No53 ペネロピ/元ネタ解説

Last-modified: 2019-01-02 (水) 03:01:09
所属Royal Navy
艦種・艦型アリシューザ級軽巡洋艦
正式名称HMS Penelope (97)
名前の由来Πηνελόπη(Penelope) ギリシア神話に登場する女性 イタケー王オデュッセウスの妻で美女であり貞淑の象徴とも言われる
起工日1934.5.30
進水日1935.10.15
就役日(竣工日)1936.11.13(1936.11.15)
除籍日(除籍理由)不明(1944.2.18沈没)
全長(身長)154.2m
基準排水量(体重)5220英t(5304t)
出力Admiralty式重油専焼缶4基Parsons式蒸気タービン4基4軸 64000shp(64887.7PS)
最高速度32.25kt(59.72km/h)
航続距離10.0kt(18.52km/h)/12000海里(22224km)
乗員500名
装備(1940)6inch50口径Mk.XXIII連装砲3基6門
4inch45口径Mk.XVI連装両用砲2基4門
エリコン20mm機関砲x6
ヴィッカーズ0.5inch機関銃x8(4x2)
21inch三連装魚雷発射管2基6門
装甲舷側:2.25inch 甲板:1.25inch 砲塔:1inch バーベット:1inch 隔壁:1inch 弾薬庫:1~3inch
建造所Harland & Wolff Heavy Industries,Belfast, Northern Ireland
(ハーランド・アンド・ウルフ重工 連合王国北アイルランド国アントリムダウン州ベルファスト区ベルファスト市)
  • 軍縮条約の制限に沿う形で建造されたアリシューザ級軽巡洋艦の三番艦。
    名前は叙事詩オデュッセイアに登場するオデッセウスの妻ペーネロペーの英語読み。(ペネロープとも)
  • アリシューザ級はイギリスの広大な植民地を経由する輸送ルートの護衛という目的のため、
    個艦の戦闘能力は突出しない平凡かつ堅実な設計でまとめられている。
    6インチ連装砲三基、4インチ連装高角砲四基、0.5インチ四連装対空機銃二基に加え、
    大型艦への自衛策として21インチ三連装魚雷発射管2基を両舷に備えている。(片舷射線は3本)
    ペネロピはその後度重なる空襲で損害を受けたため、40mm四連装ポンポン砲二基とエリコン20mm単装対空機銃六基を増設した。
  • ペネロピは開戦時マルタ島に所属していたが、ドイツ艦隊への対抗策として本国に戻り、ドイツ海軍と戦った。
    その後ロンメル率いるドイツアフリカ軍団の進撃により地中海の雲行きが怪しくなると、ペネロピは妹のオーロラ、そして二隻のL級駆逐艦と共に「K部隊」を結成。
  • 1941年10月K部隊はマルタ島に到着し、翌月にはデュースバルク船団を攻撃して大きな戦果を挙げた。
    この一月だけでK部隊は増援であるB部隊とともにイタリア軍が用意した北アフリカへの補給の約6割を文字通り海の藻屑へ変えた。
    ドイツとイタリアはこのマルタに刺さった棘を抜くため大規模な空爆を続けた。ペネロピは損傷を受けマルタからの離脱もままならず、
    修理しては損傷し、また修理しては損傷しと1942年の3月いっぱいマルタに閉じ込められ、隙を見て離脱したが避難先のジブラルタルでも空襲にあい損傷する。
    全身穴だらけの艦の姿はまるでコショウ瓶のようであった。
  • 本国のドックがいっぱいのためペネロピは応急修理を済ませると一路大西洋を横断してニューヨークへ移動し、そこで本格的な修理を受けて本国へ帰還。
    その後再び地中海へ向かい、連合軍のイタリア上陸作戦を支援し続けた。
  • 1944年2月18日、ドイツ軍潜水艦の魚雷2発が機関室に直撃し沈没。
    艦長以下乗員2/3が戦死している。

小ネタ

海洋冒険小説「巡洋艦アルテミス」のモデルはペネロピとされ、まえがきに本書を捧ぐと記述されている。