所属 | Marine nationale→Forces navales françaises libres(1943)→Marine nationale(1944) |
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艦種・艦型 | ル・ファンタスク級駆逐艦 |
正式名称 | Le Fantasque(10)(1936)→(X101)(1939)→(X103)(1944)→(D610)(1952)→(Q98)(1957) |
名前の由来 | Fantasque フランス語で空想的な、気まぐれな、風変わりなという意味 |
起工日 | 1931.11.15 |
進水日 | 1934.3.15 |
就役日 | 1936.5.1 |
除籍日(除籍後) | 1957.5.2(売却後解体) |
全長(身長) | 132.4m |
基準排水量(体重) | 2569英t(2610t) |
出力 | Penhoët式重油専焼缶4基Rateau-Bretagne式蒸気タービン2基2軸 74000PS(72987.7shp) |
最高速度 | 37.0kt(68.52km/h) 42.71kt(79.09km/h)(最大) |
航続距離 | 17.0kt(31.48km/h)/6600海里(12223.2km) |
乗員 | 指揮官10名 乗組員210名 |
装備(竣工時) | 138mm50口径M1929単装砲5門 M1925 37mm機関砲x4(2x2) オチキス13.2mm機関銃x4(2x2) 550mm魚雷発射管三連装3基9門 爆雷投射機? 機雷x50 |
装備(1943) | 138mm50口径M1929単装砲5門 ボフォース40mm機関砲x8(4x1+2x2) エリコン20mm機関砲x8 550mm魚雷発射管三連装2基6門 爆雷投射機? 機雷x50 |
装甲 | なし |
建造所 | Arsenal de Lorient,Lorient (ロリアン海軍工廠 フランス共和国ブルターニュ地域圏モルビアン県ロリアン市) |
- フランス海軍の駆逐艦。名前の「ル・ファンタスク」はフランス語で「The capricious one 気まぐれな」を意味する。
駆逐艦と言っても極めて大型(全長134m)であり、嚮導駆逐艦に迫る大きさを持つ - この艦型の特徴は最高速度である。WW2に参戦した駆逐艦の中でも最速の45.02kt(83.37km/h)(2番艦 Le Terrible ル・テリブル)を記録した。また、この時の機関出力は100,000PSを発揮していた。
また、44.9ktでの1時間巡航では94200PSを記録するなど非常に優れたボイラーとタービンの技術をフランスは持っていたと言える。
また、機関が発達した現代艦艇の速力と比較しても驚異的な数字であり、ここまで来ると魚雷艇やミサイル艇などに匹敵する速度である。
まさに「空想」の名に恥じない化け物じみたスペックを有する艦でもある。
(ル・テリブルの速度記録は軍用艦艇の世界最速記録としてギネス認定されている。しかも現代に至るまで更新されていない) - 余談だが日本海軍の最速記録は島風型一番艦の「島風」の過負荷全力時の40.90kt。(建造コンセプトの違い、条件の違いなど多くの差異があるため単純な比較はできない)
40ktを超えるまたは近い駆逐艦は戦間期から戦時中にかけて世界中で建造・計画されている。戦艦少女に実装されている艦だけでも、米ベンハム級、仏ヴォークラン級、モガドール級、露1型、20型、48型がいる。巡洋艦にも伊カピターニ・ロマーニ級が実装されている。 - ネームシップのル・ファンタスクは1931年11月に起工、1935年3月に竣工した。
その後始まった第二次世界大戦ではフランス海軍の駆逐艦としてアドミラル・グラーフ・シュペーの追跡に参加するなど、
同海軍で活動を行っていた。 - しかし、戦局の悪化に伴いフランスが降伏。ナチス・ドイツに占領されヴィシー政権の管理下に入ると、今度はフランス海軍の艦艇は枢軸側として戦闘に参加する事になった。
ル・ファンタスク級も例外ではなく、ネームシップを含む複数隻も接収された。
しかし、その後連合軍に接収されたル・ファンタスク級は亡命政府軍である自由フランス軍の指揮下で欧州戦線へと参戦した。 - ネームシップであるル・ファンタスク自体はその後連合側として使用され、アメリカでの装備改修を受けている。
その後、43年のサレルノ上陸作戦、コルシカ攻略作戦へと投入された。 - 続く1944年にはアンツィオの上陸作戦を支援、そして8月にはついにナチス・ドイツに占領された母国解放のため、南フランスでの上陸作戦支援へ参加。
母国フランスの解放後は、姉妹艦たちと共に引き続きフランス海軍で使用された。 - 戦争の終結後1957年5月2日、ついにネームップであるル・ファンタスクは除籍された。
- ル・ファンタスク級は他に姉妹艦が5隻存在している。
それらの艦は1960年代まで現役であり、戦後のフランス海軍を支えていた。
しかし、ヴィシー政権側で戦い連合軍機の空襲で撃沈された「ローダシュー」や、連合軍への接収を恐れ自沈処分された「ランドンターブル」など戦没艦も存在している。