城島健司の怒りを表す曲…ではなくアメリカのスポーツ専門チャンネル・FOXが、MLB中継の攻守交替時に流す楽曲「MLB on Fox Theme」のこと*1。
城島がシアトル・マリナーズに所属していた2006年5月19日(現地時間)のマリナーズ対サンディエゴ・パドレスの試合が由来。
概要
5回表一死満塁でパドレスのブライアン・ジャイルズが右翼手・イチローへの飛球を放ち、3塁走者のジョシュ・バーフィールド*2がタッチアップで本塁に突入するがイチローからの好返球でワンテンポ早く城島のミットにボールが収まると、それを見たバーフィールドは本塁ではなく城島に向けてタックルした。
城島は吹き飛ばされたがボールは離さず、走者のバーフィールドはアウト。城島は起き上がりながらバーフィールドに向けて鋭い眼光で睨み付けた。
この一連のプレーとリプレイの際に流れていたBGMが城島の様子・表情とどことなくマッチしていたため「城島怒りのテーマ」と呼ばれるようになった。
その後
なお城島は件の「怒りのテーマ」以外にも日米問わず走者のタックルを食らうことが多い。2007年5月7日のニューヨーク・ヤンキース戦では城島へのタックルがきっかけでマリナーズ側が報復死球、さらにヤンキース側も死球を返したことから乱闘・警告試合に発展している*3。
城島怒りのテーマ~犠牲ツライ(新井タッチアップ事件)編~
城島が阪神に所属していた2010年5月24日の対千葉ロッテ戦(甲子園)での出来事。
4-4で迎えた9回裏、阪神はロッテの抑え・薮田安彦を攻め一死満塁とし城島がセンターへ犠牲フライを打ち上げ三塁走者のマット・マートンがホームイン。これで歓喜のサヨナラ劇…のはずがなぜか青ざめる阪神ナイン。その原因は二塁走者の新井貴浩が三塁へのタッチアップを試みアウトになっていたからであった*4。
マートンのホームインが先とジャッジされ事なきを得たがあわやの大ボーンヘッドをやらかした新井に城島が「オイ! わざとかコラ!*5」と激怒したのも無理はない。
犠牲ツライの再来
梅野タッチアップ事件
新井の一件からから8年以上経った2018年8月30日の阪神対ヤクルト戦(甲子園)で発生。当事者は梅野隆太郎と鳥谷敬。0-1で迎えた5回裏、阪神はヤクルトの先発・山中浩史を攻め一死満塁とし糸原健斗がセンターへ犠牲フライを打ち上げ三塁走者の鳥谷がホームイン。これで同点…のはずだったが二塁走者の梅野が三塁へのタッチアップを試み鳥谷がホームインする前にアウトになってしまい8-5の併殺で3アウトチェンジになってしまった*6。捕球位置とセンター・青木宣親の肩に鳥谷の足を考えれば青木が本塁で鳥谷を刺すのは至難でありせめて梅野と才木浩人(一塁走者)の進塁だけでも阻止しようと青木が考えたのも当然である。結果的には梅野と鳥谷双方の走塁ミスとも言えこちらも梅野が絡んだ「申告セーフティスクイズ」事件などと共に低迷に喘ぎ最終的に17年ぶりの最下位に転落した2018年阪神を象徴する事件の一つとも言える。
ちなみに新井と梅野のプレーを両方とも目の当たりにした人物として、2018年のもう一方の当事者の鳥谷の他に藤川球児と(藤川)俊介がいる。ちなみに金本知憲監督も選手として新井タッチアップ事件を見ていたはずだが「あんなプレー、見たことがない」という発言をするあたりすっかり忘れていた模様。
余談だが、NHKの球辞苑で審判が取り上げられた際、眞鍋審判はこの事件を、審判の連携(審判同士のフォーメーション)が完璧で正確なジャッジができた例として紹介していた。
植田三塁未到達事件
新井が引退した翌年の2019年5月23日の阪神対ヤクルト戦(甲子園)で発生。1対1の同点で迎えた9回裏、阪神は1死満塁のチャンスを作ると糸原がヤクルト5番手のマクガフから右翼手・雄平の頭上を越える安打を放ち阪神がサヨナラ勝ち。阪神ナインは歓喜の輪を作るが、その中には二塁走者の植田海を厳しい口調で叱責する福留孝介の姿が。チームメイトやファンが何が起こったのかと不思議がる中、一部のファンが植田が三塁到達前に走塁を放棄しナインの輪に加わっていたのを発見*7。ここではどう転んでも得点が認められる状況であったため事なきを得たが、このようなプレーは状況次第では大ボーンヘッドとなることがある*8ため、最後まで気を抜かない姿勢を徹底させた福留の行為に称賛の声が上がった。なお、植田は半月たたぬ間に、今度は試合を終わらせる大ボーンヘッドをやらかすのである。
ちなみに藤川と鳥谷は新井・梅野・植田のケースを選手として全て目の当たりにしている。
動画
類似例
秋山怒りのテーマ・工藤怒りのテーマ・森脇怒りのテーマ
正式なタイトルは「NFL on FOX theme」*9。
2013年から2019年ごろまではFOX日本法人が福岡ソフトバンクホークス、オリックスバファローズと提携し球団公式映像の制作を担当しており、攻守交代時や試合終了後のハイライト時などにこの曲が使われていたが、最初に使われた2013年3月8日のオープン戦・福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズ(ヤフードーム)で秋山幸二監督率いるソフトバンクがボロ負けしていたことからその名がついた。後にこの曲を負け試合で使われがちだった秋山の後任・工藤公康やオリックス監督の森脇浩司の名を関しても呼ばれた*10。
森岡怒りのテーマ
正式なタイトルは「マルチテーマA・錨を上げて」。ヤクルトのチャンステーマの一つで、一時期は松元ユウイチ(現打撃コーチ)の応援歌として使われたこともある曲。
2020年10月3日に勃発した、いわゆる「もう一発事件」にて、非常識な野次に対して激怒したヤクルトの森岡良介内野守備走塁コーチが飛び出す際に同曲のイントロが流れた*11ため、こう呼ばれる。