登場人物/酔狂な美食家

Last-modified: 2024-10-09 (水) 23:09:22

MHP3から登場している依頼人の一人。

目次

概要

  • 美食家とあるように、MH世界の様々なモンスターを食さんとする人物。
    酔狂と冠が付くだけあって理解に苦しむ通の食べ方を追及しているらしく、
    依頼文に調理方法を載せていたりもする。
  • 最初はデルクスのキモを食べたいという、まだ日本人なら理解できるような美食を堪能していた。
    わざわざ依頼文に
    「生で刺身にし、塩を塗して美酒をお供にペロリと食べるのが粋で美味い」
    などと書き込んで説明しようとしている辺り、モンハン世界ではあまりメジャーな食べ方ではないようだが…。
    • 説明から察するに恐らく、カツオやイカ等の塩辛に近い食べ方だと思われるが、
      後述する余談の通り、現実世界で見ても日本以外の地域ではマイナーな食べ方ではある。
  • しかし、とある異国に虫を煮込んで食べる文化があると聞いたことから彼の迷走が始まる
    なんと件の食文化を実践すべく、甲虫種の狩猟依頼を出してくるようになったのである
    MHP3当初はブナハブラくらいしか対象にしていなかった*1が、
    MH4ではアルセルタスゲネル・セルタスをターゲットとした依頼を提示してくる。
    確かにクンチュウ、ブナハブラ、オルタロスよりは可食部が多そうではある。
    • アルセルタス及びゲネル・セルタスを食べてみた結果はというと、お世辞にも美味しいとはいえなかったようだが、
      それでも懲りずに「これが最後の挑戦じゃ!」と言ってもう一度ゲネル・セルタスを食べようとするあたりが
      『酔狂』たる由縁だろう。
      ただ、さすがに2回目の時は「こりない奴」と突っ込まれており、
      う、うむ、ワシもそう思う」と本人も気にしていた。
    • マズかったならやめとけよと言ってやりたいが、真の突っ込み所はそこではない。
      彼が依頼したクエストに登場するゲネル・セルタスは、あろうことか狂竜ウイルスに感染しているのだ。
      加熱調理をするとはいえ、一般人がそんなものを食べても大丈夫なのだろうか?
      というか、それ以前にゲネル・セルタスは結構な頻度で悪臭のフェロモンを全身に広がるほどに放出する。
      とてもじゃないが臭くて食べられたものではない筈である。
      • 現実においては動物、植物共に様々な感染性の病気が存在しているが、
        病変によって壊死し腐ってしまった部位でなければ、人間が食べても問題はないことが多い。
        豚やイノシシが感染する豚熱や鶏などが感染する鳥インフルエンザなどの
        家畜の間で時折問題になるウイルス性の感染症の大半も、
        食肉加工してしまえば人体に悪影響が起こると言うことは基本的には無いとされている。*2
        狂竜ウイルスも案外、似たようなものだったりするのかもしれない。
        なお狂竜ウイルスとは違うが、MHSTでは黒の凶気に冒されたアプトノスの肉なら焼けば問題なく食べられるほか、
        各種調合素材として使っても通常の生肉と変わらずこれと言った問題は起きない。
        …だが、黒の凶気を浴びた漬物を食べたら腹を下したという描写もあるため、物によるのかもしれない。
      • ちなみに狂竜ウイルスを操るマガラ種は火属性が弱点だが、
        狂竜ウイルス自体は熱に弱いのかは定かではない。
        というより灼熱の地底火山で狂竜化グラビモスが悠々と溶岩浴をしているあたり、
        加熱調理による作用とは違うだろうが、熱にも耐性はあると考えて然るべきな気もする。
    • また、ゲネル・セルタス素材の一つ重甲エキスには以下のような説明文が書かれてある。
      「何かが混じった状態で空気に触れると酸性になり非常に危険
      …そもそも無事に調理できたのだろうか?
      ついでに言えば、ブナハブラの件にしても場合によっては毒された個体が彼の食卓に上がることになる*3
      こんな食料以前とも言える物体を平らげてしまうのだから、
      もしかしたら彼の胃袋はコゲ肉をいくら食っても平気なハンター並みに強靭なのかもしれない。
      (一応、毒けむり玉は人には無害らしいが…)
  • 最後の挑戦と宣言し、恐らく今度も失敗し、
    あのオッサンも今度こそ懲りただろう……そう思っていたハンターだったが、
    彼の酔狂ぶりは伊達ではなかった。ここから更に予想外の展開へと巻き込まれていく。
    続くMH4Gではカエルを揚げて食べる文化があると耳にしてしまい、
    なんと新たなターゲットとしてテツカブラを食そうという暴挙に出る。
    やはり彼は前回の件で狂竜化してしまったのかもしれない
    しかも食えたものかわからないのに、いきなり二匹狩ることを要請してくるのである。
    懲りるどころか悪食ぶりがますます加速している有り様。
    曰く、「まだまだワシの食の探究心は満たされておらぬぞ!」とのこと。早いところ究めていただきたいものである。
    • なお、このターゲットになるテツカブラ、G級である。
      屈強なその肉体は硬すぎて、まともに調理もできなさそうであるが、
      依頼文によると白くなった尻尾が大層軟らかい、ということに興味を惹かれたご様子。
      だが、かの部位は顎で岩を持ち上げる等の力を込めるときのみ、白く軟らかくなる。
      …つまり、狩猟されて死亡したテツカブラの尻尾はあのトゲ棍棒のような尻尾である。ってことは……
      • カエルを食べてみたいなら先に釣りカエルでも試食していただきたいものである。
  • MHXでも懲りずにまたテツカブラやセルタス種に手を出している。
    集会所★6にはゲネル・セルタスの狩猟クエストと捕獲クエストが別々に存在するが、
    驚くべきことにどっちもこの美食家からの依頼である。どうやら全く懲りてなかったようだ。
    もう極限状態になってしまったのか…?
  • MHXXでも再び依頼を出してくる…のだが、その依頼文がとんでもないこととなっていた。

    前にアルセルタスを狩ってもらい食したが、実に珍味じゃった…。
    また、あの珍味を味わいたい…!
    誰か、狩ってきてはもらえぬか?

  • ……この美食家、散々食い続けた結果としてなのか、一周してアルセルタスを珍味として気に入ってしまったのである。
    もはや凡人には及ばぬ極致に達しつつあるのか…
    こうなってしまった以上、もはや何でもありに拍車がかかりそうである。
    多分獰猛化くらいはしてしまったかもしれない
    • ちなみにこちらのクエストは村クエで、「前にアルセルタスを狩ったクエスト」は集会所に再録されているため
      プレイヤーによっては逆の時系列で遭遇する場合もあるが気にしてはいけない
  • MHWorld以降は未登場。
    お気に入りのアルセルタスが狩猟対象ではない関係で単に依頼を出していないだけなのか、他に理由があるのかは不明。
    無茶な食材を求め過ぎた挙句、食当たりして再起不能になったとかで無ければいいが…。
    あるいは遂に古龍を食べて影響受けて歴戦の美食家になってしまったとか…
    それともいよいよキュリアを食べて傀異克服美食家にでもなったのだろうか。
  • MHSTシリーズの方にも全く姿を見せていない。
    せっかくアルセルタスがMHST2では狩猟対象になったと言うのに、彼はいったいどこで何をしているのだろうか…。
    とうとう凶光化してしまったのだろうか?

余談

  • 現実世界においても、昆虫を食べる文化は広く分布している。
    日本ではイナゴや長野県で食べられている蜂の子(スズメバチの幼虫)等が有名だろう。
    また、2010年代以降は乾燥させて粉末にしたコオロギを使った料理なども出回るようになってきている。
    …世界、特に東南アジアや南米なんかになると
    かのGやらタガメやらセミやらでっかい芋虫やらの料理のオンパレードとなるが。
    • まあ、そんなこと言えば上のデルクスのキモを刺身にする行為を
      「なんだ、割と普通だな」と思える我々日本人も、
      海の遠い内陸文化圏から見ればかなり変わった食文化の持ち主で、
      日本や北極圏のように魚や肉に火を通さず食べようという発想自体が
      「海が近く保存の心配が少ない」「極端に寒い」
      「野菜や穀物が育たないから代わりに新鮮な動物タンパクでビタミン類を摂取する」といった気候風土の産物なのである。
      欧米式の獣肉食もまた、もともと日本では飛鳥時代以降仏教文化が根付き過ぎて肉食が忌避されていたので、
      イノシシシカ等の肉を
      「イノシシの肉ではなく山クジラの肉、ないしボタンという食べ物」「シカ肉ではなくモミジという食べ物」
      といった言い換えをしたほか、
      「体が弱ったので滋養(≒スタミナ)をつける薬であって好んで食べていない」として
      「薬食い」などと貴族大名が言い訳して食べていた記録がある。
      他にも、江戸時代にはウサギを
      「2本脚で跳ね回るから、鳥に近い」や「鳥の鵜(ウ)と鷺(サギ)に近い発音だから」
      として鳥に分類できると屁理屈を言い張って人々は食用としていたという逸話もある
      (これがウサギが哺乳類なのに「〇羽」と数える由来とされる)。
      これこそカルチャーショックと言えよう。
    • 一例として、英語圏ではタコがデビルフィッシュ(悪魔の魚)という別名で呼ばれている事は有名。*4
      これに限らず、キリスト教やユダヤ教、イスラム教などのエイブラハム宗教の原理主義では
      タコをはじめとしたイカや貝などの軟体動物をはじめ、果てにはエビやカニといった甲殻類を含む
      鱗の無い水棲生物を「不浄な生き物」として食すことを禁忌としており、
      実際に現在でも一部の宗派では食すことを禁じているという、
      漁業の盛んな日本では信じがたい実例が有名どころの宗教でも存在している。
      • また、ドイツ語圏(北ヨーロッパ地域)などタコやイカを食料としない地域では、
        馴染みの無さから伝統としてタコとイカを区別した呼称そのものが存在せず、
        言語文化面からも日本とはタコやイカとの馴染み方が全く異なる形となっている。
    • また、昔は特定の日時しか陸棲生物の食肉が許されなかったキリスト教の一部では、
      なんとビーバーを「尻尾に鱗があるから魚に分類でき、禁忌に触れない」と
      言い訳して食料としていたなんていう歴史もある。
      他にも、ヨーロッパでは例外的にタコやイカなど鱗の無い魚介類を積極的に食べてきた地中海地域は、
      この地域のキリスト教宗派であるギリシャ正教では鳥獣の肉のみならず魚を食べるのも禁止する日があり、
      一方で上述した鱗の無い生き物への忌避の抵抗が地中海では漁業の盛んさから小さかったこともあって、
      この戒律の抜け穴としてタコやイカなど鳥獣でも魚でもない動物を用いた料理が発達したとされている。
    • 日本ではペットや実験動物として飼育されるネズミの仲間、モルモット(テンジクネズミ)だが、
      実は原産地の南米では伝統的な食用家畜であり、
      現在でも南米のペルーなどではモルモット肉およびモルモット料理が日常的に愛好されている。
      モルモットに限らずネズミの仲間の食材利用だが、
      穀物を食い荒らしたり、伝染病を媒介したりといった理由からの忌避や
      それに伴う宗教的観点によってネズミ食をタブーとする場合もある一方で、
      主食とするほど食肉としてネズミを活用している地域や民族もある。
      ちなみに前述したビーバーもネズミの仲間(齧歯目)である。
      • なお、日本含め各国で食用にされていたウサギの分類される「兎形目」は
        齧歯目と共通の祖先を持つ近縁な動物目であり、ウサギ食もネズミ食に近い文化ともいえる。
    • また、上述した昆虫食の「でっかい芋虫」であるが、
      調理や暖房で使う炎が薪だった時代では、
      薪割りの際に木の中から出てきたカミキリムシの幼虫(通称テッポウムシ)を
      焼くなどして食べる文化が過去の日本含めて世界中であり、
      現在では昆虫食を忌諱する傾向が強いヨーロッパでも
      古代ローマではヒロムネウスバネカミキリの幼虫*5
      「コッスス」という絶品の食材として珍重され、
      上流階級がこぞって集めて食べていたという実話が存在する。
      • ちなみに、虫を食用にする件だが、
        「食糧難の頃に虫を仕方がなく食べていた」のは誤りの事が多く*6
        「その地域で採れる食味の良い虫を選んで食材としていた」
        のが昆虫食の大半である。
        数多の種類がいるバッタの中でも食用にするのをイナゴやコオロギなど数種に絞っている、
        ハチの中でも特に危険性が高いスズメバチの巣を壊してその幼虫を食用にしていた…
        といったことがその証左といえる。
  • モンスターハンター世界にも米虫サソリスカラベ
    イレグイコガネといった食用の虫は存在しており、
    特にMH2・MHFでは虫系という食材カテゴリーも作れそうなほどのラインナップである。
    にが虫も食用と言えるかは微妙だが多くのハンターが口にする虫である。
    おそらく、虫食自体はモンハン世界ではそう異質な文化ではないのだろう。
    だからといってゲネル・セルタスを喰おうという発想が一般的かは微妙だが
    • 尤も、「珍味」的な扱いであれば悪臭昆虫の代表格カメムシを食材にする例も実在するし、
      香草のパクチーはカメムシの一種とそっくりな臭いがするので知られる。
      この美食家が「また食べたい」などと言い出したのも、
      臭いや酸性体液の独特な食味が癖になってしまったから…なのかもしれない。
  • ちなみにカエルに関しても、「食用ガエル」という言葉が存在するように、
    実際に食材として用いられるカエルは何種類も存在する。
    例えばウシガエルは元々食用としてアメリカから日本に輸入されたものであるし、
    日本では高級料理のイメージがあるフランス料理でも
    食用ガエルはれっきとした食材として含まれている。
    なお、鶏肉のような味がして結構おいしいそうだ。
    だからといってテツカブラを喰おうという発想が一般的かは微妙だが
  • 昆虫以外の虫を使った料理としては、
    大型のクモやサソリを食べる習慣を持つ地域や民族が存在する。
    クモの場合はアシダカグモやタランチュラ(オオツチグモ)などが対象で、
    生物学上の近縁種であるカニやエビなど甲殻類に近い味がするらしい。
    ……クモと言えばこいつらがおり、MHRiseでは更に増えてしまった。
    配信クエストやシリーズ続投時に美食家が食べたいと言い出さないことを祈りたい。
    特に前者は場合によってはの皮やら猛毒麻痺毒催眠性の液体その他がセットで付いてくる可能性もあるのだから、
    やはり一般的な観点から言えばとても食えたものじゃないはずである。
    • しかし、やはりMH世界はいろいろと格が違った。
      MHRiseの公式資料集「百竜災禍秘録」の記事より、
      ツケヒバキ*7を食材として取り扱う里村が存在することが明記されているのである。
  • しかし、MH世界にしろ現実世界にしろ、過去にも彼のような人物がいたからこそ、
    現代の各地の食文化は築き上げられているというのもあながち間違いではないだろう。
    今でこそメジャーな食材でも、過去にそれを食べられると証明した人物がいたからこそ*8
    現代の我々は安心して食べていられるのである。
    一部のキノコやフグなど、普通に食べれば死亡する危険性すらあるが、
    専門的な知識や特殊な技術を用いれば食べられるというのも、
    そういった研究をした人物がいたから現在では食材として認められている。
    食の探究とは、いろんな意味で命がけの冒険なのだ。
    • MHW以降ではかまど焼きやよろず料理として、
      ビックリするようなモンスターの尻尾や表皮をハンター側も料理するようになり、
      (中には有毒生物であるプケプケの尻尾なんかも含まれている)
      ハンターおよびギルドも食の探求をしているような様子が見られるようになった。
      今後のモンハンで巨大虫や大型両生種をよろず焼きする日が来るかもしれない。
      …まぁそれらのモンスターが食料として大衆的になるかはかなり怪しいものであるが…

関連項目

登場人物/食道楽を究めた貴婦人 - ゲテモノ食い繋がり
アイテム/食材 - 食べられるという設定のモンスターとその部位について記載

美食家が挑戦したモンスター

モンスター/デルクス
モンスター/ブナハブラ
モンスター/アルセルタス
モンスター/ゲネル・セルタス
モンスター/テツカブラ


*1 当時からオルタロスは一応食用になることが確認されていたが、それでも指名したのはブナハブラだった。
*2 にもかかわらず食肉加工せずにすぐ殺処分してしまうのは、あくまで感染拡大を防ぐためである。
*3 消化器官から吸収されないため、狩猟直後に獲物を食べても平気な毒は実在する。南米原住民が使うクラーレと呼ばれるものがそれ。
*4 念のため言っておくと、英語圏でもタコをデビルフィッシュと呼ぶのはほぼ死語に近いレベルで使われていない単語であり、そもそも宗教的タブー発祥の用語ではなく19世紀の小説から一般に広まったかなり歴史の浅い単語である。タコがその姿形から欧米で馴染みがなかったのは事実だが。
*5 ちなみにラテン語(古代ローマで使われていた言語)でコッスス(Cossus)はボクトウガ(幼虫は木に穴を開けて、そこから染み出す樹液につられて来た虫を捕らえて食べるという生態を持つ)を意味するのだが、これはカミキリムシをボクトウガと勘違いして誤って名付けられたものとされる。
*6 第2次大戦中および戦後黎明期の日本のように食糧難から虫を食べた者がいた時期でさえ、大半の者はイナゴやセミなど食味の良い虫を選んで食べていた(というかそうしないと長期的にみて食が続かない)とされている。
*7 正確には成熟したツケヒバキの雄個体
*8 それこそ縄文時代の遺跡からもフグの骨が発掘されているし、遥か下った江戸時代においても毒に当たって死ぬことを恥として武士階級はフグを口にしなかったが、庶民達が美味とスリルを楽しんだ意を詠んだ川柳は数多く残されている。