戦後第二世代AKインスパイアAR

Last-modified: 2024-03-01 (金) 08:14:46
人形DNA鑑定:HG|SMG|AR|RF|MG|SG〕

 
世界で一番使われているのは事実だろう
 
いけーっ AKの娘!!
 

 

簡単な説明

 

第一世代アサルトライフルとして大成功を収めたAK-47のロングストロークガスピストン+2ラグローテーティングボルトの作動方式は、西側諸国でも大々的に取り入れられた。
広義のAKファミリーとも言えるが数が多いので別項目とした。

その他雑感めいたもの

西側だけにAR-15/18の影響も混ざっているが、ここまでAKの影響力は強かったのかという意外性というか時代性を感じられるだろう。
戦後第一世代のアサルトライフルとして西側ではFALがその嚆矢をとなっていたが、ティルトボルトは歩兵の携行火器としては大げさすぎたようで、その後同様の方式を大々的に採用したのは64式など少数に留まっている。
他方、一足遅れて60年代にM16が登場したが、こちらはアルミ合金の削り出しを多用した高級なレシーバーや、リュングマン式DIのような新機軸を採用したくせ、(冤罪であったとは言え)ベトナムではジャムを多発させてしまった。
同国における米国の事実上の敗戦も相まって、西側軍当局者がM16にいい印象を持たなかったとしても、それは無理からぬ話であろう。
結局1970年代当時に、信頼に足るアサルトライフルの作動方式として手軽に利用可能だったのはAKのそれだけだったようだ。
その後M16系の汚名返上やAR-18系メカニズムの台頭により、西側先進国の制式ライフルはG36やHK416、あるいはAR-18をベースとしたモデルに取って代わられていくわけだが、そこまでの橋渡しとしてAKのメカニズムは西側でも大いに活躍したのである。

こういう事情を踏まえると、同年代にロールアウトしたSteyr AUGの先見の明みたいなものも改めて思い知らされましたよ、はい。

みんなロングストロークガスピストン。閉鎖機構は特記なき場合AKタイプのローテーティングボルトである。

 

西側のAK風サービスライフル

ボルトの形状がAKをモロパクリしたような、最もAKっぽい皆さん。
特に大きめのエキストラクターや、ブレードイジェクターを通すための溝が切ってある辺りが、分かりやすい判別ポイント。

 
AR70
134 ar70.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1972-
備考SG530の共同開発から抜けたベレッタが作った、AKライクな作動方式のアサルトライフル。
ガスチューブ部にリコイルスプリングが内蔵されている。
 
AR70のボルトフェイス

AR70 bolt.png
特にイジェクター用の切り欠きがそれっぽい

 

SG540系

 

ベレッタとの共同作業を止めて作られたAK風ライフル

 
SIG-556
287 sig-556.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2006-2016
備考SG550 (1986) を元にSTANAGやM4系パーツに対応させたやつ。
SG540 (1977) をスイス陸軍の要求に応じて改修。
↑なんやかんやあってAK系の作動方式を使ったアサルトライフルを作った。
ただしメインスプリングはピストンロッド部にある。流石に共同開発していただけあって、AR70と姉妹銃ということか。
 
SIG556のボルトフェイス

ssg556 bolt.jpg
アチャ~もろ

 

SIG「知らん…何それ…怖…」

 

SIGが認知してるのかどうかは分からないSMG
9パラなので閉鎖機構やガスシステムはオミットされている

 
SAF
304 saf.png主な弾種9x19mm Parabellum
生産期間1993-
備考ストレートブローバック・クローズドボルト
縮小コピー版SIG SG540めいた外見のSMG。
先述の通り閉鎖機構は持たないが、分解手順やボルトフェイスの雰囲気など、SG540の影響が色濃い。
 
SAFのボルトフェイス

saf_bolt.png
ボルト全体が台形になっていたり、レシーバー上のレールに乗っかる面が平たくなっていたり

 
MT-9
144 mt-9.png主な弾種9x19mm Parabellum
生産期間2011-
備考ストレートブローバック・クローズドボルト
ブラジルのタウラス社が生産したSAF。以上。
 

別にサービスライフルじゃないやつ

 
KAC-PDW
286 kac-pdw.png主な弾種6x35mm, 300 BLK
生産期間2006
備考パッと見ただけではAR-15系のロワレシーバーのせいで勘違いしてしまうが、どうもボルトキャリアグループの設計はAKに近いらしい。
しかし試作銃な上内部構造が分かる画像が見当たらず、結局確証は得られていない。
 
一応KACがリリースしているPVにそれらしいCGが出てくるのだが……

解像度が…解像度が低いっ…!
kac_pdw_bcg.png

  • これではどうやらAR-18のようなBCGではないことが辛うじて分かる程度だ。
 

動画で見ると多少は違うかもしれない。

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  • ボルトキャリアが排莢口カバーを兼ねているっぽい辺りはAK風の設計が伺える。
 

ニュース記事には次のように書かれているので多分正しいとは思うのだが…

The KAC CQB PDW (Personal Defense Weapon) utilizes a dual-piston system and is
gas-operated. The recoil spring runs the full length of the upper receiver, right up
the middle between the two gas pistons. Bolt system is AKM/Kalashnikov style. The
CQB utilizes a monolithic upper receiver and full-curve magazine. The barrel has
been lightened with a patented dimpling process, which gives the barrel an
interesting look.

(訳:KAC CQB PDWはデュアル・ピストン・システムを採用し、ガス圧作動式である。リコイルスプリングは2本のガスピストンのちょうど真ん中を、アッパーレシーバーいっぱいに伸びている。ボルトはAKM/カラシニコフスタイルである。CQBはモノリシックアッパーレシーバーを採用し、フルカーブマガジンを使用する。銃身には特許取得のディンブル加工で軽量化され、面白い外観になっている。)

 

FNCとその仲間たち

FNCもガッツリAK風のボルトフェイスを持っているのだが、さらに同じFN社製のMINIMIでも同様のメカを使用した。

 
FF FNC
070 fnc.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1979-
備考CALを元に廉価なアサルトライフルを目指し開発されたが、出来上がってみたらなんだかAK臭がすごい。
特にボルトフェイスの雰囲気は完全にAK。
ガンジーザスもそう言っている。
 
FF M249SAW
079 m249 saw.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1970年代後半-
備考ベルト/マガジン両用
FNCとほぼ同時期に開発された軽機関銃・分隊支援火器で、作動方式もFNCとかなり共通している。
 
何はともあれ比べてみよう
  • 左からAK、FNC、MINIMIのボルトフェイス
    ak_bolt.pngfnc_bolt.jpgminimi_bolt.png
  • 特にボルト内部に埋め込まれたエキストラクターがAKらしい顔付きを特徴付けている
  • さらに外部のイジェクターを通すために、ボルトフェイスにガッツリ切り欠きが入っている
  • AKとFNCで大きく異なるのは、ボルトを回転させるためのラグの位置
    • AKはボルト頭部に出っ張っている
    • FNCはボルト後部の棒状の部分に生えている
    • MINIMIはというと、ベルトとマガジンの2方向から給弾し、右下方へ排莢する都合で、各パーツの位置が変更されている。
 
  • FNCのボルトグループ
    fnc bolt group.jpg
  • MINIMIのボルトグループ
    minimi bolt group.jpg
  • ボルトキャリア込みで見比べると、雰囲気が似ているのがよく分かる(?)
    • 同メーカーで同時期に同弾薬を使う前提で設計されたのだから当たり前といえば当たり前か?
 
Ak 5
187 ak 5.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1986-
備考スウェーデンはボフォース社が自国向けに最適化したFNCといったところ。
 
K3
271 k3.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1988-
備考ベルト/マガジン両用
MINIMIを韓国軍向けに改設計・生産した軽機関銃だそう。
 
Mk48
121 mk48.png主な弾種7.62x51mm NATO
生産期間2003-
備考ベルト給弾
M249を5.56mmから7.62mmへとボアアップしたモデル。
 
Mk46
240 mk46.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2000s?-
備考ベルト給弾
不具合が多かったマガジン給弾を廃止し、ジェイプアップを図ったモデル。
 

ミニミの中国人のいとこ

多分そうだと思うんだけど確証はない。

 
88式
238 type 88.png主な弾種5.8x42mm
生産期間2000-
備考2ラグローテーティングボルト?・ベルト給弾
人民解放軍の制式汎用機関銃、なのだがかなり軽機関銃に近い性格のやつ。
意欲的なコンセプトだったが蓋を開けてみると微妙だったようで早々に退役予定だそう。
 
情報が…情報が少ない…!

まずは主要パーツに分解した図
88gpmg07.jpg

  • 解像度が低いのはご勘弁を。
  • 少なくともロングストロークガスピストンであることは分かる。
  • 恐らくローテーティングボルトであることも。しかしボルドヘッドの詳しい形状までは分からない…
 

ボルトキャリアを上から見てみる(一番左)
qjy88.jpg

  • やっぱり解像度が低い
  • 目を凝らすとなんとなくMINIMIっぽい雰囲気がする…?
 

比較用にMINIMI
minimi_bc.jpg

  • 弾薬や用途を考えるとMINIMIを参考にするのは理にかなっている。
  • bilibiliなんかで探してもフィールドストリップ動画は見つからないので、結局確定的なことは何も言えない。
    • これも中国の情報統制能力ということなのか…!?
 

 
 

 

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