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〔公式版〕 〔Steam版〕
概要
とある士官が休暇を取るために無茶苦茶な要求をしたら「できちゃった。てへぺろ」という逸話がある傑作戦術輸送機
太い胴体に高翼式主翼、主輪を収納するバルジ、スロープも兼ねる後部大型カーゴベイといった、
現代の軍用輸送機のスタイルは本機で確立されたといってもよい(本家WIKIより)
J型は最新型でありHUDやMFDといった最新のアビオニクスが搭載されている
DCS公式では初の輸送機(固定翼)であり兵站・物資輸送の幅が広がることが期待できる。
将来的には空中給油機型も来る予定
購入/導入時のアドバイス
MODのC-130Jがあるので、まずはそちらを試しましょう→リンク先
メリット
- 最新のアビオニクス: グラスコックピット化されており、HUD (Heads Up Display) や HDD (Heads Down Display) を通じて高度な状況認識が可能です 。
- 高度な自動化: FADEC (Full Authority Digital Electronic Control) によりエンジン管理が非常に楽になっており、オートスロットルやオートパイロットも充実しています 。
- 輸送任務の深み: 単に飛ぶだけでなく、CNI-MU (Communication/Navigation/Identification-Management Unit) を用いた緻密な飛行計画や、CARP (Computed Air Release Point) による精度の高い物資投下など、輸送機特有の運用を楽しめます 。
離着艦可能
デメリット
- 複雑なシステム操作: CNI-MU(フライトコンピューター)への入力操作が多く、戦闘機とは全く異なる学習コストが必要です 。
- 攻撃能力の欠如: 本モジュールは「C-130J-30」という輸送機型であり、AC-130のような攻撃機ではありません。武装は搭載できないため、戦闘を楽しみたいユーザーには不向きです 。
まとめ
「戦う」ことよりも「運ぶ」「計画通りに飛ぶ」ことに重きを置いた玄人向けのモジュールです。FADECやHUDのおかげで操縦自体は快適ですが、システム理解には時間がかかります。兵站(ロジスティクス)の要としてリアルな戦場を飛びたい方におすすめです。
外部リンク
ガイド/教本
キーアサイン
優先度の高いもの
- Flight Controls (Pitch / Roll / Rudder): 基本的な操縦軸。
- Throttle Quadrant: 4発機ですが、最低でも左右まとめて1軸、できれば4軸あると望ましいです。
- Flap Control Lever: 離着陸や物資投下で頻繁に使用します。0~100%の軸設定が推奨されます 。
- Trim Switches (Elevator / Aileron / Rudder): 特にエレベータートリムは必須です 。
- Autopilot Disconnect Switch: ヨーク(操縦桿)にあるボタンで、緊急時や着陸前に即座に解除するために必要です 。
- TO/GA (Go-Around) Switch: 着陸復行モードへの切り替えに使用します 。
余裕があれば割り当てたいもの
- Airbrake / Ground Spoilers: C-130Jには空中エアブレーキはありませんが、着陸後のリバース操作(プロペラピッチ制御)を割り当てると便利です。
- Parking Brake Handle: 地上での駐機・発進時に使用します 。
- Landing Gear Lever: ギアの出し入れに使用します 。
- HUD Declutter Switch: HUDの表示情報量を切り替えて視認性を確保します 。
- CNI-MU Keypad: 可能であれば、データ入力用にテンキーなどを割り当てると操作がスムーズになります。
レイアウト
始動
始動手順
- コックピット準備 (Pre-Start Checks & Setup)
- Oil Cooler Flaps: DOWN (AUTO) 位置に設定(重要: これを行わないと始動時に火災の原因となります)。
- Battery Test: スイッチを左(Avionics)、右(Utility)に倒して電圧を確認(22V以上、通常24V)。
- Battery Switch: ON にする。
- Master Caution/Warning: 点滅していたら押してクリアする。
- ACAWS (Advisory Caution and Warning System): 警告内容を確認(バッテリー放電中などが表示される)。
- Electrical Panel: 4つの Generator スイッチをすべて ON にする。
- Ice Protection Panel:
- Propeller switches (4つ): AUTO
- Engine, Wing, Empennage switches: AUTO
- Pitot / NESA Heat: OFF (滑走路進入時に入れるため)。
- Bleed Air Panel: 全スイッチが AUTO であることを確認。
- Pressurization Panel: Mode Select Switch を AUTO に設定。
- Fuel Management Panel: Left/Right Dump Valves が CLOSED であることを確認。その他のスイッチも適切か確認。
- Exterior Lighting: Nav Lights を FLASH、Top Strobe を RED に設定。
- FADEC / Prop Sync / ATCS:
- FADEC Control: 後ほどリセットするため確認のみ。
- Prop Sync: ON
- ATCS: ON
- Fire Handles / Engine Start Switches: Fire Handles は押し込まれているか、Start Switches は STOP 位置か確認。
- APU Panel: Fire Handle 確認、スイッチが STOP 位置か確認。
- ELT: IN / Pinned 状態か確認。
- Wipers: OFF。
- Landing Gear Handle: DOWN & Locked。
- Landing Lights: Motors HOLD、Lights OFF。
- Anti-Skid: ON。
- Hydraulic Aux Pump: OFF。
- Radar Master Switch: OFF。
- APU始動と電源確保 (APU Start & Power)
- APU Start: スイッチを RUN にし、その後 START 位置まで回して保持。緑色のライトが点灯したら離す。
- External Power Switch: APU回転数が100%になったら、Electrical Panel のセレクターを APU に切り替える(AC電源供給開始)。
- システムリセットと設定 (Systems Reset & Setup)
- Circuit Breakers (ECB) Reset:
- HDD (Heads Down Display) のいずれかに CB (Circuit Breaker) ページを表示させる(例:HDD2を選択)。
- CNBP (COM Nav Breaker Panel) でリセットが必要なECB番号を入力し、RESET を2回押して実行。
- Bleed Air: Bleed Air Panel の APU スイッチを OPEN にする。
- Elevator Trim Tab: NORMAL 位置に設定(スロットル後方)。これを忘れるとオートパイロットが使えません。
- Underfloor Heat/Fan: 副操縦士側の Air Cond Panel で FAN をONにする。
- FADEC Reset: Overhead Panel の FADEC スイッチを操作してリセット。
- NIU Reset: AMU (Avionics Management Unit) で ENGINE -> ENGINE DIAGNOSTICS -> NIU RESET を実行。
- Circuit Breakers (ECB) Reset:
- 航法装置セットアップ (Navigation & Alignment)
- EGI Alignment:
- CNI-MU の NAV モードキーを押す。
- INS ALIGN (またはGPS/EGI関連のキー) を押してアライメント開始。
- アライメント状況は NAV CONTROL -> NEXT PAGE -> EGI1 で確認可能(MODEが ALIGN から NAV になれば完了)。
- Master Avionics: PFDにヘディングが表示されたら(アライメント完了後)、Master Avionics Switch を ON にする。
- EGI Alignment:
- エンジン始動 (Engine Start)
- Power Levers: GROUND IDLE 範囲(17.5°~33°)にあることを確認。これより低い(リバース)位置だと始動しません。
- Hydraulics:
- Aux Pump を ON。
- Suction Boost Pumps (UTIL / BOOST) を ON。
- Engine Start Sequence: (通常 No.3 エンジンから始動)
- Engine Start Switch を RUN にする。
- START 位置に回して保持し、緑色のライトが点灯したら離す。
- ホワイトボックスとタイマーが表示され、スターターが回る。21% NG付近で点火(Light off)。
- 安定するまで待機(約72% NG)。
- 同様の手順で No.4, No.2, No.1 の順に始動(※複数同時始動は不可)。
- 始動後確認 (Post-Start)
- HUD: 明るさを調整してONにし、TACT (Tactical) と NAV レイヤーを表示。
- Ramp Door Check: 地上でランプを開閉したい場合は、AMU の PREFLIGHT ページで RAMP DOOR WOW OVRD を ON にする(Weight on Wheels保護の解除)。
- Backup ADI: アンケージ(Uncage)する。
注意点
- Throttle Position: 始動時、スロットルは Ground Idle 位置にある必要があります 。
- Monitor Engine Inst: HDDの Engine Display で、MGT (排気温度) や NG (ガスジェネレーター回転数) の数値が正常範囲内であることを監視してください。異常があれば即座に STOP に戻します 。
- EXEC Key: CNI-MUでルートを変更した際は、必ず EXEC キーを押して確定させるのを忘れないでください。押さない場合、変更は「MOD(修正案)」扱いのままとなり、誘導に使用されません 。
飛行
特性
ターボプロップ機特有の強力なトルクと、大型機ながら軽快な運動性を持ちます。また、ATCS (Automatic Thrust Control System) が搭載されており、低速時に外側エンジンが故障した場合、反対側のエンジンの出力を自動的に制限して推力不均衡による制御不能(Vmc以下の逸脱)を防いでくれます 。
禁止操作
- In-flight Reverse: 飛行中にスロットルを Ground Idle 以下のリバース域に入れることは厳禁です。
- Overstress: 貨物搭載量や燃料量に応じて G Limit が変化します。CNI-MUの V SPEED ページで現在の制限を確認してください 。
離陸
関係する速度
離陸速度は重量や環境によって変化するため、CNI-MUのTOLD (Takeoff and Landing Data)ページで計算された値を使用します。
- V₁ (Refusal Speed): 離陸決定速度。これを超えたら離陸を継続する必要があります。
- VR (Rotation Speed): 機首引き起こし速度。この速度で操縦桿を引き、離陸します。
- VOBS (Obstacle Clearance Speed): 障害物クリアランス速度。離陸直後の上昇で使用します。
巡航
巡航速度
- VH (Maximum Operating Speed): 水平飛行時の最大速度。これを超えないように飛行します。
- CNI-MUのフライトプランに基づき、最適な巡航速度と高度で飛行します。
自動操縦
C-130Jは3軸オートパイロットとオートスロットルを備えています 。
- Lateral Modes: LNAV (CNI-MUのルート追従) や HDG (ヘディング維持) などがあります 。
- Vertical Modes: ALT (高度維持)、VS (昇降率維持)、IAS (速度維持) などがあります 。
- Autothrottle: A/T スイッチを入れることで、設定した速度を自動で維持します 。
着陸
成功への鍵
- HUDの活用: HUDに表示される FPM (Flight Path Marker) を滑走路の接地点に合わせることで、精密な着陸が可能です。
- On-Speed: HUD左側の E-Bracket (AoAインジケーター) や速度計を見ながら、適切なアプローチ速度を維持します。
- Reverse Thrust: 接地後、スロットルを Ground Idle より後ろの Reverse 域に入れることで、強力な減速力を得て短距離着陸 (STOL) が可能です。
関係する速度
- VREF (Approach Speed): 進入速度。フラップ設定と重量に基づき CNI-MUで計算されます。
- Flap Limiting Speeds: フラップ展開には厳格な速度制限があります。
- 50% Extension: 183 KIAS
- 100% Extension: 145 KIAS
航法
Nav-Radar / LPCR (Low Power Color Radar)
このレーダーは戦闘機のような火器管制用ではなく、主に地形マッピング(Skin Paint)、気象回避、および航法支援に使用されます。また、TCAS (Traffic Alert and Collision Avoidance System) と連携して周辺航空機を表示することも可能です。
- 起動と基本操作 (Radar Control Panel)
レーダーの物理的な操作は、Upper Center Console (上部センターコンソール) にある Radar Control Panel で行います 。- MODE: レーダーの動作モードを選択します(MAP, WX, BCNなど)。
- GAIN: レーダーの感度を調整します。地形を明瞭に表示するために調整が必要です。
- TILT: アンテナの上下角度を調整します。
- 地形を見る場合: 下方向 (Down) にチルトさせます。
- 気象を見る場合: 水平~やや上向きに調整します。
- HDDへの表示 (AMU操作)
レーダー画面を表示するには、AMU (Avionics Management Unit) を操作して、任意の HDD (Heads Down Display) に表示させます 。- AMUの MAIN MENU から NAV-RADAR を選択します 。
- 右側の画面に HDD POS メニューが表示されるので、表示させたいHDDの番号(HDD 1~4)を選択します 。
- 表示設定 (AMU: NAV-RADAR DISPLAY)
AMUの NAV-RADAR ページでは、レーダー表示の詳細な設定が可能です 。- 表示範囲 (Range): R1 キーでレンジを変更します(例: 40 NM, 80 NMなど) 。
- 画面分割 (Full/Part): L1 キーで全画面表示 (FULL) か、エンジン計器などと併用する部分表示 (PART) かを選択します 。
- 中心位置 (Center/Offset): L2 キーで自機位置を変更します。
- CENTER: 自機を画面中央に表示(全方位の確認に有利)。
- OFFSET: 自機を画面下部に表示(前方の確認範囲が広がる) 。
- 方位基準 (Heading Ref): L4 キーで表示の向きを変更します。
- HDG: ヘディングアップ(機首方位が上)。
- TK: トラックアップ(進行方向が上)。
- N: ノースアップ(北が上) 。
- オーバーレイ情報の表示 (Overlays)
レーダー画面には、地形エコーだけでなく様々な戦術・航法情報を重ねて表示(オーバーレイ)できます。AMUの NAV-RADAR ページから OVERLAYS> (R2) を選択して設定します 。- FLT PLN (L3): フライトプラン(ルート)を表示します 。
- TACTICAL (L2): 脅威リング、SAMサイト、IP(Initial Point)などの戦術シンボルを表示します 。
- NAV AIDS (L1): VORやTACAN局の位置を表示します 。
- AIRPORTS (R1): 空港シンボルを表示します 。
- RWR (R2): RWR (Radar Warning Receiver) が探知した脅威情報をレーダー画面上に重ねて表示します。これにより、脅威の方位と地形関係を同時に把握できます 。
- カーソル操作
Cursor Control Panel または Cursor Hand Controller を使用して、レーダー画面上のカーソルを操作できます 。- カーソルを特定の地点に合わせてマークしたり、その地点の座標を取得したりすることが可能です。
- カーソル操作パネルの DISPLAY スイッチで、操作対象のHDDを選択する必要があります 。
物資投下
CARP (Computed Air Release Point) システムを使用します 。
- CNI-MU設定: CARP INIT ページで、ドロップゾーン (DZ) の位置、投下高度、風向風速、貨物の種類を入力します 。
- アプローチ: HUD上に投下ポイントへの誘導指示(ASL: Azimuth Steering Line)が表示されます 。
- 投下: 「Green Light」シグナルが点灯すると、自動または手動で貨物が投下されます。
対抗手段の使い方
自衛用のシステムとして以下を搭載しています 。
- RWR (ALR-56M): レーダー波を探知し、脅威を表示します。
- MWS (AAR-47): ミサイルの発射炎(赤外線)を探知します 。
- CMDS (ALE-47): チャフ・フレアの放出装置です。
- モード: MAN (手動)、SEMI (半自動)、AUTO (全自動) が選べます。AUTO にしておくと、MWSがミサイルを探知した瞬間に自動でフレアを放出します 。
