概要
DQ1、DQ2に登場する城。
【ラダトーム】対岸の【魔の島】に存在し、DQ3では同じ場所に【ゾーマの城】がある。
(ちなみにこの城、【ゾーマの城】の生まれ変わりである)
DQ1
【りゅうおう】の居城であり、【ラストダンジョン】。
【毒の沼地】に囲まれており、リメイク版では高台の上に築かれている。
ゲームスタート直後にラダトームからその姿を拝めるが、そこは孤島であり、DQ1では船も無いので結局長い道程を旅することになる。
スタート地点から拝める禍々しい城の姿は、RPG初体験の少年たちをして「いつ行けるのだろう?」と心を沸き立たせるに充分なギミックであり、秀逸な仕掛けの一つと言えるだろう。
城の中は一見何も無い上に竜王も居ないが、【竜王の玉座】を調べることで次へ進む為のヒントを得られる。
その玉座の後ろを調べると、そこに隠し階段が見つかる。
なお扉と【バリアー】の向こう側に最初から見えている2つの階段はいずれもハズレ。
先へ進むと洞窟になっており、【たいまつ】か【レミーラ】は必須。
ラストだけあってかなり広く、敵も強い。
【無限ループ】のフロアも存在するが、階層によって音楽が変わるので違和感に気付きやすい。
地下2階にはゲーム中最強の武器である【ロトのつるぎ】があるが、いったん地下4階まで降りてから別の階段を上ってこなければならない。
最下層の地下7階に着くとフロアの雰囲気が一変して水に囲まれた宮殿となる。
ここには扉つきの宝物庫があり、そして奥の玉座には最大最後にして、最強の敵・竜王が待ち構えている。対決を前にしてされる質問には惑わされないように。
竜王との決戦においては残り【MP】量が極めて重要なので、竜王の居場所まで力を温存して辿り着く事が求められる。
城内の敵は、上階こそ【ドラゴン】・【キラーリカント】・【スターキメラ】・【だいまどう】といった、【メルキド】周辺や【ドムドーラ】でもおなじみの顔ぶれだが、下層に降りると【キースドラゴン】や【ストーンマン】が新登場。
ドムドーラのボスである【あくまのきし】も通常エンカウントする。
そして地下5階以降からは竜王直前の最後の難関と言わんばかりの、【しにがみのきし】や【ダースドラゴン】といった、まさしく最強クラスのモンスターが出現するようになる。
特にFC版では敵の【ラリホー】が必中なので、これを唱えてくるあくまのきしやダースドラゴンには十分に注意しよう。
リメイク版
地下迷宮の構造が変更された。
地下1階に扉が設置されたため、【かぎ】が最低1つはいる。
地下3階にも宝箱が設置されたほか、ロトの剣は地下1階へと移されたが、地下4階から回ってこなければならないのはFC版と同じ。
出現する敵に変化はないが、ステータス・耐性や仕様の変化、ダースドラゴンが【ラリホー】を使わなくなっているなど対処はかなり楽になっている。
このように難易度は原作に比べて大幅に下がっているのだが、それに加えてスマホ版ではなんと1Fの玉座の後ろがキラキラと光っており、ノーヒントでも簡単に隠し階段を見つけられるようになっている。
なお【やくそう】の入った宝箱が2つあるが、6つ持った状態で宝箱を開けると取り直すことはできず、そのまま失われるので注意。
小説版
竜王の城の場所には元々ルビスの神殿があり、それが崩れた後に竜王の城になったと言う設定。
さらにそれ以前にはゾーマの城が在ったことは変わりなく、なぜそんな場所に神殿を建てたかは不明。
邪悪を鎮めるとか、封印しようとでもしたのだろうか?
なお地下宮殿部分は、水ではなく【溶岩】で満たされた堀があると描写されており、敗北した竜王はロトの剣が突き刺さったまま溶岩に転落していった。
DQ2の時代には竜王のたたりを恐れてそのまま放置されている様子。
ゲームブック(双葉社)
構造はゲームとは全く違い、1階建て。
赤の部屋・黒の部屋など、色の名を冠する部屋が続いており、各部屋にはモンスターが1体ずつ配置されている。最初の赤の部屋に入ると入口が消えるというおどろおどろしい演出があるが、後に竜王からどうやって逃げるか不明な点もある。
ゲームブック(エニックス)
ここにたどり着けば竜王を倒さない限り戻ることはできない。原作どおりロトの剣が手に入るほか、失われた盾を持っていれば【ロトのたて】として復活させる、竜王腹心の部下大魔道ザルトータンとの戦いなどのイベントが待っている。
また、地下に降りるためには一階で赤と青の指輪を手にいれ、玉座の竜とも悪魔ともつかない彫刻(挿絵では、異常に牙の長いシドーにも見える)の目にはめ込まなければならないという、3年後に発売される竜を象った杖の似合う魔物使いの王の物語の一節を連想させるようなイベントもある。
DQ2
【竜王のひ孫】の居城となった。
相変わらず同じ位置にある。ストーリー上は行かなくても問題は無い。
ラダトームの目の前なのに迂回しなければならなかったのは昔の話。【船】を使って簡単に行くことが出来る。
とは言え、【ルプガナ】から直接船で来るとなるとそこそこ迂回しなければならない。陸路でラダトームに行きルーラで船を呼ぶと早い。
また、虹の橋はかかりっぱなしなので、陸路で来ることも一応可能。竜王のひ孫は人間に対して敵意を持っていないので、海路が開かれたように、この橋も改めて人工の橋が架けられたものなのかも知れない。
構造はDQ1と比べてかなり簡略化されており、FC版等では地上部分がなく、地下1階から始まっている。
しかし内部の敵は相変わらずかなりの強さ。
毒攻撃をしかけてくる【バシリスク】、高い攻撃力を持つ【サーベルウルフ】、馬鹿みたいな耐久を誇る【ゴーゴンヘッド】、そして【ひのいき】を連発する【ドラゴンフライ】がプレイヤーを歓迎してくれる。
船入手直後の時点では少々辛いが、ここで苦戦しているようでは他の地域の敵には太刀打ちできない。
公式ガイドブックの到達レベルは17と、なかなか無茶な数字が設定されているが、せめて13~14程度は欲しいところ。
ラダトーム周辺でレベルを上げ、必要な装備を整えればだいたいそれぐらいのレベルにはなるだろう。
特にサーベルウルフやバシリスク対策での後ろ2人へのみかわしの服は忘れてはならない。
本作ではどの局面でも大切な事だが、塔と違い飛び降りての脱出が出来ないこのダンジョンでは絶対にサマルを死なせてはならない。時期的にムーンはリレミトは習得していないので深部まで進み彼が死ぬ事でリレミトを失うと、全滅の危険が高い。
なお、竜王のひ孫本人に人類に敵対するつもりはさらさらないのだが、城に生息する魔物たちは普通に襲いかかってくる。統率できていないのか、それとも城に勝手に住み着いているだけの野生の魔物なのか、いずれにせよ竜王一族の権威の低下がうかがえる。
中にはDQ1と同じ場所にロトの剣が置いてある。
前作の勇者はこの剣を持っていかなかったのだろうか?
一応、小説版では戦いの後失われていたとされ、竜王のひ孫から直接手渡されているので辻褄は合っている。ゲームではそれらしい場面など無いが。
今作のロトの剣は最強の装備というわけではないものの、この時点では充分に強い。
他の町でそれより強い武器が市販されてはいるが、いずれもかなり高額なので、当面はこちらで済ましておくと経済的である。
奥には【竜王のひ孫】がいて、【5つの紋章】と【大灯台】に関する情報を教えてくれる。
また最下層には宝箱が4つあるが【きんのカギ】が必要で、手前にはバリアーもある。
別に大したものは入っていないので、カギを入手後に再度来るような必要は全くない。
リメイク版
地上部分が追加された。地下への階段が最初から存在している以外は所々にバリアーの名残であろう毒沼と壁が面影としてあるだけで、ほぼ廃墟と化している。
フィールド画面でそびえていた【ゾーマの城】のパーツはただのお飾りか?
竜王の後、ひ孫の代までどうやら建物の管理を怠っていたらしい。
地下部分はリメイクDQ1で大きく構造が変わったのに、なぜかDQ2はFC版等のままである。
モンスターもゴーゴンヘッド以外は耐性ぐらいしか変わっていないので真正面から攻撃力70以上で最高3,4体で噛んでくるサーベルウルフやバシリスクはやっぱり脅威。
最下層のバリアーの奥の宝箱も健在だが、必要な鍵が【ぎんのカギ】に変わった。
SFC・GB・ガラケー版ではここで【せかいちず】が手に入る。
スマホ版以降ではゲーム開始時から世界地図を見る機能があるため、バリアー奥の宝箱の中身は1000Gのお金とアイテムに変わっている。
またスマホ版以降のエンディングで訪れたときは何故か地上の階段を下りると途中のダンジョンが省略され、いきなり最下層に着く。まさか竜王のひ孫に会いやすく調整してくれたのだろうか?
ゲームブック(双葉社)
竜王16世が見物料を取って生計を立てているため、訪れる際に金を取られるが、ダンジョンではなく敵もおらず、ロトの剣と盾をもらえる。
DQ10オンライン
期間限定イベント【竜王城の決戦】の舞台。
地上の玉座と隠し階段、地下6階から中庭を経た玉座までの部分、とダイジェストであるが3Dで再現している。
竜王との戦闘は、FC版DQ1の【パッケージイラスト】を意識したのか、地上の謎広場(背景に竜王の城らしき建物が見える)で行われる。
キャラバンハート
やっぱり同じ位置にある。
DQ2では廃墟になっていたはずだが、何故か新しくなっている。誰が建て直したのだろうか?
【ギスヴァーグ】撃破前は精霊ルビスの力により入り口が封印されているが、撃破後にようやく開放される。
内部はDQ2同様に簡略化されている。出現するモンスターは【デッドマスカー】や【ジェノダーク】など。
最奥には竜王の部下の【ドルバ】がいて、話すと竜王が復活。倒せば竜王の心が手に入る。
ついでにドルバも仲間になるが、正直言ってギスヴァーグを撃破したメンバーにはいらない。
なお、これまでは水の宮殿であった最奥の周囲は毒々しい水に変わっている。
剣神
ステージ7、8の舞台。
BGMはDQ3の【ダンジョン】。中々不気味な雰囲気を出してくれる。
まずメイジキメラが現れ戦闘終了後、モモたんがさらわれてしまう。どうあがいても助けることはできない。
その後は次々と現れるボスを倒しながら進んでいく。
順番は【スターキメラ】、【ストーンマン】、【しにがみのきし】、【ダースドラゴン】。
そして竜王に操られ、変わり果てたモモたんこと【エビルももんじゃ】と戦う。
勝利後、モモたんはギガスラッシュの存在を教え、消えてしまう。ステージ7はここで終わり。
ステージ8はまず玉座を斬り、玉座の裏の通路を進んでいく。
奥では最終ボス、竜王が待ち構えている。
いたストシリーズ
アレフガルドステージが登場している作品で、その店舗名もしくはエリア名として登場している。
いたスト2
竜王の城は店舗名で、この城があるエリアは「竜王の島」という名である。
この島は脱出しにくく、しかも5軒エリアなのでもともと850Gとマップ内最高額物件の竜王の城は買い物料が飛び抜けて高くなりやすい。
ここにピンポイントで飛び込んでしまう専用チャンスカード(No.85「竜王の城へご招待」)まであるので、この島を独占されるとこの上ない恐怖となる。
このカードでラストエンペラー化した竜王の城に直撃して破産したプレイヤーは結構居るはず。
いたストSP
その後、GKやいたスト3にアレフガルドが登場しなかったが、SPになって復活。
これ以降はエリア名が竜王の城となっている。
しかしその際に、ここに入るワープゾーンが2つだったのが3つに増えているなどのアレンジが加えられいる。
また、いたスト2の頃に竜王の城と名乗っていた店舗は何の因果か「勇者記念館」という店舗になっている。
いたストDS
ポータブルでまた未登場となったが、DSで再登場。
だがここでのアレフガルドは全く違ったステージとなっており、竜王の城も特徴のないエリアとなってしまった。
りゅうおうがこのエリアの店を買うと、そして独占すると特殊な台詞をしゃべる。
いたストWii
「あのアレフガルドがいい」という声があったのか、いたスト2の頃のアレフガルドが戻ってきた。
しかし専用チャンスカードはない上大幅に値下がりしているので、かつて竜王の城の凶悪さは鳴りを潜めている。
いたスト30th
ステージマップへと昇格。
マップ上部にドラゴン形態の竜王が待ち構えており、マップの4か所に配置された超大砲マスに止まることで、竜王めがけて砲撃することができる。
大砲の弾は有料で、高額な弾ほど竜王を気絶させられやすく、反撃を受けにくくなる。弾代は蓄積されていき、竜王を気絶させたプレイヤーに支払われる。500G+(100×気絶回数)G+弾代蓄積分になるので、意外に馬鹿にできない金額となることも。
大砲代で金を無駄遣いし過ぎて身動きが取れなくなってしまうこともあるので、所持金と相談しながら使おう。
気絶しなかった場合は、弾ごとに設定された確率で反撃され、マップ下部の離れ小島に吹き飛ばされてしまう。
一番安価な挑発弾は、気絶率0%で反撃率100%なので、あえて吹き飛ばされてエリア独占を狙うこともできる。
通常のBGMは【洞窟(曲名)】で、目標資産突破時は【竜王(曲名)】になる。
なお目標資産突破後に超大砲マスに止まると、気絶率100%の「最終弾」を撃つことができる。以後は竜王がずっと気絶したままになり、資産突破曲も【戦闘(曲名)】になる。
1人で挑戦モードでは、エンディングを見た後に出現する「30周年記念コース」の1戦目となる。
対戦相手はDQキャラばかりで、【アリーナ】(Sランク版)、【マリベル】(Sランク版)、【リッカ】、予備枠で【ハッサン】(Sランク版)となっている。
余談だがいたスト30th発売前日に、【齊藤陽介】らDQとFFのスタッフが対戦するweb番組が放送され、当マップが舞台に選ばれている。
ビルダーズ1
真上からの視点ではないのでわかりづらいが、構造はDQ1や2のときと同じ。だが、竜王への道のりは簡略化されており短い。
今までの作品では玉座の後ろに階段が隠されていたが、真下に掘るのはわかりづらいと判断されたのか、地下室は無く後ろの壁を壊すと通路が見つかるという形式になっている。
なお、ここにある竜王の玉座は破壊不能のため拠点に持ち帰ることはできない。
城はイベントマップであるため破壊不能の壁で出来ており、一本道ながら回り道を強いられる構造になっている。が、実は【じゅうたん】部分の床だけはなぜか破壊可能であり、格子状の壁の部分のじゅうたんを掘りぬくことでショートカットが可能。さすがの竜王も床まで破壊不能にすることには気づかなかったようだ。
余談だが、オープニングムービーのラストはビルダーがブロックを積み上げて高い階段を作り最上段に昇ってはるか向こうに見える竜王の城を見据えるという、「スタート地点の直ぐ向こうにラスボスの居城がある」という原作の構図を意識した描写になっている。
ドラけし!
DQ1イベント「悪の化身とロトの勇者」の最終ステージ。
マップはいきなり最深部であり、登場モンスターは【キラーリカント】、【だいまどう】、【スターキメラ】。そして今更感が強い【ドラキー】、【スライムベス】。本来メルキドにしかいない【ゴーレム】(隠し面)。そして1にいない【おおねずみ】。
ボスはもちろん【りゅうおう】である。
その後DQBイベント「アレフガルドを復活せよ」でDQB版が最終ステージとして登場。
敵は原作通りしにがみのきしとだいまどう。中ボスはダースドラゴン。そしてボスは悪の化身りゅうおうと闇の覇者 竜王。
竜王は勝利するとどちらの形態も姿がマップ上から消える。
最下層の玉座について
最下層の玉座の間へは、縦横の概念がないビルダーズを除いて登場するいずれの作品でも一貫して画面に向かって右側から入るようになっている。
そしてその玉座は、DQ1のFC版、海外版、MSX版ではいずれもその入り口側の方、すなわち右側を向いて設置されている。
部屋の入り口の真正面の方を向いて玉座を設置するのはとても自然な構図で、2Dながら現実と同じ3D視点でしっかりとデザインされている好例と言えるだろう。
ところがFC版DQ2で玉座が画面正面を向いて以降、リメイクのDQ1を含めた全ての作品で画面正面を向いて設置されるようになってしまった。
そして玉座の間が狭いにもかかわらず部屋のど真ん中にあるため、3D視点で見ると部屋に入ったら玉座を真横から見ることになり、わざわざ正面に回りこむというおかしな構造になってしまっている。
DQ3の【エジンベア】など玉座の間に横から入るケースもあるが、さすがに玉座の真横からということはない。
キャラバンハートでは部屋が少し広くなり、その関係で玉座も少し上のほうにあるため、ある程度は不自然さが解消されている。
なぜこのようになったのかは、玉座のマップチップが関係していると思われる。
DQ2では玉座のマップチップが追加されたが、正面のものしかない。
部屋の構造的に不自然になってしまっても、正面を向かせる必要があったのだろう。
DQ1の上記3バージョンでは玉座専用のマップチップがなく、玉座は店のカウンターで代用されている。
カウンターのマップチップは正方形のため、どの方向でも向かせることが出来たのである。
余談だが、2D作品のDQで存在する玉座は全て画面正面を向いており、唯一の例外が上記3バージョンのこの玉座である。
また、上記3バージョンのうち海外版では各キャラクターの正面以外のグラフィックが追加されているが、竜王も例外ではない。
そしていざ最下層へたどり着くと、玉座は右向きなのに竜王は画面正面を向いており、話しかけてようやく右側を向く。
3D視点で考えると、玉座の間へ入ったら竜王がそっぽを向いていることになる。ちょっとシュールだ。