ルドラの秘宝 Story

Last-modified: 2022-08-01 (月) 20:01:51

日付別ストーリー


1日目

シオンの章

 クリューヌ城の兵士として勤務しているシオン。剣の師匠である兵士長ターレスが「ルドラ教団」という謎の組織を追い掛けて行方不明となって1年が経過していた。その「ルドラ教団」の団員のひとりであると目される人物を捕らえたのはエレミア家のフォクシーという女性だった。
 強く華憐でもあるフォクシーに僅かな反発心を持ちながら彼女に連行されてきた教団員の尋問にシオンも立ち会うが、わずかな隙を突いて教団員が逃走。クリューヌ城の城下町でもあるヴァドの目撃情報によれば城の南にある巨人の塔に逃げて行ったという。さっそくシオンは兵士仲間でもあるロスタムとヒューイをともにして巨人の塔へ向かった。


 塔の最上階にてシオンたちは不気味な巨人族と相対する。スルトと名乗る巨人族はどうやら逃げ込んできた教団員も屠ったらしい。シオンたちも全力で戦うもロスタムとヒューイは戦死し、シオンもまたスルトの右腕を切り落とすことに成功しつつも重傷を負ってしまう。しかもその右目にはスルトの体から飛び出した「ジェイド」が埋め込まれてしまったのだった。
 右腕を失ったスルトは塔から飛び降りると、付近に停泊していた不思議な方舟に乗って行方をくらましてしまう。

 重傷を負い、ヴァドで僅かな休養を取ったシオン。翌日、フォクシーとともにあの巨人族スルトと巨人族のラゴウ石を調査するために再び巨人の塔に赴く。しかしすでにスルトの姿は見当たらず、途方に暮れた矢先に最上階の床が不意に崩れ落ちて階下の部屋に落とされるシオンたち。はたしてそこに囚われていたのはテュールと名乗る巨人族だった。そして時を同じくしてラゴウ石から蘇ってしまった巨人族のルドラ、アビリジャがシオンたちに襲い掛かる。

サーレントの章

 オリアブの近郊、竜神の遺跡にこの日、ラゴウ石研究家ミュンヒ博士とその助手であるサーレントが調査に赴いていた。この竜神の遺跡にあるラゴウ石は爬虫類族に関するものであり、その爬虫類族のルドラが埋まったラゴウ石も遺跡に存在している。さらに「ジェイド」という丸い玉を発見したミュンヒ博士は調査を本格化するためにもそれぞれを研究所に持ち帰ろうと試みる。そのためにはジェイドを安全に運搬できるようにする「聖杯」が必要不可欠だった。


 聖杯があるのはエレミア家という富豪の屋敷。ミュンヒ博士から聖杯を借り受ける役目を担ったサーレントはナビゲーターでもあり友人でもあるレギンと共にエレミアの屋敷へと向かう。ところが、屋敷に入った途端、デューンとキッドというコソ泥二人組が飛び出してくるところと遭遇。なんとこの二人組が聖杯を盗み出したというのだ。
 追い掛けるサーレント、一方で逃げるデューンとキッドはうっかりミスで聖杯を取り落してしまう。その瞬間、バケツを引っくり返したような大雨が大地に降り注いだ。「雨」というものは実はこの世界では滅多にみられるものではなく、サーレントたちもほとんど生まれて初めて見た光景であったため手が止まった隙を突いて二人組に聖杯は奪われてしまったが、聖杯が並々ならぬ力を持っていることはサーレントも目の当たりにすることになる。

 ひとまず屋敷をあとにし、オリアブにてミュンヒ博士に事の顛末を報告するサーレント。ジェイドを運搬するほかの方法をサーレントの師匠であり予言者としても名高いソロンに相談することになった一行は、ソロンの住んでいるとされるトール火山を目指す。レギンの父であるカスタギア博士が所有している小舟を借り、火を吹く山であるトール火山へと乗り込むサーレントとレギン。

 トール火山の深部にてソロンと出会うサーレントたち。久しぶりの師弟再会も束の間、聖杯の代わりになるものとしてホルンのほこらという場所に安置されている「聖衣」を教えてくれるソロン。一行はオリアブの東にあるホルンのほこらに向かうことになる。
 ちなみにソロンの護衛として控えていた寡黙なサムライのような戦士ソークが旅に同行することになる。

リザの章

 偉大なる賢者として名を馳せたゼクウという人物が作った村、カーン。そのゼクウの孫娘であるリザはこの村で生まれ育った心優しい少女だったが、唯一他の少女と異なるのは生まれつきその額に「ジェイド」が埋まっていたということ。
 リザが生まれるずっと昔から世界は汚染の一途をたどっていた。人間の世代になってからの地球は滅亡に向かってひたすらに進むようですらある。草木や花々、空気や大地の痛みをことさらに強く感じ取れるリザは村を出て、この世界を浄化するために旅に出る決意をする。


 決意には理由があった。それはゼクウによって伝えられた「すべての生命が滅亡に至る時、体に光る印を宿した者が救世主となる」という予言書の一端。そしてまた、リザの母親がこの世界のどこかに生きているという希望だ。



2日目

シオンの章

 巨人の塔での一件から翌日のこと。巨人族のルドラ、アビリジャを討伐したシオンだったが、結局のところルドラ教団の尻尾はつかみ損ねたままであった。やむなくシオンは当初の予定通り、ダヌルフでの武人の塔へと向かうことに。師匠ターレスの跡目を継ぐためにはこの武人の塔で開催されている武道大会に優勝することが条件であったのだ。


 武人ネルガルとの初戦に挑むシオン。仲間としてフォクシー、そして巨人の塔で囚われていた巨人族テュールが共にいた。無事にネルガルとの戦いを終えて表彰台でひと息ついた一行だったがその時、空から光が射し込んだかと思うと淀み切った空気が一気に浄化されていく光景を眼前にする。
 不思議な浄化に一行は首をかしげるばかりだったが、原因も理由も不明だった。ひとまず武人の塔をあとにしたシオンたちは改めて巨人の塔で出くわしたスルトとスルトが乗っていた方舟についてを模索することに。そして、占い師であるゾラという老婆に方舟の行方を聞くことで話がまとまり、ゾラの住む言霊山へと指針を決めた。

 ダグの小舟を借りて向かった言霊山の深部にてゾラと対面するシオンたち。やや偏屈な老婆ではあったが、事情を話すと「方舟のありかについてはオムパロスのヌークという人物が関係している」という占いの情報をくれる。一行はダヌルフから出ている定期船で一路オムパロスに向かうことに。

サーレントの章

 聖衣があるホルンのほこらに向かうため、樹海を抜けたサーレント。目指すほこらは目の前にあった。そしてほこらの深部には聖衣のほかに古代文字と謎の紋章があり、それらに守られるようにして「ダナンの予言書」という言葉が掛かれた壁が立ち塞がっていた。
 ダナンの予言という言葉の真偽が定かではないが、ひとまずは聖衣を手に入れた一同は帰路につく。今度こそはジェイドを安全に運搬できると喜んだのも束の間、なんと聖杯を盗んだあのデューンとキッドがまたもサーレントの前に現れて聖衣を奪い、そのまま逃げ出してしまうのだ。

リザの章

 カーンの村を旅立ち、樹海を抜ける最中で兵士たちに追われているガーライルという青年を助けたリザ。やや薄汚れた服を着ているがたくましい彼に同行しつつ向かったのはこの大陸では随一の都会でもあるバベル。この街はきれいな空気を人工的に作り出しており街の中だけは清浄に保たれているが、その代わりに市長は法外ともいえる税金を住人に課しており金のない者たちは空気の汚いスラム街にてボロ布同然の生活を余儀なくされていた。スラム街には寄る辺を失った孤児たちで溢れており、この街の闇が伺える。

 そんなバベルのスラム街では悪徳市長を追い出そうという意識が高まり、レジスタンス組織のような一団が主に子供たちにより結成されている。そして、なんと樹海で出会ったガーライルが彼らのリーダーだというのだ。
 ガーライルたちの調べたところによればバベルのきれいな空気はとある太古の装置で作られているらしいが、そのために生き物の力を無作為に利用してほとんど無理やりに清浄な空気を作り出しているらしい。何もかもは私利私欲でしかない悪徳市長が原因であるとし、リザもガーライルたちに協力する形でバベルの市長ビルに乗り込むとそこにいたのは美しい蝶の大群。蝶たちは言葉を話し、救い出してほしいと懇願する。


 事態を察したバベル市長が繰り出したシヴァイザンCという兵器を破壊したリザたちにより、ついに蝶たちは救出され空中に解放された。世界中を飛び回り汚染された空気を浄化していく蝶の姿を見て、「光の中で踊るもの」としてダナンが予言していたのがこの蝶たちであったと気が付くリザだった。



3日目

シオンの章

 オムパロスに向かう前に武人の塔の二回戦がはじまるため、一度武人の塔に向かうシオンたち。アマティスタという女戦士を撃破したシオンたちはそのままオムパロスに行く定期船に乗り込んだ。ヌークという人物はどうやら店を経営しているらしいが、方舟についてを尋ねるとオムパロスの北にあるデルフィ山の遺跡に向かった老人の話をしてくれる。その老人がどうやら方舟についてなにかを知っているらしい。
 シオンたちは一路、デルフィ山にあるトゥーラの遺跡を目指す。


 デルフィ山にて方舟を発見したシオンたち。しかし内部はもぬけの殻であり、手がかりらしいものも見当たらない。ヌークの話していた老人とやらを探してトゥーラの遺跡へと入った一行は深部にて石像と化した老人、ラミレスを発見する。そして、そのラミレスの手にはジェイドが握られていたのだ。
 驚くシオンたちだったがその背後から現れたのはデューンとキッド。この遺跡にあるジェイドを狙ってやって来た二人組は石像となったラミレスの手からジェイドを奪い取って逃げ出していく。追い掛けようとするシオンたちだが、そのまま方舟までをも奪われて逃走されすべては元の木阿弥となってしまった。
 しかし成果はあった。石像だったはずのラミレスがジェイドと引き離された途端にもとの老人の姿へと戻ったのだ。ラミレスと旧知の間柄であるテュールともどもシオンに同行することになる。

サーレントの章

 ホルンのほこらで手に入れた聖衣はデューンとキッドに奪われてしまい、ジェイドの運搬はまたしても振出しに戻ってしまった。仕方なくミュンヒ博士に報告と相談するべくオリアブにいったん戻ると突然現れたのはルドラ教団員らしき怪しいフードの人物と彼らに捕らわれた子供たちの姿。慌てて誘拐事件を報告しにミュンヒ博士のもとに駆け付けたサーレントたちは、博士からファールの遺跡に怪しい人物が出入りしているという情報を聞くことになる。


 ファールの遺跡はオムパロスの近郊にある遺跡であるため、オリアブから行くには定期船でオムパロスに行かねばならない。その定期船を待っている時にサーレントたちは額にバンダナを巻いた少女、リザとその一行と鉢合わせる。彼女たちは世界の浄化を使命とし、ダナンの予言書を求めて旅をしているとのことだった。サーレントたちがホルンのほこらにあったダナンの予言書や紋章の話を伝えるとリザたちは感謝を告げて去っていく。
 オムパロスに渡り、ファールの遺跡に訪れた一行。そしてここで、ラミレスを探して遺跡を探索しているシオンたちとほんの束の間ではあるが鉢合わせしながらも最深部にて子供たちを誘拐していたらしきルドラ教団員を発見、退治することに成功するのだ。

リザの章

 バベルでの一件がひと段落し、「光の中で踊るもの」つまりは蝶たちを解放することで空気の浄化は完了した。しかしいまだ、海や大地の浄化が済んでいないためせっかくのきれいな空気もこのままでは再び汚染されてしまいかねない。そしてまた、バベル市長が果てた時に現れたラウメーンという名前の不思議な発光体を持つ人物は「メイファを星に導いてくれ」という謎めいた言葉、そして「人類滅亡まで残り14日」という言葉のふたつをリザに残して行った。


 さまざまな謎を解き明かすためにも、そして人類滅亡を食い止めるためにも次なる予言を求め、旅立ちを新たにするリザ。そんな彼女にガーライルは改めて同行を名乗り出ることになり、二人は定期船を使ってオリアブへと渡る。
 オリアブの待合室で次の目的地を検討していたところで現れたのが初老の男性、ミュンヒ博士。ゼクウの語っていた人物でもある博士はリザの母とも知り合いであったが、17年前に別れてから行方を知らないということだった。そこに合流してきたのはサーレントたちの一行。彼らからホルンのほこらでダナンの予言書らしきものを見たという情報を得たリザたちはさっそく樹海の北にあるほこらを目指す。
 道中、樹海で植物型モンスターに捕らわれていた爬虫類族、ピピンを救出するリザたち。爬虫類族の王子だと名乗るトカゲの少年はどうやらもともと住んでいた場所から事故によりここまで流れ着いて来たのだという。ピピンを同行者に加えつつホルンのほこらを発見した。


 ほこらにはサーレントたちの言っていた通りダナンの予言書、そして言霊師たちの残した経典が置かれていた。その本によれば修行中の言霊師たちは精霊の聖域と呼ばれる場所にて自分たちが編み出した言霊を書き記すのが習わしであるという。聖域のある場所は西の大陸という情報も得ることができた。
 一方、ピピンの願いにより竜神の遺跡にも赴いたが、そこにいたのは爬虫類族の魔物だけであった。行くあてがなくなってしまったピピンを改めて仲間に加えて西の大陸に向かうべく、オリアブからオムパロスを経由してクリューヌ城のある西大陸へ。クリューヌ城はミュンヒ博士の話にも出てきた場所であり、リザの母親にゆかりがある地でもあるはずだった。



4日目

シオンの章

 トゥーラの遺跡で石像から元に戻ったラミレスを仲間に加え、一度ダヌルフに戻ったシオン。武人の塔挑戦も最終日となった。対戦者である謎の武闘家は今までにない雰囲気を持つ強敵だったがどうにか勝利し、ついにチャンピオンとしてシオンは表彰されることになる。これでついに師ターレスのあとを継いで兵士長になることが約束されたのだ。
 しかしその表彰式の最中、急に空が暗くなり太陽が消えて行く現象が起きる。これが噂の日食だと周囲が大混乱に陥るなか、日食に呼応するかのようにシオンたち四人が乗っていた表彰台である「勇者の玉座」が激しく揺れ動き出した。そしてあっという間に勇者の玉座は空に飛びあがり、シオンたちは天空の大陸へと転送されてしまうのだった。


 天空大陸にある都市のひとつ、ダナン宮殿に転送された一行。突然の出来事に困惑するシオンたちにラミレスが説明を始める。実はあの勇者の玉座はジェイドに反応して天空大陸に転送する機能があるエレベーターのようなものであり、ラミレスのダナン神族としての力を使ってシオンの持つジェイドを利用、天空大陸へといざなったのだという。
 その理由もあの巨人族スルトが天空大陸にいるはずだというラミレスの確信があったからこそ。スルトは方舟で天空に戻り、シオンに負わされた右腕の傷を癒しながら次の機会を狙っているはずだ。ダナン宮殿とその城下町である天空の町レンを巡り、スルトがどうやらジグムンド氷山に向かったという情報を手に入れる一行。地上に戻るためにも、そして宿敵であるスルトを討ち果たすためにも氷山を目指さねばならない。天空大陸同士を繋ぐ反重力列車ファクシを利用し、シオンたちは天空大陸の旅を開始するのだった。

サーレントの章

 ファールの遺跡のルドラ教団員を退治し、誘拐事件を解決したサーレントたち。誘拐された子供たちを救出しているなかで発見した少年、ロロはどうやら記憶を失ってしまっており、帰る場所も分からない様子だった。ロロの記憶を取り戻す方法を求めてソークは一度、ソロンの元に戻ることに。そしてレギンもまた従姉ミーミルと共にほかの子供たちをオリアブに送り届ける役目を担い、一行はひとまずの別れを告げ合う。サーレントはミュンヒ博士の研究所へと向かった。


 ミュンヒ博士のラゴウ石研究所にてひとまずの休息をとるサーレントだったが、屋上にて急に周囲が暗くなり日食を目の当たりにしてしまう。そして、その日食と同時に研究所に安置されていたはずの爬虫類族のラゴウ石から轟音が鳴り響き、なんと埋まっていた爬虫類族のルドラが復活してしまうのだ。
 強大な力を振り回す爬虫類族のルドラはミュンヒ博士やほかの研究員たちを一蹴するとサーレントと対面する。その鋭い爪でサーレントは一気に胴を切り裂かれ死ぬかと思いきや、ルドラから離反したジェイドがサーレントの体内に入り込むのだ。しかし、意識もそこまでだった。闇の中に溶けるようにしてサーレントは死の淵へと落ちていってしまう。

リザの章

 オムパロスからダヌルフへの定期船上でリザたちはシオンたちの一行と偶然にも鉢合わせる。シオンたちはちょうどトゥーラの遺跡からラミレスを連れ添って帰還し、これから武人の塔の最終決戦に臨もうとしていたところだったのだが、両者が近づくとまばゆい光がリザとシオンから立ちのぼる。ジェイドを持つ者同士が近寄ると不思議な光で感応し合うことがここではじめて分かるのだ。


 船旅を終え、ダヌルフの武人の塔にて行われる試合を観戦しつつもクリューヌ城へと急ぎ向かうリザたち。ところがその矢先、突如として周囲が暗くなり日食が発生する。しかも、それと同時に武人の塔からなにかが勢い良く射出され天高く飛び上がって行ったようであった。慌てて事情を聞きにダヌルフの人々に話を聞くと、どうやらシオンたちが武人の塔の勝者となり勇者の玉座で表彰されていた頃合いに日食が発生、同時に玉座が天空へと飛び上がり、乗っていたシオンもろとも行方が知れなくなってしまったという。浄化の旅の傍らで何かが確実におかしくなっているのだ。

 ひとまず、リザたちは聖域を目指して再度情報収集をする。そしてクリューヌ城に行く前にダヌルフから東にある小さな教会に女神像があるという情報を得る。女神像はリザの夢にも度々現れているものであり、もしかしたらリザの母親に関する重要なものの可能性があると踏んだのだが教会の女神像はとくにそれらしい反応は示さなかった。
 教会の牧師から紹介された小間使いダグの力を借りてクリューヌ城に入ったリザたちは、クリューヌ国王から耳よりな情報を入手する。なんと、かつて考古学者と連れの女性が城を訪れたことがあるというが、その女性がまさにリザと瓜二つだったというのだ。考古学者と女性は北の大陸に向かうための手助けを求めており、王はそれに助力をしたという。

 さらにこの女性はその後再びクリューヌ国王の前に現れ、なんらかの使命を持って言霊山のゾラのもとで修業することを告げたという。その女性こそがどうやらリザの母親であり、使命としていたものが世界の浄化であると目測をつけた一行は、ゾラと面会するために言霊山へと歩を進める。



5日目

シオンの章

 ジグムンド氷山を目指して反重力列車ファクシで空を行くシオンたち。その途中、あの方舟が天空大陸で飛び回る光景を目にする。スルトが乗っていた方舟がなぜまた動いているのか、いったいあの方舟には誰が乗って操縦しているのかは見当もつかない。ひとまず、ジグムンド氷山へとシオンたちは向かった。


 辿り着いたジグムンド氷山は登山道が完全に凍り付いており、中に入ることはできそうもない。この氷山には伝説の武器が眠るとされており、スルトを倒すにはその武器が必要であることが分かっていた。スルトの目的が世界の支配であるならなんとしても食い止めねばならないのだが、氷山に入るのはいまは難しい。
 目的を見失った一行。ラミレスは先ほど見かけた方舟の行方を知りたいとしてシオンたちと一時離反する。残されたシオン、フォクシー、テュールの三人は再びファクシに乗り込み、次の停車地であるギャラルトンネルにとりあえず向かってみることに。もしかすればスルトの手がかりがつかめるかもしれない。

 ファクシに乗るために一度レンの都に戻ったシオンたちは、人々からスルトがダナン宮殿に戻ったという大変な情報を手に入れる。急ぎ宮殿の玉座に向かうがその途中、地上世界から悪霊のようなものが吹き出してやってくる光景を眼前とする。なにかが地上で起きているらしいが、いまのシオンたちにはどうすることもできない。
 ひとまず玉座に飛び込むとはたしてそこにはスルトが鎮座していた。戦いに意気込むシオンだがスルトは戦闘する素振りを見せない。どうやらかつてシオンに負わされた右腕はまだ癒えておらず、戦う意思もないようだ。そんなスルトを見てシオンも矛を収め、一時休戦となった。
 スルトは方舟のことについては知らないとして、デューンとキッドが方舟を操っていたのもまったく自分とは無関係なものだと話す。方舟がスルトと関係あるとして追いかけて行ってしまったラミレスの思惑は空振りであったということだ。スルトはさらに、地上に帰る方法としてダナン四神と面会してからグラム遺跡にある剣を手に入れれば地上に戻ることが可能だとまで教えてくれるのだ。


 スルトと別れダナン四神を求めて、当初の目的通りギャラルトンネルとその付近にあるギャラルの時計塔に向かう一行。しかしギャラルトンネル内をファクシが走行中、現れたのは大岩の魔物バドラ。どうやらダナン四神のひとりが封印を解いたらしい。シオンたちの手でどうにか退治されるが、意思を持つ列車であるファクシは怯えてしまい停止してしまった。やむなく列車から降りるシオンたちは、徒歩で行けるところにギャラルの時計塔を発見する。
 ギャラルの時計塔の最上階でシオンはついにダナン四神のひとり、モンジュと対面した。試練として戦いを申し出るモンジュを撃破するとシオンの力を認め、力を貸してくれることに。列車に戻るとファクシも無事に稼働を再開しており、一行はそのまま次の停車地、遺跡都市へと向かった。

 遺跡都市は爬虫類族たちが主に暮らしている町だ。この町の近辺にはスルトの語っていたグラム遺跡も存在するため、先に進む前に遺跡に向かうことで指針をつける一行。
 まずの一休みのつもりでシオンたちが遺跡都市にあるバーに行くとサーレントらしき人物が酒を飲んで暴れているところに鉢合わせる。実はこのサーレントのような人物はクルガンであり、サーレントの肉体を奪っているだけに他ならない。サーレントの肉体のクルガンはアヴドルの町をゾンビだらけにしたのだと誇らしげに宣うと立ち去っていく。どうやら地上では大変なことが起きつつあるらしい。

サーレントの章

 サーレントが気が付くとそこは地上から遥か地下深く、闇の世界と呼ばれる場所だった。爬虫類族のルドラに身体を貫かれて死んだはずであるのになぜか無傷で動くことができる。どことも知れない場所を放浪していると、クルガンと名乗るどこか怪しい男がサーレントの前に現れた。どうやらクルガンはこの世界については少し詳しいらしく、魔導博物館という場所をサーレントに案内してくれるとのこと。行くあてもなく見知らぬ地である以上、頼る術を求めてサーレントは魔導博物館を目指した。


 魔導博物館はラゴウ石やルドラなど、地上世界の人間たちの誰もそこまで辿り着けていない知識の宝庫であった。クルガンはサーレントが死んでいることを教えつつも、生き返る方法はあると言い切る。それはジェイドを持つサーレントだけに許された特権でもあるらしい。この時はじめて自分の身体にジェイドが埋め込まれてしまったことにややショックを受けるサーレントだが、クルガンはそれらは構わず展示品でもあるラゴウ石のひとつに触れてくれと懇願してくる。これに触れれば封印されているルドラが復活するということだった。
 躊躇するサーレント。しかし、クルガンは別の種族のルドラが封印されたラゴウ石であれば危険だが、このラゴウ石は人間族のルドラが封印されているだけだ。人間族のルドラが人間であるサーレントやクルガンに敵意を持っているはずはないと説得してくる。仕方なくクルガンの言う通りにラゴウ石にサーレントが触れるとまばゆい光を発してハウゼンという名前の人間族のルドラが復活してしまう。
 ハウゼンはサーレントの働きに感謝しつつ、サーレントが地上に戻るためには妖刀が必要だがその妖刀の封印を解くにもジェイドが必要であると話す。ジェイドが鍵であるならば、とサーレントが妖刀に触れた瞬間、なぜかサーレント自身が妖刀に封印されてしまった。

 実はハウゼンとクルガンはサーレントを騙していただけであり、なにもかもハウゼンが地上に戻るためのお膳立てでしかなかったのだ。封印を解くにもハウゼンが復活するにもジェイドが必要だが、そのジェイドは普通に持ち歩くことのできない宝玉であるうえに選ばれた人間しか宿すことができない。うまく利用される形でサーレントは妖刀に封印されてしまい、その妖刀を持ったハウゼンと共に地上に戻ることになった。
 地上に戻ったサーレント。しかし、妖刀に封印されている形では自由に動くことなどできるわけがない。しかもハウゼンが地上に戻った時に一緒に飛び出した悪霊のせいでアヴドルの町がゾンビの町と化してしまった。クルガンはサーレントの肉体を奪い取って地上に復活し、妖刀のサーレントはラゴウ石研究所に捨て置かれてしまう。やがて、その妖刀を照らすように朝の光が射し込んできて……

リザの章

 クリューヌ城で一晩を過ごし、改めてゾラの住む言霊山に向かう指針を固めたリザ。しかし、夢のなかでまたしてもリザは女神像を垣間見る。以前の夢よりも明確になった光景は女神像だけでなく荒れ果てた大地とそこに佇む考古学者風の男性と女性の姿まで捉えていた。考古学者に連れ添った女性は女神像を前にした次の瞬間、まるでジェイドが反応した時のようにまばゆい光を放った。
 目が覚めたリザはいまの女性が自分の母親であること、そして共にいてジルドと呼ばれていた考古学者が父親であることをなかば直感する。そして両親の行方を探るきっかけとして女神像が関係していることを改めて痛感した。聖域そして言霊山でゾラに会えばなにかが分かるかもしれない。さっそく聖域へと足を踏み入れる一行。



 聖域とは自然の力を崇拝する一族が守護している要塞のような場所でもあった。クリューヌ国王のはからいで進入こそはできたものの、歓迎されているとはいえない空気だ。要塞で一番の権威を持っている様子のソーマという人物と出会ったリザは聖域の守り神とされるアクアという人物に許しを得ることで言霊山に初めて入山できるという話を聞く。
 森の修行場にてアクアという女性に会うリザたち。しかしアクアの返事は立ち去れとだけでにべもない。やむなく時を改めようとするリザだが、帰路についた瞬間にアクアのいた場所に向かってどこからともなく現れた悪霊のようなものたちが飛んでいく光景を目にする。嫌な予感を募らせて慌ててアクアの元に走るリザ。



6日目

シオンの章

 グラム遺跡に足を踏み入れたシオンたち。いままでのダンジョンに輪をかけて難解なトラップとギミック、数々の魔物たちとの戦いをくぐり抜けて辿り着いたところでシオンはグラムソードというただならぬオーラをまとう剣を手に入れた。これこそが地上に戻る鍵のひとつでもある武器に違いない。順調な旅に意気揚々とシオンたちは遺跡都市に戻り、そのままファクシに乗り込んで次なる停車地、ロマの町に到着する。



 ロマの町は水棲族の暮らしている集落でもあった。美しく淀みない水が周囲に輝いており、汚染された地上ではもう見られない光景に息をのむ一行。ダナン四神の情報を探して町を探索すると、フレイの遺跡と海底都市ライラというふたつの場所の情報を得ることができる。ライラは地上世界の海底にいまだ残る水棲族の町であり、汚染された海でもなんらかの力を使って清浄な水を湛えた空間を作り、都市としているところらしい。
 一方でフレイの遺跡は「選ばれたもの」にしか入口を開かないという場所でもあるという。ダナン四神に関係するのかはいまだ謎ではあるが、か細くとも手がかりがあればなんでも向かってみようとするシオンはさっそく遺跡へと向かう準備をする。

サーレントの章

 遠く高らかに破滅の鐘が鳴り響く。サーレントが気付いた時にはおどろおどろしい暗黒の洞窟に倒れ伏していた。起き上がって自分を見直すと透けた姿のいわゆる幽霊のような存在になっていることに気付くが、どうしようもない。妖刀に太陽の光が当たった瞬間、霊体でしかなかったサーレントはそのまま再びの死を迎えてしまったのだろうか。苦悩していた矢先、冥界の主ゴモラがサーレントの前に現れる。
 ゴモラはサーレントにとある使命を託したいとして、かりそめの肉体を授ける代わりに地上に戻って役割を果たして欲しいと告げる。サーレントはゴモラから示された肉体のうちひとつを得て地上へと向かった。



 ゴモラによるワープでトール火山に舞い戻ったサーレント。ソロンとソークに事情を話し、ソークの同行を得てオリアブに戻ってレギンとロロも同様にして仲間に加え直した。中身は以前のままだが肉体は異なる存在になってしまったサーレントに反応もそれぞれだが、時間はあまり残されていない。そんな折、レギンの父カスタギア博士からエレミア家の屋敷が魔物だらけになったという情報が飛び込んでくる。
 魔物が急に現れた原因はルドラが関係している可能性がある。それがサーレントやミュンヒ博士を殺した爬虫類族のルドラであれば倒すことで元の肉体に戻ることもできるかもしれない。一縷の望みを賭けてエレミア家を探索するサーレントは、ついに自分を一度殺した爬虫類族のルドラと対決することになる。

リザの章

 悪霊らしきものが向かったアクアのいる修行場に駆け付けたリザたち。案の定、アクアは邪悪な霊に取り付かれておりリザたちに襲い掛かって来た。どうにか悪霊を祓うことに成功したリザは正気に戻ったアクアに駆け寄るが、すでに事切れる直前であった。どうにかならないかと一行が慌てるなか、アクアはリザに向かって「強くなったわね、リザちゃん」というまるで母親かのような言葉をつぶやいたのだ。
 なんとアクアはリザが夢にまで見て探し求めていた実の母親そのひと。しかし、父親であるはずのジルドという考古学者や、女神像や母親の旅路についての一切を尋ねるにはあまりにも時間が足りなかった。今わの際に陥ってもアクアは言霊山への入山許可はリザたちには渡してくれなかった。



 ショックを隠し切れないリザであったが歩みを止めるわけにはいかない。アクアが許可を出さなかったのであれば聖域の主ソーマに自分たちの力を見せて許可を得て言霊山に行き、さらにはこの世界を浄化する旅を続けるしかない。ソーマは力試しとして勝負を仕掛けてくるがこれを苦も無くかわし、リザたちは言霊山を目の前にしたのだ。
 山に入ろうとしたその直前、突然あの方舟がリザたちの視界を遮るかのように降り立ってくる。不審に思いながらも方舟のなかに入るリザたちの前にデューンとキッドが飛び出してくる。この二人組は世界中のお宝を探しているトレジャーハンターであるらしく、リザたちの使命に興味を持ってデューンが乗り出してきたその瞬間、ジェイド同士が反応するあの感覚がリザとデューンに迸る。リザの額にあるジェイドとデューンの手のひらにあるジェイドが呼応し合ったのだ。
 ジェイドを宿す者同士であるとお互いが知ることになり、リザの旅を応援するとしてデューンは世界中で見つけて来たお宝のひとつ――サーレントが奪われたものでもある――聖衣と聖杯をリザに手渡して去っていく。



 デューンたちと別れ、ついに言霊山を登り始めるリザたち。深部にいたゾラは高齢の老婆であったが、その雰囲気から言霊のことだけでなく世界で起きている様々な事象にも精通した賢者ともいえる人物であると一行は直感する。
 ゾラはジェイドについてをリザに教え諭す。世界の謎やこれから迎えるであろう破滅の日、それらに対してはジェイドを持つ者が運命を切り開く重要な位置にある。そしてジェイドにはそれぞれ種類と役割が備わっており、リザの持っている「ホーリージェイド」は世界中のいのちを救うまさに救世主のような役目を担っているとのことだった。各地に点在しているダナンの予言書というものが示しているのもこの救世主たるホーリージェイドの持ち主に関する事柄なのだという。「闇の底より芽生えるもの」として予言書に記されたことを顕現すべく、リザたちに闇の世界へと渡ることを指示するゾラ。



 ゾラの言霊により闇の世界へと渡った一行。闇の世界とは文字通り死者や霊魂たちの世界の入口である。なかには邪悪な悪霊も徘徊しているため油断は禁物ともいえよう。闇の世界で初めてリザたちが目にした動くものは生気のない人々が列を作る光景と、その先頭にある頼りない小さな船だった。どうやらこの船を使うことで闇の世界の深部、冥界へと入ることができるらしい。
 一行が船で河を進んでいくとその途中で倒れている水棲族の女性、マリーナを発見する。彼女は「守り神様の卵」というものをきれいな水がある場所で孵化させるために旅をしてここまで流れ着いて来たという。困っているならば力を貸そうとしたリザにマリーナも笑顔を見せようとするが、後ろにいたピピンを見た瞬間に飛び上がるようにして逃げて行ってしまった。
 ピピンによれば、ルドラという魔物が4000年周期で世界に現れてそれまでの種族を滅ぼしてラゴウ石にみずから封印されていく歴史があるという。水棲族を滅ぼしたのが爬虫類族のルドラであったため、同じ爬虫類族のピピンを見たことで水棲族のマリーナは恐怖を覚えたのだろうという推理だった。
 やむなくリザたちは冥界への道を再度見つけて進み、冥界に入る試練を越えた先でダナン神族のひとりブルスティと対面する。ブルスティは「闇の底より芽生えるもの」としてみずからの身体を種子に変化させた。この種子を特に汚染が深刻な大地に撒けば大地の浄化が促されるということだ。マリーナとも再会・和解し彼女の目的も手伝うことにもなった。



 冥界にもう用はない。カーラという冥界の守護者を撃破して地上世界に戻るリザたちは汚染大陸と名高い北の大陸に飛び出していた。冥界でのダナン神族の言葉を借りれば、すべての浄化が達成されればリザの前に真実が見えてくるはずだった。
 北の大陸にの汚染地帯にブルスティだった種子を撒いたリザ。はたして一瞬にして種子は巨木に成長し、地下根茎を張り巡らして一気に大地は浄化されていく。美しい巨木は霊木と化して緑の葉を茂らせた。リザは汚染が浄化された北の大陸を眺め、これからの旅に新たな決意をしめた。



7日目

シオンの章

 ダナン四神の手がかりを求めてロマの町からフレイの遺跡へと歩を伸ばしたシオンたち。しかし遺跡を目指して歩む途中で地上世界がなにやら変化の兆しを見せる光景が飛び込んでくる。シオンたちのいま居る天空世界からもはっきりと分かるようにして地上世界のどこかの汚染された大陸が浄化されていくようだった。破滅の鐘が鳴り響く中でついに大地の浄化が完了する。シオンたちのあずかり知らぬところで何者かが空気に続き世界を浄化しているようだ。



 フレイの遺跡に到着したシオンたち。遺跡に鎮座していたオプシスははたしてダナン四神を知る人物であった。ファクシに乗った次の停車地、ダナン聖域という場所にてマユラというダナン四神に出会って認められれば地上に戻ることができると聞き意気込む一行。そしてオプシスからはもうひとつ、重要な話を聞くことができる。それは「滅びと再生のプロセス」と呼ばれるものであり、4000年ごとに現れてはそれまでの種族を滅ぼすルドラにとってはシオンの持っている「ライフジェイド」が重要な役割を果たすらしい。次なるルドラが果たしてどんな存在なのかはまだ分からないが、スルトを追い天空世界を放浪しつつも戦いを続けるシオンの運命はこれから定まっていくはずだった。
 ロマの町からファクシに乗り、目指すはダナン聖域。対面したダナン四神マユラはシオンがグラムソードを持っていることを認め、地上に戻る方法を示唆してくれる。言われた通りにグラムソードを遺跡内の深部で掲げると、天空世界が地響きと轟音を立てた大地震に見舞われる。
 否、それは地震ではなく天空世界の落下。マユラの言葉にあった「ダナンが大地へ帰る時」というのがまさに天空世界の落下を意味したものであったのだ。それを迎え入れるかのように大地の浄化が直前に行われたのも運命と言うほかはない。抗う術もなく、シオンたちは落下する天空世界とともに地上へと戻るのだった。

サーレントの章

 エレミアの屋敷で爬虫類族のルドラという仇敵を撃破したサーレントたち。しかしそこでサーレントの肉体に異変が起きる。朝となり太陽の光を浴びてしまったかりそめの肉体でしかないサーレントは、肉体ごと冥界に引き戻せられてしまうのだ。



 気が付くとサーレントの霊体は冥界のゴモラの前に再び現れていた。ゴモラから説明があり、太陽光に対する処理のされた肉体を改めて借り受けたサーレントは使命の続行のためにも急いで地上世界に戻る道を探し求めて魔導博物館に赴く。そこには重要な人物が二人、サーレントを待っていた。
 ひとりは霊体の姿ではあったが美しい女性であることが伺える人物。自分の娘がとある使命を持って世界を浄化している――それはまさにリザのことであり、この女性はリザの母アクアであった――その手助けをサーレントに願い出る女性は、地上と冥界を行き来できるワープゲートのことを教えてくれる。
 もうひとりは剥製の姿ではあるがガルムという名前の魔獣だった。ハウゼンの実態について、彼はかつて虚空と呼ばれる場所から現れた謎の脅威と戦った四勇者のひとりであったらしい。四勇者となるからにはハウゼンのほかに三人の同格となる人間のルドラ、もしくは誰かがいるはずであったが、ガルムから聞けた情報はそれまでだった。
 ワープゲートを利用して地上世界に戻る最中、サーレントの耳に「滅びと再生のプロセス」という会話――フレイの遺跡のシオンとオプシスの会話――が聞こえる。この世界の真実を片鱗でも聞き知り、驚愕するサーレント。しかし今は自分の役目を達成せねばならない。
 トール火山に飛び出して、ソロン師匠に冥界で聞き知ったことを伝えて今後の指針を検討するサーレント。ソロンはひとまず、隠れ里という場所を次の目的地と定めることを勧める。隠れ里とは滅亡を逃れた過去の種族たちがひっそりと暮らしている小さな村らしい。改めてレギンやソークたちを同行者として、世界各地にあるワープゲートを経由するなかでリザたちとも遭遇しつつ、一行は隠れ里に向かう。

リザの章

 大地を浄化したことで生まれ育った霊木が不意に言葉を紡ぎ出す。リザたちが驚くなかで霊木、もとい、霊木を通して聞こえるのは誰かと誰かの会話であった。それは「滅びと再生のプロセス」というものであり――フレイの遺跡にいるシオンとオプシスの会話である――滅びというものが天のどこかからやってくること、まず起きるのは天変地異であり多くの種族がここで潰えていくということ、からくも逃れて残った種族は復活したルドラが根こそぎ食らい尽くしていくということが4000年ごとに起きている、という真実をリザたちも知ることになる。
 ルドラは10の神宝を持つことで完全体となり本来の力を発揮できるようになるが、その神宝のひとつにジェイドが含まれている。しかし現在、世界には何人かのジェイドを持つ人間種がいるが、そのいずれも体内にジェイドを宿しているという点で過去の歴史とは異なっている。いったいこの先がどうなっていくのかは過去の歴史からではもはや判別ができないようであった。



 一連の会話を聞いても、リザたちの使命は変わることはない。空気と大地の浄化がなされた次は海の浄化が待たれる。ひとまずは汚染大陸をめぐり、ソドムの廃城という場所に辿り着く一行。探索を進めて行くとなんとオリアブで知り合ったミュンヒ博士の知り合い、サーレントたちの一行と鉢合わせする。ジェイドが反応し合う様子から見てもサーレントもまたリザ同様になんらかの使命を帯びて世界を旅しているらしい。ゾラの言葉が本当であればサーレントの持つジェイドにも特別な役割があるはずだった。
 サーレントたちと別れを告げ、リザたちが向かったのは廃城の最深部。



8日目

シオンの章

 どうやら天空大陸の落下は落ち着きを取り戻したらしい。さっそく周囲を見て回るとマユラの言っていた通り地上世界と天空大陸が見事に合致し、これで天と地は永らくぶりにひとつになったということだ。地上世界のどこであるのかも分からず途方に暮れた矢先、方舟に乗ったラミレスとデューンたちコソ泥二人組がシオンたちの前に現れる。ラミレスは一行を方舟に案内するとともにスルトの動向もシオンたちに伝えてくれた。どうやらスルトは地上に落ちたダナン宮殿に居座り、シオンとの決戦を待っているらしい。
 さっそくダナン宮殿に向かう指針を定めるシオン。またも逃げ出してしまいかねないデューンとキッドを方舟に閉じ込めてひとまずは地上にあるレンの都に赴くが、かつて居たはずの住民たちがどことも知れず消えてしまっているのだ。どうやら原因は不明ながら、外を歩いていた人たちが天から発せられた光を浴びて急に消滅してしまうという事件が多発しているらしい。これも滅亡の一環なのか。



 スルトの待つダナン宮殿にてシオンはついに宿命の一戦に臨む。死闘をくぐり抜け勝者となったのはシオンだった。スルトの語るところによれば、人々を消滅させた光は浄化のひとつ「命の浄化」であり、空気、大地、海、命をすべて浄化することで世界は新たな種族を迎え入れる準備をしているということであった。
 ダナン四神の最後のひとりはジグムンド氷山にいる。地上に落ちた衝撃で氷山の氷も溶けているのであれば以前のように入山すらできないこともないかもしれない。

サーレントの章

 旅の途中で手に入れたワープエナジーを利用しつつ世界各地の遺跡や建物に点在していたワープゲートを転々とし、サーレントはついに目的地としていた隠れ里に辿り着いた。ソロンの話の通り、かつて滅んでしまったはずの種族が地上でひっそり暮らしているこの里の長老に話を聞くとなんとロロはダナン神族の子供であるという。人間とくらべて遥かな長命であるために老人ばかりのダナン神族では子供というだけで非常に珍しい存在だ。時おりロロが発揮する不思議な力もおそらくダナン神族ゆかりのものだったのであろうか。
 一方で口伝師たちからラゴウ石についても聞き知ることになる。太古の昔、虚空より来たるなんらかの脅威に対抗するためにルドラとラゴウ石を作り出したのは四勇者であった。そのラゴウ石の欠片にはとある秘密が隠されているらしいが、いまはまだ分からない。
 隠れ里でひと段落ついたそんな頃に轟音と地響きをたてて天空大陸が落下し、地上世界と見事に合わさった。サーレントの知る由もなかった大陸とその嵌まり合いに驚愕する間もなく、隠れ里の眼前に天空大陸の一部が重なって道のようなものが開けている。



 通路となった大陸を抜けてやって来たのはギャラルトンネル。ここはかつて天空大陸のひとつであった地域にあたる。そのままギャラルの時計塔、ホルンのほこらを経由し樹海を経てオリアブへと通じていた。道中はルグのほこらがあるほか、ホルンのほこらや竜神の遺跡にもサーレントの旅路の手助けとなるものがあった。
 樹海にて邪悪な魔物ダークアインを倒しようやくオリアブに帰還した一行。サーレントは妖刀に封印された時に垣間見たアヴドルの町の様子が気になっていた。しかし、オリアブからアヴドルに向かうには大砂漠を越えねばならず、徒歩で行くには難がある。レギンの父カスタギア博士に相談したところ、砂漠の砂嵐を一時的に止めることのできる発明品を作ってくれるとのことだった。

リザの章

 ソドムの廃城の深部でリザはとある書類を発見する。それは地下聖域という場所に関するレポートであり、書かれていたのはリザたちが知る範囲もあれどそのほとんどは初めて聞くような物事ばかりであった。
 レポートによれば「地下聖域」という、この世界にはほかにバベルでしか見られないような金属で作られた機械的な設備がある場所があるらしい。この地下聖域の目的はバイオテクノロジーの研究と開発であり、バベルにも見られた機構を用いて広大な工場として機能する予定だったという。レポートには続けて「光を放つ壁」と「鉄の化け物」という一文もあったが、いまはまだ何のことか分からない。



 レポートからの情報を得て、地下聖域に行ってみて真実を掴もうとするリザたち。しかし、廃城から外に出た途端轟音と共に天空大陸が落下し地上世界と合わさってしまった。ばらばらの大陸が地上世界の海にパズルを嵌め合わせるかのように埋まり合い、新たな道が作られた。
 落下してきた町の一つであるロマで新たな情報を探すリザたちは、ここが水棲族の里でもありきれいな水を有していることを知る。地上世界の海がまだ汚染されている以上いつまでもきれいな水が維持できる保証はないが、少なくともわずかな時間だけでも清浄な水が確保できる。マリーナはずっと探し求めていた「守り神様のタマゴ」を孵化させる絶好のチャンスとして、一時的にリザたちから離反しロマにてタマゴを孵化させる準備を始めるのだった。もし守り神様こと「ヘグ」が蘇れば海の浄化の力を授かることができるかもしれない。
 一方でリザたち三人は天空大陸だった土地を渡り歩いて北の大陸の奥地でもある汚染都市ゴモラに辿り着く。ここは荒野と砂嵐のほかには廃墟と瓦礫しか存在しないさびれた地であったが、まさにリザの夢に出てきた考古学者ジルドと母アクアが女神像を前にしていた地であった。
 周囲を探索すると、謎のモニターが出現したと思いきや一行は瞬間的にモニターに吸い込まれてしまう。そしてどことも知れない機械で作られた部屋のなかにはいつかバベルで見た発光体、ラウメーンが鎮座していた。



 ラウメーンの正体は機械で作られた生命体のようなものであり、その望みは遥かな昔に出会ったメイファという人物との再会だった。救世主メイファをこの世に再臨させるために世界の汚染を一手にしていたのもラウメーンであったのだ。リザたちにより撃破されたラウメーンであったが、この汚染装置を作ってしまったのもやはり人間種の傲慢ともいえようか。
 ラウメーンからの情報をもとにソドムの廃城へと舞い戻るリザたち。以前訪れた時には発見できなかった隠し部屋にて汚染装置を兵器として利用しようとしていた人間たちの怨霊と戦う。この世界は本当に救済するだけの意味があるのか――人間たちの残した罪を乗り越え、苦悩を抱えながらも一行は足を止めることはできなかった。



9日目

シオンの章

 ジグムンド氷山に入るシオンたち。ダナン四神の最後のひとりがここにいるはずであった。最深部にてディヤウスと名乗る人物がシオンたちの前に現れ、自分こそがダナン四神のひとりであることを告げる。試練に打ち勝ったシオンたちはディヤウスからシオンこそが「魔をうち滅ぼした者」であると宣言される。
 ところでジグムンド氷山にもラゴウ石が存在していたが、ここに眠るルドラは復活する気配はない。



 ディヤウスとの会話を終えた途端、天空大陸から落ちて半分は溶けかけていた氷山の氷が一瞬にして溶けだし始めた。それまで氷山の外殻であったはずの氷が一気に水流と化してシオンたちに襲い掛かる。逃げる暇もなく下方にある湖に落とされたシオンたちは湖に住んでいたらしい巨大な生物に飲み込まれてしまった。
 飲み込んだ生物はヘグ。実体の知れない水棲生物であるこのヘグの体内に入り込んだシオンは血管や臓器をかいくぐって向かった体内の深部にはヨーギという謎の魔物がヘグに取りつくようにして漂っていた。どうやらこのヨーギがヘグと融合し、本来であれば穏やかな性格であったヘグを狂暴化させてシオンたちを呑み込んでしまうなどの行動に及んでいたらしい。
 ヨーギを倒してヘグを解放するシオンたち。これでヘグは自由になったはずだったが、汚染された水のなかで暮らしていたヘグの体内の水はすっかり淀んでおりこのままでヘグの命が危険ですらある。ヘグの浄化には聖杯が必要だというヨーギの最期の言葉を信じ、聖杯があるはずのエレミアの屋敷に案内を申し出たフォクシーに従いアヴドルから定期船に乗り、一行は一路エレミアの屋敷へ。

サーレントの章

 カスタギア博士の発明品で大砂漠の砂嵐を食い止めるサーレントたちは直後、デザートローズという砂嵐の原因でもあった魔物と遭遇し撃破する。ようやく砂嵐が止まり以降はオリアブとアヴドルとが通行可能になったということだ。急いで駆け付けたアヴドルはサーレントが妖刀に封印されていた時に垣間見た通り、ゾンビだらけの不気味な町に変貌してしまっていた。
 ミュンヒ博士の研究所に行ってみると爬虫類族のルドラが封印されていたラゴウ石が以前のまま放置されている。口伝師の言葉を思い出したサーレントがラゴウ石のかけらを手にすると、そこには文字が。まるでサーレントのことを予言したかのような言葉列に一行は驚きを隠せない。
 ラゴウ石のかけらには他にもソロンが死ぬであろうことまでが予言されていた。不安を覚えたサーレントたちは取り急ぎトール火山のソロンの元に。予感は的中し、ソロンにいまにもトドメを刺そうとしているクルガン――いまはサーレントの肉体である――が高らかに笑っていた。あっという間に姿を消したクルガンを捨て置きソロンの元に駆け寄ると、クルガンは古代遺跡ルーネに向かったことを告げてソロンは息を引き取る。悔しさをバネに、本来の肉体を取り戻すためにもクルガンを追い掛ける一行。



 ビルシャナ遺跡を経由し、ダグダの天文台などを経て古代遺跡ルーネへ。ルーネではワープゲートを前にしたところにクルガンが居るも、サーレントたちが駆け付けるとあっさり逃亡していく。一行は二手に分かれ、クルガンを追うチームとそのクルガンを封印する聖杯を探すチームとで分担しついにクルガンを追い詰めることに成功する。クルガンの最後の抵抗も打ち伏せて、かくしてサーレントは本来の肉体に戻ることができたのだった。

リザの章

 ソドムの廃城でエルティナ博士たちの怨霊を退治し、ゴモラに戻ったリザたち。ラウメーンは撃破されこそしたが、汚染装置はまだ胎動しているようだった。装置のスイッチの謎を解き、どうにか汚染装置本体を停止させることに成功したリザたち。残る海の浄化は海底に行かなければ達成できないが、汚染装置を止めた今であればなんとかなるかもしれない。

10日目

シオンの章

 巨大なヘグの体内から飛び出したのはアヴドル。ゾンビの町と化したアヴドルでは冥界からの瘴気によりほとんどダンジョンのようになってしまっている。町の北側にあるラゴウ石研究所に赴いたシオンたちはルドラ教団員らしき影を発見し、追跡するとそこにはラゴウ石が。しかし、身構える前に現れたのは終末の魔物のひとりであるナーギャであった。
 ナーギャとの戦いをかいくぐるも、戦闘の中で命を奪われたフォクシーはすでに息をしていなかった。死を受け入れられないシオンはどうにかフォクシーを復活させるためにその方法を知っている者がいるかもしれない隠れ里を目指すことに決定する。アヴドルの西にある砂漠は不思議と静けさを取り戻しており、そのままオリアブへと渡ることができた。隠れ里は天空大陸の落下により作られた道を利用すれば辿り着くことができそうだ。

サーレントの章

 ルーネを後にしたサーレントたち。元の肉体に戻ることもできて心機一転というところだ。ラゴウ石のかけらを探して次なる目的地としてワープゲートを経由する際に見かけたソドムの廃城に行ってみることでまとまるが、その途中で海が一気に浄化されていく光景を目の当たりとする。空気と大地に続いてついに海が浄化されたわけだが、滅びと再生のプロセスを信じるならばこれで人間種が滅亡する準備が整ってしまったともいえる。



 ソドムの廃城から出るとほとんど目の前にジグムンド氷山が聳えていた。落下の影響か否か、氷山の氷はすっかり溶けており中に入ることは容易であった。深部に安置されていたラゴウ石はどうやらダナン神族のものらしいが、目覚めたルドラにほかのルドラと異なり戦闘意思はなさそうだ。
 ダナン神族のルドラはサーレントたちがラゴウ石のかけらを手にしているのを知ると、他のラゴウ石のかけらを持ってくれば話をしてくれるという。まずは巨人族のラゴウ石を求めてヴァドから南の巨人の塔に向かう一行。

リザの章

 汚染装置を無事に破壊し、ラウメーンを撃破した一行。次に次に目指すのは海の浄化装置がある海底ピラミッドだ。ロマにいるマリーナの様子を見に行くとヘグのタマゴがついに孵化したという耳寄りな情報を得るが、なんとマリーナは孵ったばかりのヘグの子供たちを連れてどこかへ行ってしまったらしい。
 やむなくリザたち三人は汚染装置のあった場所からほど近いところにあった深海のほこらに向かい、海底ピラミッドへと突き進む。



 海底ピラミッドにてダナパティという海の汚染の大元のようなものと対面したリザたち。海に住む魔物たちには汚染に合わせて体組織を作り変えているものがいるが、この魔物もそのひとつであっただろう。リザたちは苦戦しつつもこれを撃破し、奥の部屋に進むとリザの持つジェイドが反応する。そこには海を浄化する装置群とその装置に集まるヘグの群れ。
 ヘグたちの力もあってついに海の浄化が果たされる。ダナンの予言書にあった「青い命を守るもの」とは水棲族の守り神ことヘグのことであったのだ。



 ついに大気、大地、海の浄化が達成された。リザの役目も終わったということであろうか。その時、天から声が降り落ちるようにしてダナンの声らしきものが「ビルシャナへ行け」と木霊する。どうやらビルシャナ遺跡でメイファからのお告げとやらがあるらしい。
 メイファとはダナンよりも前にいた女神のひとり。各地にある女神像のモデルにもなっている存在であり、ラウメーンが焦がれた者でもある。ルドラを超える力を持つかもしれないメイファとはいったい何者で、どこにいるというのか。リザたちは浄化された海を伝ってマリーナの故郷であるライラに向かう。何千年も地上で生きてきたライラの長老であれば、なにかの情報を持っているかもしれないのだ。



11日目

シオンの章

 ナーギャの攻撃で、死ぬのではなく永遠の眠りに落ちたフォクシーを救い出すには復活の薬が必要だった。その薬は前世の隠れ里と呼ばれる、それまでの世代の種族たちの子孫がひっそりと暮らしている村に伝わっているともいう。さっそくアヴドルからヘグに乗り込み、隠れ里の長老のもとに駆け込むシオンたち。
 ところがそこで出くわしたのはリザたちの一行だった。復活薬はリザたちがたったいま長老から受け取ったばかりであり、薬はほかに存在しないらしい。うなだれるシオンだったが、リザは必要な人にこそ使って欲しいとして復活薬をシオンに譲り渡すのだ。感謝の印としてシオンはヘグを呼び出すことのできるオカリナをリザたちに手渡した。薬の効果もあってフォクシーも無事に目を覚ます。



 大陸の移動にヘグの力を利用することはできなくなったが、それを察した隠れ里の長老は口伝師たちの知る抜け道を案内してくれることに。突破してみるとオリアブの近くにある樹海に飛び出した。そしてオリアブの看板でダヌルフの東にある教会のミラー牧師がシオンを探しているという貼り紙を発見する。どうやら西の大陸に戻る日が来たらしい。定期船からオムパロスを経由してダヌルフへとシオンたちは舵を切る。

サーレントの章

 サーレントたちはジグムンド氷山のワープゲートを通って言霊山に到着した。目指すのは巨人の塔にある巨人族のラゴウ石。ゾラから小舟を借り、ダヌルフから巨人の塔へと足を向ける。無事にラゴウ石を手に入れた一行は次なる目的地である水棲族のラゴウ石を求めるが、ダナンの言葉によれば水棲族のラゴウ石は海底深くに眠っているとのことだった。
 万事休す。ダナンの助言に従いアヴドルの砂漠の遺跡に寄り道をしながらもサーレントたちは海底に行く方法を模索するが、その遺跡で遭遇したのがかつて聖杯や聖衣を盗んで行ったデューンとキッドの二人組だった。デューンたち二人組も海底に潜る方法を求めてこの遺跡にやってきたと聞き、サーレントたちは海底のライラという都市に連れて行ってもらえるように取引をするのだった。



 方舟に乗せてもらったサーレントたち。この方舟に遺跡にあった装置を取り付けることで海底でも問題なく航行できるようになるとのことだ。さっそく方舟を起動させた一行だが、その直後に巨大な女神像が空に向かって飛んでいく光景を目にする。あれがいったい何を意味するのかはいまこの場にいる全員が分かる訳もなかった。
 ひとまず先に進むためにも海底へと方舟を発進させるデューンたちに倣い、サーレントたちは身構えた。

リザの章

 ヘグに連れられてビルシャナ遺跡に辿り着いたのち、隠れ里に向かうリザたち。隠れ里はそれまでの種族の末裔がひっそりと暮らしている場所であり、水棲族や爬虫類族など問わずさまざまな種族が里には存在していた。長老と出会ったリザはなんとピピンがこの里の出身者であり、「永久の眠りを与える薬」という秘宝を持って逃げ出してしまった爬虫類族の子供だと知るのだった。
 ピピンの反省会もそこそこに、長老からジェイドや滅亡と再生のプロセス、さらにメイファという存在についてを語り聞かされるリザたち。過去4回に渡って世界は滅亡と再生を繰り返してきたが、そのたびに天からメイファが現れて「体に光る印をつけた者が選ばれし者としてこの世に生を受ける」と告げて去ったという。各地にあるダナンの予言書はこのことを記していたのだとも長老は語った。
 光る印というものがジェイドであるとするならばリザや他のジェイド戦士たちは星の救世主たりえる存在ということでもあるのかもしれない。しかし、メイファ神がいったいどういう目的で滅亡と再生を繰り返しているのかは謎だった。



 ビルシャナ遺跡にやってきたリザたち。このビルシャナはメイファ神ゆかりの地であり、メイファが最初に天から降りて来た場所がちょうどここにあたるらしい。扉を開いて進んだところはソドムの廃城にあったようなモニタ類が点在している部屋だった。ゆいつ発光しているモニタはラウメーンのマザーエナジーを吸収し作動している機構らしく、映し出されたのはメイファと思わしき女性のような存在。彼女は「すべてを滅亡から救いたいのであれば北の地で待つ」とリザたちに言葉を残していった。
 隠れ里に戻るとシオンたちと再会した。以前の出会いは定期船の上であったが、ジェイドについてを聞き知ったいまでは運命的なものとも感じる。シオンたちはヘグを呼び出すオカリナを持っており、リザが長老からもらった復活薬と交換する形で一行はヘグのオカリナを手に入れた。
 オカリナを使ってヘグを呼び出し、各地を回りながらリザはついにカーンの町に戻る。ゼクウの助言を求めての再訪であったがそこに祖父の姿はない。しかし、置かれていた手記から南の大陸での冥界の扉や月の光を浴びて消滅してしまった人々など世界規模での異変をゼクウも察していたことが伺える。リザ宛と思われる手記の最後には言霊山のゾラを頼るべしとも書かれており、一行はゼクウの最期を察しながらその言葉に従って言霊山に向かうことを決意する。



 言霊山のゾラとも久しぶりの面会となった。予言書が本当であるならばすべての浄化を達成したリザは滅亡を逃れることができるはずなのに、世界では人が消滅するなどの滅亡の前兆のようなものが起きている。このことが今後どのようになるのかはゾラですらも予測はできない。
 やはり取るべき道はひとつ、メイファの言う通りに北の地で相まみえることしかないのか。自分たちが浄化してきた自然の力を信じ、リザたちはメイファの元へと向かう。

ゼクウについての余談
 リザの旅立ち前、カーンにてお地蔵様に「町の人が幸せになるように」というお祈りをしておけばゼクウは死ぬことはなくなり、手記ではなく直接口頭でこれらの話をしてくれる。さらにお地蔵様がいた洞窟のなかでゾンビと化したスルトと戦闘することができ、倒すと報酬が得られる。



12日目

シオンの章

 オリアブからダヌルフに到着したシオンたち。久しぶりにクリューヌ城のある大陸に帰ってきたわけだ。東の教会にいるミラー牧師を頼ってみると天から降ってきた光のせいで多くの人々が消滅の憂き目に遭っていること、そして間もなくルドラが誕生するという噂が流れていることを知る。
 さらに、これらの天災を前にクリューヌ国王がみずから言霊山のゾラに助言を請いに行ったという。別れ際に牧師からターレスの剣であったターレスソードを託され、シオンはクリューヌ城へと足を向けた。



 クリューヌ国王からターレスに関する話を聞くシオン。行方不明になったと思われていたターレスは実は秘密裏にルドラ教団の本拠地を探して旅をしており、ついにその拠点となる本部を冥界で発見したという。行方不明にしていたのは死を覚悟する旅路であったことや、弟子のシオンに自分を超えて欲しいという願いからのものだった。
 ルドラ教団本部にターレスもいるのであればシオンが向かわない法はない。さっそく冥界に通じるワープゲートがある言霊山にダグの持っていた小舟で向かうことにした一行。

サーレントの章

 デューンとキッドの操る方舟で海底都市ライラに到着したサーレントたち。ラゴウ石のかけらを求めて水棲族たちの長老に話を聞きに行くと町の南東に石を祭った神殿遺跡があるという。まだ方舟のもとにいたデューンたちに移動をお願いしてさっそく海底神殿に向かう一行はその深部でついに水棲族のラゴウ石を見つけ出した。
 封印されていた水棲族のルドラを撃破して水棲族のラゴウ石のかけらを手に入れたサーレントたち。これで巨人族と水棲族両方のラゴウ石のかけらが手に入った。次なるかけらは人間族のラゴウ石のかけらだが、これは冥界の魔導博物館に置かれている。そう、あのハウゼンが現れたのがまさに人間族のラゴウ石だったはずだ。
 さっそくトール火山のワープゲートを利用して一路サーレントたちは冥界へ。

リザの章

 カーンから小舟で向かった先にある北の大陸に、メイファの言っていた神殿らしきものが存在していた。かつてない規模で複雑なこの神殿を突破するとはたしてメイファその人がリザを待ち受けていた。試練ということか有無を言わさず戦いになりからくもこれを勝利したリザたちに、メイファはその知識を分け与えんとして口を開いた。



 各地の女神像のモデルだとも思われていたメイファのその実態は昆虫のようなグロテスクな外見を持った不気味な容貌だった。彼女はこの星を滅ぼそうとしてる存在が遠い月にいること、月にはこの星の生命を消してしまうことが可能な機構、ソドムというシステムが備わっていることを話した。
 このソドムという機構をいったい誰が作り出したのかは定かではないが、リザの真の使命としてはソドムを停止させて星を本当の意味で救済することにあるという。ソドムが大きな光を放てばいま地上にいる生命のほとんどが消滅してしまうだろう。そして残った者たちはルドラに屠られていく――4000年ごとの滅亡をここで食い止めるためにもリザたちがソドムを破壊するしか手はないのだ。月に行くにはこのメイファ神殿を宇宙船に見立てていますぐ出発しなければならない。

リザの章13日目と14日目
 月への旅路を取ったリザたちは2日間のあいだはメイファ神殿、つまり宇宙船のなかで身動きが取れなくなるため操作ができない。この間はシオンとサーレントの章のみで話は続いていく。



13日目

シオンの章

 無事に言霊山に辿り着き、ゾラのもとへと急ぐシオンたち。ところがその途中、追い掛けていたルドラ教団員のひとりを発見する。どうやらルドラ教団はついに本格的に地上に手を伸ばそうとしているらしく、教団員たちが言霊山を起点に大勢群がっているらしい。ルドラ教団の本部が冥界にあるという話が本当ならば言霊山のワープゲート、つまりゾラのいるところも危険だ。
 大急ぎでゾラのいる間に飛び込むと、そこにはゾラを屠ったラーヴァナという魔物が居座っていた。この魔物もどうやらルドラ教団に関係しているらしい。一気にラーヴァナを駆逐するシオンの目指す先は冥界に通じるワープゲート、その先にあるルドラ教団の本部だ。

サーレントの章

 サーレントたちはトール火山のワープゲートを利用して冥界に入り、人間族のラゴウ石のかけらを手に入れるべくかつてハウゼンとクルガンに苦汁を舐めさせられた魔導博物館へと足を運ぶ。すでに無人と化している魔導博物館で難なくラゴウ石のかけらを入手したサーレントたちはそのまま博物館を出てガフの間へ。そう、かつては幽体として出会ったゴモラに真実を聞く時が来たのだ。



 ゴモラは話す。ハウゼンとは人間のルドラでありながらも次期ルドラにもなろうと画策している者であるが、元をただせばあの四勇者のひとりでもあるのだという。このまま時が進めば人間の時代は終わりを迎えるのは確実だが、次に主役となる種族はまだ決まっていない。ハウゼンは自分が再びルドラになり、人間を滅ぼして新たな種族のトップに立とうとしているのだ。
 これを危惧したゴモラはジェイドを他の人間が宿るように仕向けた。ジェイドを宿した人間がハウゼンを超えて次期ルドラとなればいま栄えている人間種は滅ぶことはない。
 サーレントは決意した。自分がルドラになれば人間は滅ばずに済む――それに頷くゴモラの指示により、完全なルドラとして生まれ変わるためにハウゼンたちを食い止めなければならない。まずはハウゼンの手下として暗躍している魔物を倒すべく、一度オリアブへ戻りオムパロスを経てトゥーラの遺跡を目指す一行。



14日目

シオンの章

 いよいよ教団本部との決戦の日が来た。禍々しい装飾の施された建物を突破すると、そこにいたのはなんとターレスその人。なんと、ルドラ教団を追い掛けていたターレスは教祖と対峙するも、教祖のまじないによって憑依されてしまい操られてしまっているようだ。中身は別物でありつつ外見は師である相手に流石のシオンも動揺を隠せない。
 シオンと激しく剣をまじえながらもターレスは語る。次期ルドラと目される存在がシュミセンという場所で今まさに生誕しようとしているが、シオンが持っているライフジェイドはその次期ルドラを完全体にするために捧げねばならない。ターレスの言葉と剣戟とをかわしつつ、次期ルドラという新たな存在に困惑しつつもシオンはどうにか師を倒すことに成功する。
 ターレスの言葉を信じるしかない。次期ルドラが生まれるシュミセンに向かい、事の真相をすべて知り尽くさねばシオンの戦いは終わらない。冥界を突き進む一行。

サーレントの章

 トゥーラの遺跡に辿り着いたサーレントたち。ハウゼンの手下である魔物とやらを探すと、現れたのはガンダルヴァという魔物、ではなく、なんとソロンとミュンヒ博士二人の魂を頭部に宿した冥界の鳥であった。二人の師匠とも呼ぶべき存在が魔物と化してしまった姿に絶望を叩き込まれながらもサーレントたちはどうにか撃破することに成功。トゥーラの遺跡に進入することが可能になった。



 トゥーラの遺跡はそれまでのダンジョンと比較しても複雑な構造をしているうえに各所に存在する魔物たちは強力であり、サーレントたちの行く手に立ちふさがってくる。それでもどうにか最深部に辿り着いた一行はついにサイゾウという人物と相対した。
 ハウゼンと同じく四勇者のひとりでもあるサイゾウは血気盛んでも純粋無垢な性格であり、サーレントたちに敗北するとハウゼンとの決戦を半ば応援する形で武器を持たせてくれる。サイゾウを超えて進む一行は冥界へのワープゲートを抜け、ついに最後の舞台となるシュミセンを前にしたタラークへと歩を進めた。



15日目

シオンの章

 次期ルドラの待つシュミセンは目前として、その前に冥界のタラークの町に立ち寄るとサーレントたちと遭遇する。サーレントの持つアポカリプスという大剣とシオンたちの持つサイコシールドという盾を交換した一同。お互いの運命はともかく、別の形で会えていればという胸中もいまは出さずに互いは互いの道を進む。
 シオンたちはシュミセンに入り、次期ルドラを倒すというジェイドの使命をもとに最後の時を迎える。戦いに戦いを重ね、血反吐を吐きながらも剣だけに己を投影し自分を信じて勝ち抜いてきたライフジェイドを持つシオン。彼の進む道はどこへ向かうのか――

サーレントの章

 一行はタラークの町で遭遇したシオンたちにサイゾウの託したアポカリプスを渡し、代わりにサイコシールドという盾を受け取った。シオンたちもまた運命に導かれてこの地にやってきたのであれば、いまは互いの戦いを進むしかない。
 シュミセンに入ったサーレントたち。まずはハウゼンを完膚なきまでに潰さねばならない。四勇者では老練な言霊師でもあり一度は妖刀への封印という形で敗北を喫したこともあるハウゼンを超え、一行はついに最後の時を迎える。一度死に、二度死に、それでもかりそめの肉体を借り受けながら生者と亡者のはざまを渡り歩いてきたサーレント。常に冷静かつ理性的にふるまう言霊師として高い知力を生まれ持った彼の体内にあるリバイブジェイドが、ついに最後の答えを出そうとしている――

リザの章

 リザたちを乗せて地上を飛び立ったメイファ神殿は宇宙空間を突き抜け、ソドムがいると思われる月へと着陸した。4000年という周期で起動してはそれまでの種族を文字通り消滅させる光を放つ存在、否、古き人間たちが作り出した禍々しい機構、「ソドム」。ホーリージェイドを持つリザの使命の最後はこのシステムを完全に破壊・沈黙させることにある。
 メイファ神殿だった宇宙船から降りて進むと、間もなくリザたちの前に現れたのがエイリアンかのようなグロテスクな機械生命体、ソドムであった。星の救世主となるため、リザたちの最後の戦いが幕を開ける――