FF4(DS版)
概要
DS版の新システム。
考案者は時田でも浅野でもなく、マトリックスの藪田。
ゲーム進行の中で行き交うキャラや別れ行くキャラがそれぞれの力をアイテムとして残してくれる。
使うとそのキャラクターのアビリティとして修得することができ、
コマンドをセットすることで戦闘中に使えるようになる。
デカント(decant)とは「移行する」みたいな意味。
GBA版と違ってキャラクター自体を残すのではなく、そのキャラの能力を継承するというわけ。
これの重要なポイントは、ストーリーを進める上でキャラクターが離脱してデカントアイテムを残す際、
そのキャラにデカントアイテムを使っていると、離脱時に新しいデカントアイテムを余分にくれるということ。
例えば、パロム・ポロムについては普通だと「ふたりがけ」しか手に入らないが、
離脱前にこの2人にデカントアイテムを使っていると、
これのほか「つよがる」「うそなき」「れんぞくま」が手に入る。
この要領で、いらないデカントアイテムを離脱予定のキャラにつぎ込むことで
より強力なアビリティを入手することができる。
エンディング後の引継ぎニューゲームでも覚えたデカントアビリティは継承されるので(別れたキャラ含む)、
3周経る中でより強化を図ることもできる。
1度覚えたら忘れたり他のキャラに移したり出来ないのでよく考えて使うこと。
- 付け替えができたらよかったと思うことも多いのだが、
FF4はもともと各キャラのアビリティは固定されていたので
あまり自由すぎない、このくらいのカスタマイズ性がちょうどよいのだろう。 - DFFにもデカントジョブなるものが登場するが、このシステムと言うにはちょっと離れた意味になる。
レベル71以降はステータスの基本成長が無くなり、セットしたアビリティによって上昇する能力が決まる。
詳細は以下の表を参照。最強育成には必須の知識。
なおオートコマンドにセットしたアビリティは成長には影響しない。
本作では、魔法やアイテムを個別にアビリティとして付けることが可能。
例えば「ファイア」や「ポーション」などをアビリティ欄に表示できる。
それによってコマンド入力を素早くしたり、カウンターで発動させられる。
その場合の能力成長は元のアビリティと同じで、例えば黒魔法であるフレアならMP+5・知性+1の効果。
ただしアイテムを個別に付けた場合は能力成長は無い。
一覧
アビリティ名 | HP | MP | 力 | 早 | 体 | 知 | 精 | | アビリティ名 | HP | MP | 力 | 早 | 体 | 知 | 精 |
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たたかう | 10 | 1 | にんじゅつ | 5 | 1 | |||||||||||
アイテム | 10 | なげる | 1 | |||||||||||||
あんこく | 10 | 1 | 1 | ぬすむ | 1 | |||||||||||
かばう | 1 | せいしんは | 1 | |||||||||||||
ジャンプ | 10 | 1 | 1 | まほうぜんたいか | 5 | 1 | 1 | |||||||||
しろまほう | 5 | 1 | フェニックス | 2 | ||||||||||||
いのり | 1 | オートポーション | 10 | 1 | ||||||||||||
ねらう | 1 | アイテムのちしき | 1 | |||||||||||||
くろまほう | 5 | 1 | カウンター | 1 | 1 | |||||||||||
しょうかん | 5 | 1 | 1 | ひきつける | 1 | |||||||||||
うたう | 1 | のろい | 5 | 1 | 1 | 1 | ||||||||||
かくれる | 1 | つなみ | 5 | 1 | 1 | 1 | ||||||||||
くすり | 1 | たつまき | 5 | 1 | 1 | 1 | ||||||||||
おもいだす | 5 | 1 | かえんりゅう | 5 | 1 | 1 | 1 | |||||||||
ふんばる | 10 | 1 | 1 | サミング | 1 | |||||||||||
はやくち | 5 | 1 | こうれつぎり | 1 | ||||||||||||
ためる | 10 | 2 | リフレクかんつう | 1 | 1 | |||||||||||
けり | 1 | げんかいとっぱ | 10 | 5 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||||
がまん | 10 | 1 | HP+50% | 10 | ||||||||||||
つよがる | 1 | MP+50% | 10 | |||||||||||||
うそなき | 1 | レベルハント | 1 | |||||||||||||
ふたりがけ | 5 | 1 | ギルハント | 1 | ||||||||||||
れんぞくま | 5 | 1 | 1 | トレジャーハント | 1 | |||||||||||
しらべる | 1 | エンカウントなし | 1 | |||||||||||||
かいぞう | 1 | ~へのおもい | 10 | 5 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||||
ぎゃくてん | 1 |
余談
いろいろ便利には違いないが、ガリが泣いたり、パラディンが暗黒を発動したり、
お子様が我慢をしたりとまあいろいろ変なことになる。
デカントアビリティ無しで、プロトバブイルを倒すのはほぼ不可能。
- 達成した人いるの…?
歌うヤンと泣くフースーヤは想像したくない。
- 歌が上手い元K1格闘家もいるしヤンに関しては別段違和感はないと思うが。むしろ意外と美声の可能性も無いとも言えない。
が、フースーヤだけは別だ。そもそも泣くというのがポロム以外合わない。- いや、ギルバートなら…。
- リディア(子供)なら似合うと思う。
ローザには是非ためるとけりを覚えさせよう。
- 全体麻痺させられるリディアの方が…。
発想の元になったのは、FF5のガラフからクルルへのアビリティー継承だろうか?
- どちらかというとFFTとクリスタル継承の方が近いだろう。
使いこなせれば強力ではあるが、修得させる前の状態でアビリティの内容を知ることが出来ないのはちょっと不便。
ふたりがけやためる、かくれるなど既存のアビリティならまだしも
「ふんばる」や「ぎゃくてん」他四天王系のアビリティとかは初見では効果がちょっと分かり難い。
無かった事になっているのか、FF4TAに登場しておらず、小説版でもそれらしき描写は無い。
- 小説版でゲームシステム的な事を再現するのは至難のワザだし、
TAに出てこないのも、ゲーム毎に違ったシステムを提供してくれるのがFFの素晴らしい所のひとつなので、
「不評でなかった事になった」とは言わないのではないか。- 事実、10→10-2は正統な続編ではあるがシステムは別物と言ってもいいほど変わっている。
- そもそもこのシステム自体GBA版のメンバーチェンジシステムの代わりに入れられたものだから
最終的にメンバーほぼ全員がそろうTAではある方がおかしい。 - PSP版FF4が後発のDS版ベースじゃなくてGBA版ベースだから不評と言いたいのでは?
例えばであるが、途中離脱するキャラクターにむざむざアビリティを覚えさせるプレイヤーがいるかどうかは疑問であるし、
ゲーム中離脱するキャラクターに使用する方が寧ろ有用であることの説明がゲーム中にないのはこのシステムの問題点と言える。
デカントさせるならパロムやポロムより寧ろセシルとかに使っちゃうよなあ…。
- SFC版,GBA版をプレイ済みだったりして離脱メンバーがわかっているとほぼ確実にこの罠にハマる。
後で事実を知って2周目へ行かず最初っからやり直すハメに……。- 最初に手にはいるのが「オートポーション」なので「いらねーよこんなアビリティ」と思って、
自動隠れるがうざいギルバートに付けた…結果ギルバートから複数のアビリティを貰えて途中で気付いた。
という俺もいる。
- 最初に手にはいるのが「オートポーション」なので「いらねーよこんなアビリティ」と思って、
「アイテム」はアビリティ枠から外せないため、セットできるのは1キャラ4つまで。
ちなみに「かばう」「ジャンプ」「黒魔法」「白魔法」「召喚」「いのり」「ねらう」「なげる」「ぬすむ」
(要するにラストメンバーの初期習得アビリティ)はデカントアイテムが存在しないため、他のキャラに習得させることは出来ない。
「たたかう」もデカントは存在しないが全キャラが初期習得しているので問題ない。
海外版では「Augment」になっている。
Augmentは増大させるという意味。
定番の組み合わせは、ダメージを減らしつつ手数を増やせる「引きつける」+「我慢」+「カウンター」+「後列切り」や
全滅時の保険になる「精神波」+「隠れる」+「フェニックス」、
敵のカウンター対策に少ない手数で大ダメージを与える「暗黒」+「ためる」+「限界突破」など。
DS版(スマホ版ハード含む)における敵の大幅な強化は、デカントアビリティの影響によるものだろうと思われるが、
その肝心のデカントアビリティには予備知識がないと手に入れ難いものもあるため
プレイスタイル(情報格差)による難度差が激しい。
例えばパロム、ポロムから「れんぞくま」を手に入れられるかどうかだけでも大きく違うが
予備知識無しで、入手したほとんどのデカントアビリティを費やし(離脱を知っていると余計に難しい)
尚且つ、分けて使うのは難しいと思う。
1度覚えさせると外せない、3周限定ということで拘るなら取り逃さないように計画的に集めていく必要がある。
1周目で全てのデカントを集めるのは不可能なので、3周目で最終メンバーにどのデカントを覚えさせたいかを決めて、
1周目は欲しいデカントを持つ離脱キャラに優先的に要らないデカントを与えていこう。
優先度の低いキャラには2周目に余ったデカントを忘れずに与える事。
このシステムを使いこなすには仲間がどのタイミングで離脱するか、すなわちシナリオの流れを理解していることが大前提。
いくら何度もリメイクされているとはいえ、
リニア式のシナリオ主導型の作りであるFF4の根本的なゲームデザインとの食い合わせの悪さを感じずにはいられない…。
- 誰がどこで離脱するかが分からず、有用なデカントを永久離脱キャラに惜しげもなく覚えさせてしまう危険性がある新規プレイヤー
- 誰がどこで離脱するかを熟知していて、永久離脱キャラにいらないデカントさえも覚えさせずに冷遇するであろう元プレイヤー
- 最終的に復帰すると期待して、有用なデカントを永久離脱キャラに惜しげもなく覚えさせてしまう危険性がある元GBA版プレイヤー
攻略情報を調べるまではこれらのプレイヤーが全員苦労するのである。ある意味では平等なシステムかもしれない。
永久離脱するキャラクターを冷遇していると痛い目に遭うという展開はGBA版FF2の【SOR編】を彷彿とさせる。