クーロンズゲート 基本用語

Last-modified: 2021-05-02 (日) 14:57:16

用語


風水師

古代中国での思想のひとつに風水というものがあり、これは都市や住居、墓といった人間にとって重要な建造物を作るときにその位置取りを決定するための基準として用いられてきたもの。占いと混同されやすいがそうではなく、コレはコレである、と決定付けるための方法である。これを主な仕事としているのが風水師と呼ばれている。

すべてのものはまず陰と陽とに二分化され、さらに五行という五つに分類される。クーロンズゲートの世界での風水師の役割は陰界と陽界という二つの世界の風水を監視・統治する者とされている。この二つの世界のどちらかの風水が滞ると両方のバランスに狂いが生じてしまい、すべての崩壊を招く結果になる。

プレイヤーは超級風水師という稀代の才能を持った人物を主人公として陰界の風水を調整しにいくというのがゲームの目的となる。

気脈

要するに気の流れのこと。大地には至るところに気が流れる道があり、常に巡り回って循環している。この通り道のことを気脈と呼び、こうした気の通り道に何かしらの手を加え整えることで運気を上げたり大地を清めたりするのが風水師の仕事のひとつである。「気脈を正す」という言い方がこの場合は妥当。

ちなみに、気脈よりも太く巨大な気の通り道を龍脈と呼ぶ。こちらは風水を司っている四つの力、すなわち四神獣の持つ気の流れのことであり風水で取り扱う気脈のなかでも最重要な位置にある。四神獣は東西南北の四つの方角を同時に意味しており、これらすべての龍脈を正すことでその地域一帯の気は整い、すべての摂理と道理のバランスが保たれて繁栄と豊穣をもたらす大地へと生まれ変わる。

邪気

気脈が著しく乱れることで発生するとされる邪悪な気。これが蔓延ることで人間社会にとって、あるいは生き物すべてにとって不利益または不健康、災厄や混乱を引き起こすとされている。クーロンズゲートの世界では邪気がたまった地域には物の怪が徘徊し人々に襲い掛かるようになる。

邪気は木火土金水(もっかどごんすい)という名前で大別される五つの属性があるとされ、これらは五芒星の形とその向きにより互いに相克関係にある。例えば「水」を「木」に向けると養分を与えるので邪気は活性化してしまうが、逆に「土」を「水」に向けることで土によって水が埋め立てられて沈静化する。五つの属性関係を把握するのも風水の基礎である。


shisou_gogyou_0.png

四神獣

方角である東西南北をそれぞれ支配しているとされる獣たちの総称。

北に位置するのは玄武。これは巨大な亀と蛇が共に描かれることが多い。亀は不老長寿を意味し、蛇は生殖と繁殖を意味している。亀と蛇とという異なる種族の動物であるが二つはつがい同士であり、陰と陽と二つの意味をも持っている。亀も蛇もどちらも水棲であることからか水の属性を持っており、季節では冬を司っている。
西に位置するのは白虎。真っ白い虎の姿をしており、伝説上でしかない他の四神獣たちと違ってホワイトタイガーという実際の動物がいるためにこちらも同様に珍重されている(風水での実際の四神獣・白虎は伝説上の存在)。
南に位置するのは朱雀。美しく燃え盛る身体を持った巨鳥の姿で描かれ、長生きの神とされている。中国では同じように燃え盛る身体を持つ鳳凰という鳥も伝説のなかに存在するが、それとは出典が異なる(同一視される場合もある)。
東に位置するのは青龍。天空をうねるように漂う細長い竜の姿で描かれる。

ある地域のそれぞれの方角にある自然界の地形を四神獣として見立てるのが風水のかなめであるが、陰界の場合はこうした陽界での見立てが通用しない。なにをもって四神獣とするのか、どのような道具が必要なのか、そして正しい見立てというのはどうすればできるのかは超級風水師の主人公でもこれから見つけ出さねばならない。

胡同(フートン)

路地という意味がある言葉で、実際に中国には同名で呼ばれている地域が存在している。

クーロンズゲートにおいては建物がでたらめに建って迷路のように入り組んでいる場所および地域を指しており、そのせいで気脈が著しく乱れていて邪気と鬼律の住処になっている場所となる。建造物や都市は風水にならって作られてこそ初めて気脈のバランスが取れるが、そうしたものを一切無視した結果という形。

かつては街としての機能を持っていたり実際に住んでいる者もいたりするが、基本的には邪気が蔓延する危険な場所であり普通の人は立ち入らない。龍城路のように管理者が入口を施錠して立ち入り禁止にしている場合もある。

ゲーム的に言えばモンスター(鬼律)のいるダンジョンという見方で構わない。迷路になっていたり、特定の条件を満たさないと先に進めないという形式は3Dダンジョンとしてプレイできる。

鬼律(グイリー)

物の怪。捨てられた物品類に邪気が取り憑き、物だった時の面影を残しながら自立して動き回るようになったミュータント的なモンスターである。日本神話でも説かれているように物には心があり、人間に打ち捨てられて怨念がたまった物の心は邪気が取り憑きやすい。

鬼律の特性としては出会った人間を喰う、あるいは邪気を吹きかけて狂わせるというのが一般的。当然ながら人間に対しては敵意を抱いており、鬼律と化してしまった以上人間とは相容れる存在ではなくなる。鬼律は存在しているだけで邪気を周囲にさらに蔓延させる効果もあり、放っておけば地域一帯が邪気で汚染され近寄ることもできなくなるほどの猛威を振るう。

ただし相克関係をただしく理解した風水師だけは鬼律への対処が可能であり、きちんとバランスを整えて処置を行うことで鬼律は邪気を抜かれただの「物」として立ち返ることが可能となる。

八卦鏡(はっけきょう)

八卦とは八方向にそれぞれ名のついた象徴のことであり、それらを記した鏡のことを八卦鏡と呼ぶ。退魔のための道具とされており、正しい角度で該当する場所に収まっていることで邪気を跳ね返すどころか一気に霧散させるほどの威力を持つ。しかし、角度がちょっとでもズレていると逆に多くの邪気を呼び寄せることになり、扱いには鏡に対する知識のある人間が必要といえる。

龍城路の邪気は主にこの八卦鏡の角度狂いによるものであり、鏡屋などはそれをいち早く察知して角度の調整をしようとしていた。

三尸(サンシー)

鬼律の一種。原型は腐ったオガクズの三位一体の鬼律であり、それぞれは血尸(けっし)、青姑(せいこ)、白姑(はくこ)という名で呼ばれる。他の鬼律と異なり物の状態で徘徊するわけではなく、精神体のような状態で人間や物に手当たり次第に取り憑いて操ったり直接狂わせたりという特異な能力を持ち、対処には他の鬼律とは異なる方法が必要になる。

特別な鬼律であるだけに一部の人間には興味の対象になっており、剥製屋は三尸捕獲のコンテストを開いてすらいた。邪気の鏡と三尸を入れることのできる特製のびんがあれば捕獲は可能であるが、その利用方法は謎である。

龍穴(りゅうけつ)

四神獣同士を結び付ける確固たる力の奔流、龍脈。この流れは人体で例えるなら動脈のようなものであり非常に太く丈夫であるべきだが、なんらかの理由でこの龍脈が千切れ途絶えてしまったポイントが時おり見かけられる。それらを龍穴と呼び、龍脈がむき出しの状態で放置されているために非常に強いエネルギーが溜まっている場所となる。

風水師が四神獣を見立てる際にはこの龍穴を一度塞いで補修し、龍脈を完全に繋げてから見立てを行うのが順序となる。龍穴は邪気とは異なるが危険なほどのエネルギーが蔓延しており、放置しておくとすべてを呑み込む恐るべき穴が開いてしまう可能性がある。

鳴力(ミンリー)

運命的に生まれた同じ遺伝子を持つ双子、そのふたりが呼び寄せ合う説明のできない不思議な力を鳴力と呼ぶ。実際の双子も離れ離れに暮らしていてもふとした時に相手の居場所を察知したり、危険や幸運を共有できたりするという事例があるが、そうしたもの一切をまとめて鳴力としてクーロンズゲートの世界では呼ばれている。
場合によっては透視や予知という超能力に近い力を顕現する場合もあり、邪気を祓うためにも使われることがある。

スネーク(蛇老講)はこうした強力な鳴力のパワーを用いて不老不死を達成しようとしている。

假力(ガーミン)

スネーク(蛇老講)に支配されてしまった鳴力は歪められた力となり假力と呼ばれる。スネークが管理しやすいように形状も性質もおよそすべて作り変えられてしまっており、人工的に作り出された鳴力とは似て非なるものである。邪気が憑きやすかったり妄想に囚われてしまうといった二次的な副作用が散見され、大変危険な力でもある。

スネークは双子屋にて双子の会員数を増やし、さらに彼らにクーロネットを利用させることでネットワーク上から鳴力を引き出そうとした。その過程で集められたものは假力となりスネークの私利私欲に扱われる結果となった。

クーロネット

クーロンズゲートにおけるネットワークシステム。すべての街および一部の胡同にも通じているネットワークで、アクセスカードを所持さえしていればあらゆるコンテンツにアクセスして情報収集や各種サービスを利用できる。クーロネットに接続するには他に街頭端末も必要であり、基本的には端末が設置されている建物や場所でのみネットワークに接続できる。

コンテンツは様々であり、知り合い同士でやりとりできる電子メール、情報が格納されたデータベース、胡同案内人のナビの雇用、会員同士のチャットルームであるリゾーム、CM広告類の流れるハッピーアワーなどを閲覧・利用できる。生体通信という特殊な通信コンテンツも備わっている。

ゲームシステム的にはセーブとロードができる場所でもあり、この二つはアクセスカードが使用できない状態でも可能。クーロンズゲートおよび風水のあれこれが分かるウンチク集的な要素もあり、なにかと面白い画面である。

生体通信

クーロネットから利用できるコンテンツのひとつだが、利用には会員であることや様々な条件が必要。ある種のドラッグに似た酩酊感と快感を得られる通信であり、脳を直接くすぐられるような人間の無意識に作用する性質がある。精神や脳を刺激するというわけでリスクも高く、実際に精神異常をきたしてしまう人や生体通信の持つ依存性のせいで抜け出せなくなった者も多々いる。

不用意な扱いは厳禁である生体通信だが、ゲーム中にはこの生体通信を利用してしか接触できない者もいるなどして深く関わらざるを得なくなるコンテンツ。過度の使用は厳禁とはいえ、使い方によっては便利なものである。

リゾーム

地下茎という意味を持ち、うねうねと伸びた根っこのようなイメージを持つリアルタイム・チャットができるクーロネットのコンテンツ。
ここに居る会員たちは全員が双子屋で会員登録された双子たちばかりであり、日々鳴力を発動させようと鍛錬を重ねている。リゾームではそうした鳴力や鳴力を引き出すとされるセミナーなどに関する雑談や意見交換で毎日盛り上がっている。

ちなみに、リゾームという単語は哲学用語でもあり、実在するピエール=フェリックス・ガタリというフランスの哲学者・精神分析家が使用していた言葉。他にもガタリという名前はクーロンズゲートで見かけることがあるので探してみるのも面白い。

ファイアの日

小黒の夢のなかで頻発する言葉。小黒自身もなんの事かが分からず、風水師でもある主人公を頼るのが冒頭ストーリーである。

実際はファイアの日とは小黒の持っていた母親の形見であるブレスレットに描かれた文字と関連していた。「戊(つちのえ)」と「子(ね)」という二つの文字は「霹靂火(へきれきか)」という日を指しており、意味合いとしては雷のように激しい炎の日、となる。さらに言うとこれはある一日を指す言葉であると同時に暦の上での月と同様に繰り返すものであり、長い歴史から考えればこの特別な日が幾度となく巡り来ていたことが分かる。

おはじめ式

スネークの組織である双子屋にて、双子を作ろうと新たに決心した者たちが集う会合儀式。まずは双子屋で登録をしてからこの会に参加することで改めて会員のひとりとして認定されるという仕組みだ。儀式というよりは手続きに近いものであり、クーロネット会員に登録した者はすべてこのおはじめ式を受けなければならない。

蛇老講(オールド・スネーク)

スネークと一般的に呼ばれている組織もしくは結社のことである。その在籍人数は不明だが、何人もの幹部がいたり双子屋という大がかりな下部組織を抱えるなど、数人の規模ではないことは伺える。陰界の九龍においてはかなりの権力を持っており、九龍フロントでの顔役であったミスター・チェンですらその部下として立ち動いている。

スネークの理想と目標は不老不死の実現であり、これはスネークの打ち出した政策への協力者すべてにもたらされると謳っている。双子同士の持つ鳴力を集めて四神獣のひとつである青龍を呼び覚まし、その力をもって不老不死が達成されるとしているが論拠となるものはどこにもない。
しかし、陰界のほとんどの人々が不老不死に憧れを抱き、スネークに協力しているのが実情である。

この不可解かつ不気味なスネークという組織は四天王と呼ばれる幹部が実際に動き回って鳴力を集めており、呪術的な遺伝子操作により双子を無理に作り出したり媽妃や婆童など特殊な能力を持つ者により無理やり鳴力を引き出して、よりスネークたちの管理しやすい力、假力にし蓄積し続けている。
全体をとりまとめているのは誰も姿を知らない人物であり、妖帝という名前だけが一部に知られている。妖帝は人間ではなく生きた怨霊のようなものであるという噂も。

陰界の人々は彼らに協力する者といかがわしいとして遠ざける者とで両極になっているところもあるが、実質的に陰界を牛耳っているのもスネークなのであまり表向いた反対・反抗はできないのが実情だ。ちなみにスネークたちとの対抗しているレジスタンス組織は是空と呼ばれており、リーダーのウェイや紅頭たちが活動している。

望師(ワンシー)

スネーク(蛇老講)の幹部の名前で、現在は張魯(チャン・ルー)がその地位についている。
実は張魯はスネークと対抗している是空のスパイであり、是空が打ち出した安全な鳴力覚醒政策であるプロジェクト扶起により正しい鳴力に目覚めた双子である。実力も相応でありスネークの幹部としても有能なフリをして動いており、その立場を利用してウェイに情報を提供し続けていた。

物語の中盤で双子の弟、張陵(チャン・リン)と望まぬ邂逅を果たしてしまい、さらに今までの裏切りがスネークの知るところとなり弟ともども妄人路へと送り込まれてしまった。

妄人(ワンニン)

物のことを考え続けて実際にその物になってしまった人間のことで、物の怪である鬼律とはやや違った趣ながらも外見は似た存在。

固執的にひとつの物を妄想し続けることで生み出されるミュータントという認識であるが、妄人になってしまったら最後寝る間も惜しんで物について妄想を巡らせねばならなくなる。ニュアンスは異なるがいわゆる死の病に近い状態であり、薬となるのが自身の妄想力だけという状態である。少しでも妄想が途切れてしまうとたちまち物そのものになってしまう。

妄人化するのは多くは本人の妄想が桁外れであった産物だが、邪気や妄想嵐のせいで急に妄人になってしまう者やいかがわしい薬などで無理やり妄人にさせられるというパターンもある。いずれにせよ、妄人になってしまったら二度と人間の姿に戻ることはできない。

マグネ気

磁力による気脈のひとつ。風水的な気脈というよりも何らかの理由で発生した強い磁場とそこから発射される磁気嵐のようなもの。電化製品を狂わせるなどあらゆる電子異常作用を周囲にもたらしてしまい、街頭端末などが使用できなくなったり人間が感知できるほどに歪んだ重力場が発生したりする。

邪気とは直接関係がないものではあるが異常事態には変わりはなく、放置することで結果的に邪気や妄念も呼び込む可能性がある。

封印石

龍津路に置かれている、何らかを封印していたと思われる石。胡同内部も合わせると全部で四ヶ所に見かけられる。当初の状態ではひどい邪気に取り憑かれており周囲にも鬼律やそれに近しいものが纏わりついているが、退魔の作用があるオガクズを用いることで浄化することが可能である。

この封印石は四神獣のなにかと深く関りがあるとされており、各地で正式な見立てをしようとする主人公のような人間たちを遠ざけようとスネークの手で隠蔽されるなどしていた。

物の怪使い

物の怪である鬼律を自在に操ることができる職業のようなもの。実利的な性格であり、雇い主のスネークの言う通りに動いているがあくまで仕事として割り切っているために悪人というわけではない。主人公のことや陰界のこと、四神獣の見立てなどといった大きな摂理については一切無関心を貫いている。

渾天儀(こんてんぎ)

アーミラリ天球儀とも呼ばれ、実在する天文機器。古代ギリシアと中国とで開発され発展してきた歴史のある天球儀である。天動説に基づいて回転するいくつかの輪を持ち、星の動きや赤道、子午線といった天体観測のために古来より使われてきたものとなる。

クーロンズゲートの世界では陰陽師が発明したタイムマシンとして登場する。原理や動力は一切が不明だが、実際に過去と未来を行き来できるスグレモノ。陰陽師の先祖たちもまた同じような渾天儀を開発しており、タイムマシンの操作という形で主人公の手助けをしてくれる。

天道式

1850年の清朝において神獣の通り道を開くための儀式を天道式と呼んでいた。いわゆる当時の見立てのようなものであり、この対象として選ばれていたのが時の皇帝である道光帝と町医者の玄太の二人である。しかし、一度目の天道式は何故か失敗に終わり儀式は中止。以来、道光帝は儀式を恐れて乾清宮に引きこもってしまい玄太は皇帝の命令で宿牢に閉じ込められてしまった。

ただしい天道式をもう一度執り行うことが主人公の命題であり、この古代中国から現在の陰界まで時を越えて繋がる龍脈を修復するたった一つの方法である。

タンキー人形

ミスター・チェンが持っている禍々しい呪いの人形。ブルークロウを注射されることで力を得て、髪の毛を用いて対象に呪いをかけることができる。この呪いは肉体の遊離という恐るべき威力を持っており、物語中ではウェイがその被害を受けて意識すらも分離してしまい窮地に陥った。

馬山童(マーシャンタン)

壁にかけられた山水画の中に住んでいるとされる老人然とした人物。この馬山童の頭のなかは妄想だけで構成されており、それがそのまま妄人路という妄人たちの住んでいる街となっている。

妄人路は外の世界では妄想を維持できない妄人たちが多数暮らしている、いわば妄人たちの安息の地。馬山童の妄想そのもので構成されている世界なので、比較的妄想を維持するのが楽というのがその理由だ。

しかし馬山童自身も一種の妄人であるため、周囲の気脈が乱れるなどするとバランスを崩してしまい馬山童自身が自分の頭の中に飲み込まれてしまうという事態を引き起こす。その場合は妄人路や中にいる妄人たちもろとも夢へと帰してしまう。

是空(ゼクー)

スネークに対抗する組織の名前。リーダーを気功塾の店主でもあるウェイに据えさまざまな方法で情報収集やスパイ活動を続けてスネークとその政策や思想を打倒し陰界に正しい風水を招き入れようと戦っている。主人公にとっては味方であり、ウェイやその部下となる紅頭たちはなにかと主人公に力を貸して動いてくれる。

すでにほぼ大半がスネークの傘下にある陰界において是空のような組織は少数派であり、活動自体がかなり危険と言わざるを得ない。実際にスネーク幹部でありつつも是空のスパイとして活動していた有能な鳴力の使い手・張魯も窮地に陥ることになるなど、スネークと正面対決ができるほど大規模な組織ではない。活動はあくまでレジスタンスとして地道ながらも堅実な情報収集と風水や鳴力に関する正確な知識を目立たぬよう少しずつでも拡散するにとどまっている。

プロジェクト扶起(フーキ)

双子同士の呼び合う力は鳴力だが、これは急激に覚醒して鳴力に目覚めた場合あまりの強力なエネルギーとパワーのせいで双子はどちらも精神に異常をきたすなどして自己崩壊してしまうことがある。スネークの用いるセミナーやクーロネットを利用しての鳴力覚醒と収集はこうした事故はないものの、鳴力を假力という有害な力にすり替えるだけの方法でしかない。

スネークに対抗するようにして是空が安全かつ速やかに鳴力に目覚めさせる政策として立ち上げたものがプロジェクト扶起である。登場人物のなかでは張魯がプロジェクト扶起により正しい鳴力に目覚めたケース。

老力(ロウリー)

スネークおよび妖帝の目指している、青龍を見立てて復活させるために必要なエネルギーのこと。鳴力を越えた鳴力というべきか、それまでの双子同士が用いていた力を遥かに凌駕した次元の違う力を老力と呼ぶ。青龍を復活させひいては不老不死を得ようとしているスネークにとっては老力を手に入れるのは早急に成し得ねばならない事項であった。

張魯と張陵の双子が持つ力が老力かと思われていたがこちらは物語中に失敗に終わり、ふたりは妄人路に放追させられてしまう。次なる老力の使い手を探していたスネークが目を付けたのは小黒だった。

妖帝(ヤオディ)

スネークという組織を統括しているとされる正体不明の人物。実体のない怨念のようなものという噂がまことしやかに流れているが、その出自は謎に包まれている。
手がかりのひとつとしては1850年の清朝にて最初に行われた天道式の失敗において、青龍として見立てを受ける過程にあった僧侶のこと。儀式の失敗を見て取った僧侶は自らを木彫りの仏像とし、その内側に妖帝と思わしき怨念を封じ込めた。

1997年の陰界においての妖帝という存在が果たしてこの時の怨念そのものなのか、それとも別のものなのかは定かではない。スネークおよび妖帝の阻止と陰謀は主人公が解き明かすべき最大の謎のひとつである。