ラットキラー事件

Last-modified: 2022-06-12 (日) 20:03:19

 2001年12月24日。
 クリスマスイブのこの日、当時16歳の少年(A)が新宿駅東口にて刃物を78歳の男性に突きつけ人質にとって暴れるという事件が発生。けが人等が発生する前に警察官により取り押さえられたAは人質強要処罰違法容疑などで逮捕された。


 この事件の前日となる12月20日、ヴィジュアル系板(現ヴィジュアルサロン板)の「ラットキラー」というコテハンの人物が犯行予告を行っていた。20日当日はまだコテハンではなく「東京都16歳無職」という名前であり、これは前年に起きた『西鉄バスジャック事件』の犯人である「ネオ麦茶」の2ちゃんねる書き込み時の内容「佐賀県佐賀市17歳・・・。」*1を模倣したと見られ、「ラットキラー」というコテハンについてもネオ麦茶が過去に使っていたコテハンである「キャットキラー」をもじったものと推測され、動機は西武バスジャック事件の影響を受けた事件と見られた。

 その後、12月24日の夕刻に改めて「ラットキラー」というコテハンを名乗ったAは「今日新宿にて何かが起こる」といった旨のスレッドを立てて犯行予告。ほかの板(ビジュアル板)でも同様の犯行予告を行っており、「残りの人生どろどろ生きていくより派手に散りたい」などとほのめかしていた。
 「ラットキラー」の2ちゃんねる内の足跡をたどってみると違法薬物やハッククラックなど犯罪に関係するような話題に興味を示していたことが分かっており、犯罪予備軍として警戒すべき少年であったことがうかがえる。

後の祭り

 この事件は2000年5月に端を発した『西鉄バスジャック事件』からの模倣犯的な犯罪であると共に、この後に起きる『ディルレ事件』『ネオ烏龍茶事件』『ごるごるもあ脅迫事件?』などと同様に2ちゃんねるで犯行予告をしたのちに実際の事件や犯罪を起こすという悪事の方程式を作り出してしまった事件となった。
 また、都内での刃物事件として見ても2008年『秋葉原通り魔事件』、2013年『ベルサール秋葉原前刃物事件』など同類の事件も頻発することになってしまう。

 平成に起きた重大事件ランキングでは常に上位に食い込んでいたこれらの事件はいずれもインターネットや2ちゃんねるが日本の社会に浸透したことも多少なりと影響していた。なにかの事件が発生した際にはまず2ちゃんねるに捜査の眼も向けられることになり、犯罪の温床として警察や一般人の視線にさらされる結果となる。同様にして犯人の怨恨など個人的感情を理由としない不特定多数の無差別事件としても年を経るごとに多発する結果となっていった。
 これに対応するべく、ひろゆき氏を中心にIPアドレスの保存や必要に応じた公開、犯人と思われる人物の特定に協力するという2ちゃんねるの犯罪予防基盤が作られていくことになる。


引用:ラットキラー事件 - 5ちゃんねるwiki
引用:少年、ネットで人質事件を予告? 「新宿で何か起こる」asahi.com : 社会 : 速報