あやしいわーるど攻撃騒動

Last-modified: 2022-06-06 (月) 04:59:16

 2000年8月。

 2ちゃんねるで使われていたAAのひとつ、『ギコ猫』の発祥地を巡ってあやしいわーるどと2ちゃんねるが対立し、2ちゃんねるユーザーとあやしいわーるどユーザー双方から複数の掲示板荒らし集団が出現し、ネット上で戦争をするような対立と荒らし合戦をしたのがこの『あやしいわーるど攻撃騒動』である。
 あやしいわーるどは2ちゃんねるやあめぞう掲示板といった匿名掲示板の原点ともなる掲示板群であり、ユーザー層は2ちゃんねると比較すると人数こそ少ないが住人は玄人寄りでありパソコンやインターネットの知識や造詣に深い者も多かった。対する2ちゃんねるはその敷居の低さから人数は多いものの玉石混交でもあり、まとまりが悪いという欠点があった。

 最初に宣戦布告としたのは2ちゃんねるのハック・クラック板(通称:ハックラ板)という、ハッカーやクラッキングの話題を主とする板にとあるスレが立てられたことが発端である。内容としては2ちゃんねるではAAとして有名になっていた『ギコ猫』があやしいわーるどで使用されているという件で、ギコ猫の盗用として物申すをした集団がこぞってあやしいわーるどに荒らし行為を繰り返した。
 これを受けてあやしいわーるどでは「ゲスッ」(後継:ゲスッメモリアル)という荒らし集団が組織され2ちゃんねるに報復攻撃に転じた。その攻撃方法は実に緻密かつ徹底的であり、荒らし用スクリプトの動作テストの段階で2ちゃんねるのサーバーが大きなダメージを負うほかいくつかの障害、ログ消滅が発生。スクリプトが本格始動が開始されるかと思った矢先にひろゆき氏があやしいわーるどにて全面謝罪をし、ハッククラック板で記録されていたIPや削除権限などを条件に和解するに至った。

猫の手も借りたい




 騒動で中心となった『ギコ猫』はもともとはあやしいわーるどの常連ユーザーであったコブラ氏が発祥であり、コブラ氏の発する「ギコハハハ」という特徴的なテキストの笑い表現があやしいわーるど内で流行した結果「ギコる」「ギコギコする」というスラングとして発展、広まったものである。
 その後、1998年頃のあやしいわーるどで『擬古猫』という名前のキャラクターがAAとして誕生し、そこに追記された鳴き声が「ギコハハハ」からの「ギコニャーニャー」というものでありこれが2ちゃんねるでも利用されるうちに形や名前を変えて『ギコ猫』として定着したものであった。(2ちゃんねるでは鳴き声ではなく、「逝ってよし」「オマエモナー」などの台詞が付記されることが多い)

 つまりは、この騒動でハッククラック板が「『ギコ猫』をあやしいわーるどが盗用している」といった提起はそもそもが筋違いであり、もともとはあやしいわーるど発祥のAAおよびキャラクターであったことが最終的にひろゆき氏が謝罪に至るまでの理由となっている。

 この騒動の原因としては、あやしいわーるどやあめぞう掲示板といった2ちゃんねるの原点となった匿名掲示板が徐々に衰退しその利用者が減少するのと同時に新人の2ちゃんねるユーザーが爆発的に増加したことが要因と思われる。匿名掲示板として2ちゃんねるをはじめて利用した人が後にあやしいわーるど等の存在を知り、そちらが2ちゃんねるを真似した後継掲示板だと勘違いしてしまったということだ。
 『西武バスジャック事件』を皮切りに2ちゃんねる内では良くも悪くも全体が活発化しており、祭りや事件は日常的なことでもあった。そうした全体がいわゆるハイテンション状態の時に起きた疑似的な戦争に関係者もそれ以外も血気盛んに熱中したという、当時の2ちゃんねるとそれを取り巻く匿名掲示板の世界を如実に表した事件とも言えるだろう。

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引用:ギコ猫 - Wikipedia
引用:ゲスッとは [単語記事] - ニコニコ大百科
引用:アリス・リデル - 掲示板荒らしの悪行まとめ @ ウィキ - atwiki(アットウィキ)