天眼の巫女

カーラ：
………………。
ルリ：
………………。
カーラ：
………………。
ルリ：
………………。
カーラ：
………なにかな？視線で会話する新しい能力かな？
カーラ：
あ……その……きょ！今日はいい天気ですね！
ルリ：
あっ！は、はい！いい天気ですね！
カーラ：
…………………………。
ルリ：
…………………………。
カーラ：
………………………………。
ルリ：
………………………………。
管理官：
…うわあぁぁぁ！耐えられないっ！何かしゃべろうよっ！
カーラ：
あ…ええと…あ、お、お茶はいかがですか？
よかったら……その…お菓子もあります…ので…。
ルリ：
あ……い、いただきます。
……………………おいしい。……すごくおいしい！
これ、すごく素敵！こんな美味しいお茶とお菓子、初めて食べました！
カーラ：
ほ、ほんとですか？よ、よかった…。
このお菓子は私が作ったの。新しい味に挑戦してみたから
口に合うかどうか心配だったのだけど…よかった。
ルリ：
これ、あなたが作ったの？すごいです…。
私、こういうの全然で…こんなおいしいもの作れるなんて…
……このお菓子からも、ほんのりお茶の香りが…
カーラ：
あ、気付きました？実はお茶の葉を混ぜて焼いてみたの。
風味が上がって美味しくなるかな、と思って。
新しい味ですけど、実は自信作なんです。ふふっ…。
ルリ：
わかります！この甘味の中にあるほんのりとした苦み…
この紅茶の香りと相まって…すごく素敵な感じになります。
こんなに素敵な組み合わせを考え付くなんて…素晴らしいです！
カーラ：
うふふっ…ありがとうございます。
そういってもらえると、作った甲斐があります…うふふっ。
あ！そうそう、こっちのジャムも自信作で………
管理官：
………無口な2人がこれほど盛り上がるだなんて…。
……というより、実はこの2人…実はおしゃべり好きなんじゃないの？

管理官：
………………。
カーラ：
ルリさん、こちらの香りはどうでしょう？
いくつかの茶葉を組み合わせてみたのですが。
ルリ：
…そう、ですね。少し強めの印象…な気がします。
何か…スパイス系の香りを足されると、もっと良くなりそうです。
管理官：
……仲良過ぎじゃない？ねぇ？2人は仲良過ぎじゃない？
カーラ：
…え？……あの…でも…ルリさんはすごく気の合う方で…その…
なぜかわからないけど…その…昔からのお友達…みたいな…
ルリ：
わ…私も…ほかの人とかまだ怖いけど…
カーラさんは…大丈夫…みたい…。不思議…。
管理官：
……なんで私に対してだとそういう態度になっちゃうのかな？
……泣いちゃうよ？
カーラ：
多分…ルリさんは……心に私と同じような…そういう「何か」が
ある、って…そんな気がするの…。
だから…だから私、ルリさんとは分かりあえると…思うの。
ルリ：
…うん、多分内容は全然違うかも知れないけど…。
本質の部分は同じものを…私は持っていると思う…。
管理官：
………そういう辛いところをぬぐい去ってあげるのも
私の仕事だと思ってたんだけど……ちょっと悔しい、かな。
カーラ：
そんなことより……お茶はいかがですか？
先ほどのルリさんのアドバイスで……ブレンドしてみました。
管理官：
……そうだね、それじゃ頂こうかな。
カーラ：
あ、それでねルリさん、この間、街の南方にある森の……
ルリ：
はい、ぜひ！あ、カーラさんご存知ですか？街の中央に新しく…
管理官：
…………疎外感なんてないから。
……………………………………。
…………………………………………もっとこっちも見てよぅ！

ミトス：
む？騒がしいと思ったら、なんじゃお主らか。
意外な組み合わせじゃの。
カーラ：
…………………………。
ルリ：
…………………………。
ミトス：
……こ、この儂を無視するなぁ～～！
今までワイワイやっとったじゃろう？儂も混ぜてくれてもよかろ？
……そうか、その服が邪魔なんじゃな？どれ、手を貸してやるから脱…
管理官：
だめー！ストップ！ミトスそれはダメ！
そういうのはダメなんだってば！
ミトス：
む？だがなお主も好きなのだろう？儂がこの間アドバイスしてやった
娘も大層感謝しておった。儂の言った通りに裸にエプロンだけにしたら
視線を釘付むぐっ!……っ……っ…っ！…っ！
カーラ：
……………………………………………………最低。
ミトス：
……っ……っ…っ！……ぷはっ！お主、息が出来んではないか！
儂はただ裸の素晴らしさを……む？お主なぜそんなものを儂に向ける？
……よ、よせ！防護壁を張ってるとはいえ痛いものは痛…
カーラ：
あはははははははっ！！服だけでなく、その身ごと散らしなさいっ！

管理官：
…………………………。
ミトス：
……お主、少しやり過ぎじゃ。儂はともかく、こ奴の身が持たんぞ？
それにしてもお主は面白いな。儂はお主が気にいったぞ。
カーラ：
…ご…ごめんなさい…。
管理官：
あいたたた…痛いで済んでるのが不思議だけど…。
ま、まぁいつものことだし、そんなに落ち込まないで、ね？
ミトス：
儂も大概だと思っておったが、やはり此処は不思議な場所じゃな！
このような奴らばかり集まりよるわ。
それにこ奴……くくっ、なかなかに脱がし甲斐がありそうじゃの…。
カーラ：
……え？あの…ええと…え？
ルリ：
だ、ダメです！ぬ、脱がすなんて…そんな…むむ、無理ですっ！
ミトスちゃん！ダメですからねっ！
ミトス：
大丈夫じゃ分かっておる。ふふふ、主らは「心」にも服を着ておるな？
儂に全てを委ねればよい。全て一枚、一枚、大切に脱がしてやろう。
くくっ…すぐに気持ち良くしてやむぐっ…むーむーむー…！
管理官：
どうしてこの子は口を開くとこんなことばかり…。
少しはつつましやかに痛っ！か、噛みついたねっ！
カーラ：
………ふ……ふふふっ………ふふふふふふっ……
ミトス：
……いい笑顔じゃ。そんな顔も出来るのであろ？
下らぬ衣など脱ぎ捨てよ。「過去」なぞにしがみつくな。
主はすでに手にしておるのだ。その先に続く切符をな。
管理官：
………ミトス……。
ミトス：
その前にまずはその服を脱ぐのじゃ。
何、恥ずかしいのは初めだけじゃ。その羞恥もすぐに快感に変わる。
仕方ない、儂自らが手伝ってやる。じゃからその衣を脱げ！
カーラ：
きゃ！ひ、引っ張ってはダメです！こ、このドレスは…
あっ！……だ…だめだって……くっ…も、もう……
……あっ！銃が………だ、だ……だめぇーーー！
ルリ：
カ…カーラさん……（おろおろ）
ととと…友達を助けなきゃ……ど、どうしよう……（おろおろ）
カーラ：
……あぅっ…ぐすっ……お嫁にいけなくなっちゃう……
ミトス：
……ふぅ、いい仕事をしたっ！
ほほぅ、お主……なかなかのものを持っておるのぅ……
やはり儂の目に狂いはなかった。さぁ、共に街に繰り出そうぞ！
管理官：
うわぁぁぁ！ダメだってば！カ、カーラに何か…ふ…く………
………す、すごい…ね…じゃなかった！ルリもおろおろしてないで
何か掛けるものを！わぁあああダメだってそっちにいったらダメ―！！

ミトス：
んむー！んんむー！んむー！（この、縄を、ほどけ！）
管理官：
実力行使ダメ！絶対！
ミトス：
んむー！んむむー！……ぷはっ！
まったく儂を縛るとは何事ぞ？言っておくが、儂にそんな趣味は
ないからな！
カーラ：
……あぅっ………もう恥ずかしくて死にそう…
ルリ：
……ミトスちゃん…あれはやり過ぎだと思うの……
ミトス：
…ぐ、しかしじゃなルリ、服などというものは無い方が…
……いや、その…じゃな………わ、わかったからそのような
目で見るな…ど、どうにも主は怒りっぽくていかん…。
管理官：
………あのミトスを抑え込む？一言で？
………あの…ル…リ…さん？あなたは一体…？
ミトス：
なんだお主、知らんのか？このルリは………まて、落ち着け！
わかった！な、なにも言わん！言わんから………はぁ、はぁ…
お、お主、悪いことは言わん。知らんでいいことは知ろうとするな…。

管理官：
でも意外だよ。3人がこれほど仲良くなるなんて。
……ルリとミトスの関係については謎が深まったけど…。
ミトス：
…お主もなかなかに勉強せん奴じゃな…そのことにはもう触れるな…。
だが、そうだな。儂もルリがここまで心を許す相手を見たのは
初めてかも知れん。だからこそ儂も心を許してだな…
ルリ：
……ミトスちゃん？だからってもうあんなことしたらダメです。
……でも確かに…その…カーラさん……綺麗でした…。
カーラ：
あぅ…ルリさん…も、もうそのことは…恥ずかしくて死にそうです…。
管理官：
………まぁもうミトスも強引にはしないんじゃないかな？……多分。
ミトス：
全く主らもわかっとらん。そんな布切れなど不要じゃと何度も
いっておろうに…。
肌を晒してこそ見えてくる世界もあるのだぞ？
管理官：
…いや、そんな世界はいいから。開眼したくないから。
ミトス：
まぁよい。時間はまだまだあるし、ゆっくりとわからせてやろう。
……それにその…まぁ…なんだ…その2人とは特に長い付き合いに
なるだろうし、な。うん、まぁよい。
管理官：
………何故赤くなる？
ミトス：
う、うう、うるさいっ！なんでもないわっ！
要らぬツッコミなどするなっ！
ルリ：
…うふふっ…これはとても…素敵な「未来」です。
カーラ：
…もう…2度と肌を晒すことは………あぅ……
ミトス：
くくっ、気になると言う事は、それだけ興味があると言う事の裏返しよ。
主を落とすのは、そう遠い未来ではないかも知れぬなぁ…。
前にも言うたが、何、そう嘆く事は無い。すぐに気持ち良く…
カーラ：
そっ！そそ、そんなこと！！！
にっ、二度とあのようなことをしたら、しし、したらっ！
い、い、痛いじゃ済ませませんからねっ！