外道一族

Last-modified: 2017-09-25 (月) 05:00:11

所属者

外道善慈:現当主。
外道天魔:外道善慈の娘。
外道中陰:善慈の兄。次男。故人。
外道悪徒:善慈と中陰の兄。長男。故人。

来歴

もともとはGedóと言う大陸の魔術師の一族であったが魔女狩りやら世界大戦やらにより各地に散り散りになった。
彼らには門外不出であり、他の魔術師には一切知られぬ魔法へと到達した歴史が存在し、その再現を目的に活動していた。
彼らの追い求めた魔法は幸運の物質化。名を『因果の創造《ラビッツフット》』。
日本に拠点を構えていた外道一族もそのうちの一つである。
しかし、激動の時代外道一族は世間の混乱を逃れるためその拠点を蝦夷地へと移し、その際にラビッツフットに関しての記録を紛失。
ただ、人々の幸福と不幸に関して追求することで根元へと至る可能性があることだけが伝わったのであった。
彼らのアプローチは至極単純。ただ、人々の不幸を収集して記録し続けた。それらの資料は外道家の書庫にて厳重に保管されていた。
善慈はそんな外道家の三男として産まれた。魔術師としての成功は優秀な兄らに期待されていたため、善慈は青年期を迎える頃には家を去った。
そこで恋愛結婚したのが天魔の母である。やがて彼女は子を宿し、産んだ。家族の仲は良く、誰もが羨むような理想的な家庭であった。
ある時、突然外道家から善慈へと呼び出しがかかった。魔術の実験中の事故による兄らの死。故に残された善慈が家督を継げと言うのである。
しぶしぶ帰った善慈は今の家庭を許していただけるのならと条件をつけて家族とともに外道家へと帰った。
程なくして善慈の父も死に、善慈の家族を除いた外道一族は絶えたため。今までと変わらぬ生活を送る事が出来た。
しかし、善慈の妻が突然病に倒れる。どれだけ原因を探っても不明であった。
寝る間も惜しんで治療法を探した善慈が見つけたのは、外道家の地下に眠る書庫であった。
脈々と受け継がれてきた、収集されし人々の不幸。外道一族の魔術の集大成。
兄らの死も、父の死も、妻の病も、全てはここから溢れ出した不幸が原因であると気付いた善慈は、すぐさまそれらを再び封印する方法を探した。
幸い、外道家の魔術資料はそれに特化したものが多く、封印の手段はすぐに見つかり善慈はそれを実行した。
しかし、これらの書物の封印が終わる頃にはもう手遅れであった。
善慈は、既に災厄の瘴気当てられ過ぎていた。そして妻もまた、間もなく息を引き取った。
それは災厄の目録。人の世に蔓延る厄を収集したパンドラの書庫。そこに溢れているのは人々の嘆きと慟哭、救済の渇望であった。
善慈の兄、外道悪徒が外道の魔術に限界を感じ、停滞した魔術研究を進展させるべく参考にしたのは、この地に伝わるとある半神半人の怪物であった。
彼女の下顎を回収した外道悪徒と外道中陰は、更なる高みを目指すべく、怪物の下顎を利用し“この世全ての厄”の力を引き出そうとした。
しかし、人の手で神の力の一部を制御できるはずもなく、実験は失敗に終わる。
呼び出された“この世全ての厄”は暴走、収集された不幸との融合を果たし悪徒と中陰へ牙を向いた。
“この世全ての厄”により変質した不幸の集合体は外道の家へと溢れ、次々と外道の人間を祟り殺したのである。
もともと人助け癖のある善慈は人々の慟哭に触れて共感してしまい、瞬く間に侵食されて行き、人々を救わなければ。この世全ての厄を根絶しなければと言う強迫観念だけが残った。

第三次聖杯戦争~F市

娘を置き去りにし、聖杯へと人類救済の願いを託そうとした善慈は、本来であればあらゆる平行世界でその死が確定していた。娘の天魔もまた、カルデアへと引き取られてその死が決まっていた。
余談ではあるが、善慈が呼び出すサーヴァントは触媒を用いない限りドナスィヤン=アルフォーンス=フランスワ=ド=サドに固定される。それは、人々の不幸を書き記し収集するという外道一族の魔術に当てられ変質した善慈の性質が、人々の不幸を書き記し続けた彼に対しての触媒として機能してしまうからである。
しかし、ここでイレギュラーが起こる。死亡したはずの善慈の魂が世界から遮断された領域の聖杯戦争へと迷い込んだのだ。それは何故か、抑止力か、はたまた女神の悪戯か。今となっては知るすべはない。
死の運命が定められたはずの善慈は一柱の女神とともにその聖杯戦争を戦い抜き、聖杯を破壊した。
彼女は記憶を善慈へ返すとともに彼を蝕む“この世全ての厄”を消し去り、彼を日常へと帰した。
すぐさま天魔を迎えに行った善慈は、かつてのように再び家族をやり直そうと強く誓った。

聖杯戦争都市以降

しかし、天魔はそんな父を見てきっと自分の願いを我慢しているんだと勘違いをし、家を飛び出して聖杯戦争都市へと1人で駆け付けた。
そこで天魔は様々な人と出会い、様々な経験をした。
願いを持たずに参加した負い目を感じ、友達の慟哭を目にし、他の参加者の覚悟に足がすくんだ。
それでも天魔は自分で始めた戦いを最後まで駆け抜けた。途中で投げ出すことだけはしなかった。
ここで戦う事をやめてしまえば、あるいは勝ち残ることを諦めてしまえば、それは自分が倒してきた参加者への侮辱にしかならないと悟ったからだ。
聖杯戦争都市を去る頃には、天魔は父に依存するだけではなく、自分の力で生きていけるようになっていた。
そんな成長した娘の姿を目にして、善慈は堪らず涙を流した。
娘の姿は、自分が思っていたよりずっと大きく感じた。
どうやら聖杯戦争で友達も出来たらしく、家を離れて遊びに行くことが増えた娘を嬉しく思う反面少し寂しく思っている。
でも最近妙なタブレットを睨みつけながら「塵が…塵が足りない…」とかブツブツ呟いているのでお父さんちょっと心配だぞ。

 

ちなみに外道家の地下の厄ネタは改心直後に知り合いの魔術の名門のお嬢様に頼んでカスンテの下顎の譲渡を条件に回収して貰った。下顎は触媒にしたとかなんとか。
「自分の下顎見るのってなんかこう変な気分ですね。気持ち悪いけどちょっと愛着あるというか。なんでしょうね、臍の緒を大事にしたい気分的な?」
「あんたを召喚するのに使っただけだし欲しかったらあげるわよ?そんな事よりこれどうにかできないかしら。見るからに厄いしずっと封印して置くのも場所取るから嫌なんだけど」
「あーこれヤバいですねー。厄いですねー。ちょっと人の手には余る代物ですし私が全部食べときますね」モシャモシャ
「ところで美味しいの?それ」
「いや普通に紙の味ですけど」
「あんた馬鹿じゃないの?」
「何をー!善意でやってるのにそれは酷いですよ!傷つきました!謝罪を要求します!」

ヤルダバオト

それから少しの時間が過ぎ、世界に一つの塔が現れた。
この世の理を脅かすその塔を消し去るべく女神と厄病神も動き出す。
それぞれがかつて死んだ魂をこの世に黄泉帰らせ、塔を登ることを強いた。そしてそれは偶然にも、とある兄弟の魂であった。
女神は、かつて共に戦い抜いた男の兄を呼び出し、試練を課してその可能性に期待した。
厄病神は、不遜にも自らの一部を呼び出そうとした愚か者の一人を呼び出し、その罪を償う機会を与えた。
悪徒は女神の試練により一人塔に挑み続け、死に続けやがて心折れた。
中陰は合流した他の探索者たちと力を合わせながらも塔を登り始める。
やがて再開した兄弟は敵対し争うこととなる。
激しい戦いの末に、勝利を手にしたのは中陰であった。
遅れて塔を登ってきた善慈と中陰の説得空しく、悪徒は頑なに迎合を拒んだ。
女神の怒りに触れた悪徒はその場で死の再現により焼き殺され、女神の寵愛を受けた善慈は塔から無事送り出された。
女神は次なる可能性として、兄へ課したものと同じ試練を中陰へと課す。
そして、見事その試練を乗り越えた中陰には、再びの生が約束された。
しかしながら、兄の驕りは許されることなく、裁きの重さを説いた女神により悪徒の蘇生は断られる。
塔を去る間際、中陰からの感謝の言葉を受けた厄病神にどのような心境の変化があったのか。あるいは、厄病神はその性質に反して善の神であるが故か。
かつてユーカラを語り捧げものをした男へ恩恵を与えた様に、厄病神は一つだけ中陰の願いを叶えることとした。
かくして死界の門は開かれ、中陰は迷うことなくその先へと足を進める。死んだ兄を連れ戻すために。

『因果の創造(ラビッツフット)』

幸運の物質化を可能とする番外魔法にして外道一族の源流であるゲドー一族の到達目標。
幸運の物質化、というそれ自体が既に規格外の大魔術であり、事実としてそれ自体が番外法として認識され続けて来たがその本質は異なる。
『因果の創造(ラビッツフット)』はアラヤから零れ落ちた番外魔法。本来あり得ざる世界の歪みである。
人類と他の動物を区別するものを信仰心であると考え、信仰こそが人類の定義だとした時、神無き時代において祈る先を失った人々は究極的に言ってしまえば他の動物と変わらなくなってしまう。
人類の総体たるアラヤは人類の定義を護る為に一つの受け皿を用意した。空席の神位、それこそが『因果の創造(ラビッツフット)』の本質である。
人々の祈りを聞き届け、彼らの幸運を管理する事こそが『因果の創造(ラビッツフット)』に求められた真の役割なのだ。
幸運の物質化と言う大魔術を扱う魔術師は複数人存在するかもしれないが、空白の神位に辿り着けるのは他の魔法同様に一人のみ。
そしてその本質に気付けた人間は長い歴史を読み解いても、恐らくは外道悪徒アリス程度だろう。
詳しい説明はSSを参照。