仮にミスなら「読解に影響の大きい誤訳」枠だが、よりによって肝心のフルボイスパートでそんなしょうもないミス犯すだろうか?
(前提情報)最終編4-8、各言語の字幕
※ボイスは日本版と共通
※韓国語→日本語と完全対応している箇所の訳は省略
※英語→見りゃ分かると思うので訳は省略
引きのカメラ
―だから先生、どうか……。 ―この、絆を―― ―私たちとの思い出……過ごしてきたそのすべての日々を……どうか……。 |
―And so, Sensei. I beg of you. ―Your relationships*1 with all of us... ―The precious memories we've built... All those days that we spent together... |
―그러니까, 선생님. 부디……. ―우리들과의 인연을,*2 ―우리들과의 추억…… 함께 해 온 그 모든 날들을…… 부디……. |
顔アップに
―覚えていてください*4。 ―――大切なものは、決して消える事はありません。 ―大丈夫です。 ―ですから――帰りましょう、先生。 |
―Please cherish them. ―Yes... Such precious things will never disappear. ―Just like miracles... ―So, go back, Sensei. |
―소중하게 간직해 주세요. ―네. ……소중한 것들은 절대 사라지지 않으니까요. ―마치 기적처럼…… ―그러니 돌아가요, 선생님. |
目の前に全裸
―私たちのすべての「奇跡」が在る場所へ。 |
―To the place all our love exists. |
우리들의 모든 사랑(기적)*5이 머무는 곳으로. |
画面ホワイトアウト
(↓ここは全言語でボイス無し↓)
それが―― 理解できない他人を通じて、己の理解を得ることができる方法。 |
Yes, that is only the way... By understanding the incomprehensible, we can understand ourselves.*6 |
네, 그리고 오직 그것만이…… 이해하지 못하는 것(타인)으로 우리들을 이해할 수 있는 유일한 방법. |
~~以下、感動のエピローグへ~~
疑惑のフレーズたち
10文中5文も!?
[要注視]―この、絆を――
原文だと「この」ではなく「私たちとの」表記だが、それはまあどうでもいい 文脈上明らか
↑の脚注にて書いた通り、ここでの「絆」はゲームシステム上の用語「絆」を直接参照している 載せていないが台湾(繁体字)も同様
グローバル版韓国語において日本版「絆」に対応する語は漢字語「인연(因縁)」
現代日本語としての「絆」は国内でローカルに生じた語意であるため、韓国語に訳す際は最も意味の近い인연を用いる
反対に인연を日本語へ訳す際も、普通は「絆」訳で何ら問題ない
- 普通は
- 「因縁」は元を辿れば仏教用語
日本でも韓国でも一般名詞化して久しいため、普通はわざわざ誰も意識しない
しかし特定宗教グループに根を持つ単語には違いなく、忘れられた神々が重火器担いで宗教大戦やっているキヴォトス的には出自について無視もできない
もしもゲームシステム用語&連邦生徒会長による言及「인연」が(古則/公案と同じく)仏教用語からの参照だった場合、韓国語以外の言語において後々何かしら読解上の不都合が生じる「かもしれない」
要観察対象
[🔥明らかに原文が異なる]大丈夫です。
日&声 | ―――大切なものは、決して消える事はありません。 ―――大丈夫です。 |
英字幕 | ―Yes... Such precious things will never disappear. ―Just like miracles. |
韓字幕 | ―네. ……소중한 것들은 절대 사라지지 않으니까요. ―마치 기적처럼…… |
君ら「今後はボイス入りパートの内容しっかり確認して揃えますごめんなさい」ってエデン条約編3章グロ版で炎上⇨謝罪してなかった?*7
日本版とグローバル版で情報量が字幕一つ分変わってしまっている それも疑惑とかではなく確実に
一番肝心な所でツイッターアロナみたいな事しやがったなてめえ
- よりによって作中最重要キーワード&最終編章題&4-4-8タイトルやっている"奇跡"への言及
意訳とかカルチャライズとかで説明が付くズレではない - グローバル版ではこことエンディングムービー直前パートの独り言から奇跡miraclesに関する連邦生徒会長/アロナ間の認識差を読み取れる
まさか日本版リリース~グロ版リリース間にこっそり原文バージョンアップしてるオチだったりしないだろうな?(疑いの目)
- さすがに最終編の頭から一文ずつ調べるわけにもいかないので当面は疑いの目に留めておくが、このWiki的には真面目に心配している*8
- 作中最重要ワード
- 崇高まで理解した、少なくともそう言い張っていたデカグラマトン@11話が「奇跡」には言及していない(=理解が及ばなかった)点を指摘&強調しておく
特にisakusan直筆の章(1/3/最終)ではストーリーが一番盛り上がるタイミングにて必ずてんでバラバラの見解が登場するキーワード
奇跡の定義や所在をめぐる会話にはよく注目しておこう
[解釈次第では誤訳]帰りましょう、先生。
このページで扱う5/10文のうち純粋な誤訳疑惑はここだけ
日&声 | 帰りましょう、先生。 |
英字幕 | go back, Sensei. |
韓字幕 | 돌아가요, 선생님. |
文面そのまま読むなら日本語・英語どちらか一方は誤訳になるが、口語的文法の範囲内で問題ない解釈も可能
- 돌아가요の訳がズレたと見る解釈
돌아가다(帰る)が辞書的な原形
以下、仮に文面そのまま読む場合日&声 帰りましょう、先生。 英字幕 go back, Sensei.
(帰って、先生。)韓字幕 돌아가요, 선생님.
(****、先生。)原文からして主語がなく、文面単体だと解釈に揺れが生じる
- 日本版では連邦生徒会長がいかなる形であれ一緒に付いてきてもおかしくない
- グロ版英語では連邦生徒会長が先生一人(キヴォトスに)帰し、自分は(謎空間に)残されたままである旨明確に示されている形になる
- 推定グロ版英語の理解
- 「돌아가(命令形、帰れ)」に「요(~よ、丁寧形だがこの用法ではいわゆる女口調を兼ねる)」がくっついた形
連邦生徒会長は周囲のセリフを見る限りいわゆる女口調で喋っており、なおかつ自分がどこかに帰る場面ではないためシチュエーション上は自然な訳
しかし文法的には普通の強さで発する目上への命令形なら돌아가세요と表現する
ここでの連邦生徒会長は(それ以前の台詞と異なり)かなり強い口調で突き帰そうとしている形になる*9
この理解に基づくなら日本語訳は「お戻りなさい、先生。」くらいの強さになるかもしれない - 推定日本版の理解
- 「돌아가요」でひと纏めに読むと自動詞としての意思表明(帰ります/帰りましょう)になる
文法上は何も間違っていないが、当該シーンと整合するか否かは連邦生徒会長の位置次第
- 日本語/英語の整合性を取る解釈
- ①英語が"Let's"等を省略していると見る
- この場合は日本版相当の解釈に揃い、何も問題が生じない
日&声 帰りましょう、先生。 英字幕 (Let's) go back, Sensei.
(帰りましょう、先生。)韓字幕 돌아가요, 선생님.
(帰りましょう、先生。)
砕けた口語に寄りはするが、誰も悲しまずに済む
穏便にこれにしとくか? - ②日本語が言い聞かせる口調と見る
- 日本版の台詞を(離別をぐずる幼い子供に向かって言う)「いい子だからもう帰りましょうね?」みたいなニュアンスの発言と読む
グロ版英語を命令形と読む解釈に揃えて読解できなくはない
連邦生徒会長にだいぶ舐められてしまっている
大人だぞ大人 しょうがねえだろ赤ちゃんなんだからとか言った覚えはないぞ少なくともキヴォトスでは
しかしプロローグ以前の先生として連邦生徒会長相手にオギャっていた可能性がゼロかと言われたらこれまで積み重ねてきた描写上そう言い切れる自信もやはりない
側に連邦生徒会長いたらオギャるわたぶん
お前もそうだろきっと
連邦生徒会長その人の所在はアロナとの接続性含めて最重要ポイントなので、解釈上ブレようのない文面でかっちり揃えてほしかった
[意図的?]すべての「奇跡」が在る場所へ。
全ての言語において妙な事になっている第一部クライマックスの一文
言語 | 最終編字幕 | 最終編ボイス | PV4.5ボイス |
日 | 「奇跡」 | キセキ | アイ |
英 | love | キセキ | アイ |
韓 | 本文=사랑、ルビ=기적 | キセキ | アイ |
最終編4章(2023/03/08)→PV4.5(2023/04/22)で一単語だけ異なる(キセキ→アイ)ボイスが登場し、読解一般においては何らかの重要な伏線と見なされている
- 一単語だけ異なるボイス
- シナリオ中のどこかで僅かに異なる台詞が2回発される/発されていたわけではなく、単にかっこ付きの「奇跡」に関するPV4.5およびグローバル版での答え合わせなのだろうか?
- しかし最終編のボイスは現在でも当初の読み(キセキ)のまま変わっていない
- グロ版のPV4.5もやはりアイ/사랑読み
- 唯一韓国語字幕のみ愛=奇跡を明示しているが、最終編とPV4.5で2種類のボイスが並存している点は全言語で変わらない
短期間に複数パターンのボイスを送り出し、半年遅れのグロ版でもそのまま使用されている
技術上のミスと見るにはやや不自然
これらの台詞については何らかの積極的な意図を仮定する方が妥当かもしれない
- ここは万が一しょうもないローカライズ事故による産物とかだったら全言語の全ブルアカユーザーが間違いなくブチ切れる第一部最重要ボイス
なあネクソン君ヨースター君、
「にぎにぎと ゆきゆきて」公開前だったら断定口調でここはミスじゃなくて意図的な伏線だと書いてたが今はいまいち自信無いぞ、ホンマに君らの連携信じて大丈夫か?
↑「にぎにぎと ゆきゆきて」全文にアプデ修正が入った(2024/04/05)ので俺は伏線だと信じる事にする
[単語抜け]己の理解を得ることができる方法。
ボイスは付いていないが一続きのシーンなのでついでにこっちで扱う
↑の比較を見ての通り、グローバル版では「唯一の方法」と強めに言い切られている
文面上は
己の理解を得る唯一の方法。
あたりで何ら問題なかったはずだし、原文ではやたら唯一性を強調しているため翻訳時に見落とすとも思えない
原文アプデを疑うならここも怪しいがよく分からない
- それ
- 帰る事・思い出を大切に覚えておく事のうちどちらを指しているか全言語において定まっていない
まあとにかく、他者は理解できない存在だと割り切った上で日々の交流に重きを置くのが肝要だと言っているらしい
どう見てもワンマン経営やっていた連邦生徒会長の実体験を伴う教訓なのだろう
全体として
ここはブルアカ的に最重要シーンだし実際リアルタイムに読んだ時は盛り上がりまくったし検証のために三言語分確認している間もやっぱりBGMパワー込みでブチ上がってしまったが、いざ表にしてみると色々と怪しい
ヨースター君、これ本当に今の訳で大丈夫か?
本当の本当に後々のメインストーリーで破綻したりしないか?
信じるぞ?