは消えず、ダンジョン内のセーブでもその地点から再開ができる。
しかし、スタートメニューでは中断したときの【レベル】やセーブ場所が表示されないため(プレイ時間をカウントする機能はこれらのシリーズにはついていない)、冒険の書との新旧比較はできず、選択したら即座にゲームが再開されてしまう。

ニンテンドークラシックミニ版DQ1

Wii版と同じく、ゲームプログラムそのものを中断させる機能。
リセットボタンを押すことで、進行状況を「中断ポイント」としてゲーム毎に4つまで保存できる。

DQ4・DQ5・DQ6

DS版

【さくせん】コマンドの「ちゅうだん」で中断セーブを行う。
これらの【天空シリーズ】リメイク作では、フィールドマップやダンジョンで選択可能。町では基本的に中断できないほか、ダンジョンでも主に仕掛けのあるフロアや、最深部のボスフロアなどでは中断不可であることが多い(後述の一覧を参照)。
中断セーブを行うとそのまま続行はできず、「このまま電源をOFFにしてください」と表示されて画面が固まり、再起動しないと再開できない。しかし、中断の書は一度選択しても消えることはなくなった。
 
ダンジョン内では使用可能なフロアでも、上りの【階段】の上では使えない。「ここでは中断の書を開けません。」と表示されたら、階段から降りてみてもう一度試してみるとよい。
また、DS版DQ4では中断したデータを選ぶと、問答無用でゲームが再開されてしまう。他の冒険の書と、中断の書ではどちらがプレイ時間が進んでいたのか、などの確認ができない。
不評だったのか、DQ5とDQ6、スマホ版DQ4ではプレイ時間が確認できるようになっている。
 
このDS天空シリーズや3DS版DQ7では、中断できない場所で中断しようとするとハードのスリープ機能を勧められて中断を拒否される。このときに電池残量に気をつけましょう(こちらはダンジョン内では表示されず、「電池残量に注意しながら…」となっている)といった旨のメッセージも出るのだが、外出中などの充電できない状況かつ電池切れ寸前でこのメッセージが出た時の恐怖はある意味【ザラキーマ】【呪いのモチーフ】に匹敵する。
教会や中断できる場所に辿り着ければ記録して充電できるまで我慢するだけで済むのだが、長いイベントや中断できないエリアから抜け出せずに電池が切れた日には……。
 
中断ができないダンジョンのフロアは以下(ボスフロアなどは除外)。

中断不可能なフロア(DQ4)

中断不可能なフロア(DQ4)

中断不可能なフロア(DQ5)

中断不可能なフロア(DQ5)

上記の多くに共通しているのは、主人公たちが仕掛けを操作することによってフロアの状況が変わることがあるという点。
例えばDQ6の氷の洞窟は、中断可能なフロアでは滑るタイプの【氷の床】があるがフロア自体に変化が起こらないのに対し、中断不可なフロアには踏んだ場所がひび割れる氷の床があり、すなわち踏むごとにフロア状況の変化が起きる。
レイクナバ北の洞窟やデモンズタワー、封印の洞窟、月鏡の塔のケースでは、【押す】アクションによってモノの位置が変わる仕掛けがある。
またパデキアの洞窟B1やエビルマウンテン山頂などでは、特定の場所でNPCによるイベントが発生する。
これらで中断不可となっているのは、そういった細かい変化を記録する領域が中断セーブデータ内に用意されていないためなのかもしれない。

スマホ版

さくせんコマンドを開くと「ちゅうだん」ボタンが他のメニューと別枠で設置されており、これを押して中断セーブを行う。
基本的にはDS版と同じだが、中断セーブを行った後もそのままゲームを続行できるようになった。
中断できない場所では「ちゅうだん」ボタンそのものが押せなくなる。

DQ7(リメイク版)

【さくせん】コマンドの「ちゅうだん」で中断セーブを行う。
3DS版では中断セーブを行うとそのまま続行はできず、画面が暗転して「このまま電源をOFFにしてください」と表示され、再起動しないと再開できない。
天空シリーズと同じく、再開しても中断データは消えない。
 
3DS版初期verではフィールドマップまたはそれに準ずる扱いのマップでのみ使用可能。
町中やダンジョン内ではボスの有無などに関わらず、ほぼ全てセーブ不可能。
隠しダンジョンの【謎の異世界】の中には1フロアだけ中断可能な場所が存在するが、これは使いまわしの元のマップが準フィールド扱いのマップであったためだろう。
中断の使えない場所で中断しようとすると「どうしても中断したければ本体を閉じろ」とアナウンスされるのだが、更新パッチ配信前は、本体を閉じると開いても再開しなくなるバグが存在していた。
 
ver1.1のパッチを当てたデータ、またはアルティメットヒッツ版、およびスマホ版では仕様が変わり、天空シリーズと同じくフィールドと一部を除いたダンジョン内で中断可能になった。町の中では中断不可。
【風の迷宮】【ダークパレス】では全域で中断が使用できないほか、【すれちがい石版】ダンジョンでも使用できない。
この他ボスフロアでは中断できないことが多いほか、以下の場所でも中断不可になっている。

中断不可能なフロア(DQ7)

DQ8

スマホ版

メニューボタンを押して「ちゅうだん」を選択すると中断セーブができる。セーブ後もそのまま続行可能。
フィールドやダンジョン内ではほぼどこでも中断可能。ただし、天空シリーズ同様に町の中では使えないほか、フィールドでも敵の出ないエリアでは中断が使えない。
再開しても消える事が無く、冒険の書選択画面でプレイ時間・レベル・セーブ場所などが全て確認できる。

3DS版

【さくせん】コマンドの「ちゅうだん」で中断セーブを行う。
ほぼどこでも利用でき、再開してもデータが消えないという神仕様になった。
ボス前でもスロット前でも遠慮なく記録して、失敗したら何度でもリトライ可能である。
ご利用は計画的に。
ごくまれに一部ボスが【討伐モンスターリスト】に登録されないバグが起きることがあるので、ボス戦前に中断しておき、討伐モンスターリストに載っていなかったらリトライすることで対処可能。
 
ごく一部で中断できないポイントはあるが、会話イベントだけですぐに解除されることがほとんど。
ただし【暗黒神ラプソーン】の第一形態を倒し、崩れる【暗黒魔城都市】から脱出しようとしている最中は、中ボス戦がありながら中断ができない箇所である。

DQ9

【さくせん】コマンドの「ちゅうだん」で中断セーブを行う。
天空シリーズとは開発チームが異なることもあってか仕様が異なり、中断できない場所というのは基本的に存在しない。
冒険の拠点となる【リッカの宿屋】では、【すれちがい通信】【マルチプレイ】【Wi-Fiショッピング】の際にセーブできても、再開は【セントシュタイン城下町】の教会からになってしまうが、これを使えばリッカの宿屋内から再開することもできる。
洞窟内でも中断でき、いわゆる【中断技】の名前にもなるほどである。
 
ただし、中断でゲームを終えた場合はその場でゲームが終了し、そのうえ次回起動時には必ず中断データから再開しなくてはならず、一度再開すると中断データは消えてしまう。
たとえば、冒険の書からゲームを始めて3時間プレイし、中断の書に記録。再び中断したデータから始めて1時間たったところで電池切れ、なんてことになったらこの4時間の苦労はすべて水の泡。
再開するときにも言われることだが、早めに教会に行って正式に冒険の書への記録をお忘れなく。

DQ10オンライン

オンラインゲームなので「ログアウト」が中断に相当する。
ログアウトする際には、酒場でサポート仲間として自分を登録する、さくせんコマンドの「冒険を中断する」のいずれかを選ぶ。
後者では(周りのプレイヤーから見ると)「おいのり」のポーズをしたあと姿が消える。フィールドでの中断は町中よりも若干時間がかかる。

DQ11(3DS版)

【さくせん】コマンドの「中断する」で中断セーブを行う。
仕様はスマホ版天空シリーズなどとほぼ同じで、中断セーブ後も続行でき、ロードしても消えることは無い。
フィールドと通常のダンジョン内では中断可能だが、町中および【ネルセンの迷宮】【冒険の書の世界】のダンジョンでは中断できない。
また、ゲーム開始直後から【神の岩】イベントをクリアし、イシの村を出奔するまでは中断の書にセーブすることはできない。
 
3DS版以外には中断セーブはなく、代わりに【オートセーブ】機能が搭載されている。

モンスターズシリーズ

ジョーカー1のみ搭載。
この作品は普通のセーブはGピットで行うが、移動中にコマンドを選ぶことで中断することができる。
再開するとその中断データは消える。
 
それ以前の作品(GB版DQM1・DQM2、PS版DQM1・2、キャラバンハート)には中断システムが登場しない。
ただし、基本仕様として教会を訪れなくても【タイジュの国】【マルタの国】ではどこでもセーブできるほか、異世界でも【たびのしおり】を使えばセーブすることができる(普通のセーブ扱い)。
 
ジョーカー2以降は、基本的にどこでもセーブできるので中断機能は廃止された。

不思議のダンジョンシリーズ

不思議のダンジョンシリーズではゲーム中におけるセーブは全て「中断」扱いになっている。

トルネコ

トルネコ1の場合は冒険中のどんなタイミングでも中断できる。
なお、内部的には一歩ごとにオートセーブされているので、ピンチの時にリセットしても同じ状況から再開するようになっている。
 
ただし注意点として、中断時に保存しているのは「中断時の状況」ではなく、「その階に来た時の状況と、その階における全ての行動」であることが挙げられる。
中断からの再開時にはその階における行動を全て読み出しており(データ内で【リプレイ】している)、「中断時の状況を再現する」ことで再開しているので、同じ階に長く留まった状態で中断すると、再開に異様に時間がかかったり、カセットの状態によっては再開できないまま【フリーズ】してしまう可能性もある。
また、バグで行動を一部読み出せなくなることもあり、その場合は違う状況から再開したり、ひどい時には再開時に「死んだことになっている」事態すらある。
 
このような事態を避けるためには、中断は階を降りたすぐの段階で行えば良い。保存する情報量がそれだけ少なければバグる可能性も大幅に減る。
行動の情報量が無限に増大するのを防ぐために【地震】が存在する。
  
またもう1つの注意点として、トルネコの家の中で中断した場合、再開後に道具欄のアイテムが完全消滅してしまうため、倉庫からアイテムを持ち出す際は要注意。
この点に関して説明書やゲーム中での言及がないが、「持ち出したアイテムは倉庫に戻されていた」という報告もあるため、恐らくは倉庫に戻されるのが本来の仕様でアイテム消失はバグの可能性が高い。
いらないアイテムを利用して確認し、万が一上記の現象が起きた場合はアイテムを持ったまま家の中で中断しないように注意しよう。
 
なお、違う状況から再開するという現象(中断バグ、回想バグ)は、ROMが流用されていることを考えると、風来のシレンと同じくトルネコ1でも実行可能と思われる。
 

トルネコ2

これ以降セーブが遅いハードに移行したことにより、一歩ごとのオートセーブやどこでも中断はできなくなり、階層を降りるタイミングで中断するようになった。
再開時に中断データは消えるので、中断せずにリセットするとその冒険自体を投げたことになる。
 
PS版トルネコ2の場合は、階層の合間に出現する「中断ポイント」で中断する。
中断ポイントは数階に一度程度の確率でランダムに出現するか、【中断の巻物】で確実に出現させられる。
が、中断の巻物は消耗品なので、特に深層の冒険になると任意の中断ができなくなってしまう。
特に【もっと不思議のダンジョン】では一切中断ポイントが出現しないので、【白紙の巻物】に中断の巻物を書き込まなければロクにセーブもできないという仕様になっている。
 
なお、再開時に中断データは消えてしまうとあるが、PS本体の操作でメモリーカードのデータをコピーするという邪道もある。詳しくは【コピーガード】を参照。

GBA版

さすがに不評だったか、中断ポイントの概念は無くなり、階層を降りるところで中断を選択できるようになった。
それに伴い中断の巻物もリストラされている。

トルネコ3

階層を降りるところでの中断は無くなり、1同様、フロアの任意の場所で中断が出来るようになった。
なお、本作ではセーブデータのコピーは出来なくなり、セーブデータをロードしたメモリーカードにしか記録できない。
(ゲーム中に別のメモリーカードに変えて記録しようとしても拒否される)

GBA版

GBA版トルネコ2と同様のシステムで、階層を降りるところでの中断になっている。

少年ヤンガス

こちらもGBA版トルネコ2と同様。

蒼天のソウラ

12巻に登場。
500年前の戦争をRPGで追体験していた【ソウラ】が、【ルシナ砦】で野営中に【真の太陽(ヴェリタ・ソルレ)】の戦士団にもみくちゃにされている中で【紅天のシャクラ】に対する考えを整理するために「中断」を行ってゲームをセーブして現実の身体に戻った。
中断の操作は原作であるDQ10同様のメッセージウインドウをプレイヤーがタッチすることで行われる。
RPGをプレイするソウラも【アズリア】も中断を何度か行っているほか、【潮龍ホルヘイズ】のソウラへのセリフからもゲーム内での食事や睡眠は本来の肉体を癒やさないために定期的な中断が必要な模様。