HIRAKI

Last-modified: 2024-02-29 (木) 22:40:03
人形DNA鑑定:HG|SMG|AR|RF|MG|SG〕

 
M27 IARくん!
 
わたしは完璧なんですけお! ペンタゴンリニンサンXM5に採用してくだち!
 

 

簡単な説明

 

「やあHK416くん、まあ掛け給え。ああたか子、お客様にお茶を。」
私は事務所(オフィス)で彼に椅子を勧めた。口を開けばけおけお、股を開けばケツマン臭を吐き出す彼を、自慢のLC2に触れさせるのは甚だ不本意、いや不快だが仕方あるまい。
「さて、君に伝えないといけないことがある。心して聞いてくれ給え。」
ソファに深々と腰を下ろして相対するHKM4くんを見やる。ああ、このなんと醜いことか。品性の欠片もない面構え、均整を欠いた肉体、まるで一度全身の骨格をウッドチッパーに掛けてから生まれ落ちたみたいじゃないか。
「M4カービンくん、君の採用は却下だよ。XM5はSIG MCXスペアくんが射止めた。おっと待ち給えCQ311くん、君には依然ヨーロッパ大陸でカマホ○野郎やちょび髭の子孫を守る仕事があるのだから気落ちする必要はない。」
このくらいの慰めが彼の助けにならないことぐらいは分かっていたはずだ。81式くんのゴリラがくしゃみをしたような顔は見る間に歪み、今やナマコを裏表ひっくり返したような惨状を呈している。その繊細(ナイーブ)さがAKMくんの良いところでありまた悪いところなのだ。
M1ガーランドくんは顔から出る液体を一頻り出し尽くすと、まろ茶を3杯おかわりした。そしてまた4杯目をせがもうとしている。
「Stg44くん、そういう悟性の欠陥がMG3くんをMG34たらしめていると、未だ気付かないのかね!!!」
思わず手が出た。この惨めったらしいC96の所作すべてが、私の神経を逆撫でたのだ。
TKB072くんの顔を平手で張った。シワの寄った溶接跡が伸びたときのように、PPShくんの顔がシャンとして見えた。なるほど合点がいったぞ。
さらに一度KP/-31くんの顔を打った。徐々に骨格が矯正されている。間違いない。けおけお泣いている場合ではないぞブレンガンキャリアくん!!
もうやることは分かっていた。手近にあった灰皿を掴む。腕を振り上げ、下ろす。また振り上げ、下ろす。フムン、やはり鍛えねば鉄は鋼にならないわけだ。
M98くんの顔が徐々にシルエットを取り戻す。棘皮動物めいた骨片が組織を成し、強固に結合する感触が、一振りする毎に伝わってくる。ああ、この快感を何に例えようか!
やがてそこには血の海に浮かぶモデル700くんの姿があった。レッドカーペットの上で左右にバランスよくHIRAかれたその姿は神々しくすらある。
「できたぞFG42くん! これこそ私の傑作だ! XM8なんかメじゃないぞ! M60くん?」
こうしてSAR-21くんは息を引き取った。

 

自動火器ではレイアウトの都合かボルト形状が歪になることが多々ある。だいたいロッキングラグの上にボルトキャリアと噛み合うカムを増築したAKが悪いんじゃないかな*1
その点AR-15系はマルチラグで均整の取れた面構えだが、ことマシンガンでの採用は意外に少ない。気がする。一応軽機関銃としてはCISのUltimax 100なんかがストーナータイプのマルチラグではあるが。
2ラグのローテーティングボルトでかつボルト形状が左右/上下対称でキレイなやつ*2を主観的に集めた。
特記無き場合2ラグローテーティングボルト閉鎖、ロングストロークガスピストンである。

 

FG42

 

普通のローテーティングボルトだとボルトキャリアの方にリセス(溝)が切ってあり、そこにボルト本体のカムが噛み合うことでボルトキャリアの前後動をボルトの回転に変えている。一方こいつらは逆にボルト本体に溝があり、オペロッドから伸びた腕がその中に入り込むような形をしている。
大抵のボルトキャリアはボルト本体を包み込むように保持するので嵩張りがちなところ、この方式だと機関部の小型化ができる……のかもしれない。ただしボルト本体に穴を開けてしまうため、ボルトそのものが大きくないと強度を確保できないだろうからして、小口径のアサルトライフルでは見かけない。

 
百聞は一見にしかず

見たほうが早い

一般的なボルト保持構造代表・めつきわるいさん
g36 bolt group.png

 

FG42のボルト保持構造(SMG社による戦後のレプリカFG42)
smg fg42-390x164.jpg

 
ルイス
253 lewis.png主な弾種.303ブリティッシュ
生産期間1913-1942
備考4ラグローテーティングボルト・オープンボルト撃発
早速のちゃぶ台返しで申し訳ないがルイスくんは4ラグなんだ。しかもロッキングラグはボルト後端に位置する。
ボルトとボルトキャリアの構造が、後述のFG42やM60へと引き継がれた。
軽機関銃
 
ルイス軽機関銃のボルト周り

ルイス軽機関銃のボルト周り

ボルト+オペロッド(写真中段)
20832767_23860.jpg

  • 左側に長く伸びるオペロッドと、その上に乗っかったボルト
  • オペロッドとボルトは、オペロッド側から上向きに突き出た撃針兼カムを介して接続されている
 

ボルト本体
lewis_bolt_01.jpg

  • 円柱状のボルトが大きくえぐられて、カムが入り込む溝になっている
  • 現代的な感覚では左側がボルトフェイスと勘違いしてしまいそうだが、ボルトフェイスは右端のほうである
    • 2ラグでなく4ラグだが、等間隔に設けられているためバランスの良い印象を受ける
    • また4ラグとすることでラグそのものの高さを抑えることに成功しているようにも見える
      • ちなみ2段4列の8ラグのようにも見えるが、左側のラグはパンマガジン駆動用のカムを保持するためのもので、ロッキングラグではない
 

lewis_bolt_02.jpg

  • ひっくり返ったので一番右側の部分、この一際突き出たカムがなんやかんやあってパンマガジンをガチャガチャ動かす
  • 詳しくはこの辺を参照のこと
 
FG42?
110 fg42.png主な弾種7.92x57mm Mauser
生産期間1943-1945
備考アサルトライフルのはしりの一つと言えるマガジン給弾の自動小銃である。
セミオート射撃時はクローズドボルト、フルオート射撃時にはオープンボルトで撃発する凝った作りになっている。
ゲーム中ではマシンガン扱いされているのはその辺りの事情か。
 
FG42のボルト

特徴的なオペロッドとの接続方法は前出の通りである。
ここではボルトの形状に注目したい。まずボルトの全体から
FG42-0014.jpg

  • 円柱形のボルト本体の先端(写真左側)の側面から一対のロッキングラグが生えている
  • 正中線上にはイジェクターが通る溝が切られていて、上下対称な形状になっているのがわかる
 

ボルトフェイス
FG42-0016.jpg

  • こちらでも上下に突き出した一対のロッキングラグが確認できる
  • エキストラクターはイジェクターと正対していて、ほぼ上下対称な構造になっている
 
M60?
078 m60.png主な弾種7.62x51mm NATO
生産期間1957-
備考オープンボルト撃発・ショートストロークガスピストン・ベルト給弾の汎用機関銃
T44(1940年代後半)やT52を経てT161E3が制式採用されたすがた。当時の対抗馬にはFN MAGが居たが、こちらは諸事情につき脱落。
↑米帝が恥も外聞もなくFG42?MG42をパクって作った試作品。機関部はFG42が、給弾機構はMG42がそれぞれ参考にされている。
 
M60のボルト周りとか

ボルトとオペロッドの接続部分
M60 bolt and oprod.jpg

  • ほとんどFG42そのままという雰囲気
 

ボルト本体
m60 bolt.jpg

  • 給弾機構に動力を伝達するためのローラーが、ボルト後部に追加されている
 

ボルトフェイス拡大
m60 bolt face.png

  • プランジャーイジェクターに変更された以外はFG42の特徴をそのまま受け継いでいる
  • 給弾される向きが変わったのも形状変更に影響しているか
 

ボルトが似てる方々

 

特にFG42やM60と直接の繋がりがあるわけではないが、ボルトの形状がやや似てる気がする連中。

 
SAR-21
237 sar-21.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1999-
備考シンガポールで作られたタボール的な見た目のブルパップライフルで、中身はやや独特。タボールもいい加減独特だが。
ロングストロークガスピストン・2ラグローテーティングボルトを採用し、開発メーカーはAKとAR-18の折衷めいたアサルトライフルの製造経験があるとか言うとますますタボールじみてくるが、中身は随分異なる。
 
SAR-21とSTキネティクスの仲間たち

先鋒SAR-21!
分解!
CIMG7475.jpg

  • 起伏も何もないガスピストンがFG42を彷彿とさせる
 

ボルトとボルトキャリア拡大
CIMG7523.jpg

  • ボルトキャリアそのものはボルトの周囲を保持して、カムピンで固定するタイプ
 

ボルトフェイスを拝見
CIMG7525.jpg

  • 一対のロッキングラグが正対している
  • 90度ズラれてエキストラクターとイジェクター(の切り欠き)が配置されている
    • とってもFG42チックな面構えがキュート
 

続いてSAR 80 早速かっさばいた状態から
SAR80_assault_rifle_parts.JPG

  • メインスプリングやボルトキャリアの配置からしてほぼAR-18のコピーですよね?
 

ボルトとボルトキャリア拡大
sar80 bolt.jpg

  • AR-15やAR-18でおなじみマルチラグのボルトが確認できる
 

次はバラバラのSR 88くん
SR88_rifle.JPG

  • ボルトキャリアやメインスプリングはSAR 80に引き続きAR-18のレイアウトを踏襲している
  • 一方長大なガスピストンがボルトキャリアに直結されて、AKとの悪魔合体めいた雰囲気を醸し出している
 

とまあSAR 80、SR 88そしてSAR 21と見てみると、前者2つからSAR 21への連続性のなさが感じられる。

 
MG4
125 mg4.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2001-
備考MINIMIネゲヴ辺りとニッチの被る感じの分隊支援火器だが、あちらがAK風のボルトを採用した一方でこちらはよくわからない形状のボルトになった。ベルト給弾のみに対応する割り切り方は最後発ならでは。
 
MG4のボルト

形そのものはスッキリしている
mg43bolt.jpg

  • 左右に広がる一対のラグは、1つあたりが大きく頑丈そうで頼もしい
  • 下側にエキストラクター、上側にはイジェクター用の切り欠きがある
    • ここまで紹介してきた銃は一般的な右側に排莢するレイアウトだったが、MG4は下向きに排莢する
    • 上部のベルトから実包を拾い"下げて"くるため、その部分が少し盛り上がっているのはFG42と同様
      • ベルト給弾で弾を上から下へと動かすのは、ドイツの傑作MGであるMG42からの伝統のレイアウトということだろうか
      • FG42とMG42のいいとこ取りという意味ではM60のリバイバルっぽくもある
 

別にボルトが似ている訳では無い機関銃

 

そう、それがわたしだ。

 
MG5
109 mg5.png主な弾種7.62x51mm NATO
生産期間2010-
備考ベルト給弾の汎用機関銃。
MG4を7.62mm口径に拡大したやつ。
 
MG5のボルト

MG4とは違いマルチラグボルトになっている
mg5 bolt.jpg

  • 4列2段(エキストラクター部分の1つが欠けて)7ラグっぽく見える
    • もちろんMG4やFG42とも似ていない
 

 
 

 

コメント


*1 この二階建て構造の元凶はガーランドだが
*2 ボルトアクションライフルではそこまで珍しくないのだが