銃夢ハンドル事件

Last-modified: 2022-06-05 (日) 05:30:46

 2000年3月。
 ビジネスジャンプで1991年から連載されていた『銃夢(ガンム)』という漫画の作者、木城ゆきとと弟の木城ツトムの両名が「龍河銃夢」というHNでホームページを作り掲示板にも書き込みをしていた人物に、漫画名のパクりだとして抗議のメールを送ったという騒動である。事件化はしていないため、あくまでも騒動と争議に留める。

 龍河銃夢氏は一連のメールを受けてホームページを閉鎖し謝罪を行ったが、この際に木城兄弟と龍河銃夢氏がやり取りしたメール内容が公開されると木城兄弟のあまりの威圧的かつ脅しに取られかねない態度にメールを見たユーザー間で非難が殺到。木城ゆきとが運営している公式サイトゆきとぴあの掲示板にて荒らしを含めた議論が持ち上がっただけでなく2ちゃんねるでも意見が取り交わされ、いまでいう炎上問題に発展してしまった。

 そもそも、名前がパクりであるという点については『銃夢』の名前が商標登録されているとはいえその文字を使用したHN使用については法的根拠や違法性はまったく無い。あくまでも商用利用など使う側の金銭的利益などがもたらされない限りは問題はなかった。
 当時はインターネットが普及し始めた頃でもあり、龍河銃夢氏だけでなく一般人がホームページや自分用のスペースを作って自由にコンテンツを発信ができる時代が到来しつつあった。そうしたなかでのこの騒動は、以後のインターネットにおいて自由な名前の使用が許されない前例になってしまうということに危機感を覚えた人々も多かった。

雪に白鷺



 この批判のなかで木城ゆきとと『銃夢』についてのいわゆる調査特定がされており、アメリカの漫画家であるフランク・ミラーという人物が描いた『Elektra Lives Again』というアメコミ漫画と銃夢の海外版である『Battle Angel Alita』が構図等、ほとんど瓜二つの構図やデザインだとファンから指摘されるという二次的な騒動が発覚。

 加えて、木城ゆきと氏の公式サイト名である「ゆきとぴあ」は秋田県羽後町にて1986年頃から始まった馬ソリの祭り「ゆきとぴあ七曲」など複数の類似した名前が存在する呼称でもある。

 これらの件からHNにおける商標を問題視する前に自身を振り返って欲しいという意見も取り交わされ、この事件は最終的には木城ゆきと氏、木城ツトム氏側に批判が集中する結果となってしまった。


引用:「銃夢HN問題」を巡って
引用:Swipe of the Week 22-Feb-1999: Yukito Kishiro vs Frank Miller – ADLO! Novelti Librari
引用:「銃夢」問題についての感想