No524 ハワイ/元ネタ解説

Last-modified: 2022-07-29 (金) 13:52:45
所属United States Navy
艦種・艦型アラスカ級大型巡洋艦→大型指揮艦(1952)→大型巡洋艦(1954)
正式名称USS Hawaii (CB-3/CBC-3)
名前の由来Territory of Hawaii アメリカ合衆国ハワイ準州(現在は州に昇格)
起工日1943.12.20
進水日1945.11.3
就役日(竣工日)未就役(建造中断)
退役日(除籍後)(1958.建造中止・解体)
全長(身長)246.4m
基準排水量(体重)29779英t(30257t)
出力Babcock&Wilcox式重油専焼缶8基General Electric式蒸気タービン4基4軸 150000shp(152080.5PS)
最高速度33.0kt(61.11km/h)
航続距離15.0kt(27.78km/h)/12000海里(22224km)
乗員1517~2251名
装備12inch50口径Mk.8三連装砲3基9門
3inch58口径Mark12連装両用砲12門
ボフォース40mm機関砲x56
エリコン20mm機関砲x34
艦載機x4
装甲舷側:5~9inch 甲板:3.8~4inch 砲塔:5~12.8inch バーベット:11~13inch 艦橋:5~10.6inch
建造所New York Shipbuilding Corporation, Camden, New Jersey
(ニューヨーク造船所 アメリカ合衆国ニュージャージー州カムデン郡カムデン市)
  • ハワイはアメリカ海軍が建造したアラスカ級大型巡洋艦の3番艦。
    戦争終結に間に合わず就役前に建造中断、その後の処遇も決まらないまま解体となってしまった未成艦である。
    • アラスカ級そのものの経緯についてはこちらを参照されたい。

  • 第二次大戦が中盤に差し掛かろうかという1942年、対潜護衛艦艇などの急を要する場面への資材提供のため、モンタナ級5隻およびアラスカ級後期建造型3隻の建造中止の命が下った。
    ハワイの起工もこの時差し止められたが、約1年後に建造再開とされ、1943年12月起工。
    2番艦グアムの進水から2年の時を経て、1945年11月ようやくハワイは進水を果たした。
    しかし既に戦争は終わってしまっており、防衛費の削減に迫られたことからまたしても建造が中断されてしまう。
  • 上部構造物がほぼ完成状態にあったハワイだが、その船体の活用案がいくつか提示された。
    • 航空母艦化
      • 艦尾に航空機用クレーンとカタパルトを設置、艦前方の油圧式カタパルトからJB-2「ルーン」巡航ミサイル*1を発射できるというもの。
        48年に認可を受け2年で改造を終える予定だったものの、ロケット燃料の揮発性や誘導システムの欠点から49年に計画中止。
    • 誘導ミサイル巡洋艦化
      • 誘導ミサイル開発のためのプラットフォームとして、46年に立案。
        70口径3inch連装高角砲8基のほかはミサイルと発射機を搭載するのみで、一部の装着済み装甲も剥がす予定だったが、実現せず。
      • 48年には米製V-2ロケットおよび対地巡航ミサイル「トライトン」を搭載する案として再度立案。
        搭載ミサイルの仕様をめぐってこのプロジェクトは長期化し、後発の「レギュラスII」「ポラリス」ミサイルの運用試験に追い越される形で存在意義を失い、57年に廃案された。
    • 大型指揮艦化
      • 51年に立案された、空母機動部隊指揮のための広大な旗艦設備およびレーダー・通信システムを有する大型指揮艦に改装する案。
        翌年にこの計画が認可、予算通過を受けてハルナンバーもCBC-3へと改められたほどであった。
        しかしサイパン級軽空母2番艦「ライト」(USS Wright, CVL-49/CC-2*2)で代用可能だとして、設置されていた12inch主砲砲塔の撤去だけ行われたまま、53年に計画中止。
    • 戦略弾道ミサイル巡洋艦化
      • 57年に若干の調査が行われたのみであるが、「ポラリス」ミサイルをはじめ「タロス」「ターター」「ASROC」などの諸ミサイルを搭載するというもの。
        詳細な検討には至らなかった。
  • 結局いずれの案も完全に実ることなく、ハワイは50年代のうちに解体されることとなったのであった。

*1 米製V-1
*2 同じく指揮艦化改装が施された