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ギミックパーティの作り方
トリプルバトルのギミックについて
このページでは、ギミックを『2体以上で成立する』『決まると勝ちに直結する』技、特性、持ち物の組み合わせとします。
トリプルバトルでは、以下の理由から決まると勝ちに直結する技の組み合わせが多いです。
- 6体全てバトルに参加するため、ギミックのために特定の2体を絶対に選出するということに対してハードルが低い。
- ギミック成立のための2体に加えてもう1体場に出ているため、相手の妨害に対して3体目が干渉できる。
- 中央のポケモンは相手のポケモン3体に干渉できるため、1行動で与えられる被害が他のルールに比べて大きい。
本稿で扱うギミックの定義
トリプルバトルの勝利条件は『自分のポケモンが6体ひんしになる前に』相手のポケモンを6体ひんしにする事です。
また自分がミスしない限り、自分の技によって全滅することはないため、自分が負ける要因は相手の行動によるものです。
つまり決まると『勝ちに直結する』ギミックは『相手の行動を無意味にする』ギミックになりそうです。
相手の行動を無意味にする要素を以下の4つに分類します。
- 相手のポケモンを行動する前に倒すことで行動をスキップさせる。
- 1体の範囲技持ちを他の2体でサポートして3体まとめて倒す。(例:袋叩きパーティ,いかりのつぼパーティ)
- 相手を1発で倒せる単体技持ちを3体並べて倒す。(例:輪唱パーティ,『ノーガード』+『なりきり』+一撃必殺)
- ねむりやひるみによる行動スキップ。(例:『ねこのて』+『ダークホール』,『みずのちかい』+『ほのおのちかい』+『いわなだれ』)
- 相手の攻撃技を無効にする。(『がんじょう』ヌケニン,『ちいさくなる』+『じこあんじ』)
ここでは、最も扱いやすい『1体の範囲技持ちを他の2体でサポートして3体まとめて倒す』ギミックの内、最もシンプルかつ有名なギミック
「特性せいぎのこころの味方ポケモンにふくろだたきを使うことでこうげきを6段階上昇させる」ことを目的としたパーティ(通称叩きパ)作成の例を挙げます。
手順0.ギミックの選定
『1体の範囲技持ちを他の2体でサポートして3体まとめて倒す』ためには『範囲技』と『その攻撃力を上げる手段』が必要です。
攻撃力を上げる手段は、ポケモンWikiの以下のページにまとめてあります。
このうち1つの要素で上げられる最大倍率はA+6段階上昇させるギミックの4倍で、以下の4つがあります。
- 「せいぎのこころ」のポケモンに「ふくろだたき」をする。
- 「いかり」を使っているポケモンに「ふくろだたき」をする。
- 「いかりのつぼ」のポケモンに急所に当たる技を使う。
- 「はらだいこ」を使う。
このうち「はらだいこ」は使った後すぐに攻撃に移れない事、「いかり」は手数が増えていることから、「いかりのつぼ」「ふくろだたき」を今回は検討します。
また、物理技の範囲技は「いわなだれ」「じしん」「じばく」「だいばくはつ」です。
範囲技エースを使い捨てにしたくないため今回は「いわなだれ」「じしん」を覚えるポケモンを検討します。
手順1. メインアタッカーの選定
まずは『ポケモン徹底攻略』をはじめとするデータベースサイトで、上の条件を満たすポケモンを検索します。
すると、11匹の候補ポケモンが現れます(括弧内はこうげきの種族値)
せいぎのこころ:アブソル(130)/ルカリオ(110)/エルレイド(125)/テラキオン(129)
いかりのつぼ:マンキー(80)/オコリザル(105)/ケンタロス(100)/バクーダ(100)/メグロコ(72)/ワルビル(82)/ワルビアル(117)
この中からメインアタッカーを1匹選びましょう。(2匹以上選んでもいいが、構築難易度が跳ね上がるので初心者にはおススメしない)
メインアタッカーに求めるのは相手を1発で倒せる火力です。火力を比較する場合、火力指数という値を使います。
火力指数とは技の威力×攻撃実数値×補正値(タイプ一致,Wダメージ補正等) の事でこの値が等しい場合大体同じダメージが入ると類推できます。
無補正252振りのメインアタッカー候補がA6段階上昇で範囲技を使った場合の指数を比較してみましょう。
ただし、トリックルーム下で運用するポケモンなら実際はA特化で運用されています。
順位 | ポケモン | A実数値 | 技 | 指数 |
---|---|---|---|---|
1 | ワルビアル | 169 | じしん | 76050 |
2 | バクーダ | 152 | じしん | 68400 |
3 | テラキオン | 181 | いわなだれ | 61087 |
4 | ワルビル | 134 | じしん | 60300 |
5 | メグロコ | 124 | じしん | 55800 |
6 | エルレイド | 177 | じしん | 53100 |
参考 | メガガルーラ | 194 | すてみタックル | 52380 |
7 | ルカリオ | 162 | じしん | 48600 |
8 | オコリザル | 157 | じしん | 47100 |
9 | ケンタロス | 152 | じしん | 45600 |
10 | アブソル | 182 | いわなだれ | 40950 |
11 | マンキー | 132 | じしん | 39600 |
今回は、合計種族値・すばやさが最も高く、味方を巻き込まないタイプ一致範囲技(いわなだれ)を持つ「テラキオン」を選びます。
手順2. ギミック始動役の選定
続いて、わざ「ふくろだたき」を覚えるポケモンを検索しましょう。ただしギミックの相方が決まっているため条件を追加します。
テラキオンはすばやさ種族値が108と高く、トリックルームやおいかぜがなくともある程度のポケモンより速く行動できます。
そのため、「テラキオンより速く、ふくろだたき→A6段階上昇→いわなだれという動きが1ターン目から可能なポケモン」=「S種族値が109以上のポケモン」が望ましいです。
(一旦天候特性やこだわりスカーフ、テラキオンのS調整といった要素は無視する)
この条件を満たすのは以下の5匹のポケモンです(括弧内はすばやさの種族値)
ダグトリオ(120)/ニューラ(115)/エテボース(115)/マニューラ(125)/エルフーン(116)
この中からギミック始動役を1匹、または2匹選ぶ。なるべく「メインギミックに無関係でも強い行動を使える」ポケモンを優先して選びましょう。
上記5匹なら、マニューラ(速いねこだまし,プレッシャーによるスカーフ判定,フェイントなど)か、エルフーン(特性による優先度+1おいかぜやアンコール)が最有力。
手順3. ギミック補佐役の選定(ギミック阻止の妨害)
ここまでの2匹でギミックは完結したが、トリプルバトルは3匹のポケモンを並べるゲームです。
当然相手も3匹のポケモンを並べることができるので、こちらのギミックを阻止することは難しくありません。
そこで、3匹目のポケモンは「こちらのギミックを阻止しようとする行動を妨害し、ギミックを成功させやすくするポケモン」を選びます。
- 選び方のポイントは、下記「ギミックの通し方」の項目を参照。
手順4. サブアタッカーの選定
ギミックパーティ作成のための重要なポイントは、「残り全ての枠をギミック補佐役に割いてはいけない」という点です。
余程強力なギミックでもない限り、1匹のアタッカーで相手6匹を全て倒すというのはまず無理。
そこで、メインアタッカー以外にも、ギミック関係なく強く戦えるポケモンを(なるべく多く)選定することは重要です。
上の叩きパの場合、メガシンカ枠が埋まっていないので、サブアタッカーとなるメガシンカを考えます。
苦手を補えるポケモンを探すため、テラキオンの苦手な要素を挙げます。
- いわ+かくとうの範囲を受けられるギルガルド
- 天候補正込みの一致弱点技を使う、A6段階上昇いわなだれで一撃で倒せないニョロトノ+『すいすい』により上をとってくるルンパッパの組み合わせ
- はがねタイプ+ニンフィアなどいわなだれで一度に倒せず、1体でも動けばテラキオンを倒せるという組み合わせ
これらに有利なメガシンカ枠を考えると、メガリザードンYが候補に挙がります。
手順5. 実戦
構築の6匹が決まったら、早速実戦をしてみましょう。
脳内ではうまく動いていても、実際に使ってみると思わぬ欠点が見つかったりします。
それをひとつずつ修正していくことで、完成度の高いギミックパーティは完成します。
ギミックパーティの心構え
トリプルバトルはポケモンが横に3匹並ぶため、ギミックのサポート幅が広く「最もギミックパーティに向いたルールである」と言える。
しかし、トリプルバトルはギミックで簡単に勝てるゲームではない。
- ギミックが阻止されやすい
- ギミックが決まらなかった時のことが考慮されていない
- ギミックのパワーが足りない
等の要因があると、ギミックパーティは非常に勝ちづらいものになってしまう。
成功率が非常に低いギミックを量産するよりは、以下の項目などを考慮して「勝てる」ギミックパーティを作ることができると楽しくなるだろう。
ギミックの通し方
見るからに変な行動をしそうなポケモンが何ターンも自由に動けるほど、トリプルバトルは簡単なゲームではないため、ギミックを通すにはそれなりの準備と補助が必要となる。
変な行動をしそうなポケモンの画像があると楽しい?
ギミックサポートの手段
最終的にアタッカーの能力を上昇させることが目標なら、サポート役がどんな行動
- ねこだまし
相手1匹の行動を阻害する - このゆびとまれ・いかりのこな
相手単体技の方向を変え、ギミックを使うポケモンを守る。 - ファストガード
ねこだましに代表される先制技を防ぐ。 - S操作
相手より先に行動することで、邪魔されにくくする。 - 強力な攻撃
無視できない強力な攻撃技を持つポケモンを隣におき、ギミックと攻撃技の2択を迫る。
例)
・メガガルーラのグロウパンチ+ニンフィアのハイパーボイス
・エルテラにおけるメガリザードンY - ドーブル
ダークホールにより相手は無視が難しいため、隣のギミックを通しやすい。ギミックかダークホールの2択をせまる。
相手の妨害をどうくぐり抜けるか
- ねこだまし対策
ファストガード
相手より速いねこだまし
ねこだましが無いターンを作る
例)
・相手を倒さない程度のだいばくはつで味方のS操作役を処理し、本命のギミックを展開する。参考文献:ホロウビアルアンビシャス
・ムーブによってねこだましのターンをずらす。テクニック集参照
- このゆびとまれ・いかりのこな対策
ねこだまし
ぼうじんゴーグル
ムーブで対象範囲から逃れる。テクニック集参照
- 先制技対策
ファストガード
このゆびとまれ・いかりのこな
ギミックは初手に決める必要はない
初手は相手にとっても1番ギミックを警戒するターンであり、選出段階でギミックを読まれると高い確率でねこだまし役が出てくるだろう。
慎重にサイクル戦を戦い、磐石な体制でギミックを起動できるのが最良。
ギミックを警戒させない
という並びからねこのてダークホールを警戒することは難しい。
ガルーラ軸スタンダードに近い並びにすることで相手の警戒をそちらに向ける。
相手は見慣れたポケモン/並びであるほどギミックは警戒しづらく、逆に珍しいポケモンほど警戒してパーティ内の役割を選出前に見抜こうとする。
旅パ偽装
旅パ参照
パーティの強さを偽装し、舐めてかかってきた相手を返り討ちにする。
異なるギミックと同居させる(検討)
メガボーマンダ/バンギラス/ドリュウズ/モロバレル/ニンフィア/ゴウカザルという並びは一見すると砂嵐パーティである。
実際は砂嵐のほかに輪唱パーティの性格があり、ドリュウズやモロバレルがりんしょうを起動してボーマンダやニンフィアで攻撃するギミックを持つ。
ギミックが成立したあと、勝ちに繋げる
トリプルバトルはチャールズも言っているように、相手のポケモンを6匹ひんしにするのがゲームの目的であり、ギミックを決めても勝利出来なければ意味がない。
火力増強系ギミックが成立した場合、強くなったエースをどう扱えば勝利につながるかを考えよう。
例)
- エースを増やす
じこあんじ・へんしん - エースが倒せる範囲を広げる
じゅうりょく・フェイント - エースをまもる
このゆびとまれ・いかりのこな・いやしのはどう - ギミックに依らない攻撃手段を取る
といった手段がある
エルテラの劣化にならないか?
エルフーン+テラキオンによる袋叩きコンボ(以下エルテラ)はトリプルバトルでは最強のギミックとされ、ほとんどの火力上昇系ギミックはこれの劣化になると考えても良い。
使いたいギミックにどんなメリットがあるのかをよく考える必要がある。
エルテラに実現できない要素(火力・手数・耐久力・妨害耐性・速さ等)を持つ必要がある。
- ギミックに必要な行動回数
エルテラであればサポート役(エルフーン)の1行動(ふくろだたき)で完結する。
またアタッカー役のテラキオンがS種族値108とかなり速いことから、追い風サポートは必須にならない。
- 攻撃力の上昇幅と火力指数
エルテラならギミック成功で攻撃が最大6段階上昇する。
素のいわなだれの火力指数はとてもつよい配分で160×75×1.5×3/4=135,00 6段階上昇で54,000
ギミック成功時の火力指数はA194メガガルーラのおやこあいすてみタックルの194×120×1.5×1.5=52380以上となり、2手分でメガガルーラ3回行動分になる。
この火力以上を出せるギミックの場合火力で差別化ができているといえる。
A160テラキオンのA5段階上昇いわなだれの火力指数は47250、A177メガガルーラのおやこあいすてみタックルの火力指数は47790であり、いかく1回程度ならものともしない。
コメント
- ざっと書きましたが注意点ばかりで作り方方面の記述が全く足りません -- 2021-10-05 (火) 21:43:15
- 「カレーの作り方」のページに「包丁で手を切らないよう気を付けよう!」みたいなことが書いてある感じになってる(?)ので、作り方方面の記述がないといけないのは確かですね。とはいえそもそもギミック構築って括りが広すぎる気もしますが…。いくつか具体例を並べたりギミック構築って何?って項目だったりが必要な気も…?もっと言うとそもそも「構築の作り方」のページがないといけないのではという気もしてきたのでちょっと考える事多そうですねこれは。 -- ざわ 2021-10-06 (水) 00:36:59
- ギミックパーティの作り方というタイトルの記事に作り方の項目がないのは不自然なので、書いてみました。適宜追記などありましたらお願いします。 -- 2021-10-06 (水) 19:30:28
- ガチガチとは言わないでも、大まかにギミックの定義を決めた方が良さそうですね。手動雨と叩きパや追い風トリルスイッチなどザっと上げてみてもこれ全てが、このページで取り扱うギミックかというと叩きパぐらいしかギミックに見えないと個人的に感じてます。 -- 2021-10-06 (水) 22:31:47
- ギミックってなんだ!?って感じですよね 2体以上で何かするのがギミックなら「このゆびとまれ」で「おいかぜ」か「トリックルーム」を通すのはギミック? -- 2021-10-19 (火) 20:08:37
- 大火力を生み出す手段=ギミックという認識が多いと思うんですが、実際は 猫騙し・天候・S操作ですら 試合を有利に運ぶための要素になっているので ギミックと呼べるんですよね。定義云々は非常にシビアな問題。 -- 2021-10-21 (木) 15:37:42
- このページ内だけでもギミックの定義を決めた方が良いかもしれないね。↑のコメで言われてる猫騙し・天候・S操作もギミックと言うのは納得してるんだけど、そしたらトリプル構築殆どがギミックありになっちゃう。 -- 2021-10-21 (木) 16:08:56
- ギミックが何かという話について僕は「強い範囲技持ちポケモンをめちゃくちゃ強く動かす」ことだと思うので、メインアタッカー選定の前に強い行動が何かを考えるのが一番大事だと思うので最初の項目を追加しました。ただのトリックルーム噴火構築もギミック構築に入ると思っています。 -- 秋桜? 2021-10-22 (金) 09:58:56
- 「ランクを大きく変動させる」って括りだとツボや叩きと小さくなるが一緒くたになるけど全然タイプが違って、「単純に殴り合う以外の要素がある構築」って括りだと滅びパとかが混じるけど組み方が根本的に違って、「対面性能重視」「交代戦重視」「全体技エース軸」「特殊勝利」みたいな分類をしたなかで「全体技エース軸」についてを語るのがいいと思います。 -- 秋桜? 2021-10-22 (金) 10:19:47
- ギミックパーティの定義を自分なりに書いてみました。秋桜さんの「範囲技持ちエースをめちゃくちゃ強く動かす」を「範囲技で相手3体を縛る」と解釈した上で、記事内にねこのてダークホールやねこのて輪唱の言及があったため、それらを含めるまで一般化しました。 -- 2022-04-01 (金) 08:29:46