概要
キャラクターの敏捷さを表すパラメータ。DQ1から登場している。
戦闘で【ターン】(ラウンド)の中での行動順に影響する。
一部の作品では、味方の打撃攻撃の【回避率】に影響することもある。
DQ1(FC版等)・DQ2(FC版等)・DQ3(全機種)・DQ4(FC・PS版)では、このパラメータの半分の値がキャラのなにも装備していない状態での【しゅび力】となる。
ただしDQ4の戦闘に加わるNPCの一部は守備力の値が独自に設定されている。
それ以外の作品では、この役割は【みのまもり】に移っている。
DQ11で攻撃対象にならないキャラである【エマ】、【クルッチ】と【連武討魔行】最終試練のニマ大師は、素早さの値のみが設定されている。
レベルアップや【すばやさのたね】で上昇させることができる。
【装飾品】や一部の【武器】や【防具】でも変動し、DQ6とDQ7では【職業】による補正もある。
しかし、行動順が狂う可能性があるためやり込みだとしても【ドーピング】ですばやさを限界まで上げるのが必ずしもベストとは言えない。
DQ10以外の職業システムのある作品はとことんやり込むと没個性化しやすいため、限界まで上げてもワンパターンな戦法で済ませられるが、キャラに個性がある作品では「役割」があるからだ。
ドラクエにおいては、小柄だったり身が軽いキャラだったりするほど素早さが高くなるようで、
素早さが高いのは【武闘家】【盗賊】【踊り子】で、逆に重装備の【戦士】や荷物を大量に抱えた【商人】は低い。
また、職業が存在しない作品ではどちらかと言うと女性が高く、男性が低い傾向がある。
現実的に考えるのなら筋肉量に由来する素早さは全体的には男性の方が優れる傾向にあるし、同様の理由で「力は強いが脚は遅い」とか、逆に「素早いが力はからっきしない」とかも余程極端な鍛え方をしていない限りありえない。
まぁ男女差にしても力との強弱関係にしても、どちらか一方を優遇するわけにもいかないとか、力も素早さも共に高い「万能キャラ」を安易に作るわけにはいかないとかといったゲームバランス上の事情があっての措置なのだろう。
しかし近年では補助・回復担当のキャラよりもアタッカーの方が全体的に素早さが高くなっている作品もある(後述)。
説明
DQ1とDQ2では最高値は不詳だが、DQ3からDQ5までは255、DQ6は500、DQ7以降は999が上限である。DQ1とDQ2もFC版では種がないので、DQ1ではプレイヤー側は130(敵側にはすばやさの設定はないが、後述のように【しゅび力】が代用される。守備力最高は【メタルスライム】の255)、DQ2では【はぐれメタル】の200(プレイヤー側は160)が実質的な最高値である。
モンスターズではDQM1は511までだが、それ以外は全て999が上限である。
余談だが、DQM1で【チート】を用いてモンスターの素早さを999にすると、プレイヤーの道具使用よりも先に行動出来るようになる。
実際の行動順についての仕様を説明すると、ターン開始時に敵味方それぞれの素早さを元にランダム要素が加わった行動順変数を生成し、その数値の大きい者から順に行動していく。
他のRPGでは素早さが1でも上回れば確実に先攻できる仕様のものもある(ポケモン、マリオRPGなど)が、DQではランダム要素があるため、たった1の差では基本的にどちらが先攻するかはほぼ五分五分である。すばやさが高い方が必ずしも先に動けるわけではなく、運要素が絡む。
しかもこのランダム部分の具体的な大小は、作品によって大きく異なり、先攻確定に必要な素早さが敵の約1.67倍以上で良いものから、2倍以上必要なもの、そもそも閾値がなく素早さがカンストしても絶対に先攻確定にはならない作品まである。
リメイク前後で異なるケースも多く、特にDQ2やDQ3はリメイク前後で素早さへの信頼度に大きな差がある。
DQMSLでは当初は素早さの乱数の振れ幅が非常に大きく、対戦の運ゲー化を招いて多くのユーザーに問題視されていたが、後のアップデートによって乱数の振れ幅が本編よりも小さくなった(乱数の振れ幅を小さくする調整は2回行われた)。
すばやさによる行動順が安定しないDQシリーズでは、回復をするか攻撃をするかの判断が難しいため、これが戦闘の難易度が上がる一因となっている。互いに残り【HP】が少ないなどの状況で、先に攻撃したほうが生き残る場合、どちらが先に動けるかいまいちハッキリしないと戦術が狂うからである。
RTAでもこの点から他のRPGシリーズと比べて運要素が絡みやすいと言われる。
この点を考慮してか、後述するDQ11では3DS版のみ一部の敵の特技や行動パターンなどに弱体調整が入っている他、【ピオラの杖】を道具として使用した際の効果が強化されている。
なお、弱体化しているのは【ボス級モンスター】が多く、雑魚モンスターはステータスや行動パターンはPS4版と同じでもシステムの関係で実質的に強化されているものが目立つ(主にグループ攻撃を使う敵やモンスターれんけいを持っている敵)。【ギガ・ひとくいばこ】系統など、意図的に3DS版の方が強く調整されている敵もいる。
基本的にはターン内での行動順は素早さを元にした行動順変数で決まるが、【しっぷうづき】や【ラストバッター】など、この値を無視して行動順を調整できる特技もある。
また、【まじんのよろい】を装備すると、素早さが0倍される(作品によってはこれだけで後攻確定とはならない)。
DQ3で【ピオリム】と【ボミオス】が初めて登場し、【呪文】によって上げ下げできるようになったが、DQ4ではピオリムのみになり、そしてDQ5ではピオリムも削除されてしまった。
理由は不明だが、これ以降のピオリムが復活した作品における調整(後述)を考えると、あまり活用の機会がないと判断されたか、逆に強力すぎると判断されたかのどちらかである可能性が高い。
これにより、DQ5からDQ7までの間、素早さを恣意的に変動させる手段はレベルアップか装備品のみとなった。
その後DQ8でピオリムが復活し、ボミオスも敵専用ながら復活。
DQ9では、DQ3以来久々にピオリムとボミオスが揃って登場、同時に単体対象である下位互換の呪文もモンスターズから逆輸入された。
なお、DQ7より後に発売された作品でピオリムが使用可能な作品では敵の素早さが高めに調整されており、DQ8以降に至っては素早さを高める装備品の【ほしふるうでわ】も大幅に弱体化している。特にリメイク版DQ4、DQ8は敵の素早さが序盤から非常に高めのため、DQ4のスクルト並みに大活躍する呪文に復権。
キャラバンハートも上記作品並みに敵の素早さが高いが、素早さの乱数の振れ幅が非常に大きいため、ピオリムを1~2回掛けた程度では先攻が安定しない場合が多い。
DQ9以降の作品の敵は上記3作品ほどは素早くなくなったが、DQ9では素早さの乱数の振れ幅が大きくなっており、DQ11でもやはり中盤以降の敵の素早さが全体的に高めに設定されている。
また、DQ11では過去作よりも素早さを戦術に組み込みにくいよう調整されている(詳細は後述)。乱数の触れ幅はPS4版の方が大きい。
外伝作品では行動順を完全に逆転させる【リバース】や、最速キャラの後に続いて行動できるようになる【チェイン】が登場している。
一部作品の回避率については、攻撃側とそれを受ける側の素早さの差が大きいほど打撃攻撃を回避することが多くなる。
互いの「素早さ」の差が大きくなると、DQ4の【うんのよさ】とは比べ物にならないほど影響力が大きくなる。
回避率が最大になるのは差が500以上ある場合で、この時は25%もの確率で回避が発生する。
さらに、防具や【スキル】による回避率上昇効果を累積させることもできる。
仕様
ほとんどの作品では、一方の素早さに対して、2倍以上の素早さがあれば、概ね素早さが高い方が先攻できる。
詳しい計算式は分かっていないものが多いが、FC版DQ1とDQ2、およびDQ5のような特殊な例を除けば、素早さの影響度自体には作品間でそこまで差がないことが多い。
DQ1(FC版)
本作では詳細が判明している。
完全タイマンで交互に行動していく関係上、後の作品と異なり同一ターンでの行動順への影響はないが、かわりに敵の不意打ち率=先攻後攻に関係する。
敵モンスターに素早さの設定はないが、こちらの守備力の初期値と同様の考え方のようで、敵の守備力が計算に使用される。これにより守備力255のメタルスライムには非常に不意打ちを受けやすい。
また、今作ではこちらの素早さが高いと、敵から逃げやすくなる。この際にも敵の守備力が計算に使用される。
このため「素早そうな敵」より【しのさそり】など「硬い敵」のほうが不意打ち率などが高かったり、逆に【ストーンマン】などは動きが遅いと判断されたのか守備力がやたら低いというケースも起きている。
次作以降は敵の守備力と素早さは独立しているため、これらはDQ1特有の現象である。
素早さが守備力に関係するのは、TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」や「ウィザードリィ」で採用されている「AC(アーマークラス)」というシステムが元であると思われる。
ACは、素早い身のこなしによる回避や武器・盾による受け流し、防具による急所の保護などを全てひっくるめた「総合的なダメージの喰らいにくさ」を示すパラメータ。
DQで打撃ダメージが1に満たない場合に「0ポイントのダメージ」ではなく【ミス!】と表示されるのも、恐らくその概念の名残なのだろう。
後のRPG作品では防御の概念が細分化され、DQでもそれぞれみかわし、武器・盾ガード、守備力に分けられていくのだが、当時は同一視されていたのである。
これ以上詳しくは該当作品について検索してみてほしい。
DQ2(FC版)
本作でも詳細が判明している。前作同様素早さの値の半分が素の守備力になっている他、本作以降行動順にも影響が出るようになった。本作での行動順への影響はかなり極端な仕様。
初めて素早さが行動順に影響するようになった作品だが、本作での行動順はターン毎に各キャラで
(素早さ/2)+n
- 0≦n≦255
- nは整数
の式で計算を行い数値の大きい者から順に行動する、というものであり式を見れば分かる通り行動順への影響度は圧倒的に乱数の要素の方が大きい。つまり、素早さの影響度が極端に小さい。
このため、DQ2では先攻後攻がプレイヤーの思い通りに安定してくれないケースが非常に多い。
リメイク版では判定式が変更され素早さの影響が大きくなっており、先攻後攻が安定するようになっている。
DQ3
本作でも素早さの値の半分が素の守備力になっている。
素早さを上げる【すばやさのたね】と【ほしふるうでわ】が初登場した。
しかし、職業別にレベル毎の【上限値】が設定されているため【ドーピング】をしてもレベルアップした時に能力値が上がらず無駄になる事がある。
なお今作では星降る腕輪による素早さの上昇分も守備力に反映される仕様だが、レベルアップ時の素早さの上限値は元の素早さが参照される。
本作で、素早さの先攻後攻の順序への影響が大きくなった。
【ボミオス】がかかって素早さが0になると行動順変数が0になるため、同じく素早さが0の相手でない限りは確定で後攻になる。
素早さのステータスの意味が大きくなってきた作品とも言えるだろう。
リメイク版
本作でも詳細が判明している。
リメイク版DQ3での行動順は、味方の最期のキャラの行動を選択した瞬間、敵味方含めた全てのキャラで
n≡136+a1+a2+a3+……+a14+a15+a16(mod 256)
- ただしaは0~31のうちいずれかの整数(一様乱数を16回生成する)
となるようなnを求め、算出されたnを
(素早さ+20)*(n/256)
- 小数点以下切り捨て
に当てはめて計算を行い、数値の大きい者から順に行動する。
万が一同じ数値になった場合は、先頭の味方キャラ→…→最後尾の味方キャラ→一番左の敵キャラ→…→一番右の敵キャラの順で行動する。
FC版DQ2ほどではないが、本作には確定先攻の閾値がなく、その点では乱数の影響が大きいと言える。
多少の素早さの差では先攻後攻が安定しないのは他の作品と同じ。
なお、一様乱数をそのまま使う作品とは異なり、乱数を16回生成することによる平均化効果で、実際のnの値は期待値である128付近に集中し、約95%の確率で55~201の間に収まり、99.7%の確率で19~237の間に収まる。nの値が0や255になる確率はほぼ0(まずありえないほどの超低確率)である。
当然ながら、元の素早さにまず20を加算する計算式の都合上、すばやさが低いほどランダム要素の影響が大きくなる。これは行動順変数の導出過程で素早さに定数を加える作品で共通している傾向である。
例えば本作は敵味方双方の素早さが20に満たないような時期は、2倍の素早さでも4割弱という高確率で逆転可能で、4倍の素早さがあっても2割弱程度の確率で逆転可能である。
素早さが100程度になると2倍の素早さを逆転できる確率は1割程度まで下がる。
さすがに素早さが50~60程度のキャラが素早さ255のキャラに先攻するようなことはほとんどない。
また、敵味方双方の素早さが100を超えるような場合には、ピオリムで素早さをあげるよりボミオスで相手の素早さを0にする方が有効である。
逆に、敵味方双方の素早さが低い序盤のうちはボミオスで0になってもまだ先攻できる可能性がそこそこある。
ちなみに、理論上は素早さ0が素早さ255に先攻する可能性は実は0ではないが、そんなことが起きる確率は極めて低いので事実上はほぼ0である。
DQ4
本作でも素早さの値の半分が素の守備力になっているが、装備による素早さの変動分は守備力には反映されなくなった。
素早さに干渉する装備としては星降る腕輪のほかに【まじんのよろい】が登場。
計算式の詳細は明らかになっていないが、前作FC版DQ3よりも行動順が安定しづらくなっている。特に双方の素早さの低い序盤に関してはほとんどあてにならない。
ある程度双方の素早さが上がってくると行動順が安定しやすくなる。ただし、1割以下程度の差であればあてにならない。
また、前作とは異なり、たとえ魔人の鎧で素早さが0になったとしても、それだけでは確定で後攻とはならない。
DS版以降
PS版まで採用されていた【たいりょく】が廃止され、代わりに【みのまもり】が追加された。
これによりシステムの上ではDQ5以降と同じく、すばやさと守備力が分離されることになった。
しかしその成長率はすばやさのほぼ半分に設定されているため、戦士のライアンはみのまもりが低く、魔法使いのブライはトップクラスに高いというちょっと不思議なことが起きている。
DQ5
本作での詳細は
素早さ*(75+n*26/256)/100
- 小数点以下切り捨て
- 0≦n≦255
- nは整数
の式で計算を行い、数値の大きい者から順に行動する。
万が一同じ数値になった場合は、先頭の味方キャラ→…→最後尾の味方キャラ→一番左の敵キャラ→…→一番右の敵キャラの順で行動する。
この式に従うと、行動順に影響する変数の変動は±12.5%の範囲で一様であり、最終的な行動順変数は素早さに直接比例するため、素早さが4/3倍上回る相手を逆転することは100%ない。
このため、他作品に比べると特に素早さの調整による行動順調整がしやすい。
たとえばLv2の主人公(素早さ6)が【サンタローズの洞窟】1階に出る素早さ3~5の【スライム】【とげぼうず】【せみもぐら】に先手を取られることは100%ない。これほど極端に序盤から行動順が安定する作品は非常に珍しい。
今作では終盤【たたかいのドラム】→通常攻撃の流れが強力なため、物理アタッカーにとってドラム要員の後に動きつつ敵からは先手を取れるという素早さラインは重要であり、高すぎると却ってマイナス評価にもなる。
ドラム要員の素早さが255なら、攻撃役は255*3/4>191以下であれば確定でドラム後に行動できる。
さらに、素早さが85の裏ボス【エスターク】に対して確定先攻ができるラインは114であり、物理アタッカーの素早さを114~191の範囲に調整すれば、【いてつくはどう】を受けることなく2倍攻撃力の打撃を確実に当てることができる。
一方で、行動順が安定しやすいことによる注意点として、同じモンスター(当然同じ素早さ)が複数匹出てくると、だいたい一斉に攻撃ターンが回ってくるため、早めに数を減らしておかないと怒涛の攻撃ラッシュにさらされることがある。
特に【とつげきへい】の系統は大抵5~6匹の集団で出てくる上に搦め手一切なしの打撃ラッシュをお見舞いしてくる。
この仕様が最も脅威となるのが【封印の洞窟】の【レッドイーター】と【ブルーイーター】だろう。
また、素早さの遅いパワータイプの仲間モンスターや【サンチョ】・【ピピン】などを主力に据えていると、【ほしふるうでわ】なしでは敵より先に動けることはまずないため、雑魚戦では余計なダメージが嵩みやすい。
本作からみのまもりが登場したため、以降の作品ではリメイク版を除き、素早さは守備力に影響なくなった。
さて、本作では、レベルアップ時のパラメータの伸びが、各レベルごとの成長限界を超えているか判定される仕様になっているのだが、
これが他のパラメータだと、例えばレベルアップで直接上がるのが「ちから」・装備を加味したのが「攻撃力」になっているのに対し、
素早さは装備前後のパラメータの呼称が分別されていない。そして、ほしふるうでわやまじんのよろいを装備した場合、「変動後の数値」を参照してしまうため、問題が起こる。かしこさにも同様のことが言えるが、行動順に直結する素早さでこの問題が起こると大きな影響が出る。
ほしふるうでわを装備すると、ほぼすべてのキャラが容易に成長限界を突破してしまい、レベルアップの上昇値が0か1のランダムになってしまう。
また、レベルアップ時にHP、【MP】、【ちから】、みのまもりの上昇値は表示されるが、すばやさ、【かしこさ】、うんのよさの3つはなぜか表示されないので、この異変に気付きにくい。
これらの謎仕様はリメイクで改善されている。
PS2版
上記の計算式カッコ内の式が変更されており、行動順変数の変動幅が±25%になっている模様。つまり確実にドラム要員より後に動くには素早さ127にまで抑える必要があると、SFC版に比べかなり厳しめ。
というよりも、ほしふるうでわのバグが解消されたPS2版で素早さ成長を抑えるには低成長パターンを厳選するしかなく、上がった素早さを下げる方法は唯一すごろくの!マスを利用するのみ、とあまりにも非現実的。
また、ここまで素早さが低いとそもそも敵に先手を許してしまう可能性もあり本末転倒。
他機種に比べて振れ幅が大きいことを念頭に置いてプレイするくらいしかやりようはないだろう。
DS版以降
再度変更が行われ行動順変数の変動幅がおよそ±16.7%になったと考えられている。確実にドラム要員より後に動ける素早さは約169。
主力になる仲間モンスターの多くはこの水準以下か、超えていてもわずかということが多い。
ただ、DS版ではランダム成長が見直された結果標準値より上振れを起こすので、もしこだわるのであればあえて低成長パターンを引き続ける厳選は結局必要になるだろう。
DQ6(SFC版)
(素早さ+20)*(n/100)
- 小数点以下切り捨て
- 50≦n≦100
- nは整数
の式で計算を行い、数値の大きい者から順に行動する。
万が一同じ数値になった場合は、先頭の味方キャラ→…→最後尾の味方キャラ→一番左の敵キャラ→…→一番右の敵キャラの順で行動する。
やはり敵味方双方の素早さが20に満たないような序盤は行動順が安定しづらく、双方の素早さが上がるにつれて安定しやすくなる。
素早さ10の相手に対して確定で先攻できる素早さは40、相手が20なら60、40なら100といった具合に確定先攻のラインは2倍近くに収束していく。
中盤以降は相手の2倍の素早さがあれば概ね先攻できると考えてよく、2.5倍なら概ね確定先攻ラインに届く。
本作でも【まじんのよろい】が続投しているが、DQ5とは違って素早さが0でも敵の素早さが低いと後攻確定とはならない。
大体の作品ではこれと似たような式が適用されているのではないかと思われる。
本作ではシリーズで初めて素早さが回避率に影響する作品になっている。
と言ってもクリアレベル帯では実感できるような差はなく、素早さが400を超えたあたりから目に見えて回避できるようになる。
素早さがカンストの500に達すると、素の状態でみかわしの服に匹敵する回避率を見せるようになる。
DQ10オンライン
リアルタイム戦闘であるこの作品では行動間隔に影響する。
詳しい仕様はこちらで。
戦術活用
基本的には、呪文を使う後衛キャラにとって重要になるステータスである。
戦士系が攻撃する前に、集団攻撃呪文によって敵全体を一気に弱体化させ、狙いを定めやすくするのは有効であり、戦士系が攻撃する前に攻撃補助呪文をかければ、補助効果は攻撃1回分得できるので、効果的になるだろう。
敵に攻撃される前に状態異常系の補助呪文や防御呪文を使えば、大きなダメージを受けずに済み、何よりもピンチに陥った時に次のターンに敵に攻撃される前に素早く回復呪文を唱えることができると、それだけで【パーティ】の安定性が大きく向上する。
ただ、DQ11では攻撃役は軒並み素早さが高め、回復役や防御呪文・特技の使い手は軒並み素早さが低めという調整がされている上に【ピオラ】系・【ボミエ】系の素早さ増減の倍率も弱体化、ボミエ系の命中率も低下してしまっており、ほしふるうでわを利用しない限りは「物理アタッカーが攻撃する前に攻撃補助呪文を掛ける」「敵に攻撃される前に補助呪文や回復呪文を唱える」といった戦術が取りにくくなっている。
また、同作では敵の素早さを下げるアイテムの【まだらくもいと】も、【せかいじゅのは】や【せかいじゅのしずく】並みかそれ以上に入手手段が限定的なレアアイテム化してしまっている。
このような調整がされているのは同作だけではなく、PS4版DQ11と同様の戦闘システムを採用しているDQMSLやDQ10オフラインでも(DQMSLでは対戦・マルチプレイのみ従来通りターンの最初にコマンド入力する)、攻撃役の素早さが高く補助・回復役の素早さが低い傾向がある。
なおDQシリーズではMMOでリアルタイム戦闘のDQ10オンラインを除き、システムとして、行動を始めてから効果が発揮されるまでのラグ(「攻撃前の予備動作」や「魔法の詠唱時間」など)が存在しない。
つまり、呪文の詠唱中に敵から攻撃や状態異常を受けて行動を止められるということがないため、素早ささえ高ければ真っ先に呪文を使うことができる。
他、【メタル系】のスライムを素早く倒したいときや、ザコ敵の攻撃を受ける前に掃討したいときに重視されるステータスである。
素早さの高いメンバーを揃えれば、ザコ敵に何もさせずに勝つことも可能。
メンバーの耐久力が低くとも、結果的に消耗を抑えながら冒険を進められることもある。
逆に素早さが低いキャラがいる場合、あと一撃で敵を倒せるという時に後手に回ってしまい、先に動けば倒せたはずの敵から余計な一撃を食らってしまうことも多い。
それがダメージの大きい全体攻撃だったりすると、戦闘後の回復呪文の使用量も一気に増えるため、結果的にパーティ全体のMPの消耗が激しくなる。
特にせっかちな冒険者に重視されやすく、DQ4の【ライアン】などが素早さが低いというだけで控えにまわされることもあるという。
なお、DQ6~DQ7では転職システムの仕様もあって、クリアレベル帯であれば味方メンバー間の素の素早さでは極端な差は付きにくくなっていたが、DQ8以降は役割分担が明確になったことで再びキャラクター間の差が非常に大きくなった。
高ければそれに越したことはないパラメータではあるが、素早さの低さを利用して敵の攻撃を受けた後に確実に回復したりするのも一つの戦法。
DQMシリーズなどでは1ターン目から【バイキルト】など補助呪文が掛かった状態で攻撃する、【すてみ】を確実に後攻で放つなどの目的のために敢えて下げる育成法が存在する。
ただし、作品によっては打撃攻撃の回避率に影響するし、特にザコ戦では素早さの低さが敵の攻撃の被弾数の多さに直結するので、そこは頭に入れておく必要がある。