No181 ウィリアム・D・ポーター/元ネタ解説

Last-modified: 2019-06-05 (水) 15:14:52
所属United States Navy
艦種・艦型フレッチャー級駆逐艦
正式名称USS William D. Porter (DD-579)
名前の由来William D. Porter(1808-1864) アメリカ海軍代将 南北戦争で装甲艦USS Essexを指揮し活躍した。
愛称Willie Dee
起工日1942.5.7
進水日1942.9.27
就役日(竣工日)1943.7.6
除籍日(除籍理由)1945.7.11(1945.6.10沈没)
全長(身長)114.8m
基準排水量(体重)2050英t(2182.9t)
出力Babcock&Wilcox式重油専焼缶4基General Electric式蒸気タービン2基2軸 60000shp(60832.2PS)
最高速度36.5kt(67.59km/h)
航続距離15.0kt(27.77km/h)/6500海里(12038km)
乗員273名
装備(建造時)5inch38口径Mk.12単装両用砲5門
21inch五連装魚雷発射管2基10門
ボフォース40mm機関砲x10(5x2)
エリコン20mm機関砲x7
爆雷投射機x6
爆雷投下軌条x2
装甲なし
建造所Consolidated Steel Corporation, Orange, Texas
(コンソリデーテッド・スチール社 アメリカ合衆国テキサス州オレンジ郡オレンジ市)
勲章不明 (4 stars)

アメリカ海軍始まって以来の問題児
1943年7月にフレッチャー級のもはや何番艦かもわからぬ一応96番艦、DD-579として就役。
出港時、ドックからイカリを外し忘れたまま機関出力を上げたため、引きずったアンカーがドックを破壊するという前途多難の滑り出しを見せる。
24時間後に大統領フランクリン・D・ルーズベルトを乗せた戦艦アイオワの警護任務につくのだが、ここでポーターは爆雷投射訓練を艦隊に知らせず勝手に実施して艦隊を混乱に陥らせ、
さらにはアイオワを仮想標的とした訓練魚雷の発射テストであろうことかアイオワに向けて実弾1本(!)を発射した。
アイオワは危うく回避に成功し、大統領もろとも爆沈という最大の危機は避けたものの、当然反乱ないし暗殺を疑われた彼女はバミューダに引き返させられ当局に乗組員全員が逮捕されるという大失態を犯す。
その後大統領恩赦によりアリューシャン列島で1年間の作戦従事の後、沖縄戦に投入される。
フレッチャー級の火力を活かし日本軍機5機を撃墜する活躍を見せるも、1945年6月10日、撃墜した特攻機の一機が水中で爆発した衝撃で艦艇に穴が空き、復旧不可能となり沈没した。
恐ろしく幸運なことに死者は出なかったという。
名前の由来になった海軍士官は泣いていい。
彼女は今でも、アメリカ海軍屈指のネタ艦として歴史に名を残している。

小ネタ

  • 名前の由来になったウィリアム・D・ポーター代将はポーター級駆逐艦の名前の由来になったポーター提督の兄。
    養子縁組された義理の兄はファラガット級駆逐艦に名前を残したファラガット提督である。
  • 南北戦争で活躍し、自身の乗る装甲砲艦に父の乗っていた船にあやかって「エセックス」と命名。この船を率いて勇敢に戦った。