【つなみ】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 05:06:26

概要

DQ6などに登場する【とくぎ】。大きな波の力で相手を攻撃する。
使用時のメッセージは、

○○○○は つなみをひきよせた。
おおきな つなみが おしよせる!

 
DQ6とDQ7では味方も使えるが、リメイクDQ4とDQ9では敵専用である。
シリーズ常連の特技になっていたのだが、3DS版DQ7での扱いを見る限り、今後の作品に出るかどうかはかなり厳しいところである。
一方、モンスターズでは皆勤を続けている。
なお現実の「津波」との違いは最後にまとめる
 
ドラクエ本編の特技「つなみ」は【かえんのいき】と同程度の威力でさほど強くない謎の特技である。周囲への被害も皆無で、町中での戦闘で使っても何の問題も無い。
さらにDQ7までの属性は、同じく水で攻撃する【メイルストロム】ともども【バギ系】に設定されているという謎。
さらにさらに、なぜかモンスターズでは打って変わってやたら強いという、とにもかくにも謎と突っ込みどころだらけの技である。
 
この威力帯では珍しい高貫通の特技。
なので耐性が高くてもダメージを軽減しづらい。マジックバリアの効果も薄い。
ちなみに、耐性により無効化されたときは、

しかし ○○○○は
つなみを かわした!

と専用のメッセージが表示される。どうやって避けるんだ…空でも飛んでいるのだろうか。
 
シリーズでつなみが登場するのは実はDQ6が初めてではなく、これに先んじてDQ5の【パルプンテ】効果のひとつとして専用のエフェクトとともに登場していた。ただし、ダメージではなく敵全体を消滅させる効果であった。

DQ4(リメイク版)

DQ7から直輸入された【キルゲータ】の専用技。仕様はDQ7と全く同じである。
キルゲータがいるのは裏ダンジョンだけなので、この威力では全く怖くない。

DQ6

初登場作品。消費MPゼロで敵全体に30~40のダメージを与える。
一見無消費で攻撃範囲が広いため使い勝手が良さそうに見えるが、1/3の確率で失敗する上、【海底神殿】など一部を除いたダンジョン内では使えない。
明らかに利便性は火炎の息(同威力、失敗しない)に劣る。
しかも【賢者】の★4とかなり遅くにやっと習得できる。火炎の息は基本職の魔物使いで早々に覚えるのに……。
そんな時期に覚えても、すでに威力不足で無用の長物。要するに驚異的な使えなさであった。
ついでに言うとエフェクトも異様に長い。火炎の息が1秒程度なのに対してこれは5秒ほどかかる。なんだこれ…。
 
その反面、敵は割と早い段階で使ってくる上に、敵のつなみはなぜか失敗しないため、 特にムドー撃破直後に遭遇する【キラーウェーブ】に連発されると全滅することも。
【マッドウェーブ】も使用するが、出遭うのは下の世界の外海なのでこの時点ではすでに弱い部類の特技。
 
実はバギ系のブレスという変わった分類であり、【フバーハ】で半減できるし【おいかぜ】で反射できる。
しかし、それらを覚える頃にはつなみはぜんぜん怖くないので、ほとんど知られていないようだ。
 
バーバラの【あそび】の「かわいそうごっこ」なるものでもコレが発生。
溢れ出す涙がつなみとなって敵を襲う!というしょーもない攻撃だが、なぜか本家のつなみと異なり失敗することがない。
【うみなりのつえ】の道具使用でも発動できるが、こちらは普通に失敗する。

リメイク版

賢者に加えて【マリリン】が自力習得するようになったが、加入が遅くてやっぱり使えない。
追い風でつなみを反射できるのはさすがにおかしいと思ったのか、ブレスでなくなっている。
また、敵側も失敗することがあるようになった。

DQ7

威力やバギ系のブレスである点などは同じだがダンジョン内でも使えるようになった。
【船乗り】★8で覚えられるようになったので、早めに習得すれば割と使える。
特筆すべき事項としては、敵が使用した場合バギ系とは微妙に異なる属性として計算される点。
防具での軽減値はバギ系と全く同じものの、

  • 【ドルフィンシールド】でダメージを30減らせる
  • 船乗り・【海賊】職でダメージを熟練度に応じて減らせる(海賊の方が耐性が高い)
  • (概要にもあるが)高貫通の特技である。

というとても地味な違いがある。
このような細かい調整を加えておきながら、つなみを使ってくる敵はキルゲータを除けばほぼ固定敵のみである。
【グラコス】【みずのせいれい】【ボーンフィッシュ】(現代砂漠の城の地下で戦う一匹だけ)しかおらず、何のためにこんなことをしたのかは不明。
【コーラルレイン】【メイルストロム】と一緒に「水属性攻撃」を作ってしまえば良かったのに。

リメイク版

ご時世の影響か、特技ごと削除された。
 
PS版でつなみを使ってきた敵は全て【ハリケーン】を使うようになっているが、敵使用時のハリケーンのダメージがつなみと同じになったため、難易度が上がったわけではない。
一方で、使用時につなみが発動する効果を持っていた【うみなりのつえ】【水竜の剣】は、それぞれコーラルレインとメイルストロムに置き換えられ、大きく強化された。
 
一応内部データとしては残っており、無理やり使わせることもできるがエフェクトが無い。
性能はPS版と全く同じ。
この特技に限らず、3DS版では削除されてしまったPS版にのみ存在する特技は、すべて没データとして残っている。

DQ9

使用者は【ぬしさま】(1回目)のみ。
今作では【無属性規定ダメージ攻撃】の一種となっており、敵全体に30~37ポイントのダメージを与える。
この類の攻撃の性質上、回避してダメージを0にすることは不可能。
【防御】や「スーパーハイテンション状態」などの限られた手段でのみダメージを軽減できる。
 
また、本作ではさらに高い威力を誇る【巨大なつなみ】が登場している。

DQM1(PS版)・DQM2

最初にも書いたが、なぜかこの特技は外伝ではやたらと強い。
いずれの作品でも【てっぽうみず】の上位技であり、高MP消費、高威力、そして全体攻撃が特徴。
 
DQM2で外伝初出演。当然というべきか、水系モンスターばかりが覚える(【配合】システムにより、【ようがんまじん】【ひくいどり】といった水と真逆である炎を得意とするモンスターにも受け継げる)。
早速超強化を施され、ダメージ約160、消費MP15というイオナズン並みの代物になった。
ブレスでも呪文でもないため、マホトーンやフバーハの影響を受けない優秀な全体攻撃。
水の世界のだいおうイカLV38にこれを食らって全滅したプレイヤーは多い。
また鉄砲水、【かんけつせん】と共に「水系」という独自の属性をもっており、 水系・植物系モンスター以外にはあまり軽減・無効化されないのも嬉しい。
 
加えて習得に賢さの数値が影響しないため、上級呪文がやたらと高い賢さにならないと覚えられないDQM2において、手軽に覚えられる数少ない全体攻撃でもある。
そのうえ習得LVが19と低く、MPさえ充分なら習得直後からガンガン使っていける。
総じて本編でのヘタレっぷりが嘘のように強力。
威力ではビッグバンなどに劣るものの、【メタル化】モンスター同士の殴り合いが標準になる上級者同士の対戦でもない限り、大きな活躍を見せてくれることは間違いない。
ちなみに、物理攻撃と同じように命中時に眠りや混乱が一定確率で解除される仕様になったのもこの作品から。
強力なこの特技の数少ない弱点といえよう。

キャラバンハート

強力特技大粛清の嵐が吹き荒れたキャラバンハートでも(本編での地味さのおかげか)生き残る。
むしろその粛清によりライバルとなる特技がことごとく消え失せ、なんとギガデイン、メラゾーマに次ぐ堂々の威力第三位の座に登り詰める。
MP消費15、ダメージは最大で200近くにまでアップしている。
さらに、ブレスやバギクロスがグループ攻撃に弱体化される中、つなみは全体攻撃を死守。
習得にはレベル35を要するため覚えさせるのは難しくなったが、【スライムランド】で仲間になるキラーウェーブのウェバーが最初から覚えており、その威力を十二分に体感できるはずだ。
コレを連打してくる敵のウェバーたるや脅威の一言に尽きる。
 
ただし、ウェバーが仲間になる頃になるといい加減敵のHPが多くなり、ウェバーがつなみを連打できるMPを習得したころには殴った方が強かったりもする。
やっぱり雑魚掃除専用か。
ちなみに【自然系】のモンスターには耐性を持つものが多く、効きにくい。

ジョーカー1

相変わらず鉄砲水の上位種で、水系攻撃である。
消費MPが32まで増加したものの、ダメージは最大で実に349。
が、いかんせん習得法が問題で、【ディアノーグ2】55Pでしか習得できない。
使用制限の多い神獣専用ということで、使い勝手は言うまでもない。

ジョーカー2・2プロ

水系の属性が削除され、ヒャド+氷ブレスの複合属性の体技に変更された。消費MPも25に地味に減少している。
覚えるスキルも、従来のディアノーグ2(MJ2Pでは最強ディアノーグ)だけでなく、マリンデュエル、海王神、オセアーノン、JOKERと大幅に増えた。
あまり積極的に使われる特技ではないが、オセアーノンスキルを付けたキャラをAIで動かすとよく暴発する。

テリワン3D

消費MPが44に増加。J2Pの5つのスキルに加え、魔戦士サイフォンのスキルでも覚えられるようになった。
強力な斬撃や体技を習得するのにデメリット特性の取得が必須になったことに伴い、相対的に価値が上昇。
対戦で見る機会は以前より増えただろう。
エフェクトは波というより水柱を巻き上げるようなものである。【バギクロス】が近い。

イルルカ

消費MPや効果は基本的にテリワン3Dのものと同じ。
ただ、今回は最上位の特技にデメリット特性が付かないので、相対的に微妙な立場に戻ってしまった。

ジョーカー3

この作品で満を持して【水属性】が登場したことで(正確にはDQMJ1以前はあった属性だが)、水+氷結の複合属性に変更された。
氷結は前作で言うところのヒャド系に当たるのだが、ここには吹雪ブレスも内包されている。
また、【海破斬】と纏う属性が同じになった。
 
エフェクトがより生々しく、本物の「津波」に近いものに変更された。

現実世界での「津波」

現実の「津波」は海底の地殻変動などによって引き起こされ海面そのものが隆起し、それが海岸に押し寄せて被害をもたらす災害である。
普通の「波」は風によって引き起こされるもので、「津波」とは本質的に別のものである。
普通の波と津波の違いは主に波長に現れ、津波の波長は数キロメートルから数百キロメートルにも渡り、非常に長い。波長が長いということは、その数キロメートルから数百キロメートル分の水が大きなカタマリになっているということ。その水のカタマリがとんでもないパワーを引き起こし、多量の水がぶつかり続けることであらゆる構造物を破壊するのだ。さらに、破壊された構造物が瓦礫となって水に混ざることでさらに威力が増すという厄介な一面も持つ。
この特質により、数十センチの津波でも人を転ばせ押し流し、1メートルの津波をまともに食らえば死亡率はほぼ100%とされ、それより大規模なものになると街を破壊し多数の死者を出すほどの壊滅的な威力を持つ。
 
DQ6が開発中であった1993年には、北海道奥尻島に大きな津波被害をもたらした「北海道南西沖地震」が発生したが、被害範囲が限られていたこともあってか津波の正しい認識は広まらず、単に「大きな波」だと思っていた人も多かったようだ。
こういった誤った認識により、開発側も現実のような災害級の「津波」よりは、単なる「大きな波」を連想してこの特技を作ったように思える。
DQ7の攻略本でも、「海の精霊の力を借りて長大な海風を引き起こし湧き上がる大津波の強烈な水圧で攻撃する」と、「風浪」を「津波」と表現していた。
 
時は流れ2011年3月11日、東日本大震災が発生。東北から関東までの太平洋岸という広範囲かつ大規模な被害をもたらしたことで国民は大きなショックを受けた。
以降はメディアでも「津波」を連想させる表現は必要な時以外避けられるようになり、例えばサザンオールスターズの人気曲であった『TSUNAMI』はそれ以降、放送で耳にすることがほとんどなくなってしまった。
3DS版DQ7でつなみが削除された理由について公式の発表はないが、おそらくはこれも震災を受けての自粛であろう。
他にも【しのびあし】【タカのめ】などの特技がカットされているが、そちらはシステムの変更上やむを得ない削除である。
【グラコス】【ハーメリア地方】を水没させる手段もPS版では津波災害を思わせる演出だったが、3DS版では大雨へと変更された(なお作中ではPS版の時点から「大洪水」と表現されている)。
ただし、モンスターズシリーズではDQ7と違ってつなみが削除されておらず、テリワン3D以降も一貫して登場している。
 
いずれにせよDQの特技としての「つなみ」は、現実の「津波」とは切り離して考えた方がいいだろう。
もちろん、現実の津波をゲームと同じと思ってはいけない。津波警報が出たらとにかく【いのちだいじに】、高台へ【にげる】のを最優先にしよう。