ブローバック式ハンドガン

Last-modified: 2024-02-29 (木) 22:40:03
 

薬室を機械的に閉鎖する仕組みを持たないものをブローバックと呼ぶ。平たく言うと火薬が爆発したら薬莢はすぐに後ろに吹っ飛んで行こうとするので、それをスライドの重量で受け止めるという方法。
ここではどこのグループにも当てはまらなかった人形が寄せ集められているというのが正解で、作動方式がブローバックという以外に共通点はあまりない。

 
 

ストレートブローバック

 
かんたんな説明

ブローバックの中でも最も簡素なタイプで、ただスライド(拳銃以外ならボルト)の重量だけで薬莢の後退速度を遅らせている。シンプルブローバックとも。
メリットは内部構造がスッキリして製造コストが掛からなくなったり、整備が楽だったり。デメリットは強い実包だとスライド重量が足りず、薬室の密閉が保てなくなること。
現代ではサイドアームに求められる威力が上がっているせいか、あまり見かけなくなってきている気がする。
ワルサーPP系も基本的にはストレートブローバックである。

 
コリブリ?
331 kolibri.png主な弾種2.7x9mm
生産期間1914-1938
備考中身はFN ブローニング M1900 (1896) がベースらしい。
 
VP70
277 vp70.png主な弾種9x19mm Parabellum
生産期間1970-1989
備考9mmパラベラム弾ながらストレートブローバックで済ませて安価にまとめ、さらにポリマーフレームやストライカーファイア、専用の銃床の装着によるフルオート射撃などを組み合わせた、意欲的な次世代拳銃。コケたけど。
Volkspistole (1945) のコンセプトを引き継ぐ。
 
ZiP.22?
354 zip22.png主な弾種.22 LR
生産期間2013-2015
備考ナニコレ
 

遅延ブローバック

 
かんたんな説明

ストレートブローバックで撃つには実包が強すぎる、でも閉鎖機構をつけるとコストが掛かる、だから間を取ってブローバックを遅延させてみようというアイデアなんだと思う多分。
結局ちょっと凝ったブローバックを作るくらいなら、素直にショートリコイルにした方が確実に薬室を密閉できるし、その手間もさして変わらなかったと見えて、H&Kのローラー遅延ブローバック以外はあまり見かけない。
レバー遅延ブローバックのハンドガンもあるにはあるみたいだけどゲーム未実装。

 

サベージ・ローテーティングバレル式

 
PA-15
260 pa-15.png主な弾種9x19mm Parabellum
生産期間1966-2010
備考サベージ・ローテーティングバレル式遅延ブローバック、らしい。弾丸がライフリングを通過する際にバレルに掛かるトルクを上手く使って、スライドの後退を遅延させているらしい。
この機構はSavage 1907 (1907) に採用されたもので、第一次大戦中にフランスはこれを4万丁以上購入しており、PA-15にはその縁もあって遅延ブローバックという珍しい方式を採用したのかもしれない。
余談だが、Savage 1907はブローニング・ハイパワーが誕生するより30年以上早くダブルカラムマガジンを採用していた点でも特筆に値するだろう。
 

ガス遅延式

 
P7
100 p7.png主な弾種9x19mm Parabellum
生産期間1979-2008
備考燃焼ガスをシリンダーに導き、その圧力で以てスライドの後退を抑制する、ガス遅延ブローバックを採用している。
W+F Bern P47 (1947) を参考にしたらしい。
Gustloff Volkssturmgewehr (1945) で採用されたガス遅延ブローバックを拳銃に適用。やっぱりナチスドイツはパテントフリー素材なんだね。
 

 
 

 

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