厳しさや激しさの程度を和らげること。
そこから、(特にオンラインの)ゲーム用語としての「緩和」は
コンテンツやシステムの条件や制限を緩くすることを指す。
目次
概要
- オンラインゲームは長時間遊んでもらうことがコンセプトのゲームであり、
しかも、ヘビーユーザーからライトユーザー、長年続けている人から今日始めたばかりの人に至るまで、
日々様々な層のプレイヤーに対応していく必要がある(そうでないとゲーム自体が長続きしない)。
そのため、コンテンツの難易度(これは単純な「難しさ」だけではない)を上げることによって、
結果的にあらゆる層でより長く遊んでもらえる状況を作り出している。
だが、それがあまりにもきつすぎたりすると当然批判も沸き出てくるのがお決まり。
そこで、対策として実装したコンテンツの難易度を下げる処置が行われることがある。
これがいわゆる「緩和」である。
- これらは「運営型」という、運営管理者(チーム)が存在するゲームならではの事象であり、
逆にいうと運営型ゲームでは避けて通れないものであると言える。
まずこのタイプのゲームでは「様々な層」が居る以上意見も様々であり、
すべてのプレイヤーに100%マッチするバランスを提供するのはほぼ不可能である。
また、これらはユーザーの成長や需要の変化が必ず存在するため、
たとえ実装時点では「バランスが良い」とされたコンテンツであっても、
来月には、或いは来年には「バランスが悪い」と言われてしまう可能性が無いとは言い切れないのである。
緩和というのはともすれば冒頭で述べたような「調整不足で実装した、いわば失敗作の尻拭い」
以外の何者でもないとも捉えられがちだが、
実際には時代によって変化する需要を再調整するという意味合いも大きい。- そしてその調整として「既存のものを、より難しくする」事はあまり行われない。
プレイヤーからしてみれば、ある日突然それまで遊んでいたコンテンツが難しくなるというのは、
抵抗感が強くなってしまうからである。
なので「緩和」そのものは運営型のゲームにおいては、チームのポリシーにもよるが、
比較的ありふれたものであると言えるだろう。
- そしてその調整として「既存のものを、より難しくする」事はあまり行われない。
- 売り切り型のゲームについては、基本原則としては
「販売時点の需要」にマッチしたバランスで製作し、それをどれだけ販売できるかが最も求められる。
また、運営型のゲームと異なり長期的にプレイするための仕掛けは必須事項ではないため、
このような長期的な需要の変化に伴うバランス調整は実施されない
(運営管理者がないため、データ収集による需要変化を把握したり、
それを元にバランスを調整するなどのリソースが割けない)ケースが多かった。- 日本国内のオンラインゲームではほぼ全てのゲームにおいて運営管理者が存在し、
近年ではゲーム機の高性能化・インターネット環境の充実化などもあって、
コンシューマーゲームにおいても運営型のスタイルを採るゲームがある。
そのようなコンシューマーゲームでは、バランス調整つまり緩和が実施されることがあり、
厳密には運営型ではないゲームでも、緩和を始めとしたバランス調整が実施される例は見られるようになっている。
ゲーム用語/延命の記事も参照されたし。
- 日本国内のオンラインゲームではほぼ全てのゲームにおいて運営管理者が存在し、
- MHシリーズで運営型のスタイルを執るゲームは、定期的なアップデートを伴ってサービスが行われる
MHF、MHXR、MHNowの三作品が代表的である。
その中でも12年以上に渡って稼働していたMHFではバランス調整の回数も凄まじく、
緩和にいたるエピソードも山のように存在する。
MHF
- MHFではベースがMH2という、いわゆる「狩猟自体をメインに、遊びやすさ重視」
という方向性に進化する前のメインシリーズが土台となっている。
そこに、カプコン初のオンライン事業ということもあって手探りで開発されていた事もあり、
各コンテンツの難度はMH2と比較しても高い状態からサービスがスタートしている。
そのため、「要望を受けての緩和」自体は黎明期中の黎明期から精力的に行われていた。
一方、プレイヤーにとってみれば「それまで遊んでいたコンテンツがある日突然簡単になってしまう」
事に他ならず、それに対して苦言を呈するプレイヤーも存在した。- 過去の要望対応事項には、
「要望によって安易にゲーム自体の難易度を下げないで欲しい」
「苦労して素材を入手しているのに、安易に入手できるクエストを配信すると今までの努力が報われない」
といった意見が寄せられている。
この「今までの努力が報われない」については、
当時は先行入手の特権*1という(指摘したプレイヤーから見れば)苦しい弁明が行われていたが、
その後MHF運営チームで緩和調整を行う際の判断基準の一つになった事が後年のインタビューでうかがえる。
- 過去の要望対応事項には、
- 上記のような経緯もあり、2009年~2013年までの4年間は極端(本質的)な緩和調整は実施されてこなかった。
この間、メインシリーズが「狩猟自体をメインに、遊びやすさ重視」に完全に舵を切りきったこともあり、
それらを持ち出してMHFの姿勢を批判するプレイヤーも少なくなかった。
一応2010年以後は「課金要素による緩和」が行われるようになった。
これは「お金という負荷」であり、何の負荷もなく緩和したわけではなく、
「今までの努力が報われない」という思いを軽減できると思われるということが後年言及されているが、
当時はそのように受け取るプレイヤーは少なく(これは同作において「課金」に強い忌避感があったことも理由)、
「根本的に解決するという意識が感じられない」「拝金主義」という批判が絶えなかった。- この期間にて(課金要素ではない)根本的な緩和が実施されたケースもないわけではない。
最も有名なのは秘伝防具作成に関わる「ギルド優先依頼」の実装だろう。
だがこれはこれで別の問題を起こすことになり、「今までの努力が報われない」
という批判も、一部ではあるが起こっていた。 - 難しい問題として、緩和を希望する意見自体はMHFプレイヤーに全く無い訳ではなく、
それどころか当時のコミュニティなどを見ると緩和希望の方が強く見受けられる状況である。
そんな中実施された緩和策に対して、これでは緩和になってないという意見ならまだしも
「今までの努力が報われないので緩和しないでほしかった」という意見が噴出するのは、
プレイヤーによって(そのコンテンツへの)捉え方が大きく違う事を示している。
- この期間にて(課金要素ではない)根本的な緩和が実施されたケースもないわけではない。
- そしてMHF-G1では初期の「G級」のバランス調整が公式も認める大失敗となり、
MHFにおいても、その方向性を大きく転換せざるを得ない状態が起こることになった。
そこでまずは「G級」を遊びやすくするための大改革(G1時から見て、特大規模の緩和)が実施されることになり、
G級を遊びやすくする(魅力的に映る)ための導線を作ってから、
HRにおいても、入手率が極端に低かったHC素材の全種ポイント交換実装や、
早くG級に昇格できるように非G級ハンターは常時ブースト効果が付加されるなど、
大規模な緩和調整が行われることになった。
G級に関しては2014年のMHF-GGにて「メインコンテンツ」としての土台が完成するに至っている。- このG級の大改革は「努力が報われない(≒緩和しないでほしい)」という声も勿論あるにはあったのだが、
それ以前に「あまりにも難しすぎて頑張るだけ無駄だからそもそも遊ぶ必要がない」
という声が圧倒的なものであった。
とにもかくにもこのベースを根本的に作り変えなければ暴落した評を回復するのは難しいという、
切実な状況は大半のプレイヤーが肌身で(例えばフレンドが引退してしまう、マッチングが難しくなるなど)実感しており、
遊びやすくしてくれるなら歓迎という意見が大勢を占めていた。
- このG級の大改革は「努力が報われない(≒緩和しないでほしい)」という声も勿論あるにはあったのだが、
- その後、G級が主要コンテンツになったことで、
「G級までの難しさ・とっつき辛さ」が多くのプレイヤーから指摘されるようになった。
こちらにもあるが、当時はネット上などではそのような声は一蹴される
(HRをすっ飛ばしてすぐにG級へ上がるとは何事だ、という意見が強かった)事も少なくなく、
度々論議になっていたのだが、冒頭で述べた「時代変化と共に需要が変化しバランスが合わなくなる」
事態が発生するようになったといえよう。
そこで2016年からは、HRコンテンツに大規模な改革が実施され、
MHF-Z以降「HR帯はチュートリアル」とまで言われるほどの本質的な緩和が行われることになった。
2017年以降は、G級コンテンツも実装から4年を超えて多様化したことから、
最先端までの導線を強化する方向での調整(緩和)が検討され、
例えば「極ノ型」や遷悠種の解禁ランクを引き下げる、
辿異素材の入手難度や武器の強化難度緩和と言った策が実施された。
- なおMHFにおいてはモンスターのドロップ確率を上げたり、
ハンターランクを上げるのに必要なポイント設定を引き下げたり、
装備強化に使う素材そのものを減らしたりという緩和ではなく、入手手段(数)の増加という緩和が多い。
上で挙げた「大規模な改革」はそのような点に足を突っ込んだ緩和であり、
言い換えれば本質的な緩和はMHFにおいてはいずれも一大事件となっている、と言える。- この理由としては主に2つあることがインタビュー等で明らかになっている。
一つは上述した「緩和前まで頑張ってやってきた人の努力を無駄にしてはならない」というもの。
「入手手段」の増加であれば、緩和前に頑張って積み上げてきた人はその資産を活かすことができ、
武具であれば素材が余って使い道がなくなるという事態にはなりにくい。
また、あくまで労力が減るだけで頑張らないといけないことに変わりはないため、
緩和の仕方にもよるが、上記のような指摘は比較的出にくくなる。
ちなみにMHFもメインシリーズ同様「素材を集めて装備を作る」という土台であるため、
素材のストック数は、10年近くプレイしている人と数ヶ月前に始めた人の間では雲泥の差がある。
これを問題視する(格差がある)声があるのも事実だが、
「入手手段」の増加であれば、素材のストック数については差を埋める(近づける)ことができ、
このような不満の声も抑えることができる。
- もう一つの理由としては、ゲーム全体に与えるバランスへの影響である。
ある1要素を根本的に緩和するだけでもゲーム全体に発生する影響をしっかり検討しなければならず、
それが1つだけでなく、防具のように数百、数千もの数に対して実施しないといけないとなると、
検証だけで甚大な時間を要してしまうという問題が生じてしまう
(当然ながらバランスを大きく弄ることでの不具合の発生も考えられる)。
それに対し入手手段の強化、という形の緩和であれば、比較的検証に要する時間が短く、
早い段階でユーザーに緩和を提供できる、という利点があるようだ。
前者はともかく後者は開発チームの拡充でカバーすることができるため、
新体制が定着した2016年以降は通常のアップデートの中で本質的な緩和が実施できるようになっていったようだ。 - この理由としては主に2つあることがインタビュー等で明らかになっている。
- このように基本的には色々配慮された上で緩和が行われるのだが、
前述の通りこれらの緩和要素が発表された際には基本システム、課金要素を問わず
「努力が水の泡だ」という批判が少なからず見られた。
特にプレイヤーの労力がかかるコンテンツに対しては、緩和すること自体への批判も見られたり、
そのような批判がなかった場合でも「斜め上の(要は無意味な)緩和」「正解を選ばない」
という指摘がネット上を中心に多く見受けられる傾向にある。
また一部のコミュニティでは幾度となく緩和が実施されているにもかかわらず、
「改善(緩和)する気がない」と断じられているものも見受けられる。
これらはMHFとその運営チームの歴史上の経緯、ネット上での「声」の主流など、
様々な要因が複雑に絡んでいるため一概に理由を挙げるのは難しいが、
大体の場合は緩和後の反響は好評であることがインタビュー等で言及されている。
その為、MHFに大きな影響を齎し賛否両論となった「緩和」も数多いが、
現在でも「緩和したこと」そのものが年月を経ても批判され続けているコンテンツは存在しない。- プレイヤー側の事情としては、MHFがネットゲーム、
しかも当時は現在とは比較にならないほど武具作成・ランク上げ難度が高かったという背景があり、
「労力をかけて作成(育成)した」事自体にも重きが置かれ、
それを緩和で後発のプレイヤーがあっさり作れてしまうことに複雑な心境を持つユーザーが少なくない、
と言われている。
基本的にはたった一つまみのトップランカーの意見を反映するより、
多数派の要望を優先して聞き入れるのは必然的ともいえる訳だが、
厄介な事にネット上では、そのようなトップランカーの声がより大きな影響を与えやすく
(こちらの記事も参照のこと)、必然的にネット上の言説は上級者やベテランから見たものに偏りやすい。
その為多数の要望があったという言及を「自演*2要望」と切り捨てたり、
初心者向けの要素の緩和について、かつてその道を通ったベテランが批判するという構図が出来やすいと言える。
また特殊な例としては、もともと(ネット上で)賛否両論だったコンテンツのある特殊性
(その特殊性自体が緩和の正体の一つであった)について、
多くのプレイヤーが目にする場所で独自研究として取り上げ続けた結果、
それが一転してありとあらゆる出来事に因縁づけして批判が続けられる燃料となったケースもある。
これらは例えそう主張するプレイヤーがたった一つまみであったとしても、
ネットの特性上「批判が殺到」或いは「主流」「プレイヤーの総意」として取り上げられやすい。
ただし、「労力をかけて~」については先述の通り非常に慎重な検討が行われ続けており、
ネットの「声」についても、本当に多くのプレイヤーが声を上げ続けていない限りは、
ゲーム内のコミュニティで大々的にそれが問題となることはない。 - 上述したようにMHFではMHF-G2頃まで根本的な緩和が行われない、
とプレイヤー(これは先述したように意見の偏りを考慮すべきである)が意識する状態が続き、
特にサービス初期は公式でも後に語られるほどMHF運営に対するプレイヤー側の不信感が強く、
ネット上ではそのような不信を前提として発言するプレイヤーが(特に古くからのベテランを中心に)
少なからず見られた。
故に緩和に関しては、どうしても一定の警戒感を持って語られることが多かったようである。
- プレイヤー側の事情としては、MHFがネットゲーム、
- サービス終了告知後はエンドコンテンツ由来の装備の入手について、
サービス終了までの間に大規模な緩和がされるのでは、という予想も上がっていたが、
その内「進化武器」については、MHFのやり込みを象徴する武器という位置付けもあり、
課金コースの無料解禁で間接的に必要素材の入手難度は緩和されたが、
最後の最後まで直接的な強化難度の緩和は一度も行われることがなかった。
一方、「不退珠」については、サービス終了の直前に大規模な緩和がされたが、
元々進化武器最終強化に比べると低いハードルで入手できる代物であり、
一方でエンドコンテンツ由来のアイテムなのに進化武器と違い指定が行われてしまうものであったため、
進化武器と不退珠の緩和に関する対応については、どちらも大きく問題視されることなくサービスを終えている。
MHNow
- 位置情報ゲームの今作はMHFと同様、定期的なアップデートとゲームバランス調整を行うライブサービス型ゲームである。
因みに本作のプロデューサーは、MHFの名誉プロデューサー(元アシスタントプロデューサー)を務めた砂野元気氏である。
- スマートフォン向けアプリかつ基本無料という始めやすさも相まって、MHシリーズ新規層の獲得に貢献している。
一方で理不尽にも程がある装備強化素材の要求量、地域格差によるミッションの達成難度変動などが問題視され、
ユーザーの様々な緩和要望が非常に多く飛び交っているのが現状である。
これに関しては課金しても解決できない問題が多いため、運営の手腕に委ねられる。- MHNowはリリース当初から厳しい現実を突きつけており、
多くのプレイヤーが「楽にプレイしたい」という願いを常に抱いているためか、
MHFとは反対に緩和自体への批判は少なくなっている。
- MHNowはリリース当初から厳しい現実を突きつけており、
- 今作は現実世界のマップに点在する大型採集ポイントでしか入手できない素材*3があり、
ポイントが少ない地域に在住するハンターは素材が全く集まらずゲーム進行が止まることが多い。
こういった格差問題を解決するため『クアリリのスペシャルクエスト』が定期的に開催され、
限定素材を配布することによって多少は入手難度が緩和される傾向にある。
また、非常にドロップ率が低く設定されているストッパー素材「竜玉のかけら」についても、
イベントミッションの達成報酬に加わることがある。
- 2023年12月大型アップデート『雪華散らす碧雷』にて大連続狩猟が実装されたが、
マルチプレイ前提の要素に反して同業ハンターが全然集まらないという問題があった。
運営は「今後のアップデートで大連続狩猟に人が集まりやすくする」と緩和声明を出したものの、
蓋を開けるとスポット出現時間の延長・モンスターのランクダウン(5体目が★5)といったステータス調整に絞られ、
スポット外にいるハンターも参加させるといった根本的な召集改善には至らなかった。
- 2024年3月大型アップデート『春景裂く乱入者』のシーズン中、あらゆる要素に緩和の処置が為されている。
- まずはメインストーリーミッションの緊急クエストの難易度を下げる機能が追加。
難易度を下げるとその分のストーリー難易度は1周分巻き戻され、モンスターのランクが1段階ダウンするが、
「ストーリー進行が詰む」という事象は起こらなくなった。 - 続いて「シーズンティア制度」の導入によって、進行度報酬で装備強化素材が入手可能になった。
- また、大型モンスターの討伐数に応じて指定モンスターをマーキングする「モンスタートラッカー」の実装によって、
恒常モンスターだけではあるがモンスター素材収集の効率が非常に良くなっている。 - マルチプレイで部位破壊がしやすくなったうえ報酬枠にグループハント報酬が追加されたほか、
大連続狩猟のマッチング範囲が拡大されたことにより、地域格差による問題・マルチプレイの利点が改善されている。
- まずはメインストーリーミッションの緊急クエストの難易度を下げる機能が追加。
メインシリーズにおける「緩和」
- 運営型ではないメインシリーズにおいては、MHWorld以前は「緩和」が実施されたことは無かった。
登場するモンスターの強さが作品を追う毎に調整を重ねられて戦いやすくなったり、
ハンター側のシステムやUIが向上してプレイしやすい操作感や環境が模索されたり、
イベクエで救済クエストが配信されるなど間接的には緩和に繋がるという前例があるぐらいか。
MH4あたりからは様々な理由でプレイ期間が長期化されつつあったため、
MHFやMHXR同様の「緩和」調整を希求する声も少なくない。
後述するようにMHW:I以降は緩和と言える事例が一部見られてきたが、
それでもMHFほどの大々的な緩和は今のところは存在していない。
ただ、根幹たる「ライトユーザーからベテランまで幅広く遊んでもらいたい」と言う理念は
具体的な形で「緩和」には至らずとも、意識としては何らかの形で脈々と反映されて来た。
- MHWorldでは従来にないバランス調整をアップデートで実施できる環境は整っているが、
それで「緩和」が実施されることは実質的には無かった(一部アイテムの入手性が改善されてはいる)。
だが拡張アップデートに相当する「アイスボーン」では、
新たなランクであるマスターランク(G級に相当)が同アップデートのメインコンテンツにあたる事から
「上位までのストーリーを楽にクリアしてマスターランクに合流してもらう」目的で、
ガーディアンシリーズ、および防衛隊派生武器という、
上位までの環境でいえば飛びぬけて強力な装備が追加された(マスターランク終盤まで通用するものではない)。
明確に冒頭で取り上げた、
「時代によって変化する需要*4を再調整する」意図のある装備追加であり、
「緩和」の1つであると言ってよいだろう。- MHFのG級エントリー装備に近い立ち位置を持つが当該装備はG級実装から約1年後に用意されており、
アイスボーン発売と同時に追加されたこれらの装備群とは導入の経過がやや異なる。
MHFのG級は当初の想定ではそれ自体がエンドコンテンツであり、
それまでの環境を十二分にやり込んだ一部のプレイヤーが遊ぶという趣を強くしていた。
一方アイスボーンのマスターランクは、
別にエンドコンテンツが用意されたこともあってそれ自体がエンドコンテンツではなく、
だからこそ初期の時点で「緩和」したとしても支障はなかったものと思われる。 - またMHW:Iでは最終的にアルテミスがマスターランク突入直後に制作可能でありながら
マスターランクのラスボスまで十分対応出来るほどの力を持って登場している。
全シリーズ、というかモンスターハンターシリーズに限らずあらゆるゲームと比較しても
ストーリー中のラスボスまで安泰な救済装備の実装はかなり異例なことではあるのだが、
実装時期はMHW:I最後の追加モンスターである歴戦王イヴェルカーナ実装後でもあった上、
続編であるMHRiseの販売も間近に迫る時期。
加えてラスボス討伐直後の装備は、
歴戦王イヴェルカーナ実装後の最終環境ではやや型落ち気味になっていたこともあり、
時期・性能の双方からしてラスボス討伐段階までの緩和は妥当と判断された結果だろう。
また武器に関してはこれといった救済措置はなく、防衛隊装備から各々次の武器を考えて制作する必要がある。
一方で装飾品に関しては防音珠Ⅱの配布付きアイテムパックという超強烈な救済措置がセットで登場した。- しかし映画コラボ装備だったのもあり、2021年12月でアルテミス装備は配信終了が決定した。
これに伴い防音珠Ⅱの配布も終了することになった。装飾品難民の大量増加が予想される
おそらくは映画との契約終了が最大の要因と考えられる。
ただ一方、あくまで映画との契約終了だけがネックで緩和を続ける意図自体があるならば
見た目・名称だけ変更した代替装備の実装&配布及び防音珠Ⅱの配布の用意も考えられるが、
現状ではこれといった話は聞かれない。
ゲーム人口自体減少していて需要がないという理由であればやむを得ないが、
MHW自体は2021年も100万本単位で売上を伸ばしており*5、この需要はけして小さくない筈である。
ともすれば、緩和自体が防衛隊のみでも充分と判断されたと見るべきかもしれない。
- しかし映画コラボ装備だったのもあり、2021年12月でアルテミス装備は配信終了が決定した。
- MHFのG級エントリー装備に近い立ち位置を持つが当該装備はG級実装から約1年後に用意されており、
- また、2020年12月以降はそれまで一年につき2週間しか開催されていなかった
各種祭りイベントが2週間ごとに開催されることとなった。
(どの祭りが開催されるかは現実世界の季節によって決定されている)
上述のアルテミス装備ほどではないが各種の祭典防具も初心者にとっては非常に優秀なものが多い。
さらに全てのイベントクエストもこの時点を以って解放されている。
この中には『その艶姿、凍傷に注意』などのMR序盤から受注することが可能で
短時間で高速周回することで多数のレベル4装飾品を狙うことができる採取クエストが存在している。
(特に上述の祭典防具を作った場合、シリーズスキルを活用しようとすれば
自然とこのクエストを周回するプレイスタイルにたどり着くようになっている)
こういった措置も緩和の一環だと言えるだろう。
- MHRiseではしばらくの間は緩和と言えるものはなかったが、
発売から7ヶ月が経過した2021年10月末期にギルドクロスシリーズが登場した。
これは下位中盤~終盤の防具に匹敵する防御力がありながらゲーム開始直後でも貰える、
いわば下位版のガーディアン装備とも言える装備である。- ガーディアンと比べると最後まで安泰と言えるほどのずば抜けた防御性能を持っているわけではないが、
今作は比較的ステータスの低い村クエを進めるだけでもステータスの高い集会所下位をクリアした扱いになる為、
過去に配信されたアイテムパックも合わせれば難易度としては充分な緩和になっていると思われる。
またガーディアンよりも圧倒的に採取・探索系スキルが優れており
下位・上位序盤の採取・探索の効率も改善するので、
単純にゲームを早く進めるだけでなくじっくりと進めたい場合にも適した装備になっている。
MHR:Sの発表が行われた後の実装だった点、加えて発売日自体は当面先という点から、
いち早く最前線環境に合流したい人のニーズとじっくり進めたい人のニーズを
それぞれ勘案した緩和装備と言えるだろう。 - 更に2022年2月24日にはクロオビシリーズと里守用武器が登場。
ギルドクロスシリーズと同様、ゲーム開始直後でもらえる装備群である。
クロオビシリーズは狩猟特化のスキル構成で、貴重な耳栓スキルが付いているのが特徴。
攻撃スキルも高いレベルで付いており、同時に入手できる「熟練の護石」と共に装備することで
体術と体力回復量UPスキルも高レベルとなる。
里守用武器は序盤から入手できる武器としては破格…とまではいかないが高い武器性能を持ち、
下位段階でのより一層スムーズな狩猟ができるようになるだろう。 - 更にMHR:Sのタイトルアップデートで上位版のクロオビSシリーズが配信された。
スキル構成は概ねクロオビシリーズと同じであるほか、少ないながらもスロットが付いており、
MR到達まで楽勝…とまでにはならないが、MR未到達の駆け出しハンターにとっては暫くは心強い装備となるだろう。
里守用武器にも上位強化が実装され、上位攻略のお世話になるはずだ。
- ガーディアンと比べると最後まで安泰と言えるほどのずば抜けた防御性能を持っているわけではないが、
- MHR:Sでは、Ver12で傀異クエストにおける傀異素材の入手率に調整が入り、
剥ぎ取りや部位破壊報酬で傀異素材が追加入手できる確率が20%から40%に引き上げられた。
これは、傀異討究クエストの拡充に伴い傀異化した皮/上皮/厚皮のようにランク別に素材が細分化され、
「様々な傀異素材がランクを問わず細かく要求される」という需要に対しての再調整と考えられる。
また、高レベルの傀異討究クエストだと低ランクの傀異素材が入手できず、武器の傀異錬成を進める際に
低ランク素材のためにクエスト数を重ねる必要が出てくる。これに対して不満が出ることを想定し、
先手を打って入手確率の引き上げや低ランク素材の交換入手の実装を計画していたとも考えられる。- 傀異素材は傀異錬成を続ける限り需要が尽きないことや、
素材入手には傀異クエストをこなす必要がある点は変わらないことからか、
概ね好意的に受け止められている模様。 - また、Ver.14では傀異討究クエストで少量、そちらに関連する研究依頼をこなすと大量入手できる
「討究コイン」について、研究依頼の進行条件が変更された。
従来は特定のターゲット・Lvのクエストを10回クリアしないといけなかったのだが、
Ver.14では一定以上のLvのクエストを10回クリアするだけで達成可能となり、
更に特定ターゲットもそろえると最短で5回クリアで達成できるようになった。
これによって討究コインの入手性が大きく改善されており、緩和と言えるだろう。
- 傀異素材は傀異錬成を続ける限り需要が尽きないことや、
関連項目
モンハン用語/救済クエスト - 緩和手段の一つ(入手手段の増加)
システム/ギルド優先依頼 - MHFにおいておそらく最も有名な入手手段増加の緩和調整
ゲーム用語/延命 - これに対する批判を軽減するのがオンラインゲームにおいて緩和調整が存在する理由と捉えられることもある。