【覇者の剣】

Last-modified: 2024-03-17 (日) 21:38:12

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する武器。読みは「はしゃのつるぎ」。
【ロモス王国】【覇者の冠】と共に伝わる宝剣。蓮の花を模った曲線的な意匠を持つ両刃剣で、ほぼ直線だけで構成された【ダイの剣】と比べると特に優雅な印象を受ける。
 
冠と同じく、神が人に与えたと伝えられている伝説の金属【オリハルコン】でできた一品であるが、これらを一体いつ、どこで、誰が加工したのか、詳細な出自に関しては不明である。刀匠の名や実戦での活躍を物語るような逸話も残っていないようだ。

テラン王も神が人に与えた分のオリハルコンで作られたと言っているので、地金の状態で人間界に降りた後、人の手で剣に加工されたものと考えるのが自然だろう。
 
魔王軍と戦う戦士を世界中から集めるため【武術大会】の賞品となるも魔王軍に奪われ、最終的には【ハドラー】の愛刀となった。

武術大会の賞品として

【バラン】との死闘を経て本格的に竜闘気(ドラゴニックオーラ)の力に目覚めた【ダイ】だったが、全開の竜闘気は並の武器なら技を打つこともできずに燃え尽き、【鎧の魔剣】ですら一回しか耐えられないほどだった。
並みの敵なら武器や竜闘気を使わずとも倒せるが、真の強敵との戦いにアバン流刀殺法を活かすには全開の竜闘気に耐えられる武器が必要不可欠であり、バランの【真魔剛竜剣】に匹敵する武器としてロモスの宝である覇者の剣の名前が挙がる。
 
近日開催される【ロモス】武術大会の優勝賞品がまさにその覇者の剣だと知ったダイと【ポップ】は渡りに船とロモスへ向かい、そこで武闘家への転職を果たした【マァム】とも再会する。
しかし、肝心の大会は【超魔生物】の実験台となる人間を捕らえようと目論む【ザムザ】に利用されていた。
ザムザは戦闘で追い込まれると【超魔生物】に変身し、この耐久力と再生能力をあわせ持つ強敵を倒すべく、ダイは賞品として飾られていた覇者の剣を手に取る。
竜闘気を込めた一撃は見事ザムザを撃破したが、オリハルコン製のはずの剣はボロボロに朽ちてしまった。
剣は精巧に作られた偽物で、既に本物の覇者の剣はザムザによってすり替えられ、ハドラーの元へと献上されていたのである。
 
ちなみにこの偽物の剣、【涙のどんぐり】でわずかに回復しただけの状態とはいえ、一度はダイの竜闘気に耐えて【アバンストラッシュ】を撃てている。
高品質な金属でできた【パプニカのナイフ】でも撃つことさえできずに燃え尽き、「オリハルコンの次に丈夫な金属」とされる【鎧の魔剣】でも1回耐えるのが限度だっため、材質としては鎧の魔剣と同レベルの強度があったようだ。
外観や手応えについても、ロモスの関係者はもちろん実戦で使ったダイですら壊れて初めて偽物と気づいたことから考えると、単に外見を似せただけでなく、実際に優れた武器としても通用する高い精度で作成されていたようだ。
だとすれば普通の人間が持つ剣としては十分以上に高品質なため、そのまま大会優勝者に贈られたとしても偽物と露見する可能性は低かっただろう。
決勝に上がってきた人物のほとんどが剣使いではなく、最初から売却目的の者もいたので、場合によっては「あのロモスの国宝、覇者の剣」と思われたまま、逸話のひとつも生んでいたかもしれない。

ハドラーの所有となってから 

本物の覇者の剣は超魔生物へと改造されたハドラーの武器として猛威を奮うこととなった。
通常時は右腕の中に仕込まれ、戦闘時には手の甲からまっすぐに伸び、爪型武器のように使われる。
炎の暗黒闘気「魔炎気」を剣に纏わせ、そこから標的に突撃し叩っ斬るハドラー版【ギガブレイク】とも言うべき必殺技【超魔爆炎覇】に活用されており、確かな強度があった模様。
 
超魔生物と化したハドラーが初めてダイに挑んだ時には、同じオリハルコン製であるダイの剣と打ち合うことになった。
ハドラーの超魔爆炎覇をダイが土壇場で放ったギガブレイクで迎撃した際には、ギガブレイクがライデイン級の不完全版だったとは言え、ダイの剣にひびを入れる程の威力を発揮している。
後にハドラーが【バーン】に反旗を翻した際にも【光魔の杖】を持つバーン相手にこの剣を振るい、大魔王を後一歩の所まで追い詰めている。
 
ハドラーが自らの誇りを示すべく親衛騎団と共に起った時もダイとの一騎討ちでも使用されたが、ダイが編み出した新必殺技【アバンストラッシュX(クロス)】を受け、刀身を叩き折られてしまった。
それでも一矢報いようと立ち上がったハドラーは、この折れた覇者の剣を触媒にして、自らの命と引き換えに「決して折れない【生命の剣】」を発動させ、全身全霊をかけた超魔爆炎覇を繰り出している。
互いの全力をぶつけ合った決闘はダイの【ギガストラッシュ】が上回り、覇者の剣は衝撃で柄までバラバラに砕け散ってその役目を全うしたのだった。
 
ダイの剣は覇者の剣と同じロモスの宝【覇者の冠】のオリハルコンを鋳潰して鍛えられたものであり、ダイVSハドラーの決戦は、同じ国の宝として並び立っていたふたつのオリハルコンの兄弟対決でもあった。

余談 

【はじゃのつるぎ】と名前が似ているため一部の読者やプレイヤーに混同されることがあるが、あちらは「破邪」で、こちらは「覇者」である。
性能や設定に関しても、破邪の方は「モンスター退治のために量産され、対複数戦を想定して魔法を放つ補助機能を持っている」のに対して、覇者の剣は「目立った特殊機能は無いものの貴重な素材で作られた特別な出自を持つ一品物」と、まるで共通点がない。
錬金鍛冶等を用いて破邪の剣から覇者の剣ができる的なネタがあってもよさそうではあるが、シリーズ本編に登場したこともない。
超魔ハドラーと縁が深いアイテムだけに、ダイ大とのコラボレーションがあるソーシャルゲームではハドラーと一緒に登場の機会を得ることが多い。
星ドラではハドラーの装備した状態である【覇者の剣・手甲型】として登場した。
 
不思議のダンジョンMOBILEでは【闇の覇者の剣】という名前の似た剣が登場したが、特に関係はない。
一応、これをドロップする【りゅうおう】には、ハドラーの初期デザインの元ネタという繋がりがあるが…。

クロスブレイド

5弾より登場。
敵を倒した時に味方全体の攻撃と防御を1段階上昇させる効果を持つ。
同じスキルを持つライバル【真魔剛竜剣】には攻撃力で劣るが、属性関係なく強化を入れられるのが利点。
アニメに登場したタイミングより早い実装だが、真魔剛竜剣に並ぶスキルだけに、こちらは本物という事か。
 
もしザムザの偽物でありながらこのスキルを持っていたのなら、ずいぶんと労力をかけた贋作…というか、普通に人間側の戦力増強になって本末転倒ではないだろうか…?

漫画版

超魔生物ハドラーが所持。6話では超越魔獣と化した【ダムド】の次元破断掌からユウキ達を守るべくハドラーがこれを投げ、技を消し去る。
そしてユウキに託され、彼の【アバンストラッシュ】でダムドは倒される。

魂の絆

熱属性を持つ星4の格闘武器として採用。超魔生物となったハドラーの右手に埋め込まれた際の形状であるため、この分類となったのだろう。
熱属性ダメージアップの特性を持つ。
ガチャで引き当てることにより、ハドラーが【超魔爆炎覇】を修得できる。