令和の三原マジック

Last-modified: 2022-05-06 (金) 10:04:06

横浜DeNAベイスターズ球団代表・三原一晃の一連の行動に対する蔑称。
昭和20年代~50年代においてDeNAの前身である大洋ホエールズや、巨人・西鉄・近鉄・ヤクルトで監督を、日本ハムで球団社長を務めた三原脩の智将ぶりを讃えた「三原マジック」という言葉から生まれたネットスラング。

概要

2018年オフにGMを辞任した高田繁の後任として横浜DeNAベイスターズの編成トップとなった三原は、地元重視のドラフト・横浜OBに偏ったコーチ陣組閣*1*2・他球団からの補強に消極的な点で以前から疑問視されていたが、2020年シーズン終盤からファンの神経を逆撫でするような行動を連発。それが2021年シーズン開幕直後の大不振、そしてその大不振を引きずり続けた結果のシーズン最下位を引き起こしたとされ、一連の三原の行動を「令和の三原マジック」と揶揄するようになった。

令和の三原マジック一覧

ホセ・ロペス解雇

2020年11月16日、球団はロペスとスペンサー・パットンと来季の契約を結ばないことを発表。ファンの間に大きな衝撃が走った。
メジャー復帰が濃厚視されていたパットンは残当としても、ロペスは2014年オフの移籍以来、球団初のCS出場・DeNA初の日本シリーズ出場に大きく貢献した功労者であり、この解雇はファンからは到底受け入れられるものではなかった。2020年シーズンも加齢による衰えにより成績は目に見えて落ちてきてはいたものの、それでも一軍である程度活躍*3しチームの精神的支柱となっていたため、下記の外国人不在の際には「ロペス再獲得しろ!」の声が非常に多く上がっていた。
さらにこの一件が直後の梶谷・井納ダブル流出の遠因になったとも言われている。

ただし球団も当初は代打中心での起用とする契約更改を持ちかけていた上に、他球団からオファーがかかりやすいようにFA権取得まで一軍登録して日本人枠にしており、退団に際しても最大限の配慮をしていた。また本人のNPBでの現役続行の希望に反し他球団との契約には至っておらず*4、成績が下降線をたどっており37歳という高齢なことも考えると、人格はともかく戦力として手放すのが異常かというのは一概に言い切れないところである。

梶谷・井納ダブルFA流出

主力選手としてチームをけん引してきた梶谷隆幸井納翔一がそろってFA宣言すると、三原は「マネーゲームはしない」と発言*5。その後、両者とも巨人入りを決断。梶谷4年8億円、井納2年2億円と巨人の破格の条件提示により最初からDeNAに勝ち目はなかったとはいえ、同一リーグへの2名同時流出はチームの弱体化とライバルの強化を意味するため、慰留の態度を強く示さなかった三原に対するファンの怒りは大爆発した。
井納については、FA取得年とわかっていたのにも関わらずCランクのままにしたため、タダ同然で放出することとなりその点でも批判された。

しかし井納は移籍後の体たらくから巨人ファンから名誉外様扱いを受けており、梶谷についても開幕直後は活躍していたがすぐに怪我で離脱*6し2021年は61試合のみ出場、翌2022年も1軍登録されることなく左膝の手術を受け今季絶望になるなど前評判通りのスペっぷりを存分に発揮しており、巨人の提示以上の待遇を出してまで引き留める必要があったかについては疑問が残る。


外国人ビザ取得ミス

外国人の就労ビザの取り扱いについては、ビザを維持したまま一時帰国させる場合と、1年ごとに新たにビザを取らせる場合があり、DeNAはユリエスキ・グリエルが起こした亡命事件を機に後者の方法によって就労ビザを確保していた。

しかし、2021年のキャンプイン直前に新型コロナウイルスの影響の第3波が発生し、新規の外国人選手の入国は不可能となる。
事前に来日が難しくなると予想し、既存の外国人に早めにビザ取得を促した阪神や広島、前者の方法によって離日させることで少しでも影響を減らそうとした巨人・ヤクルト・オリックス等と異なり、日本ハム・DeNA・ソフトバンク・西武は普段通りのスケジュールで動いた結果、既存の外国人選手がほとんど入国できなくなってしまった*7
その後、三原自身がわざわざ外務省まで直談判に赴いたものの却下され、茂木敏充外相(当時)には「プロ野球の外国人は再入国は認められている。新規申請も認める方向。DeNAは再入国なのに新規で申請しているプロセスの問題があるようなので、それをクリアすれば早くビザが出ると思う。」などと言われてしまい恥の上塗りになった。

その結果、DeNAは2021年シーズン開幕に外国人選手が1人もいない状態となり、開幕8試合連続勝利なし、10連敗などの惨状で最下位を爆走。これを受けて三原は自らの非を認めて謝罪している。

一方で、既存の外国人の再来日手続きに関してはエスコバーは身内の不幸で急遽の離日、ソトは契約切れもあって新規契約締結の時期からして困難である事を挙げオースティンとピープルズ以外は再来日手続きでも無理だったという意見もある。

国吉放出

そんな惨状を乗り越えチームは交流戦でなんとか復活、広島の逆噴射もありついに最下位を脱出した矢先、国吉佑樹をロッテの有吉優樹とトレードすることが発表される。
先発ローテが度重なる怪我・不振によって崩壊していたために先発要員の確保を狙ってのトレードであったが、2021年シーズンもロングリリーフ要員兼便利屋として活躍していた国吉に対して有吉は故障により2年間一軍で殆ど登板しておらず二軍でもイマイチ*8という有様にファンからは不安の声が続出。

そして有吉は7月9日の中日戦(バンテリン)で先発し、なんやかんやで7回途中まで投げファンを喜ばせたのもつかの間、エキシビション期間に打球直撃により故障・緊急降板。その後は結局一軍登板のないまま、ファームで爆発炎上を繰り返すという案の定な結果となった。
一方、ロッテに移籍した国吉は後半戦開始まで一切登板がなかったが*9、後半戦以降は時にクローザーを任されるなど便利屋として躍動し、最終盤まで縺れた優勝争いで大活躍を見せており、両者の明暗にトレードに対する批判が殺到することになった。
また、DeNAはシーズン後半に入り今永昇太の復帰、大貫晋一の復調、フェルナンド・ロメロの台頭等で先発投手事情については改善がみられた一方、三嶋一輝山﨑康晃が不調によりともにクローザーを剥奪された挙句「日替わりクローザー」制を導入する等リリーフ陣に綻びが出てしまったことから、貴重なブルペン要員だった国吉を放出した間の悪さについても嘆かれることがあった。

ただし、国吉は指標上ではDeNA時代と比べて悪化の傾向が出ており、「ロッテの運用法と守備陣のお陰で活躍出来ているだけでDeNAにいてもここまでの活躍は出来なかった」とする声も少なからず存在する。事実、シーズン最終盤に入ると国与四と揶揄された時期を彷彿させる投球を見せ始め、CS1stステージ第1戦では全く制球が定まらず四球を連発。2アウト満塁のピンチを作って降板しその直後に全ての走者を返されてしまい逆転され、あわや敗戦の原因になりかけた*10ことからロッテファンの胃をキリキリさせている。

反論

上記を代表とした三原への批判に関しては、親会社がDeNAになる遥か以前から伝統的にフロントに対して不信感を抱いているファンが少なくない*11ために、必要以上にファンが感情的に叩いている側面が否定できない。前身のTBS時代*12を経験しているファンなら尚更であろう。
さらに言えば前任者の高田繁GMがドラフトやトレード、FA補強で次々に有力な選手を獲得していたことも、三原が相対的に無能扱いされる一因になったとも言える。

現在では2021年シーズン序盤のDeNAの大不振は、先述の外国人入国遅れのほかに、先発ローテの大崩壊*13が原因であるとの見方が一般的である。そのため、外国人の入国ミスについては(コロナ禍で情勢が流動的であったとはいえ)擁護されることはほぼないが、その他の判断については上でも併記したとおり、結果はどうであれ意図は理解できるものとして擁護する意見も少なくない。

こうした背景から、一部には「ファンの不満のスケープゴートにされている*14といった意見も見られている。

その後

三原本人は外国人入国ビザミスは言うまでもなく、梶谷・井納W流出についても大いに反省したようで、2021年オフはFA権を取得した不動の三塁手宮﨑敏郎をはじめ、契約切れ・FA権取得を控えた主力選手のほとんどと複数年契約を結ぶことに成功*15。また、ファンから復帰を熱望されていた石井琢朗を筆頭に、98年V時の選手だった斎藤隆*16や鈴木尚典、相川亮二*17をコーチとして招へい。さらに楽天を戦力外となった藤田一也や日ハムから自由契約となった大田泰示の獲得、(最終的にホークスに掻っ攫われたものの)FA宣言した中日・又吉克樹の獲得調査など、一転してファンの期待値の高い補強を連発。また、外国人選手の入国についても続く新型コロナウイルスの影響で来日が危惧されていたが、キャンプまでに育成含む7選手が無事来日。同じ轍を踏む事態を回避した。*18
結果は2022年シーズンを終えないと評価できないとはいえ、既にそれまでの叩きを忘れたかのように熱い手のひら返しに至るDeNAファンも増えてきている。

「源」は、この時期に生まれた三原に対するNG避け*19である。やや強引で分かりづらいためか、「源」以外にも「ミ原」「厵」「38rar」など様々なNG避けが作られている。

 

関連項目


*1 低コストで済むこと、セカンドキャリアの見つからない引退選手が飯を食いつなぐ雇用先として重宝すること、腰を据えて指導者を育てられること、功労者を手元に置くことでファンを繋ぎとめられることなどメリットも多いが、そもそも横浜自体TBS末期にはチーム内が崩壊していたこと、他球団における指導法などのノウハウを持ち帰ってのチーム強化につながりにくいというデメリットも存在する。
*2 特に現役時代大した成績を残せず、2014、2015年に一軍バッテリーコーチを務めた際にも評価が良くなかった新沼慎二、現役時代は打撃面の不安からレギュラー定着できず、2015年に中日の一軍打撃コーチを務めた際にはチームが深刻な打撃不振に陥った嶋村一輝の両名を2021年から一軍バッテリー、打撃コーチにそれぞれ配置した点は批判の槍玉にあげられやすい。
*3 81試合に出場し12本塁打を放っている。同年、日米通算2000安打と助っ人史上初の日米各1000安打も達成。
*4 後にロペス自身が家族との時間を大切にしたいという意向から、ソフトバンクからのオファーを断っていたと取材で明かしている。
*5 勘違いされがちだがこれは前任の高田GM時代からの球団のスタンスである。ただし引継ぎの際に「日本ハムの吉村GMのような球団経営を目指せ」という発言があり、一部横浜ファンからは事実上の卒業ではないのかという意見が上がっている。
*6 7月10日の阪神戦で受けた死球による骨折で離脱。骨折完治後も復帰することはなく最終的には腰ヘルニアの手術を受けていたことが明らかになった。
*7 楽天と中日については事前入国できた選手、事前入国できずチームに合流出来なかった選手双方が存在するためここでは省いた。
*8 間の悪い事にトレード直前のヤクルト二軍戦で3回7失点の大炎上をかましたばかりだった。更に言うなら国吉と同じ1991年生まれだが早生まれのため1学年上である。
*9 後に本人が、移籍前に怪我をしていた事を明かしている
*10 その後ロッテ打線が奮起しサヨナラ勝ち。
*11 横浜ベイスターズ初年度の1993年オフに高木豊や屋鋪要といった前身の横浜大洋ホエールズ時代の主力選手を突如戦力外とし、ファンのみならず選手たちにも少なからぬショックを与えたいわゆる「大量解雇事件」などの例から、「横浜は功労者を大切にしない」というイメージが長年にわたり植えつけられている。それ以前も球団生え抜き初の2000本安打を達成した松原誠を巨人へトレードで放出した他、山下大輔は古葉監督時代のシーズン中に引退などもある。遠藤一彦、田代富雄などごく僅かの選手を除くと現役晩年に何らかのゴタゴタに巻き込まれている。
*12 二番手捕手の鶴岡一成をトレードで放出した矢先に正捕手の相川亮二がFAであっさり流出(しかも鶴岡は巨人、相川はヤクルトと、共にセリーグの球団が移籍先であった)、世代交代の波に飲まれかけていたものの既に名球会入りも果たしていた生え抜きの功労者である名遊撃手石井琢朗に引退勧告を行い交渉決裂の結果広島へリリース等、この時代の不可解な出来事は枚挙に隙がない。補強に消極的な姿勢が監督時代の牛島和彦の辞任に繋がったという噂まで存在する。
*13 左腕のWエースである今永・東が離脱していたほか、このシーズン前半戦は先発陣が故障・不振により総崩れで、前半戦の先発平均イニングが5回に届かないなど完全に機能不全に陥っていた。
*14 実際に進藤達哉編成部長や吉田孝司スカウト部長に対しても責任を問う声は存在する。
*15 具体的には宮﨑(6年)の他に、同じく同年FA権を取得した山﨑康晃(単年)大和(2年)、2022年中にFA権取得見込みの三嶋一輝(3年)桑原将志(4年)、契約年を満了していたエドウィン・エスコバー(2年)フェルナンド・ロメロ(単年オプション付き)タイラー・オースティン(3年オプション付き)
*16 特に斎藤に関しては、当初は断られるも粘り強く口説き承諾にこぎつけた。
*17 ただし98年のV時は一軍出場すらなかった。
*18 ただしソトとオースティンに関しては開幕直前に故障したため2年連続で開幕メンバーから外れている。
*19 漢字を「氵」と「」の二つに分解することで三原と読む。