体験リポート(14)

Last-modified: 2024-03-27 (水) 16:25:15

<土地評価部門編(令和5年度試験)>

MMさんより口述試験体験リポートをいただきましたのでこちらで公開させていただきます


コースⅢ:土地評価部門
会場:東京会場(エッサム神田ホール2号館)
面接時間:午後14時45分~15時05分の20分間、試験官:2名
※まずもって、私自身、土地評価業務の実務経験があまりありませんので、その点を前提にお読みいただきたいと思います。
今回の口述試験は一般的知識の確認よりも、事前提出の調書に記載した実務内容についてかなり細かく問われました。時間的にも半分以上使われたと思います。私が携った業務内容に関する質問が多かったため、一般的にあまり参考にならないと思われる部分は記載を省略しております。
当然のことながら、実務をやっていないと返答に苦しむ場面が多々ありました。テキスト上の知識だけでの対応には限界があると痛感しました。


 

MM:○○○○番、MMと申します。

 

試験官A:MMさんは土地調査部門、物件部門もお持ちですね。今回はコース3での部門追加受験ですね。

 

MM:はい。

 

試験官A:MMさんの土地評価部門の経験年数は調書記載の○○年○月でお間違いないですか?

 

MM:はい。記載の通りです。

 

試験官A:MMさんは(株)○○技術の用地補償部の次長とのことですが、職務体制についてお聞かせください。

 

MM:私の所属する用地補償部は18名ほどの職員がおり、用地測量や土地評価関連の業務を受け持つ用地課と、物件調査算定を受け持つ補償課に細分化されております。

 

試験官A:わかりました。では調書に詳細の概要を記載した2業務について、それぞれ概要をお聞かせください。

 

MM:それぞれの業務概要を説明。(詳細略)

 

試験官A:ではお聞きします。業務①の方の取引事例はどのように収集されましたか?

 

MM:近隣で同発注者の同様の事業が行われた際の取引事例がありましたので、そういった公共の事例を交え、収集を行いました。

 

試験官A:十分な数の事例は収集できましたか?

 

MM:いかんせん田舎なもので事例は少なく、2年程度以内の取引事例を収集するとなると、この業務に限らず地域的に苦労することが多いです。

 

試験官A:近隣には地価の公示されている場所はありましたか?

 

MM:あったと記憶しております。

 

試験官A:公示価格があった場合はどのように取り扱いますか?

 

MM:対象土地の評価格と公示価格を比較し、価格に大きな開きがないか確認します。

 

試験官A:それ以外には?もっと他にありますよね?

 

MM:えーっと…、他にですか… 汗

 

試験官Bから助け舟:テキストにも書いてあったと思いますが、公示価格について、規則の「規」に準ずると書いて…

 

MM:あ、規準(のりじゅん)します。

 

試験官A:そうですね。

 

~その後、調書に詳細を記載した実務例についてかなり細かい問答がありましたが省略~

 

試験官A:土地評価とは何か説明してください。

 

MM:公共事業の施行において用地取得が必要となった際に、取引事例や公示価格を参考とし、場合によっては不動産鑑定士の意見等を伺い正常な土地価格を試算する作業を土地評価と言います。

 

試験官A:それも間違いではありませんが、何か基準的なものが示されていますよね?

 

MM:用対連基準第8条ですかね?建物等の物件が評価対象地に存する場合は、建物が無いものとして評価するとか、事業の施行が予定されることにより取引価格が低下したと認められる場合は、事業の影響が無いものとして評価するとかですね。

 

試験官A:その通りですね。では、標準地の評価を行う際に評価格を求める方法は幾つかあると思います。何と何がありますか?

 

MM:取引事例比較法によって求め、原価法、収益還元法の価格を参考にする場合もあります。

 

試験官A:取引事例比較法の流れを説明してください。

 

MM:近傍地から土地の取引事例を収集し、収集した事例について時点修正、事情補正等を行い、個別的要因の比較等も行いつつ試算価格求める方法です。

 

試験官A:取引事例はどうやって収集しますか?

 

MM:どうやってですか? えーっと…、どうやって? 汗

 

試験官Bから助け舟:色々と条件がありますよね?何年も前の古い事例でも良いんですか?

 

MM:(心の中で質問の仕方が悪いなと思いつつ)2年程度以内の事例、事情補正率が30%程度以内であったり、個別的要因の比較が容易なことですかね。

 

試験官A:その通りですね。では時点修正、事情補正についてご説明ください。

 

MM:時点修正は取引時点と価格時点が異なる際に公示価格の対前年変化率等から価格の修正を行うもので、事情補正は取引事例が投機目的な事情等がある場合、適正な価格に補正するものです。

 

試験官A:公示価格の変動率以外に使えるものは?投機目的な事情以外に事情補正を行う理由は?

 

MM:都道府県の基準値価格の変動率とかですかね…?事情補正は…他にも色々あったかとは思いますが…

 

試験官B:出てきませんか?

 

MM:すみません、ちょっと…

 

試験官B:そのあたりは後でテキストを再確認してみてください。

 

試験官A:比準表の地域要因の判定項目が幾つかあると思いますが言ってみてください。

 

MM:街路条件と…あとは…

 

試験官B:色々ありますが、出てこないようであればそちらも後で確認しておいてください。

 

試験官A:では時間も無くなってきたので幾つか用語についての説明をお願いします。土地の付加物にはどのようなものがありますか?また、付加物の価格はどう考えますか?

 

MM:階段、擁壁などの土留施設等、土地と一体として取り扱うものが考えられます。付加物については土地価格に含まれているものとして処理します。

 

試験官A:画地について説明してください。

 

MM:基本的に一筆の土地で、利用者を同じくし、同一の利用目的に供される一団の土地を画地とします。

 

試験官A:試験官Bさん、他に何か聞きたい事はありますか?

 

試験官B:いいえ、私からは特にもうありません。

 

試験官A:では時間ですので終了とします。これからも良い成果物の提出を宜しくお願いします。

 

MM:承知しました。ありがとうございました。


情報提供ありがとうございました。tk@管理人