FF14のVTuberによる野良のけ者事件

Last-modified: 2022-08-14 (日) 23:14:27

 2022年7月13日。
 FF14のゲーム実況をしているVTuberであるノーラ氏が配信した生放送において、野良と思われるプレイヤーに対してノーラ氏本人とそのリスナーである複数のプレイヤーがMPKと思われる行為をしたのち、コンテンツから追放するという事件が起きた。FF14プレイヤー間では「君だけV外者事件」などとも称される。

 この問題は良心的なプレイヤーと開発チームで構成されていると思われがちなFF14という大規模MMOではそれなりの話題になり、炎上騒動と化す。後日、ノーラ氏は謝罪動画およびツイッター投稿をして現在は活動自粛をしている。

※今回の話題は私の主観が割と入ります。本当はもっと早めに記事化したかったけど、現役FF14プレイヤーとしては「へー…そんなのよりひどい奴が多いしどうでもいいや」って程度の感想だったため遅くなりました (^_-


※2022年8月2日、続報がありましたので追記します。

前提

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 ノーラ氏はFF14のVTuberとしてそれまでにもメインクエスト進行中の動画を配信するなどしていたが、IDや討滅戦などの戦闘コンテンツには基本的に自分のリスナーとだけPTを組んで編成、チャットは禁止としてギミックなどに対してもそれぞれが勝手に行動するのではなく、あくまでのノーラ氏の指示に従って動く、ということがルールとされていた。
 これについてはノーラ氏とそのリスナーたちだけが参加しているものなら双方の了解あってのことであるため、プレイスタイルのひとつとしてとくに問題視はされなかった。しかし、今回はたまたまの事故が重なり、野良プレイヤーらしき人物がコンテンツに入って来てしまったのである。




 突入したのはリヴァイアサン討滅戦(以下リヴァ)。
 メインクエでも山場を迎える部分の戦闘であり、船上での戦いというそれまでにないロケーションでの戦闘になる。出現するのはリヴァの頭部分と尻尾部分のほか、ザコとしてサハギンが何回かに分けて2~3匹出現する。リヴァはそれぞれ、「頭は物理攻撃を反射」「尻尾は魔法攻撃を反射」という基本性質があるため、それぞれを逆に見て物理攻撃ジョブは尻尾を、魔法攻撃ジョブは頭を攻撃するのがギミック解法のひとつである。その他のザコは速攻で潰す。
 ほかにも途中にギミックは存在するが、今回の話にはあまり関係ないので割愛。

経緯

 まず、ノーラ氏はこのリヴァイアサン討滅戦をおそらく解除で突入しようとしたと思われるが、その際に設定をミスったかなにかで解除設定にされずそのまま普通にCF申請したのだと思われる。解除というのは制限解除のことであり、レベルシンク*1がされず実際のレベルで突入できる(現在の最大レベルは90なので、ボスでもレベル50や60程度なら瞬殺できる)という後続プレイヤーにはありがたい機能である。個人的にはあまり好きじゃない。
 ノーラ氏はもともと7人PTを組んでおり、これはリスナー6人とノーラ氏という合計7人構成であった。討滅戦は8人必要であるため、この設定ミスにより普通に申請してきた(ノーラ氏の放送などまったく知らない)1人の野良プレイヤーがここに混ざってしまったのである。




 この野良さんはもちろん配信も聞いてないしノーラというVTuberがいることも知らないので、ノーラ氏が必死に「ギミックは私の言う通りにしてください!」と言っても聞き入れるわけがなく、さらに忍者という物理攻撃ジョブであったためノーラ氏による「全員で頭を攻撃して」という命令も無視して普通に(正しいギミック解法である)尻尾を攻撃し続けてしまった。

 こうした状況を見たノーラ氏は忍者は言うことを聞かない迷惑リスナーだと断定。追放に至った、という流れだが、これにはノーラ氏だけが悪とは言いがたい。
 というのも、PTから追放する際にはほかのPTメンバーからの過半数の許可が必要であり、ノーラ氏が出した追放投票を受けてその場の全員が同意したということである。さらに言えばこの際のタンク(ノーラ氏とは別)はこの忍者にシャーク*2をしてMPKと思われる行為をしており、ノーラ氏だけでなくリスナーであるFF14プレイヤーの民度も疑われる結果となってしまった。


 はっきり言えばこのノーラ氏は本当にFF14を始めたばかり(リヴァイアサン討滅戦はFF14でも超序盤のボス戦である)の初心者でしかなく、それがVTuberという活動をしていたために起きた可哀想な事故という見方もできるが、それ以外のリスナープレイヤーはレベル90の者やメンター*3をつけた者も確認されており、そちらのほうが問題視された。

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 現在は前述の通りノーラ氏は謝罪動画とともに活動自粛をしており、今後の復活については不明のままである。

個人的に思うこと

 現役FF14プレイヤーである(今日も零式で遊んできました)自分がこの野良忍者と同じ立場で、シャークされたうえに追放されたら……と考えたのですが、ありのままに正直に言わせてもらえば「ラッキー!次に行こ」ってなります。へんな身内PTなんていくらでもありますし、私は過去にコンテンツ開始直後にBOTと思わしき2人があらぬ方向に突っ走って壁にめり込んでそのままフェードアウトし、残りの1人もいつの間にか退出していてぼっちになった、という経験もあります。笑
 意思疎通する気のまったくない外国人も大勢いますし、日本人だと見るや否やめちゃくちゃなプレイをしたり先釣りもMPKも当たり前に大暴れする人も何度も出くわしました。なんならこっちはヒラなのにシャークされまくって死にかけたことも少なくはない。

 討滅ルレだとすればもう高速でこなしてナンボってとこあるんですよね。理由がなんだろうとダメならダメでとっとと次に行きたいし追放してくれてラッキーってくらい。もちろんこの忍者さんが初心者さんでノーラ氏と同じくリヴァイアサン討滅戦がメインクエで出て来たので行ってこの仕打ちだとすれば本当に可哀想で仕方ありませんが、高レベルで高速周回しているような人なら「こんなこともあるか」って次に行くマインドになりそうな気がしますがこれは自分だけなのだろうか。

 もちろん、ノーラ氏にはできれば今後のプレイや活動に差し障りないように、配信ということをするのであるならFF14の暗黙のルール的なところもしっかり熟知したうえで遊んでほしいですし、周囲のリスナーさんやフレンドさんも教えてあげてほしいと切に願うところです。


 それにしても、誰かがコメントしていた通りですが「いくらチャット禁止ルールだとしても野良が入ってきたというイレギュラー事態ならチャットで警告、もしくはYouTube側のコメントでもいいからなにかノーラに言えば良かったのに」という意見は完全に同意です。

 やはり不特定多数、なんなら海外からのプレイヤーもいるオンラインゲーム。完全な身内PTでないなら外部ツールでもあるVCやYouTubeありきでは遊ぶことはできないので対応は必要だったと思います。もちろん、今回のノーラ氏の場合は身内PTだと思い込んでの行動だと思われますので、やはり問題があるならリスナーであったプレイヤー側となりそうですね。
 しかし除名投票の際にこの時の参加メンバー全員の名前も配信画面に表示されてしまっていたようで、それを逆手に取って「全員通報しました」という意見もあちこちで見かけました。FF14側からの公式的な言葉はありませんが、もし吉Pが見てたらクスッとしてそうな姿が思い浮かびます。笑 まあ、当事者たちには笑いごとではないんですが。


 完全な余談。
 今回スクショのためにわざわざ忍者でNリヴァ行ってきたのですが、誰も装置を動かさなくてワイプがやっぱりあったのでおもしろかった。あれ絶対ある。笑
 あと自分はもちろん尻尾殴ってましたがほかの物理DPSとか全員頭を殴ってたのも笑った。いやまあクリアできますけど!当時だったら反射ダメだけで死んでたぞお前ら!

2022年8月2日続報分 FF14運営からのノーラ氏への対応

 2022年8月2日、ノーラ氏のTwitter上にてFF14運営チームからの連絡があったという旨が報告された。内容によるとFF14運営から口頭による注意喚起があったことのほか、ノーラ氏が初見詐欺(別アカウントでジャンポ*4による高レベルキャラがおり、ストーリー以外はすでに知っていた)をしていたことなども発覚した。

 ノーラ氏、またノーラ氏のリスナーであり当時のリヴァイアサン討滅戦に参加していたと思われる人物のTwitterではこれらに関する説明および謝罪、そして今後もFF14をプレイ継続するという言葉が残されている。

 これらの発言に対するFF14プレイヤーをはじめとした周囲の反応はさまざまだが、「待っている」「また戻ってきてほしい」という言葉がある反面、「この程度の処罰では許せない」「まだFF14を続けるつもりなのか」という厳しい言葉も見受けられる。

 FF14を題材にした配信活動をしているというのは、裏を返せばFF14がそれだけ好きであることのあらわれ。"再生回数を稼げる"ためならほかにも最適なゲームは世間に溢れているにもかかわらずFF14プレイヤーとして遊んでいるならば、今回のことを教訓とし多くの意見を持った人の見ている配信活動をするという前提のもと、FF14をしっかりと遊んでしいと思う。

引用:【FF14】君だけV外者事件で除名投票やシャークMPKを行ったユーザー、運営から口頭注意という処分に:FF14速報


*1 該当コンテンツの適正となるレベルに引き下げられること。FF14以外のゲームなどでも使われるシステム。
*2 ヘイト(敵視)を指定したキャラに分け与えるタンクのスキル。主にタンク同士でMTを交代(スイッチ)する際に使われる。ただ、DPSに対してシャークしてMPKする場合はそのDPSがヘイト2でなければ難しいとは思う。
*3 FF14において初心者にアドバイスや助言を与えるポジションの人。メンターになる資格(各種コンテンツクリアやアチーブ達成など)を得てプレイヤーステータスに王冠マークをつけることでメンターであると周知される。メンター資格は簡単には得られないので、リスナーであるプレイヤーはある程度のFF14歴があると思われている。
*4 ジャンプポーションの略。どれかひとつのジョブ(レベル)を一気に50、60、70のいずれかに上昇させる課金アイテム。レベルや装備はその時点で整うが、メインクエストなどのストーリーは省かれてしまう。