ゲーム用語/タイムアタック

Last-modified: 2022-05-23 (月) 11:52:06

可能な限り短い時間でクリアを目指すこと。“TA”と略されることもある。
和製英語であり、海外ではSpeedrun(ゲームで用いられる場合は、Time trialなどもある)という。

概要

  • 元々はレースやモータースポーツにおいて、
    サーキットの周回タイムを競う行為を指す用語である(故に海外ではRunという単語が当てられる)。
    そこからゲームの用語として派生し、主にコンピューターゲームのやり込みの一つとして定着している。
  • ゲームにおいて「タイムを競う」という行為はやり方はどうあれほぼ全てのゲームジャンルで可能な事で、
    例えばアクションゲームでは特定のキャラクターを倒す、特定のステージをクリアするまでの時間が競われ、
    RPGではエンディングを迎えるまでの時間や、特定のボスを倒すまでの時間などが競われる。
    当、モンスターハンターシリーズにおいても、多くの作品でタイムアタックが行われており、
    作品によってはタイム計測が行われる実質タイムアタックのためのゲーム内コンテンツが存在したり、
    公式のタイムアタック大会が開催されるケースも。
  • モンスターハンターシリーズ(以下はハンティングアクションのジャンルに属する作品について指す)
    のタイムアタックは多くの場合、特定のモンスターの狩猟(クエストクリア)までの時間を競う場合が多いが、
    同じ「モンスターの狩猟」といっても、ガチ装備でいかに最速タイムを出すかを目標にするか、
    自分の好きな武器でいかに早く狩れるかを追求するか、
    持ち物・スキルなどに縛りを付けた上での限界に挑戦するか……などなど、さまざまな種類がある。
    また、マルチプレイでタイムアタックをするかソロプレイでタイムアタックをするかといった、
    人数に関する考え方も様々。
    ただ、自分の持つ技術のベストをいかんなく発揮することを目指すという点は共通している。
    タイムアタック自体がコンピューターゲームにおけるやり込み要素の一つとなっているが、
    モンハンについてはラスボス討伐後もゲームが続くため、
    ゲームをやり尽くした果てに最終的にこのタイムアタックに行き着くプレイヤーも居ることだろう。
    • ゲーム内でも特定のクエストのタイムは記録される。
      訓練所などの演習クエストでは装備などの条件も統一されるので、
      プレイヤースキルを計る目安として見られる場合もある。
      さらにMHFでは公式狩猟大会というイベントが開催され、公式にランキングが掲載される。
      ユニークなところでは、MHXXの特別体験版にクエストのクリアタイムを記録する機能がある。
  • タイムアタックは他人、或いは自分との戦いになることから、
    ある程度のルール(同じくレース用語から派生したと思われる"レギュレーション"とも呼ばれる)
    を設定して挑んでいるプレイヤーが多い。
    これは上述した「縛り」のほかに、タイムの計測区間や、
    モンハンではあまり聞かないが連射機パッドの使用有無など多岐にわたる。
    勿論このレギュレーション自体、ローカルルールに近い代物であるため、
    人によって、或いはタイムアタックの中身によっても変わってくるため、
    全世界の全プレイヤー間で統一されたルールがあるわけではない。
    • 例えば現在のメインシリーズではソロTAの記録を専門に扱ったファンサイト(wiki)が存在するのだが、
      このwikiでは掲載の基準として、
      火事場禁止、各種拘束アイテム禁止などの独自のレギュレーションが設けられている。
      ただしこれはあくまで当該wikiへの掲載が許可される条件に過ぎず、
      モンハン界隈全体において、TAは火事場禁止などのルールが定まっているわけではない。
      そのルール外のTA動画(火事場など)を当該wikiに乗せる事はできないが、
      だからと言ってその動画にいちゃもんをつけるなどはもっての他であろう。
  • モンスターを早く狩るコツはたくさんある。
    モンスターの動きを把握しているのはもちろんのこと、なるべく弱点を狙うようにしたり、
    特定の行動を封じる立ち回りをするなど工夫できる余地はたくさんある。
    また、レギュレーションにもよるが攻撃を的確に避けるのも非常に重要である。
    タイムアタックとなるとついつい攻撃を優先しがちであるが、
    それが災いしてモンスターの攻撃を受けてしまうと攻撃をくらって吹っ飛ぶ時間がロス、
    また回復する時間もロスになる。
    モンスターが反撃してくると思ったら、「あと一発」を我慢して相手の攻撃を回避しよう。
    そうすれば、その攻撃後の隙を突いてまた攻撃できる。
  • レギュレーションで縛っていないのなら、そのモンスターに対して有効な武器やスキルを揃えたり、
    罠や閃光玉を使うなども場合によっては効果的である。
    禁止していないなら麻痺睡眠ハメなども駆使することになるだろう。
    先述したようにそのような手段を全て封じ、+初期武器でのタイムアタックという、
    傍から見ると狂気の沙汰としか思えないようなタイムアタックもある。
  • 近年では、リアルタイムアタック(RTA)というレギュレーションの動画も多く見られる。
    これは電源投入(もしくはゲームスタート)からエンディングなど一定の計測点までの実時間を計測する、
    というもので、休憩やトイレタイムなども全て計測時間として含める、ラリーのような種目である。
    モンハンの場合、大型モンスターを何度も狩って、時には採取や釣りをじっくり行い、
    それで得た素材で装備を作成して強敵に挑む……という流れはタイムを重視すると運にも左右される上に、
    単体のモンスター狩猟や高難易度クエストのタイムアタックの方が圧倒的に人気が高く、然程精力的に取り組まれていなかった。
    しかしながらモンハンシリーズの高い知名度もあって全く実践されていないというわけではなく、
    エンディングまでレベル上げという概念が実質無い(つまりその工程は無視できる)といった点が注目され、
    RTA動画もいくつか見られるようになった。
    • RTA自体、元々は純然たるアクションゲームで操作技術を競うという側面が強く、
      モンハンの場合それは単体の狩猟動画で事足りるという事情はあるのだろう。
      後にRPGなどの他ジャンルでもRTAが活発に行われるようになったが、
      生身の人間が活動可能な時間で考えても比較的無理のないプレイ時間に収められる、
      というのもRTAを行える条件として重要であり、モンハンの場合やや現実性を欠く側面があるのは否めない。
      (1日でラスボスまで言ったという報告が新作発売時によく挙がるが、いわばそれがRTA的なものであろう)
      そのためモンハンにおけるRTAにおいては、ラスボスクリアまで、看板モンスターを倒すまで、
      その他特定クエストに辿り着くまで等そのレギュレーションは多岐に渡る。
      ラスボスクリアまでは非常に時間が掛かるが、
      看板モンスター討伐までや特定クエストまでであれば然程時間が掛からない為、挑戦してみてもいいかもしれない。
      中にはMHP2Gでティガレックスを倒すまでと称し忍び寄る気配のティガレックスを狩るまでのRTAを行うなど
      ある意味では裏技に近い形式のRTA動画も見られる。
      • 裏技やバグの使用については、「バグあり/なし」という形で明確に区分される。
        というのも、バグや特殊な仕様などで何らかの裏技的な攻略を多々組み合わせられるゲームにおいて、
        人力でそれらを起動させる事によって通常とは全く異なるルートで攻略を進める事が可能だからである。
        例えばモンハンで言えば、
        キャラクター作成画面で特定コマンドを入力するとなぜか村クエが全てクリアされた状態でオープニングが始まる
        等といったことがゲームによっては平然とまかり通っている。
        それと通常条件のRTAでは場合によってはゲーム性そのものが変わるため、
        協議制を重視するコミュニティでは明確に区分されるのが基本となっている。
        モンハンの場合比較的近代のゲームという事もあってそこまで決定的なバグがどのシリーズにもないため、
        あまり重視されていない(同時にRTAがそこまで流行らなかった理由でもある)。
  • モンハンシリーズのプレイ動画は各動画サイトに多々あるが
    TA動画はその中でも花形であり、再生回数も非常に多い。
    また、TA動画の投稿をきっかけに流行した戦術、武具構成は数知れず、
    中にはゲームに対する(ネット上の)価値観を大きく変えてしまったという例もある。
    • メインシリーズで言えばラオートや回避ランス、W属性速射などはTA動画をきっかけに広まった代表例といえる。
      MHFでは、火事場スキルの価値観がTA動画によって大きく変わり、
      その価値観がネット上における「プレイヤーの常識」にまで至り、
      一方でそれは実際のプレイヤーの動向とは異なり、長年大きなズレが生じていたという事例がある。
      • TAの立ち回りが上にあげた「その作品での強戦法」を実行しているのはほぼ間違いないのだが、
        モンスターの攻撃に対する見切りなど、当人の日々の研鑽の成果の要素も忘れてはならない。
        そのため、彼らと同じ装備をそろえても同じようなタイムが出せるとは限らない、
        どころかクリアさえおぼつかない場合もある。
        もちろん、それができるように努力を積むのも重要だが、
        ただクエストをクリアするだけならより簡単な方法がある...かもしれないということは頭に入れておきたい。
      • また、タイムアタックでよい結果を残している武器は文句なしの強武器といった意見や、
        逆に、タイムアタックでの採用事例が無い武器は弱いので使う価値がないとまでする意見もあるが、
        そもそも武器の強弱は採用する戦法やプレイヤーの技量、相手取るモンスターに狙う部位まで様々な要因が重なるため、
        決してTAの結果だけで一元的に評価できるものではないことは注意する必要があるだろう。
      • 特に近年の作品のTAでは、ネコの火事場力などの、
        発動手軽だが極端にハイリスクハイリターンな物理火力増強手段が用いられることが多い。
        それに比して物理偏重の武器がTAで人気となるケースが数多くあるが、
        この現象が一般的なプレイヤーを想定したゲームバランスと乖離している可能性も十分に考えられよう。
  • TA動画はいずれも「試行錯誤の産物」であり、
    スポーツと同様、何度もやり直して初めて良い結果を出せたのを投稿した、というケースは珍しくないのだが、
    モンハンの場合このTA動画の人気が非常に高いため、
    「(TA動画でやっているから)○○は必須、○○は出来て当然」などの極論が噴出したり、
    全く安定しない、もしくは高い技術で初めて成立するモノを初心者が扱って上手くいかない
    (もしくは大問題になる)ケースが後を絶たない。
    また、人気ゲームの人気ジャンルの動画の宿命とも言えるが、コメント欄が非常に荒れやすい
    (こちらも参照のこと)。
    動画を見てなにを思うかは自由だが、それを口にだす場合は
    他の人がそれを見て不快に感じるかどうかを考えてから行うべきである。
  • 上記の極論と似たようなもので、TAのタイムを基準と考え
    「(TAで上位だから)○○は強武器」「△△は弱武器」と決めつける人も見られるが、これもまた的外れな意見である。
    既述のとおりTA動画の戦法は誰にでも真似できるわけではなく、中にはまるで安定しないものも多くあり
    武器自体の性能差(火力差)を必ずしも意味しないからである。
    TAで良いタイムを出す強武器だと知って担いだはいいが、
    通常の狩猟で思ったほど良好なタイムが出ないという経験をしたプレイヤーも多いのではないだろうか。
    • タイムアタックは99回失敗しても1回だけ速いタイムを出せれば勝利という条件の勝負であり、
      通常の狩猟では基本的に攻撃を受ける可能性を減らすように行動するが、
      タイムアタックではモンスターが都合のいい行動*1をとらなければタイムが短縮されない場合も多々あり、
      そもそも都合のいい行動以外は負けなので都合のいい行動が来る前提で動く事さえある。
      9割の危険な行動と1割のボーナス行動が来る可能性がある場合、
      通常の狩猟では前者、タイムアタックでは後者の行動に対処するように動くという事である。
      大技が主火力となるチャージアックス等では特に顕著な傾向であり、
      根本的に戦い方が異なる為、
      通常狩猟におけるスペックとは全くの別物と言える。
    ……というのが建前ではあるが、
    残念ながらというべきかTAのタイム差=武器種(或いは武器そのもの)の根本的な差と考える向きは収まる気配がない。
    特に「同じモンスター」に対し「同じプレイヤー」が「異なる武器(種)」を使って挑んだ場合、
    肉質や実力の差(ただしその武器への慣れ不慣れは考慮すべきだろう)が出にくく、
    TAのタイム=その武器のポテンシャル(火力差)に結びつきやすい。
    1分程度の誤差なら行動運なども絡むので何とも言えないところであるが、
    仮に2倍3倍のタイム差が出れば、それを根本的な火力の差だと考えてしまうのは無理からぬところである。
    • なお、与ダメージ値が可視化されていなかったシリーズにおいては、
      そもそも有効と考えられていた戦法が実は大して強力ではなかったため、
      結果的にタイムが伸びず「この武器種は弱すぎる」と判断されるケースもあった。
  • また、モンハンに限ったことではないものの、
    人気の高いジャンル故に不正(チートなど)に手を染めてしまう人も居るようであるが、
    大体の場合はそれが発覚するのは時間の問題で、待っているのは嘲笑か、糾弾のどちらかである。
    wikiや動画サイトなどで定められたレギュレーションでそのような違反を行った場合、
    記録としては永久に取り上げられなくなるなどの厳しい処分が下されるケースもある。
    • モンハンでは開始もしくは終了時等にメニューからステータスや装備詳細を表示している動画も多い
      (これは装備のPRや、スキル構成を参考として例示する目的がある)が、
      MH4の(自称)タイムアタック動画の中には改造発掘武器を使ったものが散見された。
      使われる改造武器は武器倍率や属性値が本来の最高値より高いという分かりやすいものから、
      各数値自体は正規の範囲内だが組み合わせが有り得ない*2などといった例がある。
      同作ではチートが大問題になったのだが、このようなやり込み系動画にも影を落としていたと言える。
      なお、攻略本により発掘装備の詳細が判明した現在では改造であるとバレバレである。
  • タイムアタック自体は極端な話がストップウォッチさえあれば誰でもできるのだが、
    それを動画に残してアップロード(もしくはタイムアタック自体を動画配信する)するには一定の環境が必要となる。
    動画に残す方法に関しては様々な機器やソフトがあるが、
    据え置き機(=TV出力できるもの)またはPCでプレイできるシリーズの方が導入ハードルが低い傾向はある。
    ちなみにタイム計測は動画を撮れば編集段階でおのずと計算可能なので、
    ストップウォッチ自体も実は必要なかったりする。
    クエストクリアタイム(或いはクエスト残り時間)が出る作品であれば猶更正確かつ簡単だろう。
  • 当初からPC&ネット環境必須であったMHFにおいては上記の環境を標準で満たしていると言ってもよく、
    PCスぺックに余裕があることが前提だがその気になれば基本プレイ環境から追加投資無しで録画して投稿することが出来た。
    そのため、サービス終了までの長期間に渡ってTA動画が多数投稿されていた。
    フォワード.5にて実装された「狩人応援コース」(旧称:フォワード応援コース)に攻撃力1.2倍効果があると判明した際には、
    MHFのTA動画は今後は追加課金必須となる→それを嫌ってTAが廃れるだろうと主張するハンターが少なくなかった。
    ただ、この追加コースの凄まじさが実態以上に各所で喧伝されたことで、
    「狩人応援コースを使用しないTA」も動画として非常に見ごたえがある、という風潮になり、
    狩人応援コースを利用した極限のTAと、応援コースを使用せず最速を目指すTAどちらも需要が生まれた。
    その後応援コースなしでも恐るべき火力を発揮できるほどインフレが進んだことと、
    応援コースのクエスト中効果を無効化するTA・チャレンジ向けの超高難度クエストが登場したことで、
    TAにおける応援コースの是非は特段言及されることはなくなっていった。
    • また、同作はオンラインゲーム故にアップデートによる価値観の変化が常に起こってきたのだが、
      そのフォワード.5以降については、価値観の変化がTA動画をきっかけとするケースが多々見られるようになっていった。
      そして先述した火事場スキルの件にもある通り、
      TA動画で醸成された価値観とゲーム内の価値観(実情、と言い換えてもいい)のズレが生じるケースが出るようになった。
      最終的にはTA動画とゲーム内での実情はほぼ切り離された(棲み分けされた)状態となり、
      これらが原因でゲーム内でトラブルになったという事例はそこまで聞かれなかった。
      この辺りは同世代以後のメインシリーズでも似たような状況に突入していくため、本作特有の事象とまでは言い難いが。

関連項目

ゲーム用語/ソロ - 必ずしもTA=ソロ狩り、ではない。


*1 隙の大きい攻撃や威嚇行動を連発するなど。
*2 武器倍率250のスシロー大剣、会心率40%の白40太刀など。