*ビスマルク級戦艦 2番艦 ティルピッツ [#x88c2421]
#attachref(./Tirpitz(1).jpg,nolink,32%)
#region(搭載機と魚雷の位置)
煙突の後ろ(左:戦闘機 右:観測機)
#attachref(./airp.jpg,nolink)
#endregion
#region(装甲厚の詳細)
&attachref(./Tirpitz-000.jpg,nolink);
#endregion
#region(ハロウィン迷彩)
&attachref(./ティルピッツ.jpg,nolink);
#endregion
#fold(Tirpitz B){{
2023年11月のブラックフライデーセールにて発売されたブラック迷彩のTirpitz。独立した艦艇でオリジナルと同時に所有できる。諸元はまったく同じ。
&attachref(./ティルピッツ B.jpg,nolink);
}}
#contents
*性能諸元 [#Ability]
・基本性能
|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~Tier|7|~種別|&color(Red){プレミアム艦艇};|
|~艦種|[[戦艦]]|~派生元|-|
|~国家|[[ドイツ]]|~派生先|-|
|>|>|CENTER:SIZE(12):|LEFT:SIZE(12):|c
|~生存性|>|継戦能力|72,500|
|~|>|装甲|32mm-315mm&br;・防郭 45mm-315mm&br;・艦首/艦尾 32mm-60mm&br;・砲郭 160mm&br;・装甲甲板 50mm-100mm|
|~|対水雷防御|ダメージ低減|24%|
|~機動性|>|最大速力|31.0[kt]|
|~|>|旋回半径|850m|
|~|>|転舵所要時間|16.0秒|
&br;
|>|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~隠蔽性|~ |~通常|~主砲発砲時|~火災発生時|~煙幕内からの主砲発砲時|
|~|海面発見距離|15.4km|17.4km|16.7km|14.1km|
|~|航空発見距離|12.3km|19.9km|15.3km|-|
&br;
|>|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~射撃管制装置|~船体|~モジュール|~主砲射程|~最大散布界|
|~|-|mod.1|17.4km|276m|
&br;
|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|SIZE(12):|>|CENTER:SIZE(12):|SIZE(12):|c
|~主砲|~船体|~口径|~基数×門数|~最大ダメージ(火災)|~装填|~180度旋回|~弾種|
|~|-|380mm/52 SK C/34|4基×2門|HE弾 4400(34%)&br;AP弾 11600|24.0秒|36.0秒|Spr.Gr. L/4.6&br;P.S.Gr. L/4.4|
&br;
|>|>|>|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~副砲|~船体|~口径|~基数×門数|~最大ダメージ(火災)|~装填|~射程|
|~|-|105mm L/65 Dop.L.C/37&br;150mm L/55 SK C/28|8基×2門&br;6基×2門|HE弾 1300(9%)&br;HE弾 1700(8%)|3.4秒&br;7.5秒|6.0km&br;6.0km|
&br;
|>|>|>|>|>|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~魚雷|~船体|~口径|~基数×門数(片舷)|~最大ダメージ(浸水)|~装填|~射程|~雷速|~発見|
|~|-|533mm G7a T1|2基×4門(4門)|13,700(227%)|90.0秒|6.0km|64kt|1.3km|
&br;
|>|>|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~対空砲|~艦体|~口径|~基数×門数|~秒間平均ダメージ|~射程|
|~|-| 20mm Flak 38|12基×1門| 36| 2.0km|
|~|~| 20mm Flakviering 38|8基×4門| 48|~|
|~|~| 37mm Flakzwilling 30|8基×2門| 21| 3.5km|
|~|~| 105mm L/65 Dop.L.C/37|8基×2門| 134| 4.5km|
&br;
・アップグレード
|>|>|>|>|CENTER:60|c
|BGCOLOR(#eeaaaa):スロット0|BGCOLOR(#eeaaaa):スロット1|BGCOLOR(#eeaaaa):スロット2|BGCOLOR(#aaccaa):スロット3|BGCOLOR(#aaccaa):スロット4|h
||○|○|○|○|
//アップグレードとは、主砲改良~など、初期状態で搭載できるものを指す
//搭載できないスロットは○だけを消す
//スロット0~4の意味はアップグレードのページを参照
#fold(搭載可能アップグレード){{
|BGCOLOR(#eeaaaa):1|&attachref(アップグレード/Main Battery Modification 2-min.png,nolink,30%);|主砲改良2|+20%:主砲旋回速度|
|~|&attachref(アップグレード/Aiming Systems Modification 1-min.png,nolink,30%);|照準システム改良1|-7%:主砲弾の最大散布界&br;+20%:魚雷発射管旋回速度&br;+5%:副砲最大射程&br;-5%:副砲弾の最大散布界|
|~|&attachref(アップグレード/Secondary Battery Modification 2-min.png,nolink,30%);|副砲改良2|+20%:副砲最大射程&br;-20%:副砲弾の最大散布界|
|~|&attachref(アップグレード/AirDefense 2_0.jpg,nolink,30%);|対空砲改良2|+20%:対空砲座の最大射程|
|BGCOLOR(#eeaaaa):2|&attachref(アップグレード/Damage Control System Modification 2-min.png,nolink,30%);|ダメージコントロールシステム改良2|-15%:消火時間&br;-15%:浸水復旧時間|
|~|&attachref(アップグレード/Steering Gears Modification 2-min.png,nolink,30%);|操舵装置改良2|-20%:転舵所要時間|
|~|&attachref(アップグレード/Propulsion Modification 2-min.png,nolink,30%);|推力改良2|-50%:最大出力への到達時間|
|BGCOLOR(#aaccaa):3|&attachref(アップグレード/Concealment System Modification 1-min.png,nolink,30%);|隠蔽システム改良1|-10%:被発見距離:敵弾の散布界+5%|
|~|&attachref(アップグレード/Target Acquisition System Modification 1-min.png,nolink,30%);|目標捕捉装置改良1|+20%:最大視認距離&br;+20%:魚雷発見距離&br;+50%:敵艦強制発見距離|
|BGCOLOR(#aaccaa):4|&attachref(アップグレード/Main Battery Modification 3-min.png,nolink,30%);|主砲改良3|-12%:主砲装填時間&br;&color(Red){-13%};:主砲旋回速度|
|~|&attachref(アップグレード/Torpedo Tubes Modification 3-min.png,nolink,30%);|魚雷発射管改良3|-15%:魚雷発射管装填時間&br;&color(Red){+50%};:魚雷発射管の損傷(機能停止)の発生率|
|~|&attachref(アップグレード/Secondary Battery Modification 3-min.png,nolink,30%);|副砲改良3|-20%:副砲装填時間|
|~|&attachref(アップグレード/AirDefense 2_0.jpg,nolink,30%);|対空砲改良3|+25%:平均対空ダメージ|
//その艦で搭載できないアップグレードは項目ごと消す
}}
・消耗品
#fold(搭載可能 消耗品){{
搭載可能 消耗品
|CENTER:||CENTER:||c
|>|>|>|CENTER:~十字キー左|
|&attachref(消耗品/応急工作班I.png,nolink,50%);|応急工作班| 無制限 |消耗品の動作時間:15 秒&br;消耗品の準備時間:80 秒|
|>|>|>|CENTER:~十字キー上|
|&attachref(消耗品/修理班I.png,nolink,50%);|修理班|3 回|消耗品の動作時間:28 秒&br;消耗品の準備時間:80 秒&br;回復:0.5% HP/秒|
|>|>|>|CENTER:~十字キー右|
|&attachref(消耗品/水上戦闘機I.png,nolink,50%);|水上戦闘機|4 回|消耗品の動作時間:90 秒&br;消耗品の準備時間:80 秒&br;HP:x&br;秒間平均ダメージ:x|
|&attachref(消耗品/着弾観測機.jpg,nolink,66%);|着弾観測機|4 回|消耗品の動作時間:30 秒&br;消耗品の準備時間:200 秒&br;動作中の自艦の砲安定性:+10%|
|&attachref(消耗品/強化型副砲照準器.png,nolink,60%);|強化型副砲照準器|3 回|副砲の安定性:+100%&br;副砲の散布界:-50%&br;消耗品の動作時間:30秒&br;消耗品の準備時間:160秒|
詳細は[[消耗品]]を参照
}}
//搭載できない物の行は削除してください。
//x の箇所は艦やTierによって違うので各艦ごとに変更してください。
//修理班の毎秒回復量もごく一部の艦では違う可能性があるので、念のため確認してください
//同じ種類の消耗品でも艦によって十字キーの上下左右どのキーに割り当てられるか異なる可能性があるので注意してください
//艦体によって搭載の可不可がかわるものは、右端列(数値表示列)に搭載できる艦体のアルファベットを記入してください
**ゲーム内説明 [#xeb2407c]
ティルピッツは、ドイツ海軍最強のビスマルク級戦艦の2番艦です。ビスマルク同様、重装甲と強力な主砲、高い速力を誇りました。本艦においては、水平装甲防御力の不足というビスマルク級最大の欠点は、対空能力の向上によって補われていました。
**解説 [#v624c9d2]
-概要
''[[初心者で購入を検討されている方へ>課金について#ub90aa72]]''
[[ドイツ]]Tier7プレミアム戦艦。Tier7ツリー戦艦の[[ビスマルク級>Bismarck]]の2番艦。
以前はイベントで入手のみであったが、現在では750,000グローバルEXPで入手可能となっている。
プレミアム艦ではあるが高Tierであるため、一通り戦艦の扱い方に慣れておいた方が良いだろう。
ツリーの姉妹艦と比較して、[[Tirpitz]]は副砲射程や対空砲の性能で[[Bismarck]]に劣り、水中聴音も持っていない。
代わりに[[Gneisenau]]のように魚雷を搭載しており、HPや主砲性能で上回っている。
-抗堪性
継戦能力(HP)は同Tierでも上位で[[Bismarck]]よりも3300多い。
他の艦には無い独特な装甲配置が特徴で、他の国の戦艦が舷側装甲の上側から覆いかぶさるように装甲を設けているのに対して、ビスマルク級は舷側装甲の下側から傾斜装甲と水平装甲を設けている。
#region(「なるほど、分からん。」という人の為の参考画像)
左:ティルピッツ、右:キング・ジョージ5世
#attachref(./KGV_Tirpitz_armour_and_underwater_protection.jpg,nolink,35%)
#endregion
この配置は水平方向からの砲撃に対しては二重装甲のように働く。
つまり、&color(Red){水平方向から被弾することの多い近距離では逆にバイタルが抜かれにくくなるという特性がある。};しっかり角度をつけていれば[[Iowa]]にすら簡単には抜かれない。
しかし、甲板に落ちるような弾道の砲撃が当たれば思った以上に簡単にバイタルに刺さることがある。
また、例え至近距離だろうとAP弾が船体を貫通しないわけでは無いので、撃たれ続けるとダメージが蓄積する点には注意。いくら頑丈とは言え、まともに戦艦の斉射を喰らえばただでは済まない。
なお、ドイツ戦艦共通の泣き所として、AP爆弾に非常に弱く、いとも簡単にバイタルパートに被弾してしまうという困った欠点を持つ。
執拗に付け狙われるとあっという間にHPを大きく削り取られてしまい、回復もままならなくなるので、該当する空母が敵側にいる場合は最大限に警戒しつつ、単独行動をなるべく避けたいところ。
-主砲
姉妹艦の[[Bismarck]]と同じく38cm砲を連装4基、計8門搭載している。
同Tierの戦艦と比較して搭載主砲の門数が少ないが装填が早いため手数はさほど変わらない。砲塔旋回速度はTier7戦艦ではトップクラスの速さである。
反面、マッチングする戦艦の多くは40cm超の砲を装備しており、比較すると1発あたりの威力や貫通力で劣る。
弾速は速いので狙いやすいが、低弾道のため遠距離では甲板に弾かれやすい。しっかりとダメージを与えるには舷側を狙う必要がある。
散布界は[[ノースカロライナ>North Carolina]]と数値上はほぼ同等であるが、ノースカロライナは着弾分布に補正があり、中央に弾が集まりやすい。
一方で[[Tirpitz]]は照準システム改良1の搭載で精度の改善が可能。ただし、その場合は副砲改良2を装備できなくなるので副砲の実用性が下がってしまう。
なお、σ値1.95と[[Bismarck]]より少し精度が良く、装填速度も2秒早く、射程も僅かながら長い。
このため、&color(silver){主砲精度が劣悪で遠距離戦を大の苦手としている};[[Bismarck]]よりも砲戦を得意としている。
いずれにせよドイツ戦艦共通の弱点として、散布界が冷遇されているせいで最大射程では着弾が広がり、狙って当てるのは難しいだろう。((なお、散布界と距離の関係は[[主砲]]ページを参照。これはあくまで目安であり、ゲームシステム内部では散布界内での着弾分布が設定されている。))
前方への射角は第3・第4砲塔共に35度と悪くない数値で砲塔旋回速度が36秒と早いので取り回しは良好である。
接近戦は装填速度と砲塔旋回の速さ、及び魚雷と強力な副砲のおかげで非常に得意と言える。
-副砲
かつては射程5.5kmとやや物足りない数値だったが、上方修正によって6.0kmに延伸されたおかげで使い勝手が少し良くなっている。
とはいえ、PC版とは違いLegendsでは6.0kmに短縮されているため、[[Bismarck]]のような副砲特化構成の実用性が劣っている。
HE弾の貫通優遇は本艦でも健在で、魚雷を扱えるので接近戦の圧力はTier7でもトップクラスと言える。
なお、副砲射程はアップグレードや艦長スキルで最大で約9.5kmまで延長できる。
主力とするにはやや物足りない射程だが、サブウェポンとしての期待値は十分高く、実用に足る性能とみていいだろう。
逆に言えばしっかり育てた艦長を使って特化しない限りは射程が不足してしまうので、活用する為の敷居はかなり高い。
-魚雷
本艦は戦艦でありながら片舷4門、計8門の魚雷を搭載している。
射程は6kmと短いが射角が広い。不意の遭遇戦や接近してきた艦に対する牽制など役立つ場面は多い。
しかし、[[Gneisenau]]と同じく甲板に無造作な直置きな為、あっさり壊れて使用不可能になってしまうことも少なくはない。過信し過ぎないように。
-対空
[[Bismarck]]と比べると少し劣る性能になっているものの、射程4.5kmの対空砲の火力はそう悪いものではなく、対空圏をかすめた航空隊にはある程度のダメージを与えられる。
それでも同格と比べると、[[Iowa]]級や[[Jean Bart]]のような圧倒的対空火力もなければ[[天城>Amagi]]や[[Alabama]]のような強力な対水雷防御もなく、船体の巨大さも相まって雷撃の的になりやすい。
対空砲の射程も同格より短いため、初めから自艦を目標に襲撃された場合、単艦で対処で出来るとは言い難い。
艦載機に水上戦闘機を選択することである程度補えるが、基本的に味方巡洋艦の側に付くなどして単艦での行動は避けるべきだろう。
-機動性
速度は31ktと高速。巨体のわりに操舵性や旋回半径はTier7戦艦としては平均的な数値。
-隠蔽性
15.4kmとTier7戦艦では平均的な数値。隠蔽システム改良1と迷彩を装備で13.3kmになる。
-''総評''
基本的には水中聴音の代わりに魚雷をもらってより接近戦に特化した[[Bismarck]]。もしくは大型化して全体的に強化された[[Gneisenau]]といったところ。
優秀な速力を活かして有利なポジションを取り、適度に射線をコントロールしながら堅牢な装甲で生き残りつつ、得意の接近戦に持ち込もう。
生粋のインファイターであるものの、&color(silver){ガバガバ精度の};[[Gneisenau]]や[[Bismarck]]と違って主砲による砲戦もそれなりに可能なので、Tier7ドイツ戦艦でも安定したバランスを持っていると言える。
ただし、水中聴音を持たず、対空ダメージもあまり出せないという特性上、単艦行動はかなりリスキーなので、味方との連携は他のドイツ戦艦よりも重要だろう。
**史実 [#q3643c35]
ティルピッツはビスマルク級戦艦の2番艦であり、ドイツが就役させた最後の戦艦である。
就役から半年も経たぬ間に姉妹艦であるビスマルクが喪失したために当初予定されていたビスマルクと共同しての大西洋での通商破壊を行うという計画は立ち消え、ドイツ海軍はティルピッツを出撃させないことによって温存、悪く言えば死蔵することとなった。
しかしイギリス海軍はビスマルク同様ティルピッツの戦闘能力を大きく評価しており、ティルピッツの出撃に備えある程度の戦力を割き温存することを強いられることとなった。
イギリス海軍にとってティルピッツは「存在する」ということそのものが脅威となる存在であったから、ティルピッツは空母艦上機を始めとする航空機による雷爆撃やX艇による艦底への爆弾攻撃などといった様々な手段で攻撃を受けた。これらの執拗な攻撃やドイツ海軍が取った現存艦隊主義的な運用によって満足に艦隊作戦や通商破壊に従事することが出来なかったことからティルピッツは"孤独の女王"とも呼ばれた。
1944年11月12日、ノルウェーのハーコイ島南岸にて5トン爆弾「トールボーイ」による攻撃によって命中弾3発、至近弾1発を受け着底沈没。戦後解体された。
**小ネタ [#Digression]
#region(小ネタ)
雷装はIF装備ではなく、史実準拠の装備である。
ティルピッツに対し、イギリス軍は20回近くも攻撃を実施しているが、いずれもまとまった戦力を投入せず、散発的な攻撃に終始してしまっている。
(これはイギリス海軍の基本的な作戦目標が、敵艦隊の撃滅ではなく、シーレーンの防御であったからである。
海洋国家である以上、海運と海路を絶たれれば国家の滅亡すらありえることをイギリスは理解していたため、ティルピッツや他ドイツ海軍戦闘艦の脅威があるにしても、それに全力を差し向けるには船団護衛という任務から戦闘艦を外してこれに当たらせる必要があったのである。
さらにはイギリス海軍は当時、北海、地中海、大西洋、太平洋と世界のあらゆる海域で活動していたため艦艇が不足していたということも考慮すべきである。)
就航したティルピッツは、まずトロンヘイムに近いフィヨルドを潜伏場所としたが、この位置はイギリス空軍の爆撃機の航続距離内であった。
1942年1月から4月の間に4回の空襲が行われたが、夜間だった上に投入された爆撃機が少なかった((40機を越えた空襲は一度もなかった))為に損害は与えられなかった。
(もっとも、フィヨルドという天然の要害に、夜間空襲をしかけるということ自体、危険な行動であり、一概に責められたものではない。)
空襲を避ける為に、ティルピッツはノルウェーの北岬に近いアルタフィヨルドに移動する。
ティルピッツはもはや、英国海軍首脳部にとっては存在するだけで悩みの種となる疫病神であった。ティルピッツの出撃の一報が入れば、ソ連向け船団は攻撃の損害を少なくするために散開する必要があり、かといって、ティルピッツが船団攻撃に来なければ、散開した船団はドイツ空軍の爆撃、Uボートによる雷撃で各個撃破される運命にあった。PQ17船団はそのもっともたる一例であり、生き残った船は形振り構わぬ努力によってアハゲリンスクに入港できた。
1942年3月9日に実施した攻撃では、戦艦3隻(キングジョージ五世、デューク・オブ・ヨーク、レナウン)を出撃させながら攻撃を行ったのは12機のアルバコア雷撃機のみであり、当然だが攻撃は失敗に終わった。
1943年9月22日未明、今度は特殊潜行艇「X艇」による爆破作戦が実行される。
4発の2t爆弾をティルピッツの艦底で爆破させたものの、仕掛けた場所が悪く、撃沈には至らなかった。
これが、トールボーイ以外で最大のダメージを与えた攻撃だった。
1944年になると、空母艦上機による空襲が数回実施されるが、いずれも50機足らずの戦力しか投入されなかった。
44年3月27日の攻撃では100機以上の艦上機が出撃したが、肝心の対艦攻撃力を持った爆撃機は40機にも満たない上に雷撃機は1機も出撃しなかった。
この攻撃では15発の爆弾が命中するが、それでも撃沈できず、その後の攻撃も同様の結果となった((ちなみに、この攻撃でも戦艦2隻を随伴させていたが、攻撃には参加しなかった。))。
ここに至り、遂にトールボーイの使用を決断するが、1発では撃沈出来ず、追加で3発命中させてようやっと大破・転覆させている。
一隻の戦艦に対して、イギリスは戦略爆撃機を含む複数の重要な兵器を継ぎ込んだ結果、ようやくフィヨルドの女王ティルピッツを無力化することができた。たしかに数と内容だけを見れば、無駄が多いように見えるかもしれないが、要塞ともいえるフィヨルドに閉じこもった高速戦艦を撃破するのは容易ではなく、またティルピッツの存在によってイギリスは戦争の大半の期間、大いに悩まされることとなった。
華々しく武勇もある姉と比べ、その戦歴は華やかではないが、ティルピッツこそはまさしく、戦艦という意義を再認識される艦であろう。
#endregion
*コメント欄 [#x1eb1b29]
#pcomment(./コメント2,reply,10)