概要
DQ1、DQ3などに登場するアイテムで、吟遊詩人【ガライ】が愛用した楽器。
いずれの作品でもフィールド上で使用すると敵が出てくるという効果がある。
戦闘中に使うとモンスターが喜ぶが、動きを止めたりなどといった特別な効果はない。
スーパーライトでは装備品として登場した。
また、トルネコ2、トルネコ3、少年ヤンガスには、このアイテムの名を冠した【銀のたてごとの巻物】という巻物が登場する。
DQ1
【ガライの墓】に眠っている重要アイテム。
ダンジョンを探索して重要アイテムを入手するのはよくある一般的な謎解きなのだが、これは記念すべきシリーズ初の、そして今作ではなんと唯一の、ダンジョン内の宝箱に隠された必須イベントアイテムである。
今作の数少ないダンジョンはそれぞれの役割がバラエティに富んでいるためか、他の重要アイテムは町・城・ほこら・フィールドなどに隠されている。創始期のRPGゆえに様々な可能性を探っていたことが覗える。
【雨のほこら】に居る老賢者に渡すと、彼の守っていた宝箱から【あまぐものつえ】を入手できる。
なお、杖を入手する前に老賢者に渡した時点でこのアイテムは道具欄から消失する。普通はすぐに宝箱を開けると思うが、もしも宝箱を開けずにほこらから出ると大変なことになるので注意。
使用したときは以下のメッセージと共に【虹のかけ橋(銀の竪琴)】というMEが流れる。
○○○○は たてごとを かなでた。
フィールドでない場所では「しかし なにも おきなかった。」と続く。
フィールド上で使用した場合は、モンスターを呼び寄せ戦闘になる。
使用時の出現モンスターは、【スライム】・【スライムベス】・【ドラキー】・【ゴースト】・【まほうつかい】・【おおさそり】の6種類で固定となっている。
特定のモンスターID以下の敵だけが出現するのかと思いきや、【メイジドラキー】だけはおおさそりよりもIDが低いにもかかわらず出現しないので、この6種類は意図的に選ばれた組み合わせのようである。
なお【せいすい】・【トヘロス】が効いている最中でもお構いなしに出現させられる。
なお戦闘中に使うと以下のようになるので、【ラリホー】を組み合わせるとちょっとした冗談テクニックになる。
○○○○は たてごとを かなでた。
○○○○○○○は うれしそうだ!
単なる演出であり当然のことながらモンスターの敵意は変わらず、直後に普通に襲ってくる。
本来ならラスダンである【竜王の城】に向かう段階では持っていないはずのアイテムなのだが、【復活の呪文作成プログラム】などで作成した呪文を用いると、このアイテムを持った状態で再開することができ、そのまま【りゅうおう】を倒してエンディングを迎えることができる。
また、本来エンディング中は【ラダトーム城】への帰りの道のりでも敵は出現しないのだが、上記の方法で持ち越したこのアイテムを使えば通常通り敵が出現する。
さらに、その戦いで死ぬと王の前に飛んで恒例の【おお ○○○○! しんでしまうとは なにごとだ!】と言われる。この台詞を聞いた後は、王も姫も町人たちと同じ台詞を言うので、復活の呪文は聞くことができない。
そのまま1階に下りると当然そこにも王がいて、いつも通りエンディングを迎える用意ができている。そして王の前に立つとエンディングが始まる。この時、王の後ろなどにも立って話しかけることができるが、やっぱり町人たちと同じく「さあはやく おうさまのもとへ!」としか言わない。おいおい王様はあんただろ…
もっとも、この状況を見るために死ぬのは相当面倒な作業である。
なにしろ時期的にLv20はある上に、竪琴で呼べるのは上述の通り序盤の敵ばかりなので、その圧倒的な実力差から呼び出しても高確率で逃げてしまう。当然、戦えば瞬殺。
他作品と違い、防具を外して守備力を下げて被ダメージを増やすことも叶わない。
しかも今作では戦闘中にプレイヤーが【無駄行動】になるようなコマンド選択の大半は拒否される仕様があり、こちらから攻撃せずに一方的にモンスターに攻撃してもらう方法はきわめて限られる。装飾品をはめなおすのが手っ取り早いので道具欄の最初のほうに【せんしのゆびわ】か【りゅうのうろこ】を配置しておくと良いのだが、今作では持ち物の位置を後からは変更しにくい仕様なので、復活の呪文を捏造するときから気を遣う必要がある。
もしもどちらも持っていなかった場合、銀の竪琴をかき鳴らすか、【ようせいのふえ】を吹くか、MPが残っていれば【マホトーン】を唱える手もある。もちろんマホトーン以外ならその度に長いメロディーを聴かされる。
その上、魔法使いの【ギラ】以外は大抵やっとこ1,2ダメージも程度、そのギラも【ロトのよろい】のために高くて5,6ダメージしか与えられない。
こんな体たらくで120以上あるHPを地道に削らせなければならないのだ。
集中力が切れてくると道具欄の最初にある【やくそう】のところで間違えてボタンを押してしまい、何十分もの作業がパーになることもあるので、あらかじめ薬草は使い切っておくことが推奨される。
さらに、呪いのアイテムも事前に売り払うか、宝箱を利用して捨てておいたほうが良い。エンディング中であれば呪われていても門番からは追い出されないので誤解されがちだが、死亡して王の前で復活した場合はエンディング中であっても問答無用で城を追い出されてしまう。装飾品は戦闘中でも使うことができるため、選択肢を間違えて呪われてしまった場合、王が2人いる肝心の状態を見ることができなくなってしまうのだ。
また、このエンディング中は沼地やバリアが無効になるのは周知の通りだが、幸いなことにロトの鎧や【まほうのよろい】の歩く毎にHP回復する効果も失われているようだ。
ほぼ同じく面倒な作業になるが瀕死(赤文字)状態でエンディングを迎えると、スタッフロールの白文字(主にスタッフの名前)に赤が混じる(完全な赤文字にはならない)ので見ていてすこぶる気持ち悪い。
なおMSX版ではエンディングに赤文字の影響は無い様子。
リメイク版
SFC版のメッセージウィンドウでは「銀の竪琴」表記。
竪琴をひいた場所のモンスターが出現するように変更されたため、【ゴールドマン】が出現する地域などで稼ぎに利用することも可能になった。
が、MEがやたら長い上、本作ではエンカウント率は割と高めに設定されている為、山中を歩いてエンカウントした方が早い。
更に【まほうのよろい】や【ロトのよろい】によるHP回復効果も受けられなくなるといい事が何一つ無いのでさっさとあまぐものつえと交換するのが吉。
小説版
ゲームとは違い、選ばれた者である主人公がかき鳴らした場合は魔物を遠ざけるという設定になっていた。
雨雲の杖と引き換えにほこらの魔女に渡すが、その直後、魔女はこの竪琴を奏で、呼び寄せたモンスター達にあえてその身を喰らわせ自殺した。
なお演奏用の爪が【おうごんのつめ】と呼ばれている。
CDシアター
こちらではゲームと同じ設定で登場。
主人公アレフが雨のほこらの賢者に自分の立場を証明するためこれを奏で魔物たちを呼び寄せた。
DQ3
【ガライ】の父親が「息子が持っている」と言うが、【メルキド】にいる当の本人は「実家に置いてきた」と言う。
ガライの言うとおり、【ガライの家】の地下室の宝箱に隠されている。こちらはDQ1と違ってクリアに必須というわけではない。
一品モノではあるが売ったり捨てたりもできる。もちろん、そうしたら二度と手に入らないのでさすがに躊躇われる。
因みに銀製品でありながら売却値はたった7Gと二束三文。まあ金ピカで高そうな【なげきのたて】も、その見た目に反して同じくたった7Gという例もあることだし疑い出したらキリがない。呪われていたり、魔物を呼び寄せたりするものなど、誰も欲しがらないからなのだろうか?
メッセージは以下の通り。
○○○○は
ぎんのたてごとを かきならした。
戦闘中の場合は後半部分だけが置き換わり、敵全員が順に喜ぶ。前半部分は残るので、弾いた本人も一緒になって喜んでいるように見える。
○○○○は
○○○○○○○は よろこんでいる。
今作ではフィールドに限らず、敵の出る可能性のある状況であればその場所の敵が出現する。逆に、フィールドであっても城や町のシンボル上では敵が出現しない。またDQ1と同じく、せいすい・トヘロスよりも優先される。
任意でモンスターを呼び出せるため経験値稼ぎに利用できそうではあるが、DQ1と同じく使うたびにやたら長いメロディが流れるため、あまり効率はよろしくない。
本作での任意のエンカウント手段はこのアイテム以外に存在しないが、フィールド上など【ルーラ】ポイントの近くでのレベル上げならば、ピラミッド外でも効果がある【おうごんのつめ】を持ってくると言う手もある。そちらは聖水・トヘロスが効くので、先頭キャラを任意のレベルにして特定の敵をあぶりだすことができるという違いがある。
また、【ゾーマ】戦でこの竪琴を使用すると通常戦闘曲に変わってしまう(これは【ようせいのふえ】も同様である)。
ゾーマを倒した後は敵が出現しなくなるが、DQ1と違ってラダトーム城への帰りの道のりでこの竪琴を使っても敵が出現しないようになった。
なお【バラモス】撃破直後の偽エンディング中のエンカウント0状態では、もともと固定敵とは戦えるので無理に戦闘を起こす意味は薄いのだが、バグ技で銀の竪琴を先行入手すると、この偽エンディング中に普通の敵を呼び寄せることができる。
リメイク版
FC版と同様、ガライの家の地下室にあるが、リメイク版では地下室の宝箱は空っぽになっている。
ここでFC版の経験者は軽く焦ってしまうだろうが、実は宝箱の横の床に落ちており【しらべる】コマンドで手に入れることができる。
入手したら手放すことはできなくなった。
使ったときのメロディが【モンスター・ハープ】という短いMEに変更されており、レベル上げに使う際の効率がわずかながら上昇した。
【くちぶえ】を覚えていればそちらの方が遥かに効率的ではあるが、遊び人経験者がパーティにおらず誰も口笛を吹けなければこの竪琴の出番である。
また、GBC版の【氷の洞窟】の神殿部分でこれを使用すると、画面や音楽がバグってしまう。
小説版
ゲームと違ってガライが持ったまま旅をしており、パーティが手にすることはない。
同じ作者による小説DQ1の設定同様、ガライはこれでモンスターと会話できるということになっていた。
CDシアター
こちらでもガライが所持している。
小説版のような魔物との会話の機能は無いが、【キメラ】の大群をこれの音色で退けている。しかし【ルビスの塔】での魔物には通用しなかった。
また【カンダタ】が目をつけており、【マイラ】を出る際彼から盗み出していた。後に【魔の島】での魔物の大群を前に劣勢に陥った勇者アレル達を救うためあえてこれを奏でて魔物をおびき寄せ、自ら荒海に身を投じて魔物たちを道連れにするという壮絶な使われ方をされる事に。
なお、DQ1の同シアターと違いガライが奏でた時とカンダタが奏でた時の音色が変わっている。(カンダタが奏でた際は音がズレている)
DQ11(3DS版)・DQ11S
【だいじなもの】の一種で、クエスト【お騒がせリサイタル】で【ウガーン】を倒した際に入手する。
道具として使っても、主人公は奏でることができないためしぶしぶ諦めることになる。
たとえパーティーに【たてごと】使いがいても主人公が使おうとする。
彼女なら使えるんじゃなかろうか?
ウガーンは戦闘中にこれを使って【スライムベス】と【ドロル】を呼び出す。要するに仲間呼びの一種。
DQM1・DQM2
店売りのアイテムとして登場。
DQM1ではバザーに3軒目に開店する店で3000Gで、DQM2では港町ノフォーで1200Gで購入可能。
使うだけでモンスターを呼び寄せる効果があり、経験値稼ぎや仲間モンスター集めのために重用する。
DQM2では【フェロモン】の登場でやや使う機会が減ったが、レベル上げの際には相変わらず元気に活躍する。そもそもフェロモンは特技なので、覚える特技の欄を圧迫してしまう。
DQMSL
DQMオールスターズイベントで実装されたアクセサリー。
ウェイト2で、装備すると最大HPが10上がる。
強化することでHPが+1ずつ増えていき、+7まで強化すると固有効果「味方全体の回復量を4%アップ」が追加される。
ビルダーズ1
表記は「銀の竪琴」。
3章の重要アイテムで、【ラライ】の所有物だったが、魔物によって壊され、隠された。
【こわれた銀の竪琴】と【おもいでの弦】と【銀】3個で直せる。
本作ではイベント専用アイテムであり、魔物呼びの効果はない。
ラライに返す必要があるため手元には残らないが、代わりにレシピを教えてもらえる【ブルーブロック】は【なつかしの竪琴】の入手に必要となる。