ギコ猫商標問題

Last-modified: 2022-06-17 (金) 18:51:41

 2002年3月。(実際の問題発生は6月)
 おもちゃメーカーであるタカラ(現:タカラトミー)がこの日、「ギコ猫」を商標出願・登録。この約3ヶ月後の6月2日、2ちゃんねるのニュース速報板にて「【商標】『ギコ猫』はタカラの猫?【申請中】」というスレッドが立てられ、2002年4月時点で商標登録が完了したという書き込みがなされ2ちゃんねるユーザーが周知することになる。『タカラギコ騒動』などとも呼ばれる。

 2ちゃんねるではさっそく騒ぎと化し、モナー大好き板や批判要望板など複数の板にまたがってギコ猫が奪われたという内容の書き込みやそれに類したAAが貼り付けられ、さらに2ちゃんねる管理人であるひろゆき氏もこの件はまったく知らなかった*1という事実まで判明して騒動が加速する。
 「ギコ猫」は2ちゃんねるではお馴染みのAAキャラクターであり、その発祥はあやしいわーるど時代にまでさかのぼる。もともとはあやしいわーるどの住人であったコブラ氏という人物が原型を作ったギコ猫は当初は「擬古猫」などと呼ばれ、その後紆余曲折を経て2ちゃんねるのAAや顔文字として愛されるようになった。2002年時点ではあやしいわーるどとの戦争も落ち着いており、2ちゃんねる内外問わずインターネットのあちこちで使用されるキャラクターだったのだ。(くわしくは本Wiki内「あやしいわーるど攻撃騒動」参照)


 ひろゆき氏は2ちゃんねるユーザーにより指摘を受けてからメールをタカラに送るとすぐさまタカラ側から返事、このやりとりは逐一記事で公開されながら双方は話を進める。タカラは商標登録をしたばかりであるにもかかわらずすぐさま商標登録の破棄を宣言、あわせてひろゆき氏と2ちゃんねるに対して謝罪する形で迅速に事態を収束させた。

 過去のギコ猫に関するあやしいわーるどとの戦争騒動はあくまでもインターネット上での論争ではあったが今回はタカラという企業によるいわば窃盗行為だととらえた2ちゃんねるユーザーは多く、声に押される形でひろゆき氏やタカラも動いたという見方もできる。
 タカラは「出願は軽率だった」と述べている通り、単純にギコ猫という著作者不明の名前だけをとりあえず自分たちでキープし将来的になんらかのおもちゃ名にしようとしただけであり、まだ具体的な商品化の開発もされていない段階であった。以後に発生するのまネコ問題?よりも早期に解決したのもこうした背景があってのことだっただろう。


引用:タカラギコ騒動について今更振り返る : 佐倉葉ウェブ文化研究室の作業報告書