任務アイテム/内容

Last-modified: 2026-02-05 (木) 12:29:29

概要

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今州

『アーカイブ:今州最初の共鳴者』

測定日時:未年■■■■
測定対象:要確認(アーカイブにする必要はあるため、当該共鳴者の状態を速やかに確認してください)
共鳴能力測定報告番号:RA1001-G

【共鳴能力測定報告】
明確な共鳴開始時間なし。自身の共鳴能力に関する記憶は喪失中。
音痕が右手の甲にあり、共鳴後、身体に顕著な変異を示さない。共鳴能力発動中に、音痕と瞳孔に斑状の金色の光輪を顕現する。
周波数スペクトルの結果では多種多様な周波数に類似することが判明した。すべてのテストにおいても強い共振現象を示し、共鳴源の完全特定は不可。
ラベル曲線に収束がなく、明らかな周期性の特徴を示す。検査結果から先天性の共鳴者と判断する。

【オーバークロック診断報告】
波形は楕円状、時間領域表示は安定。異常波形なし。
診断結果:オーバークロック域は正常、安定性が高い、オーバークロック可能性はなし。オーバークロック歴はなし。

現在当該共鳴者が残された記録は、雲陵谷の戦いで極めて危険度の高い不明残像(無冠者)と戦い、それ撃破し、今州の危機を解決したことのみである。 無冠者を撃破したことにより、軍の士気は高まり、3日後の勝利に繋がった。その場に居合わせた兵士たちは、当該共鳴者が「角」と肩を並べていた姿を目撃したと証言する。同年、今州設置。
添付画像:今州設置記念式典(要修復)
研究員No.31によるコメント:データ破損が検出。次回のデータベースメンテナンスまでに処理してください。

『アーカイブ:飴玉ワクチンと残像潮の戦いの関連記事』

概要:蜚熱(ひねつ)は、現状では有効な治療法はないが、口腔ワクチンにより効果的に予防できる急性感染病で、6歳以下の子供に多い。蜚熱(ひねつ)ウイルスの感染力は非常に強く、症状は激しく、主に発熱、重度の肢体痛、部分的に不規則な重度の筋肉萎縮が主な症状である。医療部は、新型の弱毒生ワクチンの開発に専門チームを設立し、6月16日の午後3時にフェーズ3の臨床試験をクリアし、免疫効果が良好であることが示された。本総説は、このワクチンの研究進展を総括分析し、さらなる研究の参考となることを目的としている。

  1. 蜚熱(ひねつ)擬似ウイルスに基づく中和抗体検査法の初期応用
  2. 蜚熱(ひねつ)弱毒生ワクチンの注射の臨床効果
  3. 口腔蜚熱(ひねつ)弱毒生ワクチン「飴玉」の臨床試験報告

……
付録1 臨床試験被験者登録ファイル(1)

登録番号:CTR302001
氏名:相里衍(そうりえん)
性別:女
年齢:29
健康状態:健康、遺伝病なし。
試験フェーズ:フェーズ1臨床試験

登録番号:CTR302002
氏名:相里要(そうりよう)
性別:男
年齢:7ヶ月
健康状態:健康、遺伝病なし。
試験フェーズ:フェーズ1臨床試験
……
科員のメッセージ:相里先生……本当に大丈夫ですか?
返信:やらなければならないことです、私と子供から始めましょう。

関連ファイル
疫病状況報告:4月の蜚熱(ひねつ)による麻痺(まひ)症例は2178例に達し、死者は165人
華胥(かそ)研究院医療部は蜚熱(ひねつ)ワクチン研究チームを設立、首席は相里洐(そうりこう)
今州(こんしゅう)残像潮(ざんぞうちょう)が発生、輸送路が遮断、医療物資が運べない状態

タイトル:口腔蜚熱(ひねつ)弱毒生ワクチン「飴玉」の大量生産品質基準と輸送概要
報告者:華胥(かそ)研究院 医療部三級科員
報告番号:MD-E0510
概要:悲鳴(ひめい)が発生した際、今州(こんしゅう)瑝瓏(こうりゅう)残像潮(ざんぞうちょう)を防ぐ前線となり、最初の矢面(やおもて)となった。残像潮(ざんぞうちょう)は激烈で、夜帰(よき)軍は城の外で防衛線を張っているが、前線と後方の輸送路が長期間遮断され、ワクチンの保存と輸送の条件が厳しくなり、医療物資が運べない状態であった。医療部が開発した二代目の飴玉状ワクチンは、初代の液体ワクチンに比べて安定性が高く、保存と輸送が容易であり、子供が服用しやすい。本報告では、ワクチンの大量生産の品質基準と、ワクチンを含む戦時の医療物資の輸送状況について記録している。

  1. ワクチンの大量生産の品質基準
  2. ワクチンの保存と輸送の管理基準
  3. ワクチンの輸送の現状

二代目の飴玉状ワクチンの輸送用冷蔵車には温度モニタリング装置が装備されており、輸送中には専門の技術者が同行する必要がある。しかし、残像潮(ざんぞうちょう)の影響で、今州(こんしゅう)の主要輸送路が遮断され、市内の疾病が猛威をふるっている。ワクチンを適時に運ぶために、医療物資は7チームに分けて飽和輸送を行っている。輸送路の地形が険しく、避けることができない無音区(むおんく)が出現する可能性があるため、全行程に共鳴者(きょうめいしゃ)が同行し、物資が順調に運ばれることを確認する必要がある。8月5日までに、ワクチンの有効期限内に到着した輸送チームは1チームのみで、その輸送チームの共鳴者(きょうめいしゃ)は途中の残像潮(ざんぞうちょう)をクリアし、新しい輸送路を開いた。
……

付録2 参加した共鳴者(きょうめいしゃ)の検査報告

31号科員のメッセージ:この検査報告について……その物資を成功裏に運んだ共鳴者(きょうめいしゃ)は、そのような高強度の戦闘を経験したにもかかわらず、その波形は信じられないほど安定している、このデータは印象的であり、どこかで見たことがあると確信しているが、データベースに登録されている共鳴者(きょうめいしゃ)の中には、その特徴と同じものはない、これはどういうことだろうか?

31号科員のメッセージ2:見つけた、そのデータは、以前に偶然見た「最初の共鳴者(きょうめいしゃ)報告」に非常に似ているが、その時点ではまだ共鳴者(きょうめいしゃ)検査報告の関連基準が統一されていなかったため、その報告は現在のデータベースの区分には含まれていなかった、その報告をマーキングして待機区に入れたので、その共鳴者(きょうめいしゃ)の状況を確認して再分類してください。
(P.S 私は体調のために上司に休暇を命じられ、上記の関連作業は34号に引き継がれ、明日には引き継ぎが完了する予定です。)

34号科員のメッセージ:未年(ひつじどし)……建州の時の記録……でも、その二つの報告が同じ人だったら、その時間の経過はあまりにも長すぎませんか?これは、歴史に存在するはずの人物ではないですか?31号が回復してきたら、もう一度確認してもらいましょう、この報告は一時的に私のところに置いておきます、今は全院が忙しいし、彼もすでに3日連続で徹夜しているので、もう少し休んで……

『アーカイブ:今州華胥研究院』

【名称】今州華胥研究院

【組織紹介】
華胥研究院は今州の研究の中心で、瑝瓏華胥研究院の分院として、学術的な背景は長い、学術的な資料は豊富で、残像との戦争の最前線に位置しているため、科学技術の発展に非常に重視している、高価な研究成果が頻繁に出ている。
研究は高い独立性を持ち、瑝瓏の他の研究機関の干渉を受けないが、広範な学術的な交流があり、例えば、瑝瓏の科学研究の力を結集して推進しているデバイスと信号塔のシステム、他の地域とも一定の協力関係を維持している、歴史的には一度、稷廷の協力者の一つであった。
華胥研究院は、常設の四つの科を主力の研究部門として、様々な機能を担当し、科間では平行に研究を推進し、連携を行う、また、必要に応じて専門チームを臨時に設立し、重大な問題を集中的に解決する。
華胥研究院の最高責任者は院長で、行政管理の事務を主に担当し、実際の学術的なリーダーは首席研究員である。

【科の紹介】

理論科:
異常な現象を研究し、現象から理論を構築し、理論から対策を探求する。今州の境内の信号塔のネットワークモデルと鳴潮の天気予報システムを構築した。
主要な学科:潮汐学、反響声態学。
実践科:
様々な異常な現象を模擬し、解析と解釈を試み、異なる理論の中から正解を探し、継続的に最適化する。信号塔とデバイスの内部構造を設計した。
主要な学科:潮汐学、共鳴学。
安全科:
残像の弱点を分析し、残像を消滅させるための全ての理論的なサポートを提供する。共鳴者が使用する各型の黒石の武器を設計し、一般の人々のための残像の装備を開発した。
主要な学科:残像声態学、共鳴学。
資源科:
主に海蝕環境の利用可能な物質を研究する。野外で収集した素材を、実践科と安全科が使用できる貴重な研究サンプルに処理する。
主要な学科:潮汐物質学、残像声態学、植物声態学。

『アーカイブ:残像』

【名称】
残像

【分類】
唸り種叫び種しじま種轟き種騒ぎ種など

【アーカイブの歴史】
海蝕(かいしょく)現象が生まれて以来、人類の残像(ざんぞう)研究は止まることがない。それは破壊の具現化であり、混乱エネルギーの構成体である。
現在の学界の主流の見解では、残像は一連の情報周波数(しゅうはすう)で構成される生物体であるが、何らかの理由で、それらを構成する情報が欠けている。
時間が経つにつれて、この情報周波数(しゅうはすう)のギャップは拡大し続け、それらのエネルギーは徐々に衰え、破壊に向かう。
自分の存在を維持するために、残像(ざんぞう)周波数(しゅうはすう)を飲み込み、融合する本能を持っている。

【付録索引:『アーカイブ:音骸(おんがい)』】
滅びの瞬間、残像(ざんぞう)周波数(しゅうはすう)はすぐには消えず、徐々に衰え、これらの残留周波数(しゅうはすう)は捕捉して利用することができる。
捕捉して保存した周波数(しゅうはすう)が一定量に達すると、元の残像(ざんぞう)の能力を模倣(もほう)することができる。
そして、残像(ざんぞう)を倒した後に残る、残像(ざんぞう)の能力を再現するのに十分な周波数(しゅうはすう)は、音骸(おんがい)と呼ばれる。

日記(古い日記)

6.19
今日、私の家に変なお兄ちゃんが来た。優しい人だけど、なぜか、村の人たちと違う「優しさ」を感じた。私のことをよく知っているようで「俺たちは同じ側の人間」とか言って、不思議なおとぎ話を聞かされた。おとぎ話の結末は少し恐ろしかった。でもそのお兄ちゃんは現実は物語よりも残酷だって。それと、もし私が物語の黒い羊だったら、どうするって私に聞いた。わからない… お兄ちゃんは「また会おう」と一言残して消えた。私はこのことを父親に話したけど、父は誰も来なかったって。
…一体誰だったのだろう?
……
7.20
ごめんなさい…(万年筆で書かれた文字が水でぼやけている)私があの残像たちを追い払うことができなかったのは、私が弱すぎたから…私を守るために…。
でもきっとなんとかなる。父は、私の共鳴能力で残像の周波数を操ることができるから、西ちゃんの今の姿は一時的なものだって…。私が元通りにしてあげるから。
父は私と約束した。父はすごいから、きっと全てがうまくいく。
……
12.17
あの事件からもう3ヶ月が経った。
養父は私が日記を書く習慣があることを完全に忘れているようで  この日記帳は父が私に贈ったものなのに  私がこのことを全部日記に書いてるのが知られたら、きっとひどく怒られる。
養父は私に命令し、残像の周波数を操って、物を創造または模倣させた。行方不明の西ちゃんは本当は私を守るために自分を犠牲して、私が西ちゃんを残像に変えたということがバレたら……私は怪物として扱われ殺される。皆に追い出される。私を理解して受け入れる人なんていない……あの人以外は。
一度死んだ人は、周波数を操れば蘇らせることができる?もしそうだったら、ボロボロになった体と魂は一体どうなるの?
わからない。
……
2.8
日に日に不安を感じる……村の人が減っているような気がした……養父が連れて帰ったあの残像たちは一体……。
きっと間違っていたんだ、私はもう未来のない道を歩いている。逃げることも、止まることもできない。
養父が一体何をしたかはわからない……村がなぜピリピリした空気になったのかもわからない。私はもう長い間外に出ていない。私がこのことを聞くたびに、ただ誤魔化された。
もし私の願いを叶える対価が、血を伴うものなら…
……
(日付なし)
家の外で村人たちに囲まれた。
もう知られてしまった。
人殺し…それは私のこと?それとも養父なのか?
別にもうどっちでもいい。
今さら何が、誰が私を助けてくれるの?
もし祈池村が私を「対価」として必要なら…
もし神様がいるなら…
どうか、この村を救ってください。
(最後の日記の下に、見知らぬ筆跡で一言添えられている。)
「どうやら、お前の方が運が良かったな」

臨時小隊の写真

臨時小隊の写真臨時小隊の写真

「忌炎、また一緒に参加しよう」
あなたの誘いに答え、忌炎はグルッポリレーに参加してくれた。
臨時小隊は十年ぶりに結成され、長い年月によって消えかけていた思い出が、孤独な夜を越え蘇る。
その果たせなかった約束も、あなたのおかげで終わりを告げた。

ボロボロ冊子(古い冊子)

紫の榕樹が光を遮り、祖母と共に月を掲げ。
金色の弦月を木の上に、森は明るさを得た。
月よ月よ何処に在る?滝裏の洞穴に。
月を拾い祖母に、頭をなでられた。
月よ月よ何処に在る?大樹横の月の池に。
月を拾い祖母に、詩文を教わった。
月よ月よ何処に在る?切り株の上に。
いたずら猿は覗き込み、月を捕まえる。
月よ月よ何処に在る?洞の枯れ木の下に。
月を全て集め、祖母の姿は消えた。
金色の弦月を木の上に、大樹の陰はなくなった。
子は月を見つめ、森を去る。

『光なき森調査隊の日誌集』

光なき森調査隊の日誌集・その一
光なき森の全体的な調査と考察を行い、森の自然保護区研究所の旧址を再利用することを決定した。旧址の遺留資料を分類・整理し、既に絶滅した植物の種や標本もいくつか発見した。これらの貴重な種と標本は、光なき森の生態系の変遷(へんせん)悲鳴(ひめい)の影響をよりよく理解するのに役立つだろう。
次に、光なき森の土壤や水源などを全面的に調査し、光なき森に潜む残像(ざんぞう)「いたずら猿」を重点的に調査する。以前の報告によれば、いたずら猿による人間への攻撃事件がいくつか発生している。いたずら猿を目撃した探検家の話によると、この種の残像(ざんぞう)はほとんど単独で行動しない。そのため、光なき森に入る調査員は必ずチームで行動し、関連する防護措置を講じるように要求している。
蒼旻(そうみん):これは生態学部光なき森部門の設置に関する資料である。悲鳴(ひめい)が発生してから長い時間が経過し、状況が少し安定した後、研究員たちは光なき森の調査を開始した。)

光なき森調査隊の日誌集・その二
午前10時、研究所の近くで数匹のいたずら猿を発見。観察の結果、これらのいたずら猿には集団意識があることがわかり、互いにコミュニケーションをとる動きを見せた。所内の人にいたずら猿から距離をとるように通知した。
午後1時、もう一匹のいたずら猿が現れた。
午後2時45分、別の群れのいたずら猿が現れ、小規模な衝突が発生した。そのうちの一部のいたずら猿の体には何らかの胞子が覆われているようだった。胞子が体に覆われていないいたずら猿は敗れて現場から逃げた。
午後6時、いたずら猿が研究所を襲撃、一匹が捕獲された。研究所はこのいたずら猿を収容する予定。
これらのいたずら猿の行動特性を記録し、エンジニアチームに模倣(もほう)カメラを作成するように提案する。同時に、いたずら猿の周波数を分析する。
蒼旻(そうみん):これは初期の調査時の日誌だろう。)
巧木(こうもく):その後、この胞子は毒霧(どくむ)胞子であることが確認されました。)

光なき森の調査隊の日誌集・その三
いたずら猿の集団に対して、いくつかの模倣(もほう)カメラを開発し、投入した。そのうちの3つは草の束型カメラ、2つは巨石型カメラ、1つはいたずら猿型カメラ。いたずら猿型カメラはいたずら猿の行動をある程度模倣(もほう)することができるが、動きは比較的機械的で、複雑な動きをすることはできない。今回の撮影では、2つの草の束型カメラが破壊され、巨石型カメラがいたずら猿によって攻撃道具として使用されたため、レンズが激しい衝撃を受けた。
いたずら猿型カメラはいたずら猿と一緒に行動し、いたずら猿のリーダーを撮影した。いたずら猿はカメラに攻撃の傾向を示さなかったが、カメラの動作システムが故障して動けなくなり、最終的にいたずら猿によって巨木の周りに「埋葬」された。
巨木の周りを調査し、カメラを回収する予定。
巧木(こうもく):我々の英雄、模倣(もほう)カメラに敬意を表します!)

光なき森調査隊の日誌集・その四
収容されたいたずら猿の体には胞子が覆われ、赤い光を放っている。同個体に長時間近づいた研究員は、咳・呼吸困難などの症状を示した。そのため、研究員が同個体に近づくことを制限した。
数日後、同個体は狂乱状態を示し、周囲の環境を破壊し続け、自分をひっかく、咳が止まらない状態が続いている。
同個体をさらに観察する必要がある。
また、同個体の周波数(しゅうはすう)の影響を受け、最近研究所近くにいたずら猿が出没する傾向が増えているので、要注意。
いたずら猿のリーダーに対する調査を早急に開始する必要がある。

光なき森調査隊の日誌集・その五
飛廉(ひれん)大猿(おおさる)叫び種怒涛(どとう)級の残像(ざんぞう)
調査によれば、飛廉(ひれん)大猿(おおさる)は中部のガジュマルに棲息するいたずら猿のリーダーである。やつは強い縄張り意識を持ち、侵入者に対して強い敵意を示す。既にいくつかの調査隊が飛廉(ひれん)大猿(おおさる)の調査で被害を受けている。
飛廉(ひれん)大猿(おおさる)およびその配下のいたずら猿の残像(ざんぞう)は、擬態猿としてかつて光なき森で存在するいたずら猿の行動を模倣(もほう)でき、ある程度の知能を持っている。やつらは人間を模倣(もほう)し、簡単な道具と武器を使用でき、仲間を慰め、保護することもできる。
同時に、胞子に汚染されたいたずら猿が攻撃的になり、その数も増えていることを確認した。注意する必要がある。
一部の研究員はこれについて研究を始めた。

光なき森調査隊の日誌集・その六
夜帰(よき)の協力の下で、飛廉(ひれん)大猿(おおさる)との特殊作戦が行われた。結果、飛廉(ひれん)大猿(おおさる)に位置情報を測定できる腕輪を装着させることに成功した。これによって、やつが森での動きを観測し、正面衝突を避けることができる。
今回の作戦で、胞子に汚染されたいたずら猿の数が予測を超えたことを発見した。胞子の拡散速度が予測モデルより早くなっている。この胞子は周囲の土壌と水源に大きく影響し、人体に不可逆的な損傷を与えられる。胞子の感染源はいたずら猿なので、いたずら猿の駆逐を始めた。しかし、胞子の感染源はいたずら猿ではないと思う研究員もいる。彼らは第二の課題を提出し、胞子の抗体について研究し始めた。
森敏(しんびん):胞子の抗体を研究し始めた人は私の先生。彼女はこの方法で光なき森の問題を解決するつもりだった)

光なき森調査隊の日誌集・その七
抗体に関する研究は大きく前進した。もうすぐ成果が出ることを信じている。
いたずら猿を乱暴に駆逐するだけでは問題を解決できず、やつらは頻繫に人間を襲うようになった。この状況をなるべく避けるために、私たちは仕事の方向を変え、いたずら猿を収容し、胞子を剝離(はくり)することでやつらを落ち着かせた。
これで仕事がうまく行くようになることを、私たちは望んでいる。

光なき森調査隊の日誌集・その八・森敏(しんびん)
いたずら猿の暴走など一連の思いもよらぬ事件や問題のせいで、ほとんどの研究資料を失った。
ただ、資料を整理している中、先人たちが光なき森の問題を解決しようとする努力を垣間見える。生態(声態)研究はとても複雑で、これらの問題にどう切り込むか、どんな方法で研究するか、いずれも考えなければならない課題だ。
幸い、私たちにはまだ考える時間がある。

『奇妙なメッセージ』

ある日、私は一つのメッセージを受け取った。
メッセージの内容は簡単で、どこかの駅で滞在している乗客を安心させるためのメッセージのようだった。何か「未来号」という列車の乗客に対して、心からの謝罪を述べ、乗客を安全に目的地に送るというような内容だった。メッセージを読み終えた私は、それをゴミ箱に移動させた。なぜなら、私はとっくに列車に乗ることはなくなったからだ。それは駅のシステムに何か問題があったのだろう。
しかし、それから私のデバイスは、この「未来号」という列車からの奇妙なメッセージを受け取るようになった。最初、私はそれらを全く無視していた。「未来号」だとか、長距離旅行だとか、何かとても面白いところに行けるようなことを言っているが、それは私とは全く関係がない。私にはまだたくさんの用事があって、それらにかまう暇がない。最近、研究員たちは私たちの鉱山に何か不満を持っているようで、年の瀬になると、皆の緊張感が高まる。後方勤務をしている私でも、その話を聞いたことがある。
しかし、そのようなメッセージは止まることなく送られてきた。ある日、ちょっとした暇ができたとき、私はそれを開いてみることにした。それを開いてみると、たぶん子供だろう、私に何かメッセージを送ってきた。「お父さん、お父さん、車掌のお姉さんがもうすぐ列車が出発するからちゃんと座ってって私に言った。未来号に乗って未来に行けるよ。車掌のお姉さんは私たちを安全に駅に送ってくれると言った。未来に行くことができるよ!とても楽しみ!でも、未来って何だろうね……」私はそのメッセージを見て、娘のことを思い出した。彼女も子供のころは、何かの言葉を見ると、いくつかの奇妙な質問を出すことがあった。しかし、私はしばらく彼女に会っていない。そのことを考えながら、私はこの子供のことを思う。このメッセージを間違った人に送ってしまったか。その列車は遅れているようだし、その子供を一人で待たせることはしたくない。私は彼女に言った。「未来って、未来って何だろう……そうだ、たくさんの星ナゲットがあって、たくさんの願いが叶うときだよ。」
数日後、私はまたその列車からのメッセージを受け取った。「あなたの旅を遅らせてしまい、申し訳ありません。未来号はできるだけ早く出発するように努力します。皆さんの旅が楽しく、安全でスムーズでありますように。」最後には、「未来号の乗員全員より、未来で会いましょう。」という言葉があった。その後、また一つのメッセージが来た。「いったいいつ出発するのか、本当に出発できるのかと、優ちゃんはずっと私に聞いてくる。何と言っていいのかわからない。もうすぐだ、もうすぐだと言って、列車が出発すれば、私たちは一緒にこの地獄のような場所を出て、一緒に未来に行ける。皆が出発を待って、早く出発して出て行きたい。私も早く優ちゃんを連れてここを出たい。出会った優しい人たちは、持っていた乾燥食を私たちに分けてくれ、私たちを安心させてくれた。ああ、いったいいつ出発するのだろう……」なるほど、これは駅のメッセージを残すためのメッセージだったのだと私は思った。なぜ私のところに来たのだろう。でも、その日は暇だったので、私は優しく返事をして言った。「もうすぐ出発するよ、もう少し待ってみて。」
その後、私はたまにそのようなメッセージを受け取ることがあった。ある日、同僚たちと一緒に食事をしているとき、私はそのことを彼らに話した。いつも未来号という列車のメッセージが私のところに来るから、彼らを安心させるため、仕事をしなければならない。
同僚たちは言った、「そんな列車、聞いたことがない!」
私は彼らにそのメッセージを見せた、彼らは言った、「奇妙だ、そんな列車は聞いたことがない。」しかし、一人の老人が言った、彼が子供のころ、人々が言っていた、昔、ここに何か地下鉄があった。大災害のとき、人々は何とかして、その列車を使って人々を安全に送り出そうとしていた。そのとき、その列車は人々を災害から守り、未来に送り出すことができると言いながら、確か「未来号」という名前を付けた。しかし、その列車が最終的にどうなったのか、彼は知らない。それは遠い昔のことで、彼も大人から聞いたことがあるだけだ。それを聞いてから、私はそのことを考えて、だんだん気づいてきた。もし未来号が昔のことだとしたら、このメッセージは、一体どこから来たのだろう……

『無名の家書』

無名の家書・壱
親愛なる父さんへ、母さんが手紙を書くように言ったのだけど、何を書けばいいのかわからないんだ。だって、父さんが家に帰ってくるのはずいぶんと前のことだから!この前、雨儀先生が自分の父さんについて書くように言ったんだけど、どう書けばいいのか考えてもわからなかった。みんなは父さんが遊びに連れて行ってくれたり、おいしいものをいっぱい買ってくれたり、お話をたくさんしてくれたりするけど、私はそれを書けない……だって、父さんにはずいぶんと会っていないから、父さんがどんな顔をしているのかもう忘れてしまいそう……私が書けるのは、父さんが忌炎将軍と一緒に、石崩れの高地で怪物と戦っていること!その怪物は、火の英雄の中の風船の怪物よりも高いに違いない!でも、父さんは一瞬で怪物を倒した。だって父さんはとっても強いんだから!けど、クラスメートは私が嘘をついていると言うんだ。火の英雄の中の風船の怪物はとっても強いから、火の英雄も苦戦していただって!私は見たことがないから、知らないけど……父さん、いつ帰ってくるの?帰ってきたら、ヒーローショーに連れて行ってくれる?私、父さんと一緒に見たいんだ!
それに、私、もう母さんの家事を手伝うことができるんだ!前に、炒飯を作ったんだ。母さん、とっても喜んで食べてくれた!父さんが帰ってきたら、私も父さんに作ってあげるね!
あ、そうだ、手紙に花を入れたんだ。ヴェリーナお姉さんがくれた。ヴェリーナお姉さんは、その花はとても長く咲くと言っていたから、父さんにも見てもらいたい!母さんもとってもきれいだと言っていた。だから、このきれいな花、父さんにも見てほしい!

無名の家書・弐
さっき宝ちゃんが寝た。彼が書いた手紙も見た。
ふう……私たちは元気よ。宝ちゃんも最近は物事がわかるようになってきて、手伝ってくれるようになった。鉱山のこともまずまずだ。鉱山の下には何かがあるかもしれないが、私の仕事に影響はない。だから、私たちのことは心配しないで、あなたも自分のことをちゃんと見てね。
小さい頃、私の父さんもあまり家に帰ってこなかった。宝ちゃんと同じように、父さんがいつ帰ってくるのかと、いつも母さんに聞いていた。でも、その頃の戦いがもっと厳しかった。残像たちはもう街に迫ってきていたんだろう。ある日、とても大きな雨が降っていて、配達員がドアを叩いていた。普通、配達員がドアを叩いていると、父さんの手紙が来る。その日もそうだった。私はうれしくて部屋から出て、母さんがドアを開けて配達員と話をしているのを見た。配達員が去った後、母さんは手紙を私に渡すのにとても時間がかかって、最後には私を抱きしめて泣いていた。
私たちがどれだけの代価を払って、残像たちを石崩れの高地の外に追い出したかをもちろん知っている。あなたたちがどれだけ頑張っていることも知っている。実は、配達員がドアを叩く音を聞くたびに、私は恐怖を感じる。届いたのは、母さんがあの日受け取った手紙ではないかと。だから、配達員には、誰もそれを取りにはこないのでドアの外に置いていってもらうように言った。
結構書いたね。あなたは最近どう?前線は大変?私たちのことは心配しないで、自分がすべきことをしなさい。私たちはいつもあなたを愛している。

無名の家書・参
心配しないで、今は大丈夫だ。前回突然現した小規模な残像潮を撃退した。天工がずっと建設している大規模工事も、最近残像との戦いですごく役立った。私たちは必ず勝つ、信じてくれ。
私も、君たちを愛している。

無名の家書・肆
……この手紙を書き始めるとき、本当に、どこから始めればいいのかわかりません。忌炎将軍、彼の言葉を私たちに伝えてくれたこと、そして彼が最後に残した手紙を私たちにくれたこと、感謝しています。
最近、彼が以前に言ったことをいつも思い出します。誰かが戦場に出て、残像たちを撃退しなければならないと彼はいつも言っていました。戦場で将軍様が最前線に立って、生死を恐れずに怪物と戦っているのを見ると、いつも感心しています。そして、将軍様に何度も死地から助けられたことがあって、将軍様のような戦士になりたい、最前線に立ちたい、他人を守りたい、自分の力を尽くしたいと思っていました。彼の思いをよく知っています。撤退する仲間を守るために犠牲になったのも、彼の本望です。これでいいです。
あの日、彼はどのような戦士だったのかを、私は将軍様に尋ねました。将軍様の答えは、彼はいつも最前線に立って、どんな危険があっても他人を先に行かせる英雄だと。私は、これでいいと言いました。
その日の夜、彼の夢を見ました。夢の中でも雨が降っていて、母さんが最後に父さんの手紙を受け取った日と同じでした。彼がドアを開け、「ただいま」と言いました。「どうした?急に帰って、前線で戦っているではないか」
「君たちの顔を見たいんだ。君も大丈夫だし、宝ちゃんもちゃんと寝ているし、私は戻るよ」
「前線の戦いは正念場を迎えるところだ。皆は気を引き締め、全力で尽くすつもりだ」
私は頷いて、「安心して、家のことは心配しないで。一人の戦士として、自分がすべきことをするだけでいい」と言いました。「わかった」と、彼は言っているけど、ずっと立ったままで戻るつもりはありません。私は焦りました。戦いの最中なのに。「どうした」と私は聞きました。それで、彼は私を抱き着きました。「私は死んだら、君と宝ちゃんはどうなる?」
そうね。「軍に参加するのを後悔しているの?」
「家族のため、国のためだ。後悔はない」
「なら、私も後悔しないよ」
そして目が覚めました。その後、私は宝ちゃんをつれて、火の英雄のヒーローショーを見ました。主役の女の子は短剣を持ったままで、気懸怪に挑もうとしています。舞台上の激しい戦いを見て、あの女の子が何度倒れても立ち上がる姿を見て、私の涙が止まりません。「火の英雄をちゃんと見なさい。あれは父さんと同じよ」と、私は宝ちゃんに言いました。
「うん、大人になったら、宝ちゃんもこのような英雄になるんだ!」
「えらい。その時、爺さんと父さんの物語を話してあげる。他にもたくさんの英雄の物語、全部宝ちゃんに、みんなに話すね」
将軍様、このことは永遠に忘れません。彼のこと、そしてすべての戦士のこと、永遠に忘れません。

『ブブ物流、ブ~ブ~ブ!』

ブブ物流、ブ~ブ~ブ!・上
ブブ物流、ブ~ブ~ブ!今日も私は、素晴らしい配達員になります!
私はいつも、ブブ物流の「ブブ」は、船が港に到着したときの「ブブ」という音を指していると思っていました!毎日、鯀巣の港には大量の船が行き来し、これらの船は数え切れない貨物を運んでくるが、遠いところからの物語も運んでくる  これは灯灯先輩が教えてくれました!
灯灯先輩によると、鯀巣の港は今、瑝瓏で最大で最も忙しい貨物港で、今州への貨物輸送の大部分はここを経由しているんだって!そして、毎回船が着くと、長い「ブブ」の音が鳴り響き、「新しい貨物が到着した、今日の仕事を始めよう」と私たちに教えてくれます!
「ブブ物流」の最も重要な仕事は、手に持っている貨物を、全ての受取人の手に安全に渡すことです。毎日、運ばれてきた貨物は山と海を越え、ソラ各地の期待と思いを瑝瓏に運びます。もちろん、ここから貨物を運び出すこともあります。特に最近は、虎口採掘場からの鉱物運送の注文がたくさんあります。これらの貨物が私の手を経て港から運び出され、瑝瓏の戎州、诏州など遠い所に運ばれると思うと、とても興奮します!
そして、先輩たちから聞いたことがありますが、地の果て海の果て、誰もがどこにあるのかを知らない場所に、奇妙な島があるとか。噂によると、この島はとてもすごくて賢い人しか見つけられない場所なんです!もし私が貨物をその場所に運ぶことができたら、「ブブ物流」の中でもすごい人物になったということを意味しますよね!うん!きっとチャンスがくるはずです!へへ!
だって、ブブ物流、ブ~ブ~ブ!今日も私は、素晴らしい配達員になります!あ!こんなに長い間考えていたら、住所、今回の受取人の住所はどこだったっけ……

ブブ物流、ブ~ブ~ブ!・中
ブブ物流、ブ~ブ~ブ!今日も私は、素晴らしい配達員になります!
最近考えていたのですが、もしかしたら、ブブ物流の「ブブ」は、特製の配達服に風が吹き抜けたときの音を指しているのかもしれません!いつも車を運転していると、風が耳元を吹き抜ける音が聞こえます。そのとき、耳元をかすめるブブという音は、私に、貨物を受取人の手にすぐに届けるべきだということを教えてくれます!もっと早く、もっと早く、ブブの音をもっと大きくするために!
しかし、交通の安全も考えなければなりません!特に、路上で信号機のような残像に遭遇する可能性があって、気を付けないと!赤は止まれ、緑は進め、いつでもこれを守らなければなりません!そうでなければ、大変なことになります!なぜなら、最近不安定な残像がますます多くなり、周辺の安全が大いに脅かされているからです……これが私たちの仕事に影響を与えていて、特に廃港への往復のときに……
そういえば、先輩から聞いたことがありますが、廃港になったその港も、かつては鯀巣の港のように繁栄していたそうです。しかし、断裂帯が形成された後、そこへの交通が困難になり……さらに、周围に不安定な残像が出現したため、最終的には廃港にせざるを得なくなったのです。本当に残念なことです。まだたくさんの速達便が滞在しているのに、こんなに長い時間を経つと、もう遅達便になってしまっています……いつ受取人の手に渡せるかな……
もしかしたら、新しい補給駅が完成するまで待つ必要があるのでしょうか?よし!補給駅が完成したら、私はそこへの転勤を申請しましょう!ブブ物流、ブ~ブ~ブ!今日も私は、素晴らしい配達員になります!

ブブ物流、ブ~ブ~ブ!·下
ブブ物流、ブ~ブ~ブ!今日も私は、素晴らしい配達員になります!
もしかしたら、ブブ物流の「ブブ」は、怨鳥の沼の霧の中の奇妙な音を指しているのでしょうか?いや、それはありえないでしょう……とても怖いし。
最近、新しい補給駅が完成し、私も補給駅への転勤を申請しました!しかし、補給駅が完成した後、いつも追放者が周りをうろついていて、私たちの貨物を奪おうとしています。とてもひどいです……私も以前に記録したことがありますが、これらの貨物はただの物ではなく、誰かの思いや期待でもあります。灯灯先輩もそう言っていましたし、彼女はいつもそうしていました。先輩と知り合ったとき、彼女はすでに優秀なナビゲーターでした!若いように見えますが、彼女はとても真剣に働いています。どんなに複雑な状況でも、彼女は最も早い道を見つけて、速達便を傷つけずに受取人に届けます!「物を受取人に届けるたびに、暖かい笑顔を見ることができる」と先輩はこう言いました。本当に羨ましいです!
ところで、貨物が狙われるだけでなく、面倒事が続いています。特に、怨鳥の沼の霧が時々出てくること。霧が出るたびに、雷雨が同時に出るのではないかと心配になります。さらに、もう一つ怖いことを心配しています。それは  道に迷うこと!
配達員にとって、道に迷うと本当に大変なことになります!大霧に遭遇すると、鋭い「ブブ」という音が聞こえます。その音は私に、悲しみと……思いを感じさせますが、その時にはナビゲーションが問題を起こし、方向を指示することができません。
これは非常に危ないことです。考えたくもありません、いつかこんな霧に巻き込まれ、行く方向を見失った時、耳元であの変な音が囁いたら……ひいいい!余計なことを考えるな、ちゃんと働きましょう!今日も私は、素晴らしい配達員になります!

『瑝瓏異獣考』

「その獣は、獅子のような姿で、瞳は獰猛で、霊性があり、人の理を理解している……」
かつて、瑝瓏の果ての地には、深い山林に住む生物「狻猊」がいたという。
狻猊は、勇猛で悪を憎み、善人に「生命」と「勇気」の祝福を与えると言われていた。人間が共に戦って家を守るとき、狻猊は戦場の前線に飛び出し、その獰猛な姿、強大な力、全てを見下す威圧感で、一人で百を敵にし、人間と一緒に山林を侵す残像の大軍を打ち破る。その勇猛な姿と善良な意志に感動し、人間は狻猊を瑞獣と見なし、徐々に深い友情を築いていった。
狻猊と一緒に戦った場面を記念し、狻猊が与えてくれた祝福を伝えるために、人間は狻猊の姿と姿勢を模倣し、狻猊の名をとって“狮子舞”という舞踊儀式を創り出した。今日でも、瑝瓏の地でこの芸術形式が伝えられている。
人間と狻猊の友情は百年続いた。
その後、海蝕現象が大規模に発生し、生命が炭になり、瘴地が広がり、森が踏み入れられない地になり、天災が人間と狻猊の繋がりを断ち切った。
その後、人間の間で狻猊が“凶獣”になったという噂が広まった。
狻猊が人間の領地を侵し、百里内の生命を震え上がらせ、その獰猛な姿と強大な力で人間を退けたという。また、この怪獣が出ると、無音区の災いが起こるとも言われている。
しかし、人間の間で広まった噂の中には、狻猊が無音区が発生する前に現れ、咆哮を上げて人間に警告し、無音区から遠ざけるという話もある。
狻猊の善と悪の特性は、人間の間で大きな議論を引き起こした……しかし、筆者は、凶獣と名付けられたのは、狻猊の一部の族群だけだと推測している。
なぜ狻猊の一部の族群が凶獣になったのか……それは、領地が破壊され、資源が不足して族群内で権力争いが起こったからかもしれない……あるいは、海蝕現象が彼らの力を制御不能にし、彼らを凶暴にしたからかもしれない。
科学者たちの研究が深まるにつれ、共鳴力は完全な贈り物ではないことが明らかになった。その力は心から来るもので、適切に使えなければ、共鳴力は破壊をもたらす。狻猊は特別な力を持っているが、その力は共鳴力と一致していると考えられる。狻猊のような強大な存在であっても、不慎になれば、その力によって反撃を受ける可能性がある。
現在、多くの学者が、狻猊が内心の獣性と海蝕現象との闘争の中で、自然に絶滅したと結論付けている。
しかし……筆者は、狻猊がまだ世に存在していると信じている。筆者はまた、狻猊が人間と築いた友情が、海蝕や一部の族群の悪行によって消えることはないと信じている。
幼いころから、このような異獣の伝説に対する好奇心と真実を求める原則に基づいて、筆者は自分で狻猊がかつて住んでいたと記録されている地に再び足を踏み入れ、狻猊の足跡を探すことを決めた。後世の人々がこのことに興味を持っていれば、この本が石を投げて波を起こすことができれば、筆者の一生の探求は無駄にならないだろう。
次の目的地は……紫月のガジュマルにしよう。

『今州民俗志』

今州民俗志・壱
瑝瓏は制度を改め、今州を新設した。その地は要所に位置し、城の外は危険がはびこるが、全城の力を挙げて外敵を防ぎ、内部には民を守ることができ、瑝瓏の民は安全で豊かな生活を送り、ますます繁栄になった。
而して、上府の通り道となり、雲陵がその道しるべとなる。その他の六州から今州に行く者は、必ず雲陵谷の地を通る。他の国から瑝瓏に行くには、今州から上陸してから六州へ行ける。今州は実際には門であり、雲陵はその門扉となる。詩人や文人がここを通ると文を書くという趣があり、商人や旅人がここを通ると商売繁盛という運がある。
雲陵を序とし、今州を始とし、今州の人文、瑝瓏の風骨、すべてがこの書の中にある。

今州民俗志・弐
雲陵よ、雲陵よ、かつては陰雲が日を覆い、残像が潮のようにあった。しかし、瑝瓏の守備兵は関所を守り、陰潮と残雲を外に抑えた。黒雲が城を閉ざし、将軍は鮮血を鍵とす。残潮が暗くうねり、壮士は生命を船とす。まさに生死をかけた瞬間だった。
突然、谷の底から龍の長鳴りが聞こえ、その声は響き渡り、天を動かし、地を揺るがす勢いだった。声は谷間に響き、形は長雲に映し出された。龍が指すところには、雲が明暗を繰り返し、雲を突き抜けて日が見えた。すべての光が地に降り、金瞳の異人が龍とともに現れ、剣を持って狂潮に向かい、刀を持って無冠を斬った。そして六州の援軍が到着し、金鱗が初めて開き、守備兵が鼓を鳴らし、武器を振るい、勇敢に敵を討った。
この戦いが終わった後、関津には龍の鳴き声が響き、青い雲が谷を巻き、雲陵は関、今州は隘、一方の人々を守り、一国の基を固めた。

今州民俗志・参
谷を出ると、歳主の像が見える。その像は威厳を持った神々しいもので、生き生きとしていて、崖の下に立ち、険しい谷間を見ている。歳主が鎮守し、万人も陥落させることができない。この立てられたものは、邪を破り、厄を除く。今州の歳主は、青龙の七宿の「角」である。ここに立てられ、瑝瓏の関の喉を鎮め、今州の民、この地の安定、そして瑝瓏の平和を守る。
その後、今州が事を立てるとき、令尹が位につくとき、「角」の祈りを必要とし、気候が順調で、天下が太平であることを祈る。

今州民俗志・肆
そして、毎年の祭りの良い日には、多くの民は鳴鐘と歳主の像の間を行き来し、朝に行き、夜に帰る。皆、歳主の像のところで祈り、歳主が多年にわたり守りをしてくれたことに感謝し、来年の安全と順調を求めるためである。
特に、春の龍の祭りでは、花が咲き誇り、鐘と太鼓が鳴り響きます。獅子舞は梅を摘み、灯火が流れる金のように輝け、活気に溢れている。而して、春が去り、冬が来ると、この年には多くの困難があった。今、春の龍の祭りでは、皆が古いものを破るという意味を持ち、門を掃き、果物を日に当て、蝋燭を点ける。商人は新しいものを迎えるという喜びを持ち、古いものを折り、新しいものを出し、非常ににぎやかである。
この祭りでは、夜帰も「厄除け」の事を行う。長い夜が無限で、夜帰はいつものよう。残影を駆逐し、世の乱れを討ち、これぞ春の龍の祥和、万家の団欒である。

『雨の中の列車の思い出』

雨の中の列車の思い出・上
四月の雨は一度降り出すと、いつ止むのか見えない。空は一面の海を上から降らせ、ただその海は長すぎ、湿度が高すぎ、そして遅すぎる。雨が傘や窓に降り注ぐと、その音すら微かすぎる。髪についた雨は、ただべたついた霧になる。そしてその霧は、宇宙で吹き出す泡と同じく、長くは留まらない。傘を畳むと、雨は下から上へと上がり、私の目の前を飛び、再び空の海へと戻る。雨は私の下から湧き上がり、私の肌をなぞり、私の思考を満たし、そしてついに長く待っていた車のライトを瞬かせる。
車の鳴り響く音がやっと私の耳元で止まり、空中に浮かぶ列車がついに私の傍に停まる。錆びついた車のドアがギシギシと音を立てて開く。私は頭を上げ、雨が降る方向を最後に見る。雨はどこに行くのだろう、空の海に行くのだろうか。私にはわからない。私が車両に乗ると、どこに連れて行かれるのか、かつての花がまだ空を焼き尽くす火の海になる前に連れて行かれるのか、街がまだネオンに輝いているときに連れて行かれるのか、まだあなたと一緒にいた雨の夜に連れて行かれるのか、私にはわからない。

雨の中の列車の思い出・中
私はもちろん、あの雨の夜を覚えている。雨がネオンの色をにじませ、無数の車のライトが都市を行き交う、まるで潮の中の銀魚のよう。私たちは傘を持たずに雨の中を駆け抜け、一つ一つの浅い穴を踏んで、裾を濡らした。私たちは雨の中で踊りながら、一つ一つの願いをかけた。私は、私たちが夜明けまで踊り続けられたらいいと思う。私は、この雨が永遠に止まらないでほしいと思う。私は、あなたが私のそばにいてほしいと思う。
しかし、遠くから車のライトが照らし、まだ雨が降る中、私たちは雨に打たれたお互いを見て大笑いした。「私たちの踊りはずっと続くのか、この眠らない街のように」とあなたが車の鳴る音の中で私に尋ねた。「そうだ、もちろん。私たちの踊りを誰も止めることはできない、この眠らない街のように」と私は答えた。あなたも覚えているはず。
あなたは思いにふけり、スカートを持ち上げて頷いた。あなたのスカートから雨が空に飛んでいくのを私は見た。
そして、あなたはその日の最後の列車に乗り、列車は鳴り響き、私の目の前を駆け抜けた。
そして、静かなネオンの看板が突然水に落ち、私の目の前で大きな水飛沫を上げた。
そして、炎の花が地面に落ちた雨を蒸発させた。
そして、私は一人で雨に濡れた夜を過ごした。

雨の中の列車の思い出・下
私たちがかけた願いは、すでに雨の中に消えてしまった、まるで雨上がりの土に蒸発した一滴一滴の水滴のように。
雨はあまりにも軽く、あまりにも早く止まった。なぜなら、地上で燃え上がる大火が都市のすべての線路、すべての煉瓦を焼き切り、土に落ちるはずの雨をも焼き尽くしたからだ。
私は炎の花が土の中から一つ一つ出てくるのを見た。それらは都市の土台を破り、すべての建物を半空に浮かせる。しかし、私はただ走って、走って、あの夜を走り抜けようと、雨の中の泣き声、叫び声、うめき声を走り抜けようと、あなたとかけた願いをつかもうと走った。
しかし、私たちの街は最終的に焼け野原となり、私たちの願いは最終的に混乱となり、私はあなたに再会することはなかった。
それは再びあの雨に遭遇し、再びあの列車を見たときまでのことだ。
四月の大雨が思い出の海を私の前にひっくり返し、空に浮かぶ列車が雨とともに私のそばに停まった。まるでそれが大雨から離れたことがないかのように、まるでそれがずっとあの瞬間に停まっているかのように、まるで私たちの願いがまだ遠い過去にあるかのように。
だから私はその列車に乗った。車のドアが私の後ろでゆっくりと閉まり、アナウンスが私の耳に響く。私は車両を一つ一つ歩き、ほとんど眠っている乗客を一人一人見る。彼らは幻なのか、それともあの雨の夜の夢を見ているのか。
でもそれは問題ではない。私はあなたを見つけ、あなたのそばに座ってもいいかと尋ねた。まるであなたが私に尋ねたように、踊りはずっと続くのか、この眠らない街のように。
私は続くだと思う、この止まらない列車のように。私はそれがずっと進み続けると思う、雨も破れた線路もそれの鳴り響く音を止めることはない。あの夜に戻りたいと思う次の人がこの列車に乗るまで。

『小型輸送機事故調査報告』

先日、小型軍用輸送機が■■■で墜落し、事故原因は調査中。同機は航路上巡航高度8000メートルから急降下し、最終的に■■■に墜落した。地面に衝突した同機は大破し、乗組員4人全員が死亡した。
同機は離陸後、13:46に巡航高度8400メートルに上昇。14:40:25に管制レーダーが「指示高度からの逸脱」との警告を示し、同機は巡航高度から離脱した。管制員からの呼びかけに対する乗組員からの応答はなかった。14:41:34にレーダーが最後に記録した同機の情報は、標準気圧高度4234メートル、航路108度。その後、レーダーの信号が消えた。
調査の結果、同機の無人機適航証明書は有効で、最後の大型検査は修理計画の規定の検査期限を超えておらず、乗組員の飛行操縦免許証はすべて合法的で有効。搭乗前に、乗組員全員が正常に安全検査を受け、免検の人員はいない。
今回の飛行に関連する航路上の航法および監視施設・設備が14:41:36に短期的な異常を示し、指針の読み取り異常、レーダーの短期的な故障があった。しかし、同機の残骸の調査により、同機がEMP攻撃を受けた可能性は初期的に排除した。海蝕の影響で、伝統的な調査方法で事故の原因を調査することはできず、理論と現実のずれを正視する必要がある。
事故原因の調査は現在も続行している。
……
■■■での輸送機墜落事故から30日後、同機から残されたブラックボックスを技術的に修復し、飛行中の乗組員の映像と音声情報を取得した。そして、乗組員が目撃したすべての異常な状況を意図的に残したことを確認した。
ブラックボックスのデータから、同機が■■■に到達したとき、前方の映像に異常が発生。空に逆さまの都市が現れ、進路を見分けることができず、天空海の範囲に入ったと推測される。乗組員は30秒間懸命に調整した。しかし、同機は重力異常を示し、機長は機体の制御を失い、頭部が機内の天井に衝突した。副機長は緊急ブレーキを試みたが、効果はなかった。数秒後、同機は■■■に突入した。
……
現在の技術レベルでは、悲鳴が引き起こす連鎖反応に対応することはできない。現在の科学の法則では、新たに現れた災害の状況を説明することもできない。最近の報告により、天空海がますます多くの場所で現れ、溯洄雨も近くの人々の人身安全に深刻な影響を与えている。未曽有の危機と災害の下で生き残るために、人類は新たなルールを探求しなければならない。

出せなかった連絡(送信できなかったメッセージ)

……
「愛」は心理的な「感情活動」か、生物的な「ホルモン作用」の側面から語るのが主流……しかし、これらは全部「人間」の立場から問題を解く方だ。動物、あるいは他の生物の愛は、「知性」が低い故によく「本能」として捉えられる。たしかに、繫殖、共生、交尾。いずれも単純で極めて合理的だ。
では、残像はどうだろうか?情報の集積、エネルギー体として……愛を持つ本能はないのか?鳴き合う行為は、体に埋め込まれた情報が人間が持っていた愛情の体現?それとも、ある瞬間、自意識に目覚め、自主的に動き始めたから?
勿論、それは一介の人間には理解できないことだ。ここで問題を戻そう。「愛」を語るには何が必要だろうか?
科学者の視点から言わせてもらえば……「愛」は奇妙な情報に過ぎない。それは宇宙に散らばっている、燦々たる無限の輝き……私たちはただ、運よくそれを受け止め、違う個体として様々かつ独特な行為に転じているのだ。他のどんな動物や生物とも違う、「愛」を示す方法の理由は、私たち自身にある。
だから私は、別れに涙を流さないよ。あなたと出会ったから、私はこうして愛を語れる。
私にある愛は、あなたにより顕現され……だから私は、生まれ変わった。
記録者:461チームメンバー 妄。

『琴譚の調べ』

その昔、乗霄山にいた二人は、互いに知己の仲であった。一人は市井の物語を好み、さながら物語の主人公のように世を渡り歩き、物語を集めて回ることを夢見た。歳主が乗霄山に閉じ込められる時、彼は荷物をまとめて馬に乗り、乗霄山を去った。
もう一人は、乗霄山のあらゆる音を愛した。小川のせせらぎ、鳥のさえずり……彼女は山の至るところに風止みの鈴をめぐらせ、山の音が聞きたくなるたびに、そこで琴をつま弾いた。
二人は、ある約束を交わしていた。数十年後の再会では、一人が市井の物語を語り、一人が山じゅうの音を琴に乗せて演奏する、と。
しかし、山での一日は市井の数十年。季節はめぐり、物語を探しに行った者は二度と帰ってこなかった。そして山に残された者は、琴とともに朽ち果てていった。
何気ない別れが、永遠の別れになるかもしれない。
出会いと別れを、大切に。

年末写真・劇場にて

年末写真・劇場にて年末写真・劇場にて

年末、様々な地域から来た仲間たちがあなたの招待でここに集い、共に温かい時間を過ごした。大地に春が巡り来る頃に、蒔かれた願いはすべて実るだろう。あなたの旅路が希望と喜びに満ち溢れますように。そして、漂泊する人に永遠に帰る場所がありますように。

ブラックショア

ブラックショアスタッフ用掲示板のデータログ

【タップするとチャット履歴を確認できます】
【17:59】誠実な商人クーモニ:ブラックショアの秘密のダンジョン1=3、護送しお宝を掘ってくれる腕利きの共鳴者求む!
【17:59】誠実な商人クーモニ:金も装備も取り上げない。すべての利益はブラックショアが所有し、KPIに換算される。
【18:01】出勤チームクーワーク:【動くスタンプ】
【18:01】出勤チームクーワーク:また勤務時間中にサボってんのかよ、クーモニ!
【18:02】誠実な商人クーモニ:サボってなんかない。これはブラックショアに新しい商路を拓くためだ!
【18:02】出勤チームクーワーク:その秘密のダンジョンっていうのは?
【18:02】誠実な商人クーモニ:この前掲示板で誰かが言ってたアレだ。ポータルを使ってお宝のアレをゲットするんだよ!
【18:03】誠実な商人クーモニ:あの日クーヘティからお宝の話を聞いて、ずっと前にデバイスで見たポータルの暗号の記録を思い出したんだ……
【18:03】勇敢な羊ナイト:クーモニ、ずっと前というのはいつのことだ?
【18:03】誠実な商人クーモニ:数百年前じゃないか。
【18:04】情報屋霧んちゅ:は??
【18:04】誠実な商人クーモニ:ククク……そろそろ資産を回収しに行くべきかな。
【18:05】出勤チームクーワーク:それが早退の理由か?
【18:05】誠実な商人クーモニ:早退なんて人聞きの悪い!このお宝が簡単に手に入ると思うなよ。解読した暗号を言ったところで、見つからないものは見つからないんだ。
【18:05】情報屋霧んちゅ:解読した暗号というのは?
【18:06】誠実な商人クーモニ:上外下外下
【18:06】出勤チームクーワーク:何が暗号だ。お前は何を言ってるんだよ、クーモニ!

ブラックショアのインスタントポータルについての調査報告

申請者:庭師 モニカ
申請内容:権限の申請


報告内容:
最近、ブラックショアのインスタントポータルについての噂がスタッフ用掲示板にて話題になっている。筆者はこれを興味深く感じ、ブラックショアのスタッフ達の使用体験について調査を行った。
調査結果に対し、因果関係の検証を行った結果、正規(せいき)分布と一致するという結論に達した。現時点では異常な点は見られない。
しかし、筆者はこの地域のリアルタイム監視システムにおいて、インスタントポータルには確かに不自然な周波数(しゅうはすう)の波動があることに気づいた。
さらなる検証のため、筆者は48時間分のリアルタイムなデータを調査し、ブラックショアのシステムデータベースにアクセスすることで一部の異常な統計データを修正し、インスタントポータルの特徴と一致した不自然な波動のデータグループを選び出した。その後、筆者は過去のデータと関連する理論に基づき、異常なデータグループに対して理論上の仮定や回帰(かいき)分析を行い、再度モデリングやフィッティングを行った。

詳細については参考資料を参照。データ分析の結論は以下の通り。
1、インスタントポータルの異常な周波数(しゅうはすう)の波動強度の変化は、使用者がポータルを起動する順番と強い関連性が見られる。
2、インスタントポータルの異常なヤマ部分の周波帯(しゅうはたい)は、ネクロ・スターの周波数(しゅうはすう)の過去の重なった高周波帯(しゅうはたい)と高い類似性が見られる。
3、インスタントポータルの異常な周波数(しゅうはすう)のヤマ部分の瞬時モデルは、ブラックショアデバイスの共鳴者のオーバークロック後の瞬時モデルと一定の類似性が見られる。

以上より、例の噂には一定の信憑(しんぴょう)性があると結論付ける。
現在選び出したすべてのデータの中で、対外ホール最下層—スプラウツの地  対外ホールテラスの部分の異常な周波数(しゅうはすう)には最も高い関連性が認められる。
現時点では現場テストは行っていないが、ポータルの使用順とパターンについて研究を行った場合、さらなる成果を得られる可能性がある。
その他、筆者本人による現場調査の過程で、再度移動経路に関する確認を行った。サンプルと比較した結果、この経路は過去のブラックショアの職務報告にて多用されていた。
結論3と合わせ、当該事件はブラックショアの一部の過去の事件との関連性が認められると筆者は判断する。

……調査結果を鑑みるに、行方不明になったスタッフを取り戻せる可能性がある限り、行動マニュアルの可能性を否定すべきではないと考えるものである。
よって、過去のデータを確認し、さらなる調査を行うため、さらなる権限の認可を申請する。


判定結果:却下
判定者:テティスシステム
追記:ネクロ・スターの危険性は極めて高く、関連する周波帯(しゅうはたい)の調査には予想外のリスクが伴う。

ラグーナ

『隠海聖典・導論(第137回改訂版)』

『隠海聖典・導論(第137回改訂版)』

世の中の人々は、隠海教団について多くの誤解を持っているかもしれません。聖典の中で幾度となく登場する恩恵、救済、慈悲、信仰などの奇妙な言葉に怯えたり、疑問を抱いたりするかもしれません。歳主インペラトルが真の姿を見せないのに、信じることなどできるでしょうか?
実際、リナシータの数多くの歴史書は、いずれも歳主インペラトルが粛々と悲鳴に抵抗した功績を記録しています。リナシータ国内の壮大な遺跡と目をみはる景観の数々は、どれも歳主の力によるものです。今、歳主は人類のためにより良い生存環境を創造し、進むべき道を完成させました。歳主は人類に権威を与え、新しい未来の創造を私たちに委ねました。歳主自身がリナシータの万物と一体化し、私たちのすべてを静かに見守っているのです。
私たちは歳主の偉大な恵みに感謝し、歳主の善意に満ちた教えと行動を尊重します。私たちは喜んで歳主の意志に従い、その考えを人々に伝え、人々を善に導く  これは、隠海教団の使命でもあります。
そこで、私たちは偉大な博学者カスリーン侍祭の指導の下、世の中の人々が歳主と教団の哲学を理解し、教団に関するさまざまな誤解を解くことができるよう、この導論を編集しました。そして、より多くの人が善の道を歩んでくれることを願っています。以下、教団に寄せられた最も代表的な質問からお答えしていきたいと思います。

1. 歳主インペラトルとはどのような存在ですか?
歳主インペラトルは平和、謙虚、公平、慈悲の神です。特筆すべきは、私たちが歳主インペラトルを唯一の神聖な存在とは考えていないことです。
インペラトルはかつて、文明が存在する他の地域にも歳主がいると語ったことがあります。歳主たちは異なる力を持っており、昼夜の交代や星の動き、時間の経過を操る力であったり、古今東西すべての知識と知恵を操る力であったりすることでしょう。そして歳主の誰もが無私の心で人類に教えを授け、文明の発展を導いているのです。歳主というのは、総じて偉大なる神なのです。
歳主インペラトルは、「分離」と呼ばれる力を持っています。私たちはインペラトルが海を分離し、人類に「呼吸」するための空間  大地を与え、彼自身は空の上に住んだと信じています。言い換えれば、この世界の創造主はインペラトルであり、歳主の中でも非常に高い地位を築いていると信じていいでしょう。

2. 教団には教義がありますか?
私たちからすれば浮世は巨大で隠された海であり、誰もがおぼれ、下へと沈んでいくもの。水中でおぼれたくない人は、頭が水面から浮くまで上を向き続けることを身につけなくてはなりません。そうすれば、神の王国を垣間見ることができるでしょう。波に漂う生命が岸に到達してはじめて、文明が形成されるのです。暴風を止めて波を鎮め、海上で人々の命を救って浮世の海から脱出するよう導き、今日のリナシータと呼ばれる文明を築いたのは歳主でした。
今日では、教団の教えを「救済」「昇華」「繋ぎ」としてまとめています。
「救済」:私たちは歳主の恵みと救いによってここに集まっています。歳主の道を歩む者は、歳主の慈悲の哲学に従い、「救済」の原則を継承すべきです。道に外れた行為に対して見て見ぬふりをせず、他の人を危険から救うために最善を尽くしてください。悪行を繰り返し、不正に深く関与し、頑固で悔い改めない人々に出会った場合、教団の侍祭も彼らを正し、必要な懲罰を与えるべきです。
「昇華」:そして、救われたい人はまず自分自身を救わなければなりません。教団の侍祭は、歳主の施しや快楽、自身の欲望を貪ってはなりません。自分自身を励まし、精神を研ぎ澄まし、自身の精神が海に沈むのを防がなければなりません。
「繋ぎ」:歳主が権限を教団に譲った後、教団はリナシータの発展を導く役目を担うことになりました。教団の侍祭たちは互いを「兄弟姉妹」とみなし、信仰で人々を繋ぎ、異なる出身の人々の間での偏見をなくすよう努めています。私たちは、人と人を「繋ぎ」合わせることで強固な壁が築かれ、それによって激しい波に耐えることができると信じています。

初代主座のナポリ二世は、かつて歳主から遠い将来に世界が「最後の波」によって沈むだろうという予言を受けました。その日が訪れる前に、人々は「呼吸」を身につけ、絶えず「昇華」することで「救済」を求め、「繋ぎ」合って最後の波を乗り越えなければならないのです。
その時私たちは、かつて歳主インペラトルの導きで「リナシータ」にたどり着いた時のように、歳主の呼びかけに応え、再び大地を踏むことになるでしょう。

3. 教団の教義は理論による裏付けがありますか?
いわゆる神学という学問は、今現在において人類が理論と実践を用いても完成させることができない科学であると考えています。
歳主は文明の指導者であり、私たちは歳主の言葉の権威を信じています。教団は代々継承され、その背景をもとに対応する理論体系をまとめてきました。
以下は、『教団哲学  神聖なる知識の領域をめぐって(第1巻:水の源について)』からの抜粋です。
根源性  世界の根源は水である。
「水」はある種の本質が無限のものであり、この世の万物に普遍的に存在する。
私たちのいる世界は元々広大な海で、万物はインペラトルによって水の中で「分離」し、そこからすべての天界と世界が誕生する。
……
運動性  潮の満ち引きは止まることなく千変万化の運動を続ける。
「水」は運動の中で冷と熱、乾と湿などの対立する要素を分裂させ、この世の万物を構成している。
「水」の運動は潮汐であり、万物は最初の潮汐の中から誕生し、「最後の潮汐」で終わりを迎える。
……
再帰性  「水」は無差別にすべてを反映する。
人々が水中でもう1人の自分を見ることができるように、我々もまた「水」中からもう1つの世界を覗き見ているのである。
「ソノラ」という反響領域は、この世における「水」中の倒影である。
……
……
……
数世代にわたる主座の改革を経て、私たちは現在この理論の普遍的な検証可能性をさらに強調し、それを実践や生活の指針に活用しようと努めています。
読者の皆様はリベルタ広場にあるアリトの神聖な井戸に行き、ラグーナの「水占い」を体験することで水の神秘を感じることができます。他にも古代のドゥカート硬貨を井戸に投げ入れたり、質問をしたり、吉凶を占ったり、物事の真偽を確かめたりすることができ、誠意を持ってお願いすれば返事が返ってきます。
読者の皆様が、この本を読んで聖典への関心をさらに深めていただければ幸いです。教団の蔵書室から、無料で関連書籍を借りることもできます。
「百聞は一見に如かず」とはよく言ったもので、歳主の偉大な御心を言葉で解釈することの難しさは理解していますが、それでも私たちが感じる神聖なエネルギーを言葉を通してお伝えしようと努めています。ですので、読者の皆様は聖典に記されたさまざまな奇跡を一種の「象徴」として理解してみてはいかがでしょうか。私たちは、そこに秘められたコミュニケーションの力にはまだまだ無限の可能性があると信じています。同時に、互いの語りと理解を通じて、人々が完全な世界を想像できると信じています。これにより、たとえ再び悲鳴が訪れたとしても、私たちはそこから自分の立場と存在を確立することができるでしょう  これは、歳主と私たちについての神話でもあります。
信じるかどうかは別として、読者の皆様にはこの文章を友好的なコミュニケーションやおもてなしとして捉え、読み進めていただければ幸いです。そして、この文章が皆様にとって何らかのきっかけとなることを願ってやみません。
私たちの誰もが浮世の海に沈んでいますが、はい上がる道はひとつだけではありません。心に光と優しさがあれば、この暗く渦巻く潮の中でも己の船を見つけることができるのです。

『聖女フルールドリスの殉教(未完成稿)』三幕一節

  旗持ちやドラム隊を先頭に、フルールドリス、ブラウンド、その他侍祭らが聖具を携えて登場。

フルールドリス 黒潮がいなくなったのは一時にすぎないのかも……でもやっと!やっとリナシータに安息が訪れた!長きに渡る侍祭様の御献身――本当に感謝します……!
ブラウンド ただ侍祭としての役目を全うしただけです。私たちはあなたの兵士……そしてまた歳主の剣。リナシータが危機迫る今、侍祭は命を惜しむ時じゃない。ましてや、聖女様が御自ら鎧を纏い、武器を取り、我らを率いて黒潮に対峙し、どんな深傷でも決して退こうとされなかった。侍祭の高潔さ、戦士の勇敢さ、両方を併せ持つあなたに胸を打たれ、私たちも果敢に戦うことができたのです。
ブラウンド あの時、北に僅かな光が見えた途端に、一片たりとも慈悲なき黒潮が再来したのです。まるで獰猛な野獣が我らが土地を残酷に貪るばかり。勇敢なる兵士たちは、後から来る潮に対し無力ばかりで……幸いにして今は潮が引きましたが、いつまた押し寄せてくることやら……!まったくまるで運命ですな。いつ来るかさっぱりわかりゃしない。このままだと、あやつに備え続ける気力を維持しきれません……!
フルールドリス いいえ、まだ希望はあります。もしかしたら、いや、きっと!
フルールドリス あの時、私は黒潮に呑み込まれたせいで昏睡し、悲惨な悪夢にうなされること三日三晩――それはまるで奈落に突き落とされたよう。でもそこに一筋の光が  まるで歳主が神託を授ける時のような、慈悲深い言葉で私の魂を慰め、暗闇の中で私を目覚めさせてくれたのです!歳主は仰いました。神体の傷を癒やさぬ限り、黒潮は永遠に止まらないと。その傷を癒すには、歳主の力を持つ者が歳主と繋がり、力を注がねばならぬと。東へ進め、霧中の高天の座があらん。さすれば黒潮の危機を解決できる……と。
ブラウンド ああ!インペラトルは我々を見捨てなかった!そのお言葉通り、あなたが歳主と繋がりになれたのなら……予言に記された「神の代弁者」は、とっくに私たちの前に降臨されていたではないですか!
フルールドリス 歳主の名において、私は軽々しくそのようなことは言えません。神託を受け聖女となった日、歳主は「神の代弁者」についてはなんら教えてくれませんでした。
ブラウンド 聖女様、これまで数え切れないほどの尊い行いにより民を苦難から救い、民の願いを天に届けました。その感謝の気持ちを込め、あなたを聖女と呼ぶことを決めたのです。我らにしてみればあなたはもはや神の代弁者なのです!
フルールドリス いずれにせよ、これは歳主に関わることです。高天の座の場所がわかった以上、私は聖女としての責任を果たすため、すぐに向かいます。今回リナシータは滅びこそ免れました。でもこれ以上犠牲を許すわけにはいきません!
ブラウンド 然り!総員!すぐに支度だ!聖女様を護衛せよ!
フルールドリス お待ちください!黒潮はいまだ北方に広がっています。兵士たちの力は、民を守る方に使ってください。
ブラウンド しかし!
フルールドリス これは我がための歳主よりの使命。私たちにはそれぞれ進むべき道があり、その道のりは危険で、ともすると……私の死地になるやもしれない。万が一そうなれば、教団の未来は侍祭たちで決めるのです。(侍祭たちが泣き出す)
フルールドリス 涙を拭ってください。これは私が進むべき道。もしすべてがうまくいけば、黒潮は完全に引き、リナシータは必ず蘇ります。もしそうなって私が戻る時には、喜びの歌で出迎えてください。重々しい哀悼よりも未来の希望に満ちた歌を……きっと歳主も同じ思いのはずです。(にこやかに)
ブラウンド はっ!その聖命を確かに拝領しました。一部の衛兵を率いたフェンリコ侍祭が東に駐屯しています。もし聖女様がその東に向かわれる時、彼が手助けしてくれるはずです。
フルールドリス ……ご覧なさい。また日が昇ります。どんなに夜は長くとも必ず明けるのです!どんなに夜に泣こうとも、朝になればまた歌い出す。これからだって私たちは人生を謳歌することができるはずです!それがリナシータの人々にとって最も大事な富、人類にとって最も鋭い刃、揺るぎない意志、高揚した信仰、そして  尽きることのない希望!それらを高く掲げましょう!(退場)
ブラウンド 聖女の剣よ!歳主の加護の元に嵐を鎮め、海潮を引き裂かんことを!(共に退場)

  つづく

著者コメント:
この劇はまだ未完成で、これからも相当な推敲が必要です。現時点では拙い作品であり、失笑ものではないかと恐れています。
歴史によると、聖女の出立後、数日のうちに黒潮は完全に消失したそうです。しかし、聖女自身もまた……永遠に私たちのもとを去り、神に召されました。力を使い果たした聖女は、殉教と引き替えに黒潮を阻止した説もあります。
このような歴史的記録において欠落している部分が最も興味をそそられます:「神の代弁者」とは一体誰なのでしょうか?聖女は本当に「神の代弁者」だったのでしょうか?聖女が去った後、一体何があったのでしょうか?伝説の高天の座は実在するのか?歳主を深く傷つけ、長らく苦しめたのは一体何なのでしょうか……これらの真実について、私はいまだ考え続けております。
物語とは常に人の創作にすぎず、本作もまた一つの解釈に過ぎません。もし史実と矛盾する部分をご存知でしたら、忌憚なきご指摘をお願いいたします。

パーフェクトカーテンコール

パーフェクトカーテンコールパーフェクトカーテンコール

ステージの真ん中で挨拶して。

『孤独のソラ』

『孤独なソラ·ラグーナのすべてに関する』
(先駆条約が執筆した観光ガイドで、エグラの町に関するコラムは長期更新されていないようだ)

【次の人気の探検地】:エグラの町!
勇気を持ってカルネヴァーレの冒険劇の原型を探したい人にとって、伝説的な「巨人」の領土を訪れたり、水辺で雲海に響く歌声に耳を傾けたり、騎士たちの足跡を追い栄光と正義を垣間見るのはもはや神話ではありません。エグラの町では、美しい水辺の風景を楽しみ、夕暮れの草原でヤクの大移動と回転する風車を見ることができます。また、咲き乱れる花々のそばで、アフタヌーンティーと百年の伝統のたグルメを楽しむこともできます。

【夢幻の旅リスト】:霞立つ水境!
今号の【夢幻の旅】にはそよ風のヘイヴンの奥にある霞立つ水境が選ばれました。引き込まれるようなゴンドラツアーの中で、霞立つ水境はいつも夢のような風景で観光客を魅了します。
しかし、多くの訪問者が知らないことは、様々なロマンチックな舞台劇の原型として、その雲海の上空を漂うノクターン·ガーデンは根無し草ではなく、旧ラグーナ城の最も高い塔の遺跡であり、かつてナポリニ世が黒潮の中で奇跡を呼び寄せ、ラグーナの人々を救った場所なのです。それ以来、黒潮は白い雲海に変わり、現在の姿に至りました。
昔のエグラの町はこの雲海の下に沈んでいます。

【旅が目的地】:今すぐ出発だ!
注目すべきは、原因不明だが長年にわたって雲海の水位が徐々に上昇し、エグラの町の住民が北部の高地へ移り住んだことです。当時、この地は荒涼とした未開発の岩地で、「そよ風の岩地」と呼ばれていました。後にエグラの町の人々が稼働し続ける風車を建て、低地の水源を汲み上げて作物や花を育てたことで、現在の「そよ風のヘイヴン」の美しい景観が生まれたのです。

【幸福コラムの思い出】:旅人の声!
貴社はエグラの町に関するコラムを、前回のカルネヴァーレ以来ずっと更新されていません。いつも同じ文章を掲載して、もしかしてもう作者に原稿料を払えなくなった
のですか?
今時もはやエグラの町に興味を持つ観光客は存在しないのかもしれませんね?まさか、図星だった?

エグラの町ガイド(その一)
(十年前に発表された短編小説。
「ベストセラーを汚すやつ!修道会に三度も発行禁止された!」
「十人に一人しか読めない本!君もその一人なのか?」
「奇想天外!ラッセル星人の風刺が数十年経っても痛い所を突くものだ!」
と編集に勧められた…どうやら二十年前の話題作のようだ。)

ソラリスの表層には、嵐、暗礁、そして巨大な怪物がひしめく広大な海が広がる中、誰にも気づかれずひっそりと眠る静かな群島が存在していた。この島々に流民たちが築き上げたのは驚くほどの文明で、彼らはなんと「統一された意志」をとても偉大なものだと信じている。この群島、あるいはかつてそこに存在していた問題といえば、多くの住民が多くの時間を不満に感じている、ということだった。

引退した後、私はよく友人と初めて出会ったあの午後を思い出すのだった。
彼の名前はフォード·パーシヴァル、宇宙人だった。
エグラの町に来た初日に、彼は代金を支払わずにバゲットを十本も食べた。すぐに神使たちが盗難の罪で彼を裁こうとしたため、私は彼のために借金を肩代わりして助けた。
「慈悲」な神託は礼拝活動後にずっと頭の中に残っている、これに関わるものを探したいと思っていた  彼に出会うまでは。可哀想な異郷人、きっとお腹が空いていたのだろう。
「私はフォード、宇宙人だ。あの武器の成分を分析している。あなたたちは奇妙な武器を使っているな。」
と助けられた彼はそう言った。「ここはどこだ?」と彼に問われた。
宇宙人?ああ…わかった。なんらかの連邦から来たと自称する人がこういったことを教えてくれた。ソラリスは踊っているトマトだから、トマトは回ったり呼吸したり踊ったりもする。でも宇宙人は違う、他のトマトからやってきた宇宙人は生きてるものと死んだものがあるとか。
「エグラの町だ。」と私は答えた。
「そうか、エグラの町だったか。そうだ、あれはなんだ?」彼は遠くにある回っている風車を指で示した。
「あれは風車だ。独眼巨人風車群、ブリアレオなんだ。」エグラの町に生まれ育った者として、私は本能的に説明した。
「独眼…巨人だと!ああ!知っているぞ!見たことがあるからな!まさか、あいつを殺して風車を作ったのか?どうやって作るんだ?この自動回旋陣列はその残骸で作られたものとでもいうのか?ブリアレオとは一体なんだ?熱分散装置なのか、推進エンジンなのか?それともネットトンネルを開ける設備なのか?」

エグラの町ガイド(その二)
(前編に続き)

自称フォードという者は巨人の話に興味があるようだ。彼は興奮しながら地面に座り込み、遠くにある風車を指して理解できない言葉を言い始めた。
やはり、どこから来たのか、どのトマトから来たのかに関係なくこのエグラの町の風景を目にしたら、みんな騎士物語に魅了されるはずだ。
すると私は立ち上がって前へ三歩歩いて、存在しないネクタイを整えてから優しく説明した:「そうだ!まさにその通り!昔ある正義感を持つ騎士が私たちを導いて巨人を殺した。それ以前は、エグラの町の人々と音骸はみんな巨人に脅されて追われ、南の高地での生活を迫られた!そして今、あの暴君は花の海に埋まった!私たちは壮観な風車を作り、花と畑を育てて、昔の居場所をブリアレオと名付けた、あの騎士の功績を記念するために!」
フォードは私の説明を聞いた後、ぽかんとその場に立ち尽くして、一万頭の回遊の鯨が彼に怒鳴って、その怒鳴り声に感知力を失ったようだった。
暫くすると、彼はうろたえながら再び質問した。「ここにはまだ騎士がいるのか?」
なんという質問だ?
インペラトルに祝福を!
やっとあの「エグラ町人としてもっとも聞かれたい質問トップ10」第一位の答えを言える時が来た。
私は教団の侍祭たちのように厳粛な表情を浮かべ、自らの頭上に尊き者の象徴である光輪が現れるのを想像し、インペラトル様が目の前に立ち翼を広げる光景を思い描いた。そして、カルネヴァーレで月桂冠を勝ち取り、大聖堂で宝剣を掲げて爵位を受け、ラグーナ城のオシャレな紳士たちから敬意の眼差しを浴びる自分を想像した。
そして、私はゆっくりと話した。
「もちろん、いるさ  
「だが、騎士の道を追い求める外来者は多い。あなたは騎士の試練を受ける覚悟があるか?」
異星人フォードは、興奮のあまり音痕すら輝き、まるで漂流者が流木にすがるように、涙を浮かべながら私の足にしがみつき、揺さぶり続けた。「あります!あります!どうか伝説の騎士への道を示してください!故郷ラッセル星に帰り、我が故郷を救うためなら、どんな代償も払って見せる!」

(試し読み終了。続編は未購入です)

シェフの食卓:ラグーナ篇
【人気シェフの人知れぬ秘密】
もしあなたがラグーナ城を歩いている人を捕まえて、「ラグーナで一番の公共レストランはどこですか?」と尋ねたら、
十人のうち六人がこう答えるだろう。「それはトラットリア·マルゲリータだ!」
と。三人は「中心街にあるあの家庭的なレストランだよ」と言い、最後の一人は「ふわふわの尻尾を持つシェフのレストランチュ!」と言うことだろう。
そうだ、トラットリア·マルゲリータの影響力はラグーナでは別格だ!
素晴らしいチュ!
ラグーナ城の人気レストランと言えば「トラットリア·マルゲリータ」が有名だが、意外と知られていないのは、この店が伝統的なラグーナ料理の改良版であることだ。
このコラムの調査によると、エグラの町は今でも伝統的な料理を守り続けている。そしてマルゲリータさんはグルメの特別な食感のため、時々休みを取って外出し、自らエグラの町やリジョリ群島へ行って食材を調達したりする。
もしかして……ここまで聞いてあなたはこう思うかもしれない。「何?リジョリ群島が水産物を提供するのはともかく、マルゲリータさんが自らエグラの町まで行くって?あそこは田舎じゃないか!エグラの料理なんかがラグーナ料理を名乗れるの?」
確かに、日々発展しているラグーナと比べて、エグラの町の生活はそれほど華やかではない。ここでは人々は穏やかに過ごし、町の貿易や物流もラグーナの中継に依存している。人々は風が吹くと働き、風が止むと休み、風車や農地、麦畑や牧場に囲まれて生活している。
しかし、だからこそエグラの町の食文化は百年以上ほとんど変わらずに受け継がれている。ここにだけ、ラグーナ料理の最初の伝統的な風味と技術が残っている  風車での製粉や水車による加工など、古来の方法を守り続けているのだ。
「ここの食材と加工品はとても貴重チュ!地元牧場のチーズは濃厚で香り豊かで、肉は豊富な食感でお腹を満たすにはぴったりチュ!」と、マルゲリータさんは本コラムのインタビューで語ってくれた。

【特別ゲストのコメントコラム】
元教会財政官:「伝統的な食文化にはリナシータの過去が刻まれている。伝統料理を忘れることは裏切りだ!」
美食家オーランド:「この爺さんはお決まりのスローガンしか言えないのか?伝統的な美食だって?お前たちの町のパンなんて固すぎて人を殺すこともできるぞ。」

『アヴェラルド金庫のチラシ』

金庫チラシ1
私たちをあなたの財産の召使いとして選ぶ理由
強力なブランド影響力!リナシータ一の銀行であり、数十年の優れた歴史を誇る商業銀行であるアヴェラルド銀行は、長年の努力の末、リナシータ内外の優良顧客や金融同業者から信頼と支持を獲得しました。その強力な市場の求心力とブランド影響力は、投資銀行業務において強力な発行と引受能力、ハイクオリティでプロのリナシー夕資本関係ネットワークを提供し、お客様がさまざまな市場運営手段を通じて長期的な成長戦略を達成できるよう支援します。リナシータにおいて、アヴェラルド銀行は唯一無二の選択肢です。
注記:はいわかった。リナシータで唯一の銀行であり、記念建築はなし、モンテリファミリーが保証する。預けたくなければ預けなくて良い。ただ、預けないという選択肢はない。

金庫チラシ2
私たちをあなたの財産の召使いとして選ぶ理由
精緻な顧客サービスネットワーク!
アヴェラルド銀行の顧客サービスネットワークは全国を網羅しており、ソラリスの各地に海外支店を構築するために積極的に活動しています。これにより、ソラリス各地での生活や消費を支援し、各地の支店建設計画を通じてソラリス全体の金融動向を迅速に把握し、お客様の期待できる、投資価値のあるプロジェクトを見つけるお手伝いをいたします。お客様それぞれのニーズに応じた橋渡しを構築します。
注記:はいわかった。全国にジムを開く予定で、トレーナーがあなた専用のトレーニングプランを作ってくれるとか実現できない話をペラペラ喋って、会員登録を勧めているわけだ。

金庫チラシ3
私たちをあなたの財産の召使いとして選ぶ理由
強力な資金力!
アヴェラルド銀行はリナシータで時価総額1位を誇り、資金力があり、流動性も高く、資本も十分で、さまざまな融資や引受業務でお客様を確実にサポートし、リスク管理能力が非常に高いです。
各金融業務以外にも、アヴェラルド銀行はリナシータで最大のオークションやコレクションプロジェクトを主催し、積極的に外部に投資しています。自社チームにより、多数のインフラプロジェクトを建設しています。
アヴェラルド銀行はリナシータの金融循環そのものであり、非常に高いリスク耐性を備えています。
注記:はいわかった。お金ならぎょうさんあるから別にお前の金なんていりまへんってわけだ。

金庫チラシ4
私たちをあなたの財産の召使いとして選ぶ理由
優秀な人材ならここにいる!
アヴェラルド銀行の成長力は、優秀な人材に支えられています。ソラリス各地から豊富な金融経験を持つ専門家を積極的に採用し、優れた職業倫理、積極的なイノベーション精神、卓越した開発能力と優れたビジネススキルを持つ専門チームを育成しました。お客様にリナシータ随一で最適な金融サービスを提供し、専門性の高い投資アドバイスを提供して資産の保護に努めます。
注記:はいわかった。ソラリスの銀行人材は全員引き抜かれているってわけだ。

金庫チラシ5
私たちをあなたの財産の召使いとして選ぶ理由
この名前です。
モンテリ、私たちの名前はモンテリです。
注記:はいわかった。私はモンテリであるから、ここに資産を預けたら、確かに……

『先代の枢密のノート』

先代の枢密のノート・その一
……

日の出の時刻、私はあの方と共に港で、まもなく出航する巡礼船を見送った。集まった民衆や侍祭たちは、船に乗る信者たちに尊敬のまなざしを投げかけていた――最も敬虔で、最も勇敢な信徒だけが巡礼船に乗る資格を得て、遠海で歳主にお会いすることができるから。

遠い時代、私たちの主、インペラトルは一つの土地に長く滞在することはなく、常に海を巡り、行き交う船々を助けていた。歳主の光輝は迷子になった航海者の船を故郷に導き、あるいは安住の地を見つけさせると言われている。教団内で私たちは、舟に乗り嵐や怒涛を超えて、海で歳主の啓示を聞く修行の旅こそ、最も名誉あることだと信じていた。

おそらく、実際に業務を担当する者だけが、巡礼船にかかる膨大な資金と労力を実感できるのだろう。民衆から税金と物資を徴収し、大家族から熟練の職人や水夫を引き抜き、経験豊富なキャプテンと副キャプテンを高額で雇う……信者たちは遠くにある危険な海域に向かうが、歳主の加護を受けた者のみが帰還し、約束された名誉と地位を得る。歴史を振り返れば、そのような者は極めて少なかった。
私は巡礼船の意味を疑ったことはないが、この膨大な代価については懸念を抱いている。私たちは本当に大切な信者たちを、この心身を擦り減らす苦しい旅に送り出しても良いのだろうか?あの方……新たな主座は、一体どう考えているのだろうか?

隣を見ると、かつて神学院で共に学んだフェンリコ様の顔が、どこか見慣れない陰りに包まれていることに驚きを覚えた。

……

先代の枢密のノート・その二
……

一体、どのようにしてこのような状況になったのだろうか?眠れぬ夜を過ごしながら、私は辺鄙な告白室に閉じ込もり、インペラトルに告白の言葉を述べていた。今は震える手で告白を記録している。

ある時期、教団はもはや盛大な巡礼行事を行わなくなり、重い税目も廃止された。ラグーナの人々は依然として、信者たちが大海を越え、歳主に会いに行く精神を讃えていたが、巡礼船自体はすでに歴史的遺物となった。しかし、すべてはあの血塗られた物騒な祭りの後…いや、それ以前からすでに変わり始めていた……

私は今でも覚えている。あの時、主座様は落ち着いて粛正な言葉で命令を伝え、私は忠実にそれを記録した――教団は教義に反する者を巡礼船に乗せ、全ての文書証明を剥奪し、再び巡礼の旅に出させるという。かつては信仰を実践するための壮大な行為が、今や懲罰の手段になってしまうとは思いもしなかった。
「私たちは裁きと教化の権限を歳主にお返しする。巡礼の旅において心から悔い改めた罪人は、航海の果てで罪を償い、歳主の赦しを得ることになるだろう。」と、主座は民衆にこう宣言した。

しかし、罪人が本当に償うことができるのか、誰もわからない。なぜなら、巡礼に出た者は誰も生きて帰ってこなかったからだ。「愚かな行いを犯した者は巡礼船に送られる」ことが、懺悔院で推し進められる鉄の掟となり、像を破壊した暴徒や教義を歪めた不誠実な侍祭、風刺喜劇を作った劇団員など、様々な人が「冒涜」の罪で巡礼船に乗せられた。やがて、その中に私は知っていた顔を見かけるようになった――彼らの中の多くの人はかつて主座様の主張に反対していた。

私は自分の人格をかけて彼らの信仰と徳行を保証できたはずだが、ただその姿を目の当たりにして、彼らが巡礼船に乗っていくのを見守るしかなかった。いや、もはやそれは巡礼船とは呼べない。民間では、より正しい名称である「愚者の船」と呼ばれるようになり、いわば愚かなことをしてしまった者が乗る船だ。

主座様……フェンリコ……これがあなたが学院で語っていた理想の世界だったのか?

……

先代の枢密のノート・その三
……

私は、懺悔院での判決を聞いた時、どうしてこんなにも冷静でいられたのか、自分でも驚いている。もしかしたら、私の心はすでに死んでいるのかもしれない。

今日も日の出を迎え、私は助祭に連れられ、愚者の船に乗り込んだ。出航前、私は港を振り返ったが、主座様の姿は見当たらなかった。何の不思議もなく、その男は教団内で絶大な権力を握り、もはや失墜した愚者のことなど気にかけることもなかったのだろう。

愚者の船は、かつての巡礼船とはまったく異なっていた。それは平らで広々とした甲板も、精緻に手入れされた帆も持っていなかった。目に映ったのは、傾いた板、緩んだ釘、ひび割れたマストだった。狭い船室では、明らかに食料と淡水が不足しており、私は他の「巡礼者たち」と顔を見合わせた。今の私たちは、まだいくらかの体面と理性を保っているが、それも時間の問題で、船上は人々の私欲に満たされ、いずれ船も牢獄と化すだろう。

しかし、もし私たちが運良く、いわゆる「果て」に到達したとしても、そこには何が待っているのだろうか?

私はひそかに、外部の侍祭たちから送られてきた調査報告書を見たことがある。海霧に包まれた墓島には、多くの巡礼船の残骸があったという。何度も嵐を越えた愚者たちは、歳主に会うことなく、海中の暗流に導かれて、鬼火と死の気配を漂わせた島に座礁したのだ。そして私の知る限りでは……そこには恐ろしい何かが徘徊しており、それは枢密院内部の文書でさえ触れることのできない「審判の火」だという……

……

食料が尽きかけている……昨晩もまた、誰かが狂って、舱室の扉を内側から施錠して食料を独占しようとした……

インペラトルよ、もしあなたが私の祈りを聞いているのなら、どうか海の荒波と嵐によって最後の慈悲を与え、私たちを不義の苦しみから解き放ち、私たちに……安らかな眠りを与えてください。

(残りの文字は海水に浸かって判読できない)

『僭越者の写し』

僭越者の写し・その一
ラグーナがまだ建設されていない古代の時代、リナシータの遠海には「千島の国」がそびえ立っていた。
その頃、私たちフィサリアは海洋についてすべてを知り尽くしていた。私たちは培養した深海生物から毒素や薬品を精製し、膨大な遠洋と深海資源を掌握し、並外れた富と名声を手に入れた。しかしその後、悲鳴が響き渡り、群島文明は滅亡の危機に瀕し、私たちも新たな故郷を求めて「方舟」の建造者の一つとなった。
海を超える航海は非常に危険で、方舟群は霧に迷い込んだり、嵐で転覆したりした。私たちの方舟は幸運にも「天外の音」に導かれ、船団を率い、遠くの「灯台」の微光を頼りに、ついに人が足を踏み入れていない豊かな群島に到達した。その中の一つの島が、今日のラグーナの発祥地だ。

新生したラグーナでは情勢が不安定で、すべてのことにいつ変化が起きてもおかしくない状況だった。時の族長はファミリーの統治地位を強化するため、▇▇▇▇の現れこそが深海信仰の具現化であり、海の神々が私たちの信仰に応えてくださった証であると宣言した。この措置は効果を見せ、信者が増えるにつれ、私たちが掌握する権力も次第に固まっていった。

その後、近海の漁民が、外で漁をしている際に▇▇▇▇からの助けを受けたと主張した。それはとっくに存在していたもので、民間では「巨霊」と呼ばれていた――海面の下に現れる巨霊の影が、ラグーナの漁民や船団を嵐から守り、従来よりも遥かに多くの漁獲量をもたらしていた。

私たちフィサリアはラグーナ最初の主であり、教会信仰の基礎も私たちが作り上げたものだ。なぜ族長代々がこの歴史をわざと隠すようとしたのか?
なぜあの方の名を思い出せない?くそ、傷口が疼く…ここの空気にはきっとなんらかの問題がある…まずは場所を変えないと
私は塔の中に隠れている、あの追手たちはきっと思ってもみないだろう。できるだけあれらの秘密を記録しないと、まだ覚えているうちに……

僭越者の写し・その二
出航した漁民はその魚影を▇▇▇▇と見なされ、しばしばその聖名を唱えることで助けを得るようになった。小さな奇跡が次第に積み重なり、強大な信仰の暗流が形成されていく。民間ではますます、巨霊が▇▇▇▇であると信じられるようになった。

ファミリーの者たちがこれに気づき、調査を始めたとき、彼らは驚くべきことに、それらの「奇跡」が過去の記録とは大きく異なることに気づいた。民衆が信奉する巨霊の正体とは何なのか? 私たちが信仰し続けている対象は一体何なのか?この奇妙な信仰は、ラグーナの本来の歴史を密かに書き換えており、さらに私たちが隠海教団を支配する力を脅かしつつあった。

「方舟」の先住民と私たちの上層部のみが、▇▇▇▇が▇▇の姿であることを知っている。教団の布教で、何も知らない大衆は▇▇▇▇への信仰を次第に盛り上げていった。一方、▇▇▇▇が魚の形をした神の姿だという誤解が広まり始めた。奇妙なことに、そのような話を聞いた人々は、本当に夢の中で▇▇の姿をした▇▇▇▇に遭遇したという。

これは、私が族長の密室で覗き見た記録なのだろうか?何故か、私の手が制御できずに▇▇▇▇について書き続けているような気がする。

ああ、思い出した……そうだ、私は海に出たことがなかったのに、逃亡の途中であのような夢に陥ったことがある。静かな海面の下から深い黒い影が浮かび上がり、私の漁船はその前ではまるで無意味な小舟のように見えた……

あり得ない……あの不潔で冒涜的な姿が、私がこれまで信じてきた存在のはずがない……私は真実を世間に伝えなければならない……

僭越者の写し・その三
あのナポリ二世の死後、隠海教団は新たな主座を選出した。信仰の伝播範囲は以前に比べて遥かに広がったが、侍祭たちが朗読する教義は陰湿で湿った水気を帯び始めた。▇▇▇▇に関するすべては歪み始め、その像、その事績、そしてその方が教えた格言さえも変貌していった……

この集団的な幻想に誰も疑問を抱かず、形を解消することに誰も反抗しない。なぜならすべての水は海へと帰るからだ

私の首の上にある頭の中で誰が語っているのだろう?黙れ、冒涜的な存在……私のペンはどこだ……いや、私の手はペンを握っている。でも、これは本当に私の手なのか?どうして手の甲には黒い……血が流れているのだろう?

変化した事態に、私たちは奇妙な沈黙を保ち、教会の支配から離れた現状に目を閉じたままだった。多くのフィサリアの者たちは奇妙な悪夢でなかなか眠れなかった……彼らは夢の中で海面下の巨大な魚影を同時に凝視していた……その後、叫び声で目を覚ますまで。

(筆跡が乱雑で、紙には意味不明な線が引かれている)

私はアンセムを口から発しているのを聞いた。床から湿った摩擦音が聞こえて、古代の血が今も私の体内を流れ続けている。あの方はここにいる。あの方はどこにでもいる。

家族を離れ、教団の信者となった者もいれば、セブン・ヒルズに赴き、生涯、信仰について語らないと誓った者もいた。また、河口近くに集落を築き、さまざまな勢力とあまり関わらない者もいる。哀れな私たちフィサリアはかつて権力を握り、数多くの同盟者を持っていたにもかかわらず、今やこのような境遇に陥っているとは

生まれながらに抱えていた恐怖を切り離し、私はもはや疑わない。あの方こそが▇▇▇▇であり、▇▇▇▇こそがあの方である。どちらも元々一体なのだ。理性の深層で、言葉にできないような喜びを感じる。

栄光を誇ったフィサリアよ、族人の影が近づいてきていて、私を深海へと導いてくれるだろう。

あの方が呼んでいる。ああ、▇▇▇▇に祝福を。

『巫術、耳目と告発状』

『異端の槌』より抜粋
(薄い冊子には激しい意見が記録されており、どうやらある極端派の教義のようだ)

巫術とは何か?巫術の本質とは何か?
誰もが知っているように、共鳴者の共鳴の力は本来、我らが主インペラトルの恩恵から来るべきものである。信仰深い教団の信徒は心を鍛え、教えに従い、さすれば恩恵を受け、凡人の体で神の力を行使することができるようになる。しかし、巫術は無駄な欲望から発生する  不誠実な者はレビヤタンの密かな誘惑のもと、その者と契約を結び、術法を行使できるようになる。その瞬間から、彼らは生まれながらに受けた神の恵みを裏切り、もはや正直な信仰を持つ「人間」ではなく、冒涜する力を以て世間を害する巫師へと化した。
神は我々が生きる世界を形作り、我々が持つすべてのものは神の恵みによるものである。しかし、この巫師たちは悪魔の誘惑に駆られ、神の創造物を堕落した不浄な超自然的存在へと変え、それと虚偽の「共鳴」を行った。彼らの身には悪魔のマークが刻まれており、それこそが罪の証である。「悪魔の器」の助けを借りて、この巫師たちは残像に変わり、インペラトルの民を傷つけることさえできる。
我々は警戒しなければならない。自由を求め、欲望に満ちた者は、誰でもレビヤタンの選民へと堕ちる可能性がある。
彼らに対して定期的な「浄化」や「追い払い」が必要である。巫術を使う異端は野蛮に増殖し、汚れた力で世を侵し、最終的にはリナシータに黒い災厄をもたらすだろう。教団には彼らを統一的に拘束し、教化する義務があり、インペラトルの導きに従うべきである  もし教団に帰依し、インペラトルの像に誓いを立て、世俗を離れ、厳しく修行しないのであれば、その歪んだ運命は「巡礼船」に導かれ、正しい道へと進むこととなるだろう。
我々は彼らのために昼夜祈り、インペラトルの救済を求め続ける。インペラトルに祝福を。

『隠海教団の耳目はどこにでも存在する』
友よ、自由を求める同志よ、他者の目がない安全な場所に到達したら、この冊子を開くことを忘れないでくれ。これから、筆者はあなたに隠海教団の耳目を識別する方法、そして危険な追手を撒く方法を教える。
頭上に金色の光輪を持つすべての音骸は、隠海教団の耳目であり、「天使」の役割を果たしている。彼らは教団の侍祭と常に一緒に行動し、教団が異端を排除するための手先となる。音骸の国「リナシータ」だと?はっ……どんなに素晴らしい風刺劇も現実の荒唐無稽さを演じ尽くすことはできない。
まず気をつけるべきは、ランタンを持つ音骸の集団だ。彼らは「ルチェルナ」と呼ばれ、攻撃的でないように見えるが、「異端者」を夜の闇の中で逃げられなくさせる。彼らの光は道を照らすだけでなく、眩しく刺すような武器にも変わり、人々の方向感覚を奪うことができる。かつて、フェイイグニスの音骸能力を使って身を隠した者がいたが、その光の下では依然として自分を隠せなかった。
最も典型的な手先は、あの石膏像のようなもの  悪名高い「ガルディア」で、教団の最も忠実な護衛隊である。彼らは侍祭の指示がなければ動かず、静かな像のように静止している。「ガルディア」に追われた場合、決してやつらと戦わず、発令した懺悔院の侍祭を見つけることだ。
そして、その護衛隊の中で最も憎むべき存在は、教団の建物の高い場所に立つ「ヴォックス・サンクトゥス」である。彼らは教団の近衛兵で、自由に動くことはできないが、昼夜を問わず手に持った角笛を吹き、虚偽の福音を宣伝し続ける。この福音はラグーナの人々の精神に浸透し、ラグーナの人々の思考を毒していく。
ラグーナの子供たちがこの世界に生まれたその瞬間から、彼らは絶えずこれらの歪んだ教義を聞き続けなければならないことを、あなたは想像したことがあるか?武力による圧迫にはまだ抵抗する余地があるかもしれないが、ラグーナ城に住み、あの隙間なく広がる精神的な規律をどう避けることができるのか?

異端告発書
尊敬なる教士閣下、

私、チャールズ・トルナトーレは、ここに異端の存在を実名で告発いたします  地下劇団「良薬」は、教団によって禁じられた劇『フライング・ラグーナ人』を再演し、台本には数多くの悪辣な暗喩と象徴が加えられています。私は記憶に基づき次の通り書き写します:
「主座の名言はまるで漬け込んだ呪文のようで、ゴンドラでさえ聞けば一瞬ひるんでしまうだろう。」
  第一幕第一場より
私の手にあるバゲットで信仰の敵を打撃するのに十分ではないのか?
  第一幕第三場より(注:このセリフは侍祭が言うもので、劇作者は教団の法具をパンとして侮辱している)
インペラトル様、どうか私たちの朝のような愛を見守ってください。
  第二幕第一場より(注:ここでは男女主人公が駆け落ちをしている)
……
申し訳ありませんが、私はこれ以上冒涜的なセリフを記録することができません。あまりにも恐ろしいことです、彼らが私たちの崇高な信仰をこれほどまでに踏みにじるとは。
彼らは公演時に仮面をかぶって顔を隠していましたが、私はその姿勢や声で彼らの正体を見破りました  驚くべきことに、彼らはすべてモンテリファミリーのために働いているのです(具体的なリストは別紙にて添付いたします)。
インペラトルに祝福を。

あなたの忠実なる
チャールズ

『ラグーナ演劇論文集』

ラグーナ劇場史研究概論(注釈版)
ラグーナ演劇史研究概論及び部族文化の融合と信仰体系の変遷について
著者:デリロ・クインティン
申請プロジェクト:ラグーナ演劇文化協会地域級研究プロジェクト(青年研究基金プロジェクト)
アヴィノレーム神学院、ラグーナ、リナシータ

概要:本論文は、近年のラグーナおよびセブン・ヒルズ地域における演劇文化の起源に関する研究現状と傾向を整理し、特にここ10年間の演劇界での「演劇考古」文化研究の突破と成果に焦点を当てている。研究方法として、本論文は近年のネオユニオンにおける多様な研究と視点の設定を参考にし、また瑝瓏考古学の歴史的遺物研究の経験を取り入れている。事例の選定においては、クラシックな演目と重要な歴史的事件に重点を置いた。研究結果は、ラグーナ演劇民俗が、島の部族の歴史と生活文化を記録する叙事的なパフォーマンスから発展したことを示している。
キーワード: 演劇史;文化研究;概説;民俗学研究;考古学

…………(間のページが破り取られている)
『アヴィノレーム年代記』と『ゴールデンブランチ』という二つの主要文献を例に挙げると、劇の起源と歳主インペラトルの信仰は直接的な関係があるが、現代の歴史文献研究や海外翻訳テキストによる演劇の舞台、衣装、化粧、仮面、道具に関する技術的研究において、生活の記述と民俗表現が融合した演劇の進化にはまだ大きな研究の余地がある。翻訳テキストの進化史に関する研究では、民間刊行物であるモンテリ文化財団の『翻訳における文化的特徴と文化的再構築――瑝瓏が収蔵するリナシータの旅行記を例に』が、過去の人々の生活民俗がどのように演劇脚本と舞台表現に変化していったのかを扱っている。
<学院の備考> :荒唐無稽なストーリーの原稿は学校の財団に投稿しないでください。また、最近の食品安全問題については、管理を強化し、学生が腐った「ゴンゴンガニ」を食べて精神錯乱を起こすのを防ぐようにしてください。

…………(間のページが破り取られている)
これら異なる部族の源を象徴する衣装は異なる先祖やトーテムを表すお面で、そして異なるクランの言語は、リナシータの千島時代の人々が、演劇の形を借りて、カルネヴァーレの中で衝突し交流した結果、部族の融合と相互理解に至ったことを示すもの  各部族の民俗や伝説は、複数のバージョンで編纂され、再創作され、今日流行しているラグーナ演劇の主要な原型を形成した。
<指導教員のコメント>いくつかの内容は言及にとどめ、過度に考証や深掘りしないようにしてください。論文は隠海教団の教化院に審査される予定。

コスチュームとステージの発展考証について
(この手書きのノートはもうほとんどのページが破り取られていて、後記の数ページしか見つからなかった。)
後記:
ずっと協力してくれた友人たちに感謝します。密かにこの研究に貴重な文献を提供してくれた方に感謝します。父デリロ・クインティンがかつて行った研究に感謝します。そして、隠海教団による追放と、母校アヴィノレーム神学院からの除名に感謝します。
この『コスチュームとステージの発展考証について』は、立案から流刑前夜までの四年間をかけてようやく初稿が完成した。予定通り、友人たちの手に届くことを願っている。
明日の朝、私も父と同じように、巡礼船に乗ってラグーナ城を離れ、歳主の足跡を追い求めることになる――インペラトルに祝福を!もし私が生き延びることができたなら、全知のあなたが私に正しい道を指し示してくださいますように。

……筆者がまだ子供だった頃、父デリロは去る前に私に言った。「クインティンくん、君は人間とは何か知っているか?」
あれは父が遺してくれた最後の言葉だとわかった。そして私は「知らない」と言った。
すると父は、頑張れ、マリオ・クインティン。人間は考える海草であると言った。
昔はその言葉の意味を理解できなかったが、今なら大体わかってきた  考え続けるのだ、探し続けるのだ、と。
かつての島国は悲鳴で崩壊し、人々は方舟に乗り、インペラトルの導きのもと、海を越えて現在の地にリナシータを再建した。
千島の時代、人々は悲鳴で消えた故郷と族人を記念するために、それぞれの民族衣装を身にまとい、先祖と図騰を象徴する面をかぶった――したがって、本書第四章の結論にあるように、演劇文化は教団が承諾したものではなく、リナシータの人々の自発的な記念と象徴であると言える。

果たして私たちは本当に海草なのか?
もしそうであれば、流されるままの海草と考えるようになった海草という区別もあるだろう。
人々がインペラトルの名前を称賛するのは、あの方の慈悲と寛容によって、異なる民族が互いに交わり、競い合いながら文化が長く共存できるようになったからだ;また、悲鳴の海流に立ち向かう海草が絡み合う意志を称賛しているのだ。
インペラトルに祝福を!あなたを讃えます!しかし今のラグーナの人々はあなたの真意を実現しているのでしょうか?
はあ…インペラトルに祝福を。やっぱり死にたくない、死にたくないんだ…もう一度カルネヴァーレを目にしたい、やっぱり怖がっているんだ。明日、本物の海草にしないでくれ!

月桂冠と宝剣(前編)
月桂冠と宝剣  『ゴールデンブランチ』における神授のイメージについて
刊行物名:ラグーナ海風演劇部研究論叢第一号
ジャンル:文学研究 文学理論 演劇 ゴールデンブランチ

ラグーナの『ゴールデンブランチ』における演劇要素は、非常に顕著に表れている。この歴史的な叙事長詩は、原始信仰文化の影響を強く受けており、まず千島時代の各部族の原始信仰と文化的特色を田園劇の主要な舞台として描いていて、そしてインペラトルの導きに従い、これらの派生物語が交わり始める。著者は、ラグーナでの神使たちの視点を通じて、インペラトルという三人称視点を提供し、各キャラクターが鮮明で古典的な演劇意識を持って自らの役割を演じる様子を描写している。また、この作品全体を通して、信仰とトーテムに共通する象徴的なイメージが織り込まれており、伝統的な演劇芸術文化におけるメタファーと対応している。これらの演劇要素を使用することにより、この長詩はラグーナ政府側および民間で広く愛されるクラシック作品となり、著者はインペラトルから伝えられた神託の背後にある意志と、リナシータ地域における社会変革に対する深い思考も込めている。
…………(間のページが破り取られている)

『ゴールデンブランチ』で最も評価の高い物語の構成は、収束としての第三幕、カルネヴァーレがクライマックスに達するシーンに他ならない。ブナ半島の聖林ストーリー、ラグーナ城の教団ストーリー、ディサレー海嶺の守密者ストーリー、セブン・ヒルズの総督後継者ストーリー、そして闘技場ストーリーの五つの物語が交錯し、並行して集約されるフィナーレの設計だ。著者は巧妙に物語に様々な伏線を張って、各勢力が集結する前提と結果を織り交ぜ、歴史的題材を基にした壮大な悲喜劇としての独特の魅力を見せた。この第三幕のプロットは後の多くの優れた演劇作品に影響を与えた。影響力の観点から分析すると、演劇的な編成技法はその主な要因の一つだが、劇作理論を離れて分析すると、このように歴史を改編し、それに基づく要素で核心を表示する設計は、文化の進化過程において作品に不朽の文学的地位を与える本当の理由となった。(注釈*二十三)『ゴールデンブランチ』は、最初に各部族の民間伝承と歳主神の啓示を密接に結びつけた芸術作品である(注釈*二十四)  五つのお面がそれぞれの信念に従って同じ目的のために肩を並べると、歳主インペラトルが高天から降臨し、カルネヴァーレのクライマックスで登場し、真の神の代弁者(すなわち舞台上の主人公)に月桂冠を授ける場面が描かれている。この儀式的な演出は、リナシータの人々の心の中で永遠の文化的定石として定着した  以後、すべての英雄の旅は、カルネヴァーレの中で役者や裏舞台にいる劇作家など、どんな役割を演じる英雄であっても、大衆の注目を浴びながら「冠を取る」ことでフィナーレとなった。

月桂冠と宝剣(後編)
月桂冠と宝剣  『ゴールデンブランチ』における神授のイメージについて
刊行物名:ラグーナ海風演劇部研究論叢
ジャンル:文学研究 文学理論 演劇 ゴールデンブランチ

(前文続き)
歳主インペラトルがなぜカルネヴァーレのクライマックスで現れるのか、『ゴールデンブランチ』やその関連研究では深く掘り下げられていない。過去、神学院でのカルネヴァーレの研究の方向性では、一般的に「月桂冠を取る者」は必ずやリナシータ文明の精神に最も適した者、すなわち歳主と精神的共鳴を形成した者であり、劇中の一瞬の激情や他の目的によるセッティングではないと考えられていた。この理論は長い間、『ゴールデンブランチ』と月桂冠文学の象徴を研究するメインストリームとなり、人々は月桂冠を最高の栄誉、リナシータの意志が具現化したものとされてきた。(注釈*二十五)
しかし、神学院事件後の一連の文化運動により、「冠を取る者」の象徴的意味とその演目の上演は、教団によって歳主の授けによる意義として解釈されるようになった。それは神託を伝え、統一を維持するために貢献した者を指すものだ。このように、月桂冠という要素もまた、授けの色彩を帯びることとなった。
筆者も、この解釈から見ると、「冠を取る者」に対する選択も、自由への規制であり、『ゴールデンブランチ』で否定された存在ではないかと疑問を抱いている。鈍化された自由は、果たして自由と言えるのだろうか?

…………(間のページが破り取られている)

【23】チャーリー・ヴェルベック「リナシータ演劇美学改革史」,アヴィノレーム神学院文化定期刊行物
【24】マリオ・クインティン「コスチュームとステージの発展考証について」海外文化研究出版社
【25】コジモ・ソレンティーノ「『ゴールデンブランチ』の伝播研究」ラグーナ演劇文化協会

『航海日誌』

破れた作業日誌1
作業日誌_番号_#00
お母さん、雲海の妖精を見たことある?これが初めて見た雲海の妖精で、とても美しい存在なの。
どうやってこの喜びを他の人に伝えればいいのか分からなくて、ここに書いておくことにした。
私の人生は、ついに今日、転機を迎えた。
今日から、私はモンテリファミリーのために働くことになる。私はモンテリの一員となり、人々は私をモンテリの名で呼ぶようになるでしょう。
リナシータの扉が、今日、ようやく私に開かれた。
今は故郷から千里も離れた車両の中にいるけど、モンテリの名前のもとでこの制服を着て働き続けられる限り、いつかラグーナ城のモンテリ区に私だけの居場所ができるかもしれない。
お母さん、これでやっと分かったの。モンテリの名がどうしてリナシータの隅々にまで広がっているのか。
他の貴族は地位や商品を売っているだけで、モンテリの人々は違う、彼らは私たちに希望を売っているの。
最近は忙しくなるけど、仕事にも無事に慣れた。ただ、列車には警備員が私一人しかおらず、話す相手もいない。
私は頑張って働くから、町に帰ったときには、お母さんをラグーナに連れてきて、楽な生活をさせてあげるね。

破れた作業日誌2
作業日誌_番号_#17
お母さん、会いたいよ。
ここは霧がとても濃い、霧が立ち込めるたびに、私が子供の頃にお母さんと一緒に過ごした日々を思い出す。
幼い頃、私たちは田舎の家に住んでいた。その家は草屋だったと思う。夏になると、屋根の乾いた草が太陽に焼かれてパチパチと音を立て、冬になると壁から湿気が漏れ出していた。
扉を開けると、狭い廊下がすぐに広がっていた。幅はたったの二歩分、台所へと続いていて、そこには壊れて修理された電球が吊るされていた。露出した電線は黒いテープで何重にも巻かれていた。
両側には二つの小さな部屋があり、私は少し小さな北側の部屋で寝ていた。教団の聖句がプリントされた薄いカーテンが夜に見るとちょっと不気味で、眠れない時には、狭い廊下に逃げ込んで目を開けても閉じても別に変わらなかった。湿った壁に背を預け、真っ暗で吐く息すら見えなかった。
風が隙間から通り抜けようとして、ドアの枠がきしんだ。古い電線が引き裂かれ、湿気とレンガの音がぶつかり合って、私の髪が壁に擦り付けられ、壁の向こうの布団がゆっくりと広がっていく……これらの音が頭の中で一つに混ざり合い、耳を通して皮膚に流れ、再び私の体に戻り、骨に響くような震える音を立て、私を魅了した。
私はその頭の中で響く湿気に魅せられている。今日もその音が再び私を包み込んだ。
私はさっき航路の霧を越えた。まるで夢を見ているようだった、それは私を不安にさせた。
心配しないで。安全マニュアルによると、この霧は幻覚を引き起こすことがあるけど、基本的には無害だ。今、私は無事に霧を越えたところだ。誰かが幻覚の中で私たちの荷物に触れたかもしれないと思って、これから貨物室の荷物を再確認するつもり。
お母さん、会いたいよ。覚えていてね、私がここで出世したら、お母さんをラグーナに連れてくるから。

破れた作業日誌3
作業日誌_番号_#29
お母さん、心配しないで、すぐに迎えに行くから。
一昨日は曇りだったから、云海の妖精たちはまた落ち込んでいるでしょう。本来なら航海に出ないはずだけど、オークションが近いから、私は必ずコレクションを届けなければいけない。
これはモンテリから与えられた任務で、私はこの機会を逃してはならない。
今回は知らないルートを回ったけど、ほとんどの船は出航していて、教団からもルチェルナが派遣されているから、問題ないはずだ。
心配しないで、モンテリファミリーは人員を増やして、教団もの人もいるから、大丈夫。うん、大丈夫だよ。
ちょっと嬉しい話をしようか。これが終われば、しばらく休みが取れて、家に戻れると思う。
この仕事はずっと車両内にいるけど、私の航路では面白い景色がたくさん見られる。天気を記録する時、普通の「晴れ」「曇り」といった言葉は使わないで、「爽朗」なんて言葉を使うんだ。面白いでしょう?
「爽朗」の時には虹が見られ、云海の妖精たちは虹の下で踊る。
「哀愁」の時は曇り、今日はそんな日で、午後は休息することが多い。
「作り笑い」の時は天気雨で、この時は列車の速度を上げ、後ろの方で同僚が大きな声でジョークを言って笑わせることがある。
「憂鬱」の時は雨が降り、列車はわざととても遅く走る。
「不悦」の時は暴雷で、時には強風も吹く。この天気の時は必ず休憩となり、私は車両の中で一日中寝ていることが多い。
「震怒」の時は本当に怖い。雲海全体が赤く染まって、もし途中でこの天気に遭遇したら、上からの指示で音を遮断するイヤーマフをつけて仕事をしないといけない。
航路図を見ると、どうやら「ノクターン・ガーデン」を通るようだ。私はその名前を聞いたことがないけど、先輩たちは、必要でない限り、そこには近づかない方がいいと言っている。
私は何事も慎重にやるよ、心配しないで、これはただの小さな挑戦だ。難しい仕事も誰かがやらなきゃならないよね?
努力すれば必ず報われる。待っててね、お母さん。私は必ずあなたをラグーナ城に迎えに行くから。

破れた作業日誌4
作業日誌_番号_#31
お母さん、帰ったら、私はお母さんを思い切り抱きしめたいの、お母さん。
私は安全マニュアルを何度も調べたけど、現在の状況に合うものは見つからなかった。
覚えているよね、お母さん、子供の頃、夜に風が吹くと私はとても怖がっていた。実は、それは私の部屋のカーテンのせいだった。そこには教団の祈りの際の人々の模様が刺繍されていて、夜風に揺れるたびに、その影がいつでも壊れそうに揺れて見えたの。
今、私は現実でそれらを見た。私は列車の両側にひざまずいて座っていて、何かを祈っているような人々を見た。
彼らは車両をじっと見つめていて、私は振り返ることができなかった。彼らは何かを呟いていて、私はただイヤーマフをつけることしかできなかった。
大丈夫、ただ私が緊張し過ぎてるだけ。教団のルチェルナがまだここにあるから、彼らが何とかしてくれるでしょう。
インペラトルのご加護があるよう、私たちはきっと無事でいられる。
(*水に濡れて判読できない)
……お母さん……ラグーナ城……まで……迎えに来る。
インペラトルのご加護を
インペラトルのご加護を
インペラトルのご加護を
インペラトルの……無事に……!
(震えているような文字)
私は生きている、無事だった!
でもあれらは…一体何だったのかな…?

『聖事考』

旧聖事考第二章第十七節
2:17【聖事考】疾風怒涛の中で、人々は遥か彼方でインペラトルの声を聞いた。
2:18【聖事考】あの方は言った、「あなたたちは、東の地へ来たれ。」
2:19【聖事考】インペラトル、歳主は一筋の光を放ち、それが雨水と巨大な波を越えた。人々はその光を追い、霧と嵐を越えて航海した。
2:20【聖事考】遠くの群島の灯台から光が漏れ出た。それは暖流が集まり、香料と黄金の果樹が育つ場所であった。
2:21【聖事考】恐ろしい残像が後ろの霧から追いかけてきた。その足元には雷鳴が轟く。人々は悲鳴を上げ続けた。
2:22【聖事考】歳主インペラトルは言った、「我は救いをもたらす。」
2:23【聖事考】「起源信号塔」が光を放つと、残像は光となって灯台の中へ消え、再び歳主インペラトルに呼び出されたとき、それは神使となっていた。
2:24【聖事考】歳主インペラトルは言った、「起源信号塔」の光が照らすところに、神使たちは永遠に存在する。「起源信号塔」こそ我が手なり、我はリナシータの灯台、歳主インペラトルなり。」
2:25【聖事考】こうして百年が過ぎ、あの方の言葉通りであった。
2:26【聖事考】神使たちは力を尽くし、その意志に従う。
2:27【聖事考】後から来た者たちよ、それらをインペラトルの恵みと魂として敬いなさい。
2:28【聖事考】神使を家族のように、兄弟のように、隣人のように愛しなさい。
2:29【聖事考】それゆえに、我々は聖事をもって神を崇め、感謝の意を表する。

新聖事考第五章第二節
5:03【新聖事考】あの方は神託を下すべく、オークに聖なる文字を刻んだ。最初の一枝のウィスクムベリーは神託から生じた。
5:04【新聖事考】その果実は間違いなくインペラトルの知恵の結晶である。それを食べることで目がはっきりとして、善悪を知り、あの方の教えを聞くことができる。
5:05【新聖事考】これが智識である。
5:06【新聖事考】あの方は黒潮を雲海に変え、傷ついた雲凝樹を浄化する。
5:07【新聖事考】その傷を癒す樹脂は治癒の聖なる涙であり、欠けた部分を補うことができる。雲凝乳香を嗅ぐと、神性が人性を満たす。
5:08【新聖事考】これが神識である。
5:09【新聖事考】第三聖餐は今やあの方と共に高天に戻った。これがフィサリアの罪である。
5:10【新聖事考】あの方は我々に教えた、指先を■■■で突き破り、滴り落ちた■■を聖酒の杯に混ぜるように。その後、人々は兄弟のように親しくなり、もはや区別はなかったという。
5:11【新聖事考】これが霊識である。

【聖事考:神啓録】第一章第九節
1:09【聖事考:神啓録】その日、ナポリの眉目と髭は白く、白い羊毛のようで、雪のようで、目は火のようであった。
1:10【聖事考:神啓録】あの方はナポリにランタンを授けた。そのランタンは光を鍛える銅のようで、その響鳴は神使たちの声であった。
1:11【聖事考:神啓録】帰還したナポリはランタンを高く掲げ、烈日のように光を放った。
1:12【聖事考:神啓録】黒潮の残像はそれを見て、彼の足元にひれ伏した。彼は右手で皆を宥めて言った、「恐れるな、私は歳主インペラトルの啓示者である、私は最初であり、最後である、私はあの方の声を聞いた。」
1:13【聖事考:神啓録】私はかつて死んだが、今、再び復活し、高天と冥界への鍵を握っている。
1:14【聖事考:神啓録】あなたたちが見ている私の手の中の灯火、私の手にある「ランタンデバイス」こそがインペラトルと繋がる権勢である。
1:15【聖事考:神啓録】耳のある者よ、聞くべきである。
1:16【聖事考:神啓録】私は歳主インペラトルの側で賛美と管弦楽の音を聞いた。その音は私に言った、「ここに来なさい、私はこれから起こるべき事をあなたに示す。」
1:17【聖事考:神啓録】私はすぐ感銘を受けて、前に進んだ。すると、海上に宝座が置かれていた。そこに一人の神使が立ち、大声で宣言した、「誰がこの盞を受け取り、世を照らすにふさわしいか!」
1:18【聖事考:神啓録】私は涙を流した。インペラトルの座の下に並ぶ神使たちを見た。その中にはかつて殺された者もおり、尖った刺を生やした者もいた。インペラトルの声は雷のように響き、「あなたが来なさい」と言った。
1:19【聖事考:神啓録】私は見た、半身の白い馬がそこにいた。その馬は私に、灯火に祈りを捧げるようにと命じ、そうすれば人々が互いに理解し合い、勝利を重ねることができると。

アハブの日記帳

アハブの日記帳

星空よりも高い場所

星空よりも高い場所星空よりも高い場所

ぬいぐるみたちがこっそり撮った写真。そこには、あなたが頂上に立った姿が捉えられている。

黄金の歌・写本の一節

…………
水の都 蝉時雨は嵐に洗われ
麦の畑 うねりは樫の杯に沈み浮かぶ
真夏の夜は 実に長く
迷いし人は 路地裏を彷徨う

病葉は舞う 秋寂びた淵へ
聖餐の皿 朽ち錆びて鉄の赤
木枯らしが 吹き荒れる中
侍祭は 朽ちた天秤で神の傾きを測る

霜は閉ざす ステンドグラスの瞳
告解室に 沈黙の灰降り積もる
冬の夜 眠りは遠く
流離う詩人 凍てつくリュート抱き
遥か彼方の音 弦奏でる

烈火はラグーナの真金を鍛え上げる
我々は数多の薪の一つに過ぎない
「亡霊」は地獄の焰を撒き散らし
街のすべてを朱に染め上げる

ああ船よ 我らを運び 塔を越えよ
囲む城壁を越えて 歳主の彫像を越えて
声なきまま 地獄へと堕ちて行かん
この歌が 日暮れに溶けゆくまで
…………

シャコンヌが本に挟んだ手紙

夕日が頬を琥珀色に染める黄昏の中、
揺れる木々の影は、底の見えない湖に唇を寄せた。
鳥たちが古びた城壁の上を飛んでいき、
翼を筆に、流れる雲の縒れに未完の詩を書き綴る。

この手紙を受け取る頃には、もうお別れだね。
君は新しい旅に出て、私は街外れのどこかで新しい曲を奏でてる。その曲は、きっと最近の物語についてなんだろうな。
それは一人の少女と、ある戴冠せし者の話。二人は海辺を歩いて、少女は「イカロス」になりたいって言った。道すがら、捨てられた楽器たちに代わって、それらに秘められた想いを語る。それから、聖歌隊の子たちを助け、アンセムの本当の意味を教えるの。いつも明るい少女にも、実は自分の秘密があって、いつかみんなに本当の気持ちを伝えたいって願ってる。歌う人が、もう鎖に繋がれなくていいように、嘘をつかなくていいように、自由に歌えるようにって。でも、本当にその日が訪れる時、少女は迷っちゃった。そこで、彼女は小さい頃に自由に歌っていた自分のことを思い出し、これから勇気をくれる戴冠せし者と出会う。

籠の中の鳥がもう一度落ちちゃうとしても、きっと誰かがその手で、もう一度抱え上げてくれるはずだよ。
ファロルさんが言ってたように、言葉と音楽は「エコー」なんだ。それらは時代を超えて、違う人たちを「共鳴」させる。だから、小さい頃の私は、彼らの詩を理解できたんだ。
(漂泊者)……君が今、この詩を理解してくれたようにね。

ため息が織りなした霧が、時間の隙間を埋めていく、
記憶の旋律だけが、弦に絡みついたまま。
気まぐれな運命は、無情に花びらをそれぞれの場所に導くけれど、
それでも、私たちは……
あっ、最後の別れの言葉を詩にするのはやめとくね。だって、直接言いたいから。いつか、きっとまた会えるって!

『物思いに耽けている聖女』

『物思いに耽けている聖女』
聖女戴冠の一月前に完成したこの肖像画は、かつてアヴィノレームで様々に語り草となった。
描かれた聖女は、一体何に思いを馳せているのか?過ぎ去りし日々の楽しき記憶か、信仰の奥深き命題か、それとも、ラグーナ、ひいてはリナシータ全土の行く末か……

本当の答えは、あるいは彼女自身に問うてみぬ限り、知る由もないのかもしれない。

『本扉図書館回顧録』

本扉図書館回顧録・その一
(引退したジュリア侍祭によって書かれた個人回顧録のようだ。多くのページは既に抜け落ちている)

その日、少し見覚えのある人影が本棚の前に立っていた。私は若い頃のように、彼の肩を叩いた。アンドレアーノは振り返って私に気づき、先生、と低く呟いた。記憶の中、彼は前回別れた時の姿のままだったが、既に多くの年月が過ぎていた。彼は私に会いに来たのだった。そこで、私たちは他の人の邪魔にならない場所へ移り、昔話をした。

アンドレアーノは領外駐在侍祭として各地を旅したことについて語り始めた。ラグーナを離れた彼は、歳主の福音を携えて多くの地を訪れた。リジョリ、セブン・ヒルズ、リリーランド……信仰が満ちている場所も、そうでない場所も、豊かな土地も、貧しい土地も、彼は一つ一つその目で見てきたのだ。大変な旅だったが、また非常に素晴らしい経歴でもあったのだろう。彼の顔にできた皺や傷跡は、彼はもはやただ熱意だけを持っていた若者ではなかったことを語っている。信仰と理想が、彼を風雪に耐えた騎士のごとく鍛え上げていた。

しかし次に、男は私に告解を始めた。その内容は信仰にも理想にも関わらず、ただ、父親失格の男が娘に対する悔しさだけであった。それは本来、侍祭が抱えるべき後悔ではなかった。だから私は、歳主に代わって彼を赦すことはしなかった。偉大なるものへの追求心は依然として彼の瞳の中に輝いていた。これからの彼もきっと各地を巡り、あの父親失格の男を演じ続け、あの無私の聖職者を演じ続けるだろう。

そこで、私は彼に自分が回顧録を執筆中のことを話した。私はアヴィノレームで、この図書館で出会った出来事を記録するつもりだ。多くは取るに足らないことだが、私が生きた時代の鮮やかな出来事ばかりなのだ。誰かがこの歴史の欠片を記録する必要がある。世を照らす灯台となれという歳主の諭しもあるが、身近な人々を照らすことも同様に大事なのだ。

本扉図書館回顧録・その二
……

それはありふれた閉館日だった。私は古い本を抱えて書庫の外の広場を通りかかると、思わず人々の輪に加わった。それは誰もが目を離せない剣技の競い合いだった。
人権の剣がカーディアンテの鎧に触れると、聖女とその音骸の対決は幕を閉じた。
カーディアンテは恭しく片膝をつき、自身の敗北を認めた。息をのんで見ていた人々はようやく熱烈な喝采を送り、両者の比類なく素晴らしい剣技に感嘆の声を上げた。

その時、一人の侍祭が一人の女の子を連れ、興奮する群衆をかき分けて進んできた。
平民の身なりをした少女は、満開のスパークジュエルウィードの花束を、自分の頭より高く掲げていた。

おそらく聖女に献上するために用意された花束だろう。アヴィノレームで修行を積む聖女にただ一目会わんと、多くの信者は遠路を厭わず訪れるようになっていた。

しかし少女は、聖女に頷きかけただけで、花束を抱えて別の方向  カーディアンテの元へと歩み寄った。

意外にも、少女は花束をカーディアンテの前に差し出した。侍祭の説明によって、筆者一行は知った。少し前、アヴィノレームの郊外で残像に襲われた一家を救ったのが、まさしくカーディアンテであったことを。

巨躯の音骸騎士は、黙したまま片膝をついていた。それは花を贈る行為の意味を理解していないのか、それとも……そのような感謝を受ける資格がないと考えているのだろうか?

「私のいない間にそんなことをしていましたのね……」聖女は晴れやかな笑顔を見せられた。「カーディアンテ、その花を受け取りなさい。あなたにはその資格が十分にあります」

騎士は依然として話さずにいたが、巨剣を脇に置き、両手を差し伸べて目の前の花束を受け取った。女の子は勢いそのままに騎士に抱きつき、その冷たい鎧にぴったりと身を寄せた。騎士はいつものように、無言のまま少女の感謝の言葉と涙を受け止めた。

カーディアンテ……それは確かに聖女の侍従にして堅き盾。同時に、人々を守る鋭き刃でもあるのだ。

本扉図書館回顧録・その三

……

退職の日が近づいている、図書館での時間は静かに過ぎていく。もうこのまま、波風の立たない日々が続くものとばかり思っていた。

「こんにちは……この本を読みたいのですが。ここで登録するのですか?」

おずおずとした言葉と共に私の前に差し出されたのは、表紙に聖女の肖像が印刷された伝記だった。私は机から顔を上げ、淡い紫色の巻き毛の少女を見た。彼女の目尻の下にはホクロがあり、体は小さく痩せていて、肌はほとんど透明なほど白く、まるで……長年陽の光を浴びていないかのようだった。

「図書館の中では自由に閲覧して構いませんよ。でも、本を元の場所に戻すのを忘れないでね」

私はできるだけ柔らかな口調で言った。この、図書館の重たい雰囲気とは全くそぐわない少女を怖がらせてしまわないように。

少女は明らかにアヴィノレームの学生ではなかったが、その後しばらくの間、彼女はしばしば図書館に現れた。彼女は環状の本棚の間を歩き回り、本を手に取ると半日も静かに読むことも珍しくない。時折、彼女は私に特定の書籍を探すよう頼んできた。
いくつかは難解な神学に関わるであり、いくつかは海や薬に関する大部の書物  どれも彼女の年齢にふさわしい趣味とは思えなかった。

手伝う回数が増えるにつれ、私たちは次第に親しくなっていった。私は徐々に知ったのだ。彼女は親族に連れられてアヴィノレームへ来たことと、明らかに他に用事がある大人たちに、比較的安全な図書館に預けられていた(あるいは、半ば放置されていた)ことを。

少女の去り際は、彼女の訪れと同じく突然だった。その日の午後、彼女は何かに呼ばれたかのように手にしていた本を置き、それを元の場所へ戻した。その本はラグーナの聖女伝統を研究したものだったと、私には覚えがある。夕暮れの日差しが入り口に細長い人影を落とした。おそらく彼女の保護者が来たのだろう。

「この間はお世話になりました」少女は私の前に来て、努めて笑顔を見せた。「カンタレラ……私はカンタレラ・フィサリアです」

フィサリアという姓だけで、多くのことの説明になっていた。例えば、少女の遅すぎた自己紹介や言葉に隠された悲しみ、そして彼女が入り口を見た時に顔をよぎった一瞬の曇り。私は立ち上がり、彼女の手を取った。少なくとも、入り口までの短い道のりだけでも、彼女に寂しく感じてほしくなかった。

セブン・ヒルズ

フィサリア騎士のノート

「結局最後まで、竜の力というものは見つからなかった……
第十七代当主の騎士として、約束の人も守れず、あの人のファミリーを救いたいという願いも果たせなかった。
ただみっともなく異郷の地で野垂れ死ぬとは……何と惨めな人生か」

彼女の願い

彼女の願い
カルテジアは静かに微笑を湛え、あなたもまた、その微笑みに誘われるように口元を緩めた。
二十年という孤独と苦痛の果てに、彼女はようやくあの塔から歩み出で、光と風に抱かれながら、温かく平穏な人々のもとへと還ってきたのである。この何気ないひとときこそ、聖女としての激動の生涯を歩んだ放浪騎士カルテジアが、ずっと追い求めてきた本物の幸せであった。彼女の三つの願いが成就したのは、ひとえにあなたが傍にいたから  それに他ならない。

彼女の誓い

彼女の誓い
ルパの瞳は星のようにまたたき、熱い想いを込めてあなたを見つめていた。
「不滅の太陽に誓おう」  それはあなたに対する約束であり、孤高の狼が秘めた、ありったけの誠意と真心だった。
それはあなたの長い旅における、ありふれた救いの一つだったのかもしれない。でもルパにとっては、それが初めて知った温もりであり、焦がれるような痛みからようやく心が解き放たれた、かけがいのない瞬間だった。そのことをあなたは知る由もなく、彼女もまた、あなたに告げるつもりはなかった。それでいい。あなたにとっても、彼女にとっても、それで十分なのだから。

ピソの挑戦状

紙切れを拾ったあなたへ

もし君が僕の死体を見つけたとしても、どうか落ち着いてほしい。

僕は探検の途中で残像に襲われた。でもなんとか逃げ延びて、この滝の裏に隠れた。ただ、もう長くはなさそうだ。だから、この言葉をここに遺す。「辞世の句」ってやつがシリアスじゃなきゃいけないって決まりはない。どうか肩の力を抜いて読んでくれ。

伝説の「モンテ・トライヒーローの宝」なんて影も形もなかったけど……ここまで来た君の苦労は無駄じゃない。これはちょっとした挑戦、ささやかな謎解きの試練だ。僕の全財産を、狩りの地にあるとっておきの隠し場所に残してきた。

それは——予言の地のすぐ側、狩りの号令の下にある。

ぜひ探してみてくれ。それが僕から未来の探検者へ送る……宝物さ。

ふう、視界が……だいぶぼやけてきたな。君の旅に、幸運を。

永遠に陽気なピソより

「ともに浴びる花びらの雨」

「ともに浴びる花びらの雨」
その芳醇な香りは、栄誉と勝利、別れの後の再会、そして傍らの人々の笑顔と歓声によって、いっそう長く、深く広がっていく。

隠海実験場

礼拝の書

最も慎ましく、かつ信仰心のこもった礼拝の手順とは?

1.跪く。
2.礼拝する。
3.立ち上がる。

その他

初回走れ団子ちゃん記念写真

初回走れ団子ちゃん記念写真

「さあ、ご覧ください!カルテジア選手、あっという間に大集団に追いつき、なんと一気に先頭に立ちました!このままゴールまで逃げ切るのか!?他の選手は……?おっと、ブラント選手!?ブラント選手、なんと空を飛んでいます!ブラント選手、何をしているんですかーっ!?」

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