No542 カリブディス/元ネタ解説

Last-modified: 2023-01-02 (月) 00:58:43
所属Royal Navy
艦種・艦型ダイドー級軽巡洋艦
正式名称HMS Charybdis (88)
名前の由来Charybdis ギリシア神話に登場する海の怪物
起工日1939.11.9
進水日1940.9.17
就役日(竣工日)1941.12.3
退役日(除籍後)1943.10.23(セット・イル沖海戦にて沈没)
全長(身長)156.0m
基準排水量(体重)5600英t(5690t)
出力Admiralty式重油専焼缶4基Parsons式蒸気タービン4基4軸 62000shp(62859.9PS)
最高速度32.25kt(59.72km/h)
航続距離16.0kt(29.63km/h)/4240海里(6824km)
乗員480名
装備(就役時)4.5inch45口径Mk.I連装両用砲4基8門
4inch45口径Mk.V単装高角砲1基1門
ヴィッカース2ポンド機関砲x2(1x2)
エリコン20mm機関銃x8(1x8)
21inch三連装魚雷発射管2基6門
装甲舷側:3inch 甲板:1inch 砲塔:0.5inch 隔壁:1inch 弾薬庫:2inch
建造所Cammell Laird,Birkenhead, Merseyside
(キャメル・レアード社 イングランド国北西イングランド地域マージーサイド州バーケンヘッド市)
  • カリブディスはイギリス海軍が建造したダイドー級防空巡洋艦の1隻。
    船体建造が先行し主砲の生産が遅れたため、他の同型艦と異なり5.25inch砲ではなく4.5inch高角砲を主砲とした(=ダイドー級第3グループ)。
  • 1939年11月起工、40年9月進水、41年12月就役。
    就役後本国艦隊に配属となってしばらくは機雷敷設作戦の護衛に従事し、翌年春にはH部隊に転属。
    米空母ワスプ、英巡戦レナウンらの護衛のためジブラルタルに向かった。
    その後もマルタ島へ航空機を輸送するワスプをはじめとした空母の護衛のため、幾度となく地中海を駆けずり回り、バワリー作戦、ハープーン作戦などの輸送作戦での護衛を完遂した。
    42年8月のペデスタル作戦では輸送船団が空中と海中からの度重なる攻撃を被り、護衛の艦隊にも被害が続出した。
    カリブディス自身は僚艦の救援や必死の防空火力提供でその場を凌ぎ、事なきを得た。
  • 9月からは活動海域を大西洋に移し、ドイツの封鎖突破船狩りに参加した。
    しかし10月に再び地中海方面への輸送作戦が決行されるとその援助に向かったり、11月末には北アフリカ上陸作戦の火力支援に呼ばれたりなどした。
    年末から43年春にかけて一旦本国に帰還して改装を施され、再び各所のパトロールのため出撃。
    北海、ビスケー湾、地中海と転々としながらも、1943年を過ごしていく。
  • 転機は1943年10月。
    戦略資源を載せたドイツの封鎖突破船がやってきていることを暗号解読にて察知したイギリスは、これを迎撃すべくカリブディスを中核とした水雷戦隊を編成、魚雷艇4隻に守られた輸送船を狙った。
    23日の未明、カリブディスがレーダーでドイツ護送船団を捕捉、戦闘態勢に入った(=セット・イル沖海戦)。
    しかしイギリス側で無線情報のやり取りが錯綜してしまった結果、初動をドイツに譲る結果になってしまう。
    封鎖突破船の護衛にあたっていた独水雷艇T23をはじめとした先制雷撃を一気に食らってしまったのは、不幸にもカリブディスであった。
    2本の魚雷によって無残にも船員の8割を失う轟沈を遂げてしまったのだった。
    • ちなみに、おめあての封鎖突破船はどうにか突破させずに済んだものの、ドイツ水雷艇側には全く損害を与えることなく逃してしまった(なんならT23は戦争を生き延びてさえいる)。