【耐性貫通力】

Last-modified: 2021-06-19 (土) 11:29:43

概要

文字通り、「耐性をどのくらい貫通するか」を示す隠しパラメータみたいなもの。
DQ4以前でも呪文によって成功率(貫通力)が違うという概念自体はあったが、これは主に「味方側に耐性が設定されていないので、敵側の呪文特技に基本成功率を細かく設定する必要があった」ことにより生じたものだった。
一方、DQ5以降は味方にも耐性が設定され、通常の貫通力であれば基本成功率が100%となり、耐性によって成功率やダメージが減じられるというシステムが完全に確立。
さらにDQ6以降では「貫通力の変化」という概念が誕生した。これにより、「同じ呪文特技」を「同じ種類の相手」に当てても、状況によって貫通力が変化した場合に、効く確率が違ったり、ダメージを軽減する量が違うということが起こるようになった。
呪文特技の所属する貫通力テーブルが、状況によって変更されるようになったのだ。

詳細説明

まず耐性貫通力はキャラごとではなく『呪文・特技』に設定されているものである」ということ、これを覚えておこう。これを把握しておかないと大混乱必至である。
例えばDQ6~8でこちらが【マジックバリア】の効果を得ると、こちら側(の耐性)が強化される」と思いたくなるだろう。
 
だがこれ、「相手の呪文特技の貫通力が弱くなる」ので、こちらが強化されるのではなく、相手の呪文特技が弱体化するのだ。
 
【ぶきみなひかり】【ディバインスペル】も、DQ5を除けば同様で、
例えば「こちらが不気味な光の効果を受けると、相手の呪文特技の貫通力が強化される」。
こちらが弱体化するわけではなく、相手の呪文特技が強化されるのだ。
 
このようなシステムだからこそ、わざわざ「耐性貫通力」という名前の記事が用意されたのである。
作品ごとに微妙に仕様が異なるため、後に作品別に解説していく。

確率系とダメージ系

大きく分けると、効くか効かないかのみの判定で、効いた場合の効果は同じである「確率系」と、効いたときの効果(ダメージ)が変化する「ダメージ系」の2種類が存在する。
攻略サイトでもあまり使われない表現で少々ややこしいが、前者は「呪文特技の成功率」、後者は「呪文特技のダメージ倍率」と考えればわかりやすいだろう。

補足・関連項目

ここで説明しているのはDQ5以降DQ8以前のもの。
各キャラクター・モンスターの耐性そのものに関しての説明は、【耐性】の項目に詳しい。
DQ4以前のものは、極めて特殊なダメージ系のブレスのみこの項目で取り扱う。それ以外のものは、味方→敵へ呪文特技を使う場合は【耐性】を、敵→味方へ呪文特技を使われる場合は【確率系基本成功率】を参照。
また、DQ9以降はかなり異なるシステムが用いられている。そちらについては【確率系有効確率】および【属性ダメージ倍率】の項目で説明しているので、そちらを参照のこと。

確率系

基本解説

即死系や補助系の呪文・特技などのように、「効くか効かないか」で判定される場合は「確率系」と呼ばれる。
DQ4以前の基本成功率は同じ呪文であっても敵味方で違いがあったが、DQ5以降での基本成功率は敵味方共通になった。
呪文ごとの耐性貫通テーブルと対象の耐性から、最終的な成功率が決まる。
 
なお、DQ5以降ではダメージを与えるタイプの呪文・特技は基本的に「ダメージ系」に分類されるが、一部の特技は「確率系」で判定されるものもある。
意外なところでは、DQ7以前の【ジゴスパーク】が確率系である。DQ8でダメージ系になった。
他にも、DQ6~7の【せいけんづき】も確率系である。

DQ5(SFC版)

【仲間モンスター】が登場した影響から、味方側にも敵側と同じく4段階の耐性が割り振られるようになった。
さらに、呪文特技の種類によって、異なる貫通力のテーブルが設定されている。
貫通力が高ければ相手の耐性が高くても効きやすく、貫通力が低い場合は相手の耐性が低くても効きにくい、ということになる。
ただし、敵・味方で呪文の貫通力が異なるものも多々ある。
 
DQ3やFC版DQ4と違い、マホカンタによる反射にも、それぞれ個別の判定がなされる。パーティアタックは削除されているので気にしなくて良い。
また、本作のぶきみなひかりはダメージ系・確率系ともに何の効果も発揮されない。おそらくは設定ミスと考えられる。リメイク版では修正されている。
敵の特技の【呪いをかける】の成功率については【うんのよさ】を参照。

味方→敵、敵→仲間モンスターへ呪文特技が使用された場合

【モンスター】への成功率は基本的に以下の4通りの貫通テーブルによって決まる。

 耐性

貫通力

(×)

(△)

(〇)
完全
(◎)
標的:敵モンスター標的:仲間モンスター
極端100%100%100%0%みなごろしルカニ
高貫通100%100%70%0%ルカニ、ラリホーマ該当なし
中貫通100%80%35%0%ほとんどの確率系呪文・特技ラリホーマ、毒攻撃、マヒ攻撃、眠り攻撃
低貫通100%40%20%0%該当なしほとんどの確率系呪文・特技

注)表示の確率は、1000回試行実験によるおよその数値。
 
仲間モンスターの耐性は、敵のときのものがそのまま適用される。
ただし、【スライム】【クックルー】【ニフラム】に耐性がないが、マホカンタで反射されても何も起きない。
敵のルカニは極端で、完全耐性がなければ必中。
【みなごろし】は、味方が狙われた場合は耐性に関わらず必中で、敵が狙われるとザキ完全耐性なら無効(必ず1ダメージになる)。
ルカニとラリホーマ以外は低貫通になっており、無耐性の仲間モンスター以外にはあまり効かない。
さらに仲間モンスターは、ルカニ以外は最終的な成功率に運の良さが影響し、同じ耐性のキャラでも、運の良さが高いほど成功率が抑えられる。
例えば、無耐性で運の良さが40程度なら成功率は約90%、運の良さが100程度なら約75%になる。
耐性が低いキャラほど影響を実感しやすいだろう。
 
リメイク版では、貫通テーブルが別のものに変わっている模様。
特にDS版では仲間モンスターのテーブルが敵モンスターと同じものになり、しかも運の良さの補正もないので、敵のザキ系や【やけつくいき】が非常に厄介になった。
また、みなごろしに味方のザキ耐性も機能するようになった。

敵→人間PCへ呪文特技を使用された場合

人間PCと仲間モンスターで明らかに貫通テーブルが異なるものも多い。
また、ラリホーマなど一部の呪文は計算が特殊なのか、仲間モンスターに比べて運の良さの補正が明らかに小さい。
人間PCは、「ルカニ」【ルカナン】【マホトラ】は運の良さに関わらず必中、それ以外の確率系の呪文特技に対しては、だいたい中程度の耐性がある。
【ザラキ】や焼けつく息は1~2割程度でかなり当たりにくいが、それ以外の補助呪文は運の良さが十分に上がるまでは、概ね弱耐性の仲間モンスターより当たりやすい。
序盤は運の良さが十分に上がっていないので、【眠り】【幻惑】「呪文封じ」が非常に成功しやすい。
逆に【レベル】が上がれば上がるほど、目に見えて当たらなくなっていく。
特に【主人公】はレベル11まで運の良さが全く上がらないので注意。
敵側にニフラム使いはいないので、人間キャラのニフラム耐性は不明。
リメイク版では成功率はマホトラ、メガンテ、ルカニ、呪い>ルカナン、ラリホーマ>マヌーサ>その他>メダパニ>マヒの順。

メガンテの成功判定

敵側の【メガンテ】は特殊仕様となっている。
人間キャラは必中だが当たっても50%の確率で【瀕死】で耐える。
一方、仲間モンスターは無耐性=強耐性、弱耐性=完全耐性になっている模様。
例えば、スライム(無耐性)とメガザルロック(強耐性)が同じ、アンクルホーン(弱耐性)とはぐれメタル(完全耐性)が同じ耐性になっている。
【はぐれメタル】はメガンテに完全耐性のはずだが、約17%程度(運の良さ255による補正)の確率でメガンテが効いてしまう。
ただし【ジェリーマン】が化けたモンスターが使うメガンテは味方仕様なので、完全耐性ならシャットアウトする(逆に【たいようのかんむり】では防げない)。

DQ6・DQ7

DQ5と同じく、高・中・低の3種類の貫通力に加え、敵専用テーブルが1つ作られた。
目に見えて中貫通の性能が上がり、同様に低貫通の性能が大きく下がっている。
また不気味な光の仕様が変わり、マジックバリアとは逆に貫通テーブルが1段階下がるようになっている。
敵専用テーブルは、「性能の上がった中貫通だと凶悪すぎるが、性能の下がった低貫通だと脅威にならない」ということで作られた模様。
要するに中貫通と低貫通の中間である。
主に敵が使ってくるザキ系呪文(リメイク版7以外)、麻痺系特技が該当する。
同じ特技でも、味方が使用するか敵が使用するかによって、貫通力テーブルが異なる場合もある。
 
またSFC版DQ6ではそれぞれのキャラに固有の耐性が設定されるようになったが、リメイクでは人間キャラの耐性は統一された。
味方へのニフラムは、地味に完全耐性になっている。
DQ7の【死神きぞく(職業)】をマスターした場合のみ、弱耐性になるが、結局効果はない。
 

 耐性

貫通力

(×)

(△)

(〇)
完全
(◎)
不気味な光Mバリア該当する呪文特技
高貫通100%100%75%0%変化なし中貫通化メガンテ、ラリホーマ、ひつじかぞえ歌(リメイク版7)など
中貫通100%85%50%0%高貫通化低貫通化ほとんどの確率系呪文特技
低貫通50%20%10%0%中貫通化変化なし砂煙、焼けつく息(味方)、
死の踊り、ニフラム(SFC6,PS7)、
バシルーラなど
敵専用90%60%30%0%変化なし変化なしザキ系呪文(敵、リメイク版7以外)、焼けつく息(敵)、
マヒ攻撃(敵)

 
表に示されている%は、単純に効く確率である。
焼けつく息など一部の呪文特技は、使用者によって該当場所が違う。
まず注目すべき点は、マジックバリアの有効性で、マジックバリアは確率系にこそ効果を発揮すると言って良い。
ほとんどの確率系の呪文特技が中貫通テーブルに所属しているが、人間キャラの強耐性(◯)ならば、成功率は50%である。
ここでマジックバリアをかけると低貫通テーブルに変化するので、成功率がわずか10%まで抑えられる。
防具で高く耐性をつけることができない系統の呪文特技に対して、絶大な効力を発揮するだろう。
 
しかしこれは敵にも言えることで、DQ7にはマジックバリアを唱えるボスが登場する(【デスマシーン】【アントリア】)。
デスマシーンは高い守備力を誇り、アントリアは強烈な攻撃手段を有しているので、補助呪文で対抗しないと勝つことは厳しいのだが、補助呪文が効く前にマジックバリアを唱えられると大苦戦、あるいは敗北の憂き目を見ることになる。
例えばアントリアは、こちらのLvがまだ10台中盤というときなのに、超強力な特技【念じボール】を放ってくる。67~80ダメージくらいの攻撃が2発来ると聞けば危険性がわかるだろうか?
ラリホーが弱耐性(△)で85%の確率で効くので、眠らせたいところだ。
しかし、こちらのラリホーが決まる前にマジックバリアを唱えられてしまうと、ラリホーが低貫通に変化し、効く確率がわずか20%になってしまう。
マジックバリアを唱えられると、一気にラリホーが効きづらくなるのはこのためである。
 
当然、注意点も存在する。敵専用テーブルに所属する呪文特技だ。
上記の通り、敵が使うザキ系呪文ややけつく息は、基本的に敵専用テーブルに所属する。
表を見てもらえばわかるが、敵専用テーブルに所属する呪文特技には、マジックバリアの効果が及ばないのだ(不気味な光の効果も及ばない)。
この特性は地味に厄介で、すなわち敵が使うザキ系呪文ややけつく息はマジックバリアでは防げない、ということになる。注意しよう。
また、低貫通の呪文特技に対しても、マジックバリアは意味が無いのでこれも注意しよう。無闇にマジックバリアを唱えないように。
 
ちなみに、【状態異常】を効きにくくする防具を装備した上でマジックバリアを使うと、さらに効く確率を抑えることが可能。
例えば、眠りが効く確率を1/8(12.5%)に抑える防具を装備してマジックバリアを使った場合、敵からラリホーを受けて眠らされる確率は、
12.5%×10%=12.5%×0.1
で、わずか1.25%(1/80)まで抑えることができるのだ。
 
マジックバリアが効果的なら不気味な光も効果的だ、と思う人もいるかも知れないが、不気味な光自体が効かない可能性がある。(不気味な光は中貫通のザキ属性)
また、ザコ戦では初めから補助呪文をかけ、不気味な光の一手は、補助のもう一手または攻撃に回した方が良い場合が多く、ボスに対しては不気味な光自体が無効(ボスにザキはまず効かない)のため、ほとんど役に立たない。

DQ8

DQ8では基本テーブルはDQ7と同じだが、ザキ系呪文を含めほとんどの呪文特技がマジックバリアで効く確率を抑えられるようになった。
しかし、以前の作品のように急激に効く確率を下げるほどの効果は無くなった。
 
もちろん、ザキに限ったことではないが「効く確率を下げる」だけであり、効くときは効いてしまうので、効果を過信するのは禁物だ。
なお、【スカウトモンスター】が使用する呪文(【ブリザード】のザラキなど)および3DS版で特定のボスが使う状態異常攻撃が高貫通にセットされている場合がある。

ダメージ系

基本解説

DQ5以降のダメージ系の呪文特技のように、「どのくらいの効果があるか」で判定される場合は「ダメージ系」と呼ばれる。
DQ3~4で、混乱した敵が敵側に吐くブレス攻撃や、ドラゴラムの炎、【ドラン】の吐く【ふぶき】などもこちらで判定される。
 
基本的に耐性は確率系と同じく無耐性(×)、弱耐性(△)、強耐性(◯)、完全耐性(◎)の4段階となっている。
人間キャラは、基本的にほとんどのダメージ系の呪文特技に対して、無耐性(×)であることも頭に入れておこう。
DQ6以降は、メインキャラも素で耐性を持つようになった。
 
以下にはいくつかの表があるが、表の中の%は、「ダメージ倍率」を意味する。
多くのダメージ系呪文特技には「規定ダメージ」が設定されており、
各種呪文・特技の貫通力テーブルと対象の耐性を照らし合わせてダメージ倍率を求める。
実際のダメージは、「規定ダメージ×ダメージ倍率」となる。
DQ6以降は、規定ダメージではなく、通常攻撃のダメージを基準とする特技が出たり、レベルによって規定ダメージが変化する特技が出るようになった。
貫通力テーブルは作品によって異なっている。

DQ3

貫通テーブルはブレス系特技のみで、同じ【属性】の攻撃呪文に対して完全耐性であっても50%ダメージが通るのが特徴。

無耐性(×)弱耐性(△)強耐性(〇)完全耐性(◎)
100%80%60%50%

 
FC・GBC版では敵のブレス攻撃も【メタル系】にダメージを与えられるため、【メダパニ】で混乱した【スカイドラゴン】【キメラ】の炎でメタル系を一掃することができる。
上述の通り、SFC版では敵のブレスはなぜか確率系に分類されてしまったので、完全耐性の敵には通用しない。
(敵同士の打撃攻撃は処理方法が違うのでメタル系にも有効)
また、FC版・リメイク版問わず、ドラゴラムは完全耐性でもダメージが半分通るので複数同時に倒したい場合には非常に有効。

DQ4

貫通テーブルはブレス系特技のみ。

無耐性(×)弱耐性(△)強耐性(〇)完全耐性(◎)
FC版100%80%50%必ず1ダメージ
DS・スマホ版100%80%50%0%

 
FC版ではドラゴラムの炎がメタル系に必中1ダメージのため、【マーニャ】はメタル系を見ると基本的にドラゴラムを唱える様にプログラムされている。
また、ドランの吹雪でも同様に確実に1ダメージが与えられる。
PS版では、設定ミスなのかブレス攻撃が攻撃呪文と同じく確率系になっているため、完全耐性には当然全く効かない。
DS・スマホ版ではダメージ系に戻ったが、いずれも完全耐性には全くダメージが与えられなくなった。

DQ5

無耐性(×)弱耐性(△)強耐性(〇)完全耐性(◎)
呪文(PS2以降は息攻撃も含む)100%80%33%0%
息攻撃(SFCのみ)100%85%50%0%()

…50%の確率で1ダメージは与える
 
SFC版DQ5では、呪文とブレス、2つのテーブルが用意されている。
ブレスは呪文に比べて貫通力が高く、相手の耐性が高くてもダメージを与えやすい。
また、完全耐性でも半分程度の確率で1ダメージを与えられるのも特徴。
前作の様に必中ではなくなったが、メタル系が集団で出た場合にはそこそこ有効。
 
また、本作では不気味な光はダメージ系呪文には効果がない。
 
リメイク版ではテーブルがSFC版における呪文のものに統一されており、1つにまとめられた。
また、ブレス系での「完全耐性に対して半分程度の確率で1ダメージ」の仕様も無くなっている(メタル系に通用しない)。

貫通力倍化(SFC版限定)

あまり有名ではないが、SFC版では主人公のレベル(主人公以外のレベルは無関係)が、「そのエリアで100%逃げられるようになるレベル+5」以上を満たすエリアに限定して、味方のダメージ系の呪文・特技の貫通力が2倍になる(上限は100%)という、とんでもない仕様がある。
つまり、呪文系では弱耐性は上限の100%に、強耐性はダメージ倍率が66%に変化する。
ブレス系は、弱耐性も強耐性も100%貫通するようになる。
もともと100%の無耐性と0%の完全耐性については変化しない。
また、例外として【たいあたり】は耐性貫通力が変化しない(弱耐性はHPの約64%、強耐性はHPの約26%のダメージ)。
 
ちなみに確率系の呪文・特技の方は、DQ6仕様のぶきみなひかりと同じく、貫通力テーブルが1段階上がる。
味方が使用する確率系呪文特技には、低貫通が存在しないので、ほとんどが最低でもラリホーマ並みの成功率に上がることになり、したがって完全耐性を持たない敵には凶悪技となった(元々高貫通のラリホーマは変化しない)。
 
例えば、おまけダンジョン入口付近の場合、主人公のレベルが58以上になると、こちらの呪文特技の貫通力が倍化する。
このエリアで出る【エビルスピリッツ】は炎に強耐性であり、通常は【しゃくねつほのお】は75~85ダメージなので1発では倒せないが、貫通力が倍化すると炎属性のダメージが100%入るため、150~170ダメージで1発で倒せるようになる。
 
これらの仕様は、本作では3人パーティのため他の作品より火力が劣りがちなことを理由に実装されたものと思われるが、味方側を優遇し過ぎたためかややバランスが悪くなっていて、もう少し調整が必要だったと思われる。
このためDQ6以降には実装されず、同じDQ5でもリメイク版では削除されている。
しかしながら、仲間モンスターの数が非常に多い本作では、全キャラ育成などのやり込みをしようとすると相当な戦闘回数をこなさなければならないため、この仕様のありがたみは計り知れないものであった。

DQ6・DQ7

DQ6・7では、3段階の貫通力テーブルが用意されている。
ぶきみな光(以下、弱化)やマジックバリア(以下、強化)の影響はテーブルごとに異なる。
 

該当特技
テーブルA炎・吹雪ブレス、【ビッグバン】【グランドクロス】
テーブルBほとんどのダメージ系呪文・特技
テーブルC【かえんぎり】【いなずまぎり】【しんくうぎり】【マヒャドぎり】

 

無耐性(×)弱耐性(△)強耐性(〇)完全耐性(◎)
テーブルA弱化・通常時100%80%50%0%
強化時100%70%40%0%
テーブルB弱化時100%80%50%0%
通常時100%70%40%0%
強化時75%50%20%0%
テーブルC130%115%75%30%

 
テーブルAはブレスや一部の強力な特技が当てはまり、テーブルBはそれらを除くほとんどの攻撃呪文や特技が該当する。
テーブルCは魔法剣系特技にのみ適用される。
 
ここでは、不気味な光とマジックバリアによる、貫通力の変化について説明する。
テーブルBの技を、弱耐性の相手に当てたとする。このときのダメージ倍率は0.7倍だ。
もし、相手に不気味な光が効いていたら、その技の貫通力は高くなり、結果としてダメージ倍率が0.8倍に増加する。
あるいは、相手にマジックバリアがかかっていた場合、その技の貫通力は低くなり、結果としてダメージ倍率が0.5倍に減少する。
これが、不気味な光とマジックバリアによる、貫通力の変化の原理である。
DQ5の不気味な光とは仕様が違うので注意が必要。
 
なお、表を見ればわかると思うが、テーブルAの呪文特技でダメージを与えたい場合、不気味な光をかけてもダメージは増えない。
細かいところでは、テーブルBの呪文特技でダメージを与えたいときに、元から無耐性の相手に不気味な光を使っても、やはりダメージは増えないので注意しよう。
 
それと、大きな注意点がもう一つ。
炎・吹雪のブレス系特技は全てテーブルAであるが、上述の通り、ほとんどの人間キャラは炎、吹雪に対して無耐性だ。
マジックバリアをかけても、実は意味が無いことがおわかりだろうか。
マジックバリアはその万能さゆえ、つい炎・吹雪の息攻撃も軽減できると思いがちだが、無耐性のキャラでは軽減できない点は注意すべきである。
また、テーブルAの技に対しては、そもそも全体的にマジックバリアの効果が薄いことにも、注意しておくべきだろう。
 
かえん斬りなどのテーブルCの場合は少々特殊である。
相手が該当する属性に対して無耐性の場合、ダメージは通常攻撃の1.3倍になる。
同様に弱耐性の場合は通常攻撃の1.15倍、強耐性の場合は0.75倍、完全耐性の場合は0.3倍となる。
さらに、マジックバリア、不気味な光の影響を一切受けないのが特徴。
耐性さえ知っていれば確実にダメージを増やせるので便利だが、【はやぶさぎり】の陰に隠れがち。
しかもそのはやぶさ斬りよりも強力な特技もたくさんあるので、不遇な特技である。

DQ8

前作までから変更が入り、ダメージ系特技には大きく分けて4種類の耐性貫通テーブルが存在する。
【ディバインスペル】とぶきみな光(以下、弱化)、マジックバリア(以下、強化)の影響はテーブルごとに異なる。
なお、本作で初登場のディバインスペルは、耐性に関わらず5割の成功率で固定のため、非常に強力である。
 

該当特技
テーブルA炎・吹雪ブレス、【マダンテ】、グランドクロス、ビッグバン、【烈風獣神斬】
テーブルBほとんどのダメージ系呪文・特技
テーブルCかえん斬り、いなずま斬り、しんくう斬り、マヒャド斬り
テーブルD【セクシービーム】【ジゴスパーク】

 

無耐性(×)弱耐性(△)強耐性(〇)完全耐性(◎)
テーブルA弱化時120%100%75%30%
通常時100%80%60%0%
強化時80%60%40%0%
テーブルB弱化時100%80%50%0%
通常時80%60%40%0%
強化時75%50%25%0%
テーブルC弱化・通常時130%115%75%30%
強化時100%80%50%0%
テーブルD弱化時100%100%75%0%
通常時100%85%50%0%
強化時50%20%10%0%

 
テーブルAの大きな変更点は、ディバインスペル等の弱化によって通常時からダメージが上昇するようになり、無耐性に対しては100%を超えるようになったこと。
さらに元が完全耐性でも30%はダメージが通るようになる。
と言っても、倍率が低すぎるので弱化をかけて完全耐性を貫通する意味は薄いが。
また、【メタル系スライム】の耐性だけは特別仕様で、なぜかディバインスペルがかかってもダメージを与えられないので注意。
一方、無耐性のキャラにマジックバリアをかけた場合でも、炎・吹雪の息攻撃を2割程度軽減できるなど、前作まで無意味だった状態変化が意味を持つようになった。
ちなみに、該当特技を見てもらえばわかるが、味方キャラのうち【主人公】だけはテーブルAの呪文・特技を一切習得できない(【トーポ】の力を借りれば使用可能ではあるが)。
 
テーブルB(つまりほとんどのダメージ系呪文・特技)は、通常状態では無耐性の相手にも2割軽減されてしまうようになった。
結果的に、このテーブルに属する特技は弱体化したと言える。
攻撃呪文の基礎威力(【かしこさ】による威力上昇が無い状態での威力)がこれまでより落ちてしまったのも、これが原因である。
また、属性付きの物理系特技に、通常攻撃の0.8倍の威力という設定がやたらと多いのも、これが原因である。
 
テーブルCは、前作同様、ディバインスペルの恩恵を受けることができないが、マジックバリアで軽減されるように変わっている。
ちなみに、このテーブルに属する魔法剣4種のうち、味方が使える技はかえん斬りのみで、他はすべて敵専用。
 
テーブルDは2種類の特技にのみ使われる特殊なテーブルで、なぜか前作までの確率系の中貫通(以下の表)と同じテーブルでダメージの計算がされる。
ディバインスペルなしでも高貫通並のダメージが期待できる代わりに、ディバインスペルをかけても本来のダメージを超えることはない。
また、マジックバリアで著しく軽減される。

DQM1・DQM2・DQMCH

基本的な仕様はDQ6・DQ7と同じ。

DQMJ

弱点無耐性軽減半減激減無効吸収
弱化時250%150%100%75%50%10%50%回復
通常時150%100%75%50%25%0%100%回復
強化時100%75%50%25%0%0%100%回復

 
貫通力テーブルが一つに統合され、ダメージ系耐性が弱点・無耐性・軽減・半減・激減・無効・吸収に細分化された。
吸収耐性を持っていると、本来受けるダメージ×ダメージ倍率分【HP】が回復する。

DQMJ2

一般の特技

弱点無耐性軽減半減激減無効吸収反射
一般の特技弱化時250%150%100%75%50%10%50%回復50%反射
通常時150%100%75%50%25%0%100%回復100%反射
強化時100%75%50%25%0%0%100%回復100%反射
斬撃弱化時250%150%100%75%50%10%50%回復50%反射
通常時135%100%65%40%15%0%100%回復100%反射
強化時100%75%50%25%0%0%100%回復100%反射

 
J1の耐性のシステムをベースに、該当属性の攻撃を跳ね返す反射耐性が追加された。
反射耐性を持っていると、本来受けるダメージ×ダメージ倍率分の反射ダメージを使用者に与える。(反射ダメージは使用者の属性耐性を無視する)
 
また、属性を持った斬撃系特技、すなわち魔法剣のテーブルが本編同様に独立したが、一般の特技よりもダメージ倍率が高かった本編とは逆に、強化や弱化のない状態では、無耐性以外に対するダメージ倍率が低く設定されている。
さらに、【属性ガードブレイク】という、特定属性の攻撃をするとき対象の属性耐性を下げて計算する特性も登場した。

テリワン3D・イルルカ

弱点無耐性軽減半減激減無効吸収反射
一般の特技125%100%75%50%25%0%100%回復100%反射
斬撃115%100%70%40%10%0%100%回復100%反射

 
マジックバリアやぶきみな光の仕様がさらに変更。
直接耐性が変化するようになり、また耐性の上下が2段階になった。
つまり、これらの耐性変化を受けると、元の耐性の±2段階まで耐性が変化するということになる。
 
耐性アップの効果で耐性が無効から上がる場合は、反射にはならず必ず吸収になる。
ただし、【冥界の霧】が適用されていると吸収属性は弱点属性として扱われてしまうため注意が必要。
が、【斬撃】は吸収のまま変化せず、【究極配合】で全ガード+を持った【シドー】【海破斬】を吸収されてしまうといった状況も発生する。
 
また、イルルカでは、耐性ダウンを受けると、元の耐性が無効であった場合も激減に引き下げられてしまう。
しかし、元の耐性が吸収または反射の場合は耐性ダウンを受けても無効以下に下がらなくなる。