【ウラノス】

Last-modified: 2022-09-16 (金) 22:25:43

DQ11

【ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて】の登場人物。
様々な形でストーリー・世界観の根幹に関わっている伝説の魔道士。
DQ3の男魔法使いに近いローブと帽子を纏っているが、
あちらと違って白髪の老人ではなく、青い髪と長い口ヒゲが特徴の中年男性。
 
英語版での名前はMorcant。
DQ11SでのCVは関智一(【いたずらデビル】【メダル校長】との兼役)。過去にはCDシアターDQ6でウイルを演じている。

いにしえの時代

【ドゥルダ郷】で修行していた際に勇者【ローシュ】と出会い、力を認め合う友人となる。
このときにドゥルダ郷の初代大師から【グランドクロス】【グランドネビュラ】を伝授されている。
 
その後、【セニカ】【ネルセン】を加えた4人で【邪神ニズゼルファ】討伐を行う。
しかし、ローシュがとどめを刺す直前、ニズゼルファの甘言に唆されローシュを殺害。
ニズゼルファから邪悪な力を吸収し、その力に染まって姿を消した。
 
【イゴルタプ】曰く【ロトゼタシア】随一の魔力を誇る天才だったが、心の中には危ういものがあり、自身の魔力を高めることに執心し、そのためには手段を選ばない男であったとのこと。
【神の民】の伝えによるとウラノスは高貴な一族の家に生まれ、何不自由なく成長し、幼くして数々の呪文に精通。世間の人からも世界最高の魔法使いと称えられたらしい。
そのことを教えてくれる神の民は彼の像は悲しい目をしていると感じているようで、彼の裏切りが判明した後は「その理由がわかるのはウラノス本人だけ、彼には彼なりの苦悩があったのでしょう」と述べる。
魔王ウルノーガが主人公たちに対して「その目・・・かつての勇者達を思わせる。気に入らん」という、怨恨にもとれるセリフを吐くあたり、グレイグへの羨望と嫉妬心で闇落ちしてしまったホメロス同様、ローシュと友情を築きあいながらも、内心では選ばれし勇者である彼に清濁入り混じった複雑な感情を抱いていたのかもしれない。
ただし、【ウラノスの大秘法】で知る事のできる魔力増幅の呪文からは、邪神を倒しロトゼタシアを守ろうとする彼の意思をくみ取る事ができ、ウラノスの分身である預言者が言うにはウラノス自身はニズゼルファの甘言に必至に抵抗したとのことで、悪に落ちてなおわずかに善の心を残していたことからも、ローシュを本心から裏切るような人物でなかったと思われる。神の民の言う「彼なりの苦悩」がどんなものだったのかは想像する他ないが、闇に抗いきれぬ心の弱さを持っていたという点、良くも悪くも人間らしさのある人物だったのだろう。

セニカが時間遡行した後はどうなったのか不明だが、ニズゼルファの甘言を撥ね退けたか、ローシュを殺そうとしてセニカに倒されたと思われる(願わくば前者であって欲しい)。

本作には主人公、セーニャ、グレイグにローシュ一行と同じ姿になれる着せ替え装備が存在するが、ウラノスの姿になれる装備のみ存在しない。
仮に装備させるとすれば本作のパーティで唯一の男性魔法使いキャラであり、ウラノスの必殺技であるグランドクロスを継承しているロウになるのだろうが、登場しなかったのは上述のような経緯がある他、ロウの体型上、着せ替えに向かないという事情もあったものと思われる。
 
公式イラストでは先端に宝玉の付いた杖を持っているが、実際のゲーム中の3Dモデルでは【ウルノーガの杖】を持っている。
実は彼とウルノーガの関係が判明する前、【異変後】における「闇を打ちはらうチカラ」の「聖なる苗木の光景 その1」のシーンにおいて、ウルノーガの杖を持ったウラノスが映っている。しかし一瞬かつセピア調の画面であり、【伝説のオリハルコン】を持つローシュに視線が行きやすいこともあって分かりにくく、初見でウルノーガと関係があることに思い至ったプレイヤーは少ないと思われる。

ウルノーガ

勇者を殺害する凶行に及んだウラノスは邪悪な【魔道士ウルノーガ】となり、【ロトゼタシア】にある一部の国を滅亡させた。
作中で言及されている限り、古代【プワチャット王国】、物語開始の約30年前に【バンデルフォン王国】、16年前に【ユグノア王国】を滅ぼしている。
さらに16年前のユグノア王国滅亡の際に【デルカダール王】に取り憑き、【命の大樹】の力を吸収して世界を滅ぼそうとした。
魔王へと生まれ変わった際の大爆発と命の大樹の墜落で世界を大きく損傷させたのち、【勇者の星】が地上に降りてきてニズゼルファが復活しようとした際には勇者の星を一刀両断にして彼の復活を阻止し、名実ともにロトゼタシアを支配する魔王として君臨する。
詳細は【魔王ウルノーガ】を参照。

預言者

ウラノスに残っていたわずかな善の心がウルノーガから分離し預言者となった。
【主人公(DQ11)】達の旅の途中に現れて助言を与えたり力を貸したりする。
ローシュの最期やウルノーガの正体を教えたのも預言者、つまりウラノス自身である。
また、英語版では魔王ウルノーガを倒した直後の台詞も声から彼のものだとわかる(DQ11Sの日本語音声、及び公式台本集の話者表記では【聖竜】になっている)。
詳細は【預言者】を参照。

評価

ウラノス及びウルノーガは作中で起きた多くの事件の引き金となっているが、一応彼も被害者ということで作中人物の多くからあまり否定的な目で見られておらず、多少の同情を寄せる人もいる。
ウルノーガによって人生を狂わされた者もいる主人公の仲間たちも、彼がしたことは許されないが、彼も邪神によって運命を狂わされた犠牲者であったと考えている(直接の被害は受けていないシルビアのみ、ローシュの最期と預言者の正体が判明した直後に話しかけるとローシュとセニカが恋仲だったことに触れた上でウラノスに対する怒りを露わにするが、その後は他のキャラクター同様に見方を改めている)。

余談

ウラノスはギリシャ神話の天空の神で大地の女神ガイアと対になる存在。その天空の神が、【ロトゼタシア】に存在する数多の人間から【カミュ】を選定して勇者の元へ導き、はたまた【ホミリン】になってカミュと一緒に天空の城から脱出したり、カミュと髪の色がほとんど同じ青系の水色(PCやモニタの設定にもよるが)であったり、カミュと髪の生え際が全く同じであったりと、考察界隈ではそれなりの人気がある。
また、前述の通りDQ11ではウラノスのみ着せ替え装備が存在しなかったが、星ドラでは彼の装備も実装。大魔道シリーズとして、杖(ウルノーガの杖と同デザイン)・帽子・服が登場した。