【ふきだまりの町】

Last-modified: 2023-08-23 (水) 15:24:07

DQ7

過去の【ダーマ地方】シナリオに登場する地名。
本編にこの地名は出てこないが、【フローミ】やセーブの際にこの名前が見られる。
ちなみに、「吹き溜まり」とは雪や落ち葉が風に吹かれて溜まる場所のこと。転じて行き場を無くした者達が自然と集まる場を指す。しかしこの町は「魔物に無理矢理放り込まれ、出ることもできない」牢屋のような町なので意味合いとしてはちょっと違う。本来の意味合いでいうなら「他に居場所のない浮浪者や犯罪者でも受け入れる」【パルミド】のような町にふさわしい。
ただ荒んだ雰囲気にぴったりではあり、正式な名前らしい名前が存在していないことは逆にリアル。
英語版での地名はPS版ではPenal、3DS版ではPilgrim’s Perdition。
 
現代では廃墟となっているが、これについても本項目で解説する。

過去

【ダーマ神殿】の南にある【町】で、大神官を騙っていた魔王の手下【アントリア】に力を奪われた人々が落ちてくる町。
シリーズでも珍しい公衆浴場や、2件ある酒場など公共施設は整っているのだが、力を奪われた住民の心は荒みきっており、昼間から酒浸りの男がうろつき、裏通りではカツアゲが横行。
人々は「【魂砕き】をすればここから脱出できる」と魔物から聞かされており、夜間は寝入っているところを襲って魂砕きしようとする者がいるなど、おちおち眠ってもいられない。
町を取り仕切っている【スイフー】は魂砕きだけは禁止しているが、それでも魂砕きに挑む者が後を絶たない。DQ史上でも屈指の治安の悪さを誇る町である。
 
主人公たちもアントリアに騙されてここに落とされる。
「じゅもん」コマンドを開くと「しかし 呪文は奪われている!」のメッセージが出て、前作を経験したプレイヤーは【絶望の町】で味わわされた絶望感をまたしても味わうことに。
しかも【HP1、MP0】のように徹底して戦闘能力を奪われたなら、ゲームの進行上「戦えない=戦わずに解決する道がある」と判るのだが、DQ5の【工事中の神殿】のようになまじ中途半端に戦闘能力を残されているため、制限された状態での戦いを予感させる。このハンデ期間はかつてない長さなので覚悟しておこう。
しかも周囲の地形は町の周囲が岩山と海に囲まれており、ここに落とされてしまうとしばらく現代に戻ることができなくなるので注意が必要。
先に【旅の宿】から旅立っていた【勇者を目指す戦士】もやはりここに落とされている。
当然他の住人達も特技や呪文を封印されている……はずなのだが、実は町の南西で僧侶にカツアゲをしている兵士だけは、【デビルアーマー】のデータをそのまま使用している関係で【ムーンサルト】を使うことができる。もっとも、戦闘に入ったときの表示も『デビルアーマー』なのであるいはお目付け役の魔物が化けているだけなのかもしれないが。
 
町をうろついていると、まもなくスイフーたちに挨拶と称した【負けバトル】で力を見せつけられる。
その後盗賊の【フーラル】が仲間になるが、【西の洞窟】で裏切るうえ、押し付けられた【イノップ】【ゴンズ】戦でまたも負けバトルを味わうことに。
陰鬱な空気と併せプレイヤーの精神力を削りまくってくれる素敵な場所である。
負けバトルでぶちのめされるごとに主人公たちは【ネリス】に介抱されるが、その弟の【ザジ】が勇者を目指す戦士による魂砕きに遭い、どこかに連れ去られてしまう。
その事件の翌日、大神官を救出しに向かう魔法戦士【カシム】とネリスの後を追って、主人公たちも再び西の洞窟へ向かう。
 
こんな町だが店が一通り揃っているほか、【ゴールド銀行】もあるので不安ならゴールドは預けておいたほうが良いかもしれない。
【とうぞくのカギ】【ねむりの杖】【みかわしの服】など便利なアイテムも売られているので、上手くお金をやりくりしてこれらのアイテムを購入できれば今後の展開が少しは楽になるだろう。
ただし、この辺に金持ちモンスターはいないので、どうやって高額なお金を工面するかという問題はあるが…
1番良いのは予め過去【旅の宿】【ラッキーパネル】【はがねのよろい】【のこぎりがたな】【ウォーハンマー】など高額で売れるものを入手しておき、それをあえて換金せずにそのまま持ち歩き、購入したいものがある店で売って売却益で入手する方法。
この付近で銀行があるのはダーマ神殿解放まではここしか無く、全滅の危険も付きまとうので大金を持ち歩くリスクは相応に大きいが、これなら全滅しての所持金半減のリスクを最小限に抑えられる。
 
勇者を目指す戦士が劇中で魂砕きに成功したのを機に、他の住人にも後に続こうと考える者が出てきていたが、フォズを救出するとその噂がこの町にまで届いており、魂砕きの勧誘をしていた魔物が現れなくなったほか、魂の剣を手にすること自体できなくなった。
さらにダーマ神殿奪回後は岩山に穴が開き、神殿からフィールドを歩いて行き来できるようになる。
町そのものがアントリアに騙された人々により成立していたこともあり、これを機に日に日に人が減っていき、それによってスイフーなどわずかに残った人々以外は去ってしまう。
教会の神父は町を離れるつもりはないのだがシスター曰く「もう教会を訪れる人もいなくなってしまった」と嘆息し、大きな酒場のメイドも「ヒマ、もう止めどき」と見切りをつけ、小さな酒場も「人が減っては客が減る。いつまで商売ができるか…」とこぼし、僅かに町に残った人も次々に人口が減っていくことに寂寥を感じており、スイフーの屋敷にいた部下や使用人も全員辞めてしまっている。
ゴールド銀行を経営していた女性もいなくなるため宝箱が取れるようになり、【ハーメリア地方】用の【ふしぎな石版黄】も手に入る。
店の設備は概ね残されているが、人の急減により町の維持が不可能になるのも時間の問題であろう。
 
ちなみにPS版で呪文使用不可の判定フラグはダーマでのイベント時ではなくこの町に入った時点で立つらしく、フラグなしのときにチート等でいきなりこの町に入ると冒頭の落とされる演出と共に呪文が封じられる。
 
まともに仕事している人がろくすっぽ見られないが、産業がどうなっているのかは謎。他の町とは完全に断絶しているので、食料の供給などはないだろうし。
意外と魔物から食料が配給されているのかもしれない。酒場にいる女性が「魔物のやり方は人間を生かさず殺さず」と言っているし、魂砕きや決闘場での決闘をさせるためのモルモットとして生かしているのだろう。
(小説版ではもっと先にある決闘場では、ダーマ神殿の異変を知らず食料などを寄進している人々により食料が手に入っているという設定だった。その理屈に合わせるとふきだまりの町に食料が配給されていてもおかしくはない)

現代

現代では寂れ果てて【廃墟】になっている。建物もあまり残っていないが、過去編の状況から見て、魔物に襲われたりしたわけではなく、単に町が人口減で自然消滅してしまったのだろう。
神父が1人倒れている。が、話しかけてみると【山賊四人衆】との戦闘になる。現代世界では初のボス戦である。
しかもこいつらがまた強く、転職可能になってすぐに行くと間違いなく全滅の憂き目にあう。
あまりの強さにまた負けバトルかと勘違いする人もいたが、これは普通のイベント戦でこのバトルに勝たないと【山賊のアジト】に入れず石版を入手できないので、後回しにすることもできない。
この地方に蔓延るこいつら山賊たちは、過去にこちらを全滅に追いやったスイフーに縁があったりもする。
山賊たちを倒した後は、逃げた賊を追って山賊のアジトへ向かおう。