Q.聖書の和訳ってどれ確認すればいいの?

Last-modified: 2024-04-12 (金) 10:55:51

A.とりあえず「新共同訳」が無難
非宗教的文脈での引用における安全牌
知らんままカルト踏みたくないなら他バージョンはやめとけ

新共同訳

カトリック勢力とプロテスタント勢力の合同リリース(1987年)
キリスト教本流の奴らに新興宗教のお仲間扱いされたくない場合はこいつを使う事になっている

  • キリスト教が呼ぶところの「旧約聖書」は本来ならばコピーライトユダヤ教であるため、道理としてはユダヤ教のそれを使うのが筋
    しかし国内のユダヤ教徒勢力は新興宗教未満の規模
    発言力も自前で流通させる体力もない
    そんなわけでこのWikiでも不本意ながらユダヤ教相当のテキスト含めて新共同訳を採用している
    妥協は大事だ

↑のオンライン本文検索

Bible.comとかいう直球のウェブサービスが無償かつ無広告で展開されている
運営はこんな感じの奴ら https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3

  • まあ回り回って信者が増えるなら界隈として元は取れる損して得とれ精神なのだろう、ウン万円の教典を直接信者に売り付ける新興宗教的戦略よりは長いスパン前提で腰を据えているようだ
  • 聖書の翻訳バリアントを詰め込める限り詰め込んだロゼッタストーン的な事業らしいので、新共同訳を選んで検索掛けるとよいだろう*1


一応日本のカトリック・プロテスタント組合も自前でデータベースを公開しているが、見るからに貧弱なサーバー×半角カタカナ変換すら対応していないゴミUIと国産サービスの悪い面だけしっかり抱えているため利用する価値は無い

文語訳聖書

キリスト教世界の外から教養として読まれる「文学作品」として、「明治訳」「大正訳」合わせての『文語訳聖書』が存在する

  • 「有(り)て在る者」もここ
    おい誤訳だらけじゃねえか!とキリスト教世界内部にこそツッコまれているが、こちらの知ったことではない
  • 明治訳の中心となった翻訳者はヘボン
    ヘボン式ローマ字のあのヘボン
    あのおっさんは別にローマ字を作りに来たわけではなく、脳外科医兼プロテスタント牧師として来日して辞書やら聖書訳やら携わりつつ一から日本語を使いこなすに至った超ハイスペックおっさんだった
牧師
プロテスタント勢は教会で銭を稼ぐ面子を神父と言わずに牧師と呼ぶ
どうでもいい余談

おいナザレのイエスが「地上の者を『父』と呼んではならない」って直球で言ってんのにてめえらカトリックどういう了見だ!???的なレスバでも宗教改革の余波としてあったのではないかと思っているが真相は知らん

知らん
英語ではカトリックがfather/priest、プロテスタントは派閥によってバラバラっぽいが主流派はとりあえずpastor呼び
キリスト教世界の本丸はラテン語なのでそっちまで掘れば何がどうしてそうなったのか分かるはずだが俺にはそこまでの興味が無い
このWikiでは両者を纏めて指す場合中立的立場から坊主(ぼうず)」と呼んでいるが、これは一般的な呼び方ではないし間違っても彼ら自身の用語ではない
そもそもプロテスタント諸派は基本的に坊主頭を採用していないため、これはカトリックにもプロテスタントにも平等に失礼な呼称となる
現実で使うと殴られても文句言えないので気を付けよう

🆕聖書協会共同訳

新共同訳に続く国内主流派の最新バージョン
ただし2018年製であるためその辺の新興宗教が掲げている自前訳と比べてすら歴史がクソ浅く、2024年時点ではキリスト教内部の人間以外は誰も気にしていない
1987年の新共同訳と比べるとキリスト教世界の外で本文として参照されているケースもほぼない
そもそも国内キリスト教徒は下手をすると国内ブルアカユーザーより少ないくらいのシェアなので、「主流派」と言ってもその辺の小川みたいなものであり大した権威は無い フリー素材の翻訳者止まり
30年くらい経ったらこっちからの引用が増えているかもしれないが、坊主(ぼうず)の関係者以外が現代で気にする必要は無い せいぜい普及に勤しんでくれ

  • (物理的に読めない人が年々増えていた)文語⇨口語の更新と異なり、新共同訳は現代人でも何ら読むに不都合がない
    あくまでも内部の宗教的な理由だけで要請され、バージョンアップされたエディションとなる
  • こうやってコロコロ訳を変えている限り日本文化圏内では一生他所から来たシェア1パーセントの外来種止まりだと思うが、彼らがしたくてやっているのだから好きなようにさせてやろう

その他バージョン

子供向けの平易な文で書かれたバージョンなども存在する いわゆる布教用アイテム*2であるためこのWikiで個別具体的には触れない

🆕⚠新興宗教勢の自前訳(に関する注意喚起)⚠

いわゆる新興宗教勢力もシェアを広げるべく自前の訳を用いたオンライン本文検索サービスを展開している

しかし、あえて彼らのバージョンを使う際は一応どのような団体であるか確認しておく方が賢明だろう
(まあ日本に限れば新興宗教もキリスト教主流派も誤差みたいなシェアなので実情として何から引こうが大して差もねえんだけど)

新興宗教の「聖書紹介」に関する注意喚起ページも必ず確認してね


*1 キリスト教を殴る意図で検索する俺のごとき用途は一応想定していないはずだが、アプリ版の説明に5億ダウンロードとか文字通り桁違いの話が書いてあったためサーバー負荷やら資金源やらで気を遣ってやる必要はない
*2 ここは本音では「キリスト教徒の親が宗教2世としての我が子を洗脳する際に使うアイテム」と書きたかったが本文に書くのは必死に我慢した