【バージョン3.0スカスカ問題】

Last-modified: 2023-06-09 (金) 17:26:05

概要

パッケージとして売りだされたVer.3.0。しかしその中身は、多くのプレイヤーに「スカスカ」と言わしめる内容だった。
この問題については「ドラゴンクエスト夏祭り2015」内で行われたディレクター夜話で、【齋藤力】ディレクター(当時)自身から言及された。
 
コンテンツを少しずつ消化していくライトなプレイヤーなど、それほど気にならないという人もいるにはいる。
しかし、DQ10を熱心に遊んでいる人を満足させることができていない、ということは決して軽い問題ではない。
だが、このコンテンツ不足という問題と無縁のMMOもまず存在しない永遠の課題である、ということもまた留意しておきたい。

原因と起因

そもそも何故スカスカと言われるようになったのかと言うと、ディレクターが言うにはVer.2.0と比較した時コンテンツが物足りなかったからだそうだ。
それも事実ではあるが勿論それだけが理由ではない。

  • 新フィールド無し
    多くのプレイヤーがVer.3.0では竜族の世界(ナドラガンド)に行けると思っていた。だがしかし、蓋を開けてみれば追加されたマップは既存の世界にダンジョン数個だけであった。ダンジョン自体のクオリティは今までのものよりも断然高く、そこを巡っていくストーリーも含めボリュームも小さくはないのだが、やはりプレイヤーが期待した竜族の世界に行けないのは良くなかった。
    新フィールドに行けないということはつまり、キラキラなどでの新素材の追加も無いということになるため、バザー価格の変化も乏しく、マンネリ感は拭いきれなかった。
    Vジャンプブックス「アストルティア5thメモリアルBOOK」の斎藤・安西インタビューや2020年8月の超DQXTV8周年カウントダウン特番のスタッフ対談等によると、炎の領界までは入れたかったが、Ver.2.4後期で【ダークドレアム】実装などもあり、スケジュール的に間に合わなかったとのこと。
  • モンスターが弱すぎ、旨味がなさすぎ
    【デュランダル】【カイザードラゴン】を筆頭に、既存モンスターの上位種という割に下位種と互角かそれ以下の強さしかなく、格下レベルが高くて襲ってくるのに特訓スタンプは0、経験値もせいぜい1000台、と倒す価値が全くないやつらばかりだった。
    カイザードラゴンは後に強さと報酬が上方修正されたが遅きに失した感じが否めない。
  • コンテンツの需要
    Ver.3.0で追加されたコンテンツの多くがプレイヤーを強化していくものであった。しかし、強くなっても倒す敵がいないと言われる最中だった。
  • 準備期間の長さ
    DQ10では季節イベントが開催されている。Ver.2.4でも当然季節イベントがあり、その時のイベントが春イベントであるお花見イベントだったが、再演という形で去年と全く同じ内容のものが公開された。再演の理由としてVer.3.0のクオリティを上げるためだと言われていた。
    しかしこのイベントの直前に、「質の高いサービスを提供し続けるために資金が必要」として超便利ツールで日替わり討伐をジェムで行えるようにしたばかりであったため、発言に一貫性がないとして批判を招いた。
    その他にもクエスト等も追加されていったが、一部を除き好んでリプレイするものが無く、この頃から既にスカスカが問題視されていた。
    更に【海開き】さえも再演と言う形で、釣りに関しては大物枠を増やした事で高得点を狙えるようになったものの、その分早く宝箱を釣らないと去年よりもテンポが悪くなり、ストレスしか溜まらないと言う批判が相次いだ。ついでに言うと3周年記念期間なのに昨年に比べて明らかにイベントが少なかった。
  • ストーリー展開のマンネリ感
    Ver.3.1以降、新拠点で問題が起きている→解決後聖塔に挑む→クリア後、次のマップへの道が開け、拠点で後始末のようなクエストが少量追加…の繰り返しで、改めて世界(他の領界)を巡ったりするようなこともなく、ならばと新しいマップを探索しようにも、悪い意味で分かりやすいところに宝箱が転がっているので回収も楽。
    結果、新しいバージョンアップの内容は会話などをとばして急いですれば2~3時間程度、色々探索しても10時間程度で終わってしまう。(但しストーリーの内容自体は背景含めて非常に作りこまれており、新規層からは好評)

 
これに配信ペースの鈍化もあり、イベントの開催やコンテンツがいくら拡充されようと、肝心の本編にやることがない(と見做されてしまう)のでは、不満が積もるのも仕方ないだろう。
鳴り物入りで実装されたアスフェルド学園のストーリーも、狭い学園を舞台に指示された場所に行きボス戦を行い封印を解く作業の繰り返しであり、お世辞にも練り込まれたストーリーとは言い難い。

Ver.3.1

待望の竜族の世界が追加されたがあまりにも狭く、また新コンテンツも追加されなかったため依然としてスカスカのままであると言われることが多い。
 
ストーリーの流れから見て、3rdでは各バージョン毎に同程度の規模の新フィールドを公開していくものとみられる。
その点、1stや2ndでは初期のバージョンで大きく追加し、そこに順次細かく付け足していく形式であった。
この違いも、個々のバージョンに対する物足りなさを増している一因となっている。

Ver.3.2

新フィールドは更に狭い上、前期には【邪神の宮殿】が追加されたものの、後期の目玉とされていた【アスフェルド学園】が延期。
更に後期からVer.3.3までの間が12週と、前期後期制では前代未聞の長さになってしまった。

Ver.3.3

新フィールドはVer.3.2同等の広さしかなく、前期には【常闇の聖戦】が追加されたものの、季節イベントでの七夕イベントは再演すらなく消失。
 
後期には久々の新職業となる占い師が追加されたが、あまりにも久々の職業追加であったため、それまでに緩和された経験値取得手段(【領界討伐クエスト】、ため込んだ【メタル迷宮招待券】【メタキンメダル】等)ですぐにカンストさせてしまったプレイヤーも多かった。(とはいえ占い師自体はレベルの高さよりもデッキの育成のほうが比重が大きいのですぐにやることがなくなるわけではない)

Ver.3.4

フィールドは少なくとも過去よりは広くなり季節イベントも充実したがメインストーリーの引き延ばしが目立ってしまう。
それでもアスフェルド学園の開園やイベントの多さが起因しスカスカとはあまり言われなくなってきた。

Ver.3.5

Ver.3最終となる今バージョンのみ、前期、中期、後期の3期に分けられた。
ストーリーは前期で領界のストーリーを終え、後期で完結させるという流れ。
間の中期には【サジェとリルチェラの神聖秘文】などを挟む形。
 
メインストーリーでは急展開や怒濤の伏線回収も行なわれ、ストーリーそのものに対する不満は大きく減った。

Ver.4~

Ver.4.0ではVer.3.0で指摘されていた問題点ほぼ改善されており、かなりボリューム感のあるバージョンアップとなった。
それ以降も○.0で多くのマップを追加し、その後もアップデートごとに新規マップをいくつか追加していくというVer.1、2とVer.3の中間のような形となっている。
また、開発方針の変更から問題となっていたアップデート頻度は上昇し、この問題が語られることは無くなっていた。

この問題が起きた原因

後に明らかになったことであるが、この問題が起きた最大の原因として、Ver.3の開発と同時期に開発を行っていたDQ11をはじめとしたドラクエ関連作品にDQ10のスタッフが割かれてしまったことが挙げられる。
特にDQ11では大きな問題が発生しており、それに対処するために【齊藤陽介】プロデューサー(当時)がDQ11のプロデューサーに急遽就任し、更にDQ10のサブリーダークラスのスタッフがDQ11に投入されている。
また、Ver.2ストーリーも本来はVer.2期間内で完結できるようなスケジュールではなかったことが語られているため、こちら側の開発にもリソースが割かれていた可能性もある。
なお、Ver.3.5後期頃には目覚めし冒険者の広場にも度々人材募集の広告が載っており、この時期にスタッフの増員をして体制の再構築をしていたと思われる。