DQ4
DQ4に登場する、【空飛ぶ乗り物】。
【ラーミア】【マスタードラゴン】【ペガサス】【空飛ぶベッド】【飛空石】【神鳥のたましい】【天の箱舟】【ケトス】というファンタジックな乗り物が並ぶDQの飛行手段の中では、最も現実に近い乗り物である。
ただし動力源である【ガスのつぼ】の構造はやっぱりファンタジー。
【馬車】を一緒に運べているのも不思議といえば不思議。馬車も載せられる程の大きさということになる。
後述の「現実の気球」を参照していただくと分かるが、本来気球は風に流されないと移動できない乗り物である。
しかしこの気球はスイスイと移動できる。うまく風に乗っているのか、ガスのつぼがジェットエンジンのような働きをしているのか?
まあ現実の気球の有人飛行は18世紀終盤という近代的な代物なので、DQ4の世界観で多々ファジーな点はやむを得ない。
ちなみに、気球に乗っている間は敵は一切出現しない。初めて乗ったときはゆっくりと大空の旅を楽しむのもいいだろう。
ガスのつぼを【リバーサイド】の道具屋(リメイク版では学者)に渡して気球にしてもらうという経緯で入手する事になる。
ガスのつぼは【アッテムト鉱山】奥の【エスターク神殿】にあるが、【エスターク】を倒さないと入手できない。
気球を入手する事で、【世界樹】や【ゴットサイド地方】に行けるようになる。
FC版では気球の影が山地では大きくなったり海では小さくなったりする演出が必見。
着地点は、歩行できる地形ならどこでも良いため、森でも山でも置いておける。もちろんルーラ使用時は行き先にも付いてくる。
なお、乗っている気球はガスのつぼを用いたガス気球なのだが、気球での移動中に流れる曲の題名は【のどかな熱気球のたび】である。ガスと熱のハイブリッドであるロジェ気球であれば一応矛盾はしないが……
FC版では裏技として【透明気球】という現象を起こせるほか、NPC扱いの仲間キャラと組み合わせた【ハマり】現象もある。
ゲームブック
気球に乗っている間に【ドラゴンライダー】、地獄の門番といった飛行能力のあるモンスターに襲われるという戦闘シーンがある。
こちらも遠距離攻撃となる攻撃呪文で反撃できるが、炎が気球のガスに引火しては大変という事で、炎系の呪文を使うマーニャを除いた、勇者、ブライ、ミネアのいずれかの呪文で対抗する事となる。
小説版
【エスターク】を倒した直後、なぜか崩落する【アッテムト鉱山】の中で見つかる。勇者たちは気球に乗り込んで脱出し、風に流されるまま一気に【世界樹】まで到達する。
尺の都合なのか、かなりの省略と改変である。
なお世界樹に突っ込んだ際に風船部分が破裂し、さらに【てんくうのつるぎ】を見つけてすぐに【天空城】へ飛ばされるため、回収して再利用されることもない。
DQ10オフライン
視点が俯瞰型になったため、後述の風車の丘の気球はローディング画面でのみ見られる。
DQ10オンライン
【風車の丘】で飛んでいるのを目撃できるほか、Ver.5.0の冒頭ではイベントムービーでその気球に乗ることになる。
ハウジングの庭具にも気球が何種類かある。乗り込めるくらいの大きさの気球もあるが、残念ながら飛ばない。
キャラバンハート
実際に気球に乗ることはできないが、没データとして存在しているようだ。
DQM3
エンディング終盤で(おそらく勇者達が乗っている)気球が空を飛んでいる。
ダイの大冒険
【パプニカ】王国の所有物として登場。正式名称は『気球船』。バーナーが付いているが厳密には熱気球ではない。熱気球と飛行船の長所だけをいいとこ取りしている便利なものだが、パプニカでも一つしかない物らしい。
不死騎団の襲撃により国が壊滅状態へと陥る中、
この気球があったおかげで【レオナ】と近衛兵達は脱出、立地上敵の侵攻を受けにくい【バルジ島】へ退避し、生き長らえていた。
ヒュンケルを倒した【ダイ】達が行方の分からないレオナと連絡を取るために打ち上げた信号弾を見て、【エイミ】が調査のためにコレに乗ってバルジ島から神殿にやってきて勇者一行と合流、島へ連れ帰ったのが劇中での初登場のくだりである
レオナ達が【フレイザード】の攻撃を受けていたため屋上に直に付け、その後生き残りの撤退に使われている。
フレイザードが差し向けた【フレイム】の追撃によって燃やされ墜落・大破するが、ダイ達が再度バルジ島に乗り込み戦っている間に、【マトリフ】の洞窟に残されたエイミたちの手によって修復されて再び使えるようになり、フレイザード撃破後ヘトヘトで一歩も動けなかった勇者一行を迎えるために使用される。
その後、レオナがダイの武器探しに【ベンガーナ】へ向かうために強引に乗っ取ったり、【死の大地】の決戦時に【カール】へ行くために使用している。
また、【ランカークス村】へ行く方法として、気球を使うという話題でも登場している。
なお、気球初登場時にダイ達に特に驚く様子がなかったり(乗った時に興奮してはいるが)、ベンガーナのデパートに宣伝広告用の気球(いわゆるアドバルーン)があったりするため、ダイ大世界においては気球の存在そのものは意外に有名なのだと思われる。
定員については、バルジの塔からの脱出&墜落時に総勢12名の人間が乗っているのが作中の描写で確認できる範囲で最大の搭乗人数である(ダイ・ポップ・マァム・バダック・三賢者・パプニカ兵士5名)
アベル伝説
2回登場する。いずれも【ティアラ】による製作。
まずは27話の【風の山】でフウセンカズラというキノコ型植物を利用した気球を作成。高度の調整には、ともに赴いた【デイジィ】との2人の協力が欠かせなかった。
これにより【パデキア】のある山頂にたどり着くことができ、パデキアを入手した後はその気球でそのまま、瀕死状態の【アベル】のいる【ザナック】の家に直行した。
2人が地上に降りた後、重さを失ったこの気球はそのまま空へと上がっていってしまった。
そして第二部では、34話(配信等では33話)、【聖杯】を求めて旅をしていたティアラが【ネグロゴンド】周辺で、火山ガスを見て空気より軽いことに気付き、火山ガスで気球を作って山脈を越えている。
風の山で作ったものよりも本格的なもので、ティアラと【モコモコ】【ドドンガ】、そして【アドニス】の4人が乗れる籠付きのもの。
しかし、【ガイアのつるぎ】を使用して火山が噴火した際に壊れてしまった。
なお現実の火山ガスの主成分は水蒸気と二酸化炭素、あとはせいぜい硫化物であり、いずれも常温まで下がれば空気より重いか、液体になるものばかりである。
つまり、上昇する原因は主として高熱を持っているからに過ぎない。
火山ガスにはごく少量の空気より軽い成分も含まれるものだが、火山ガスをそのまま集めても恐らく気球用のガスになるようなものではないだろう。
と言うか、有毒成分が空気より重いため、噴煙を上げている最中はそもそも地上から火口に近付くことすら難しいと思われる。
よほど成分に偏りのある都合の良い火山だったのかもしれない。
もっともゲーム内では都合のよい自然現象などは往々にしてすぐ近くに存在したりするものなので、それを再現しているようにも見える。
現実の気球
原理としては、大昔から存在したとされる(天灯、孔明灯などと呼ばれる小型飛行提灯がある)。順番としては(原理)→孔明灯→気球→飛行船→航空機といった感じである。
軍事的には、気球が「空に浮いている」ことが狼煙のように信号として使われた他、主に偵察や陣地の防衛用として各国で使われた(日本軍も使っている)。
変わった例としては日本軍が米国本土へ向けて爆弾をつけて飛ばしたこともある。
気球は大まかに分けてガス気球と熱気球(と、両方の特性を持ったロジェ気球)がある。
見た目からすると、ドラクエのものはほとんどがガス気球のようである。(要するに籠のついたゴム風船である。そういった乗り物を風船と呼ぶ場合もある。ややこしい。)
通常のガス気球は、あらかじめ錘を籠に吊っておき、人が乗ってから錘を捨て上昇する。下降する場合はベンを開き、ガスを抜く。
燃料がいらないメリットがあるが、ガスのつぼがないシリーズではゲーム内でどうやってガスを補充しているのかについては突っ込むべきではないのだろう。単純に、ガスのつぼがセットでついているか、風船を加熱する装置がついているのだけなのかもしれない。
ドラクエの気球は東西南北自由に動いているが『気球』は自力では上下にしか操縦できないので、水平移動するにはその方向の風に押してもらうしかない。
要するに【トム】じいさんである。
そのためには、唯一調節できる高度を変えて、風を探すしかない。
また、どこかに必ず欲しい風があるわけでもないので、あきらめるしかないときもある。
小説版の気球は、風任せに流されて世界樹に着いたことになっており、こちらが本来の気球の形である。
なおDQ4以前に気球が登場していた「ウルティマIV」では、現実の気球同様風に流されることしかできないため、「風向きを変える魔法」を使って行きたい方向へと移動する必要があった。正しい気球の姿ではあるが、やはり面倒くさいのも事実である。