2005年、千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの開幕2戦目のスコアの事。
2021年現在、「負けたチームが完封された試合の中では最も得点差がついた試合」である*1。
楽天の参入、チーム作り 
2004年シーズン終了後に近鉄がオリックスに吸収合併され、12球団を維持するため楽天が新規参入。
そして11月8日時点でオリックスと近鉄に所属する選手を分配するドラフトが行われたが、まずオリックスが25選手を優先的にプロテクトするという、オリックスに有利すぎるルールであったために、主力クラスの選手はオリックスに根こそぎ奪われてしまう結果となった。
またオリックス、近鉄共に投手力に課題があるチームだったため、投手陣は特に悲惨なことになった。
分配後の戦力強化でも、各球団からの無償トレードなどで一軍での実績が無い選手や成績の落ちこんだ半ば戦力外と化していたベテランを集めるのがやっとで、最終的に主戦力として期待できたのは岩隈久志*2、礒部公一、吉岡雄二*3、高須洋介、川口憲史、沖原佳典*4、山崎武司*5、福盛和男くらいであった。
当初三木谷オーナーは「10億円近い補強費用があり、必要ならばポケットマネーも出して現役のメジャーリーガーを取る」と戦力補強に意欲的なコメントを残し、ケビン・ホッジス、ゲーリー・ラス、アーロン・マイエット、マット・スクルメタ、ルイス・ロペス*6、デイモン・マイナー*7、アンディ・トレーシーと合計で7名もの助っ人を補強したが、彼らの年俸は高くても概ね5000万円程度であった。そして成績面はというと、まともにチームに貢献出来ていたのは消去法でロペスだけ*8という状況であった上、スクルメタ、マイエット、デイモンは成績不振でシーズン途中に解雇、残りの面子もシーズン終了後に解雇されるなど助っ人全員が入団した年に退団するという典型的な「安物買いの銭失い」としか言いようのないコントを演じてしまった。そしてFAに至っては「金銭面で折り合わない」という理由で全く行わなかった。
このような惨状から、シーズン中にはクリーンナップにカツノリが起用されるという珍事も発生している。
2005年の楽天 
3月26日の開幕戦は岩隈の力投によって公式戦初勝利を挙げる*9が、2戦目は投手陣が4発被弾を含む24安打・14四死球と大爆発炎上。打線もロッテ・渡辺俊介に1安打1四球に抑えられ26-0の完封負け*10。この記録的な敗戦はメディアによって広く拡散され、開幕戦で僅かに期待したファンを絶望させ、田尾安志監督に「2軍レベルにすら達していない」と言わしめた。
また岩隈も前年から抱えていた肩の故障により期待程の成績を残せず、途中からは投手陣が完全崩壊、プロとは思えない負け方をくり返し、2度の11連敗などを重ねて最終的には38勝97敗・勝率.281、*11首位と51.5ゲーム差、5位にすら25ゲーム差という有様*12であった。
田尾の解任発表とその後 
このような見るも無残な成績を叩き出したことと采配の不手際から、複数年契約のはずだった田尾監督は上層部に見切りをつけられ、シーズン終盤とはいえ9/25付けで今シーズンをもっての解任が発表*13。僅か1年で退団に追いやられることとなり、監督としてのキャリアに大きく傷がつくこととなった。
ただし当時の楽天関係者や野球評論家からは「この戦力で100敗を回避した事自体が奇跡」「誰が監督をやっても結果は同じだった*14」「この戦力では開幕前から最下位が目に見えていたが、誰かが指導者としてのキャリアが傷つく事を前提に引き受けなければならなかった」などと語っており、田尾には同情の声も多い*15。
そんな哀れな監督への思いは、本拠地最終戦とシーズン最終戦の試合終了後に楽天ファンに加え対戦相手であるロッテファンとホークスファンも加わった田尾コールが起き、特に最終戦では楽天ナインはベンチ裏に下がる田尾を呼び止め、ぶっちぎりの最下位チームとしては異例とも言える監督への胴上げが行われるという形で具現化し、シーズン終了後には宮城県で解任に反対する団体東北若鷲会が発足し、署名活動が行われた。
しかしそんな中楽天の球団職員からは「田尾監督が辞めたら、楽天のファンをやめる人がいると思いますか。10日たったら忘れますよ」というあまりに冷めた発言が飛び出してしまい物議を醸した。
試合結果 
2005年3月27日 千葉-楽天2回戦 千葉マリン 1勝1敗 球審・林 試合時間3時間35分 観衆2万4028人 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 楽 天 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 千 葉 2 11 1 0 1 4 0 7 X 26 楽天 ●藤崎(1敗)、有銘、小倉、福盛、徳元、マイエット-藤井、長坂 千葉 ○渡辺俊(1勝)-橋本 本塁打 西岡1号、パスクチ1、2号、ベニー1号(ロ) 三塁打 西岡(ロ) 二塁打 パスクチ、平下、渡辺正、フランコ(ロ) 楽天 1安打5三振1四死球 0盗塁0失策0残塁 千葉 24安打1三振14四死球 1盗塁0失策11残塁