AR-18系

Last-modified: 2024-02-29 (木) 22:40:03
人形DNA鑑定:HG|SMG|AR|RF|MG|SG〕

 
AR-18の惑星
 
何も考えるな
全部ショートストロークガスピストンのマルチラグボルトにしろ
それでいいんだよシンイチ
 

 

かんたんな説明

AR-18にガッツリ影響を受けた皆様。
特記無き場合はショートストロークガスピストン+マルチラグローテーティングボルトである。
またSteyr AUG?G36は別項を立てているのでそちらを参照のこと。

続けて。

今となってはすっかり現代ARの父みたいなデカい面をしているが、出始めはそうでもなかったというのは戦後第二世代AKインスパイアARで説明したとおりである。
もちろん、ショートストロークガスピストン+マルチラグローテーティングボルトという組み合わせは、M16のストーナー式DIより確実な作動方式であることはそうなのだが、そこはミリタリー業界、Battle-testedな技術じゃないとそうホイホイと採用はしてくれないわけだ。パテントの問題もあるし。

で、じゃあ誰がAR-18をBattle-testしてくれたかというと、HKのG36であったりSteyr AUGであったり、極端なことを言えば最大のAR-18オペレーターの一つであるIRAであった。多分。
そんなわけでこのページに集まっている銃は、紅茶女を除くと21世紀に入ってから登場している。
AR-18の原設計が1963年、製造開始が1969年なので、じつに40年の雌伏の時を経て実力を認められたのだとも言えよう。

 

AR-18本人

 
AR-18?
372 ar-18.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1969-
備考何故か実装されていない大物人形No.2くらい。ついに実装された
 
AR-18のボルトとスプリングの配置はこんな感じ
  • この真四角!鉄の塊!って感じがAR-18のボルトキャリアの特徴(?)
  • リコイルスプリングをレシーバー上部に配置することで、M16系でお馴染みのバッファーチューブを排除した。
    • もっともそれが主目的では無かったのだろうが、結果的に折りたたみストックとの相性が良く、現代のコンパクト化の流れに乗ることができた。
      ar18 bolt.jpg
 

ブルパップの方々

 

1970年代ごろからぼちぼち流行り始めたブルパップレイアウト。これを既存の銃の作動方式と組み合わせて次期軍用ライフルとして採用することが試みられた。
しかしアメリカ軍の主力ライフルであったM16系はバッファーチューブの存在がブルパップ化に不向きで、これが幾つかの西側諸国の制式ライフルとしてAR-18系のブルパップが採用された一因ではないだろうか。

 
L85A1
68 l85a1.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1985-
備考まるでAR-18なボルトキャリアがスイと出た。
パテントのほうは大丈夫だったんでしょうか。
そういえばL85の改修はH&Kが請け負ってたのは資本関係とかの諸事情もあるんでしょうけど、G36が同じくAR-18系の作動方式を使っていたせいもあるんでしょうか。
 
L85A2の中身
  • 真ん中の四角い塊がボルトキャリア、左の棒がボルト、その上の3本の棒がボルトキャリアガイドとリコイルスプリング。
  • すごくうん。すごい。
    SA80A2 bolt.jpg
 
F2000?
107 f2000.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2001-
備考AR-18の機構とP90のブルパップレイアウトを組み合わせた近未来的外観のライフル。
チューブを介して前方に排莢する仕組みのせいか、ボルトキャリアが非常に入り組んだ形をしているが、ボルトそのものはAR-18のマルチラグ方式を踏襲している。
 
F2000のボルトキャリア

個人的には魚のアラみたいだなと思った
f2000_bcg1.jpg

  • どこがボルトキャリアで、どこが付随する部品なのかもよくわからない。
 

f2000_bolt.jpg

  • しかしボルト自体はAR-15やAR-18で見慣れた形だ。
 
MDR
215 mdr.png主な弾種5.56x45mm NATO他
生産期間2015-
備考これまでの前方排莢方式*1に比べてよりシンプルな構造を採用したブルパップライフル。一応ショートストロークガスピストンとマルチラグ・ローテーティングボルトを備えていて、そこだけ聞くといかにもAR-18っぽい雰囲気だが、細かい仕上げは異なっているのが興味深い。
 
相変わらずマニュアルがオンラインで確認できてありがたい

まずボルト本体
mdr_bolt.png

  • 基本的にはAR-18風のマルチラグボルトの範疇に収まっていると思う。
  • しかしロッキングラグの前面が面取りされてやや後退角が付けられている。
    • ラグの1本1本も太めに見えるなど、デザートテック流にアレンジが加えられているようだ。
 

続いてガスピストン部
mdr_piston.png

  • 4番の部品がガスピストンである。
    • HK416などのガスピストンとは形状が異なる。
  • もっともMDRに限らず、AR-18に影響を受けたと言われるライフルでもピストン部はアレンジされていることが多いように感じる。
 

AUG家

 

Wikiの見出し構造の関係でこの位置になっているが、実際にはAR-18スタイルのアサルトライフルの中でもかなり早い段階で登場したのがステアーAUGである。
それ以上に最初期の実用ブルパップ軍用ライフルという点が際立っているだろう。

 
AUG
073 aug.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間1978-
備考作動方式、閉鎖方式は概ねAR-18に則っているが、具体的なレイアウトや素材の構成は全く異なり一見するとそうとは全くわからない*2
ブルパップライフルとして見てもアンビ化の工夫が随所に施されていて好印象である。
さらにモジュラーウェポンとしても設計されており、部品の交換でいくつかのバリエーションに組み替えることができる。
こうした数多くの先進的要素を備えた制式ライフルが有りながら、その7年後にL85が産まれたという事実は驚異的ですらある。
 
AUG Para
315 aug para.png主な弾種9x19mm Parabellum
生産期間1978-
備考ストレートブローバック
AUGの組み換え形態の一つなのだが、作動方式はストレートブローバックとされており、AR-18の血は消えて無くなっている。
 

21世紀生まれのコンベンショナルな方々

 
ARX-160
120 arx-160.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2008-
備考作動方式だけ聞くとよくあるAR-18フォロワーのようなのだが、そこは老舗の意地があるピエトロ・ベレッタ。中を覗くとこれがなかなか毛色が違う。
そもそもボルトキャリアの形状が他のAR-18フォロワーと似ていない。アンビ化に対応するためエキストラクターを左右それぞれに用意し、コッキングハンドルも左右に振り出す方向を変えられる。
ガスシステムもピストンの移動距離を長く取る独特な構造で、正直AR-18の影響があるのはボルト本体のデザインくらいのような気がする。
 
SIG MCX
338 sig mcx.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2015-
備考AR-15系のロワレシーバーを使う都合で、ボルトキャリアの形状がAR-15風になっているが、メインスプリングの配置はモロにAR-18である。
コイツといいSG540なんかといい、SIGって結構なりふり構わず名銃をパク参考にしがちな気がする。たぶん気のせいだけど。
 
SIG脅威のメカニズム
  • 2本のリコイルスプリングにM16ライクなボルトキャリアがぶら下がった構造をしている。
  • AR-18のボルトキャリアを限界までダイエットするとこうなる、といった趣。
    mcx bolt group.jpg
 
LAMG?
386 lamg.png主な弾種5.56x45mm NATO
生産期間2018-
備考ロングストロークガスピストン・ベルト給弾・オープンボルト
ストーナーがAR-18と同時期に設計したストーナー63 (1963)を、ナイツアーマメントがこねくり回して出来上がった軽機関銃である。なので正確にはAR-18とはいとこみたいな関係になる。
元々のストーナー63がハンマーを備えていたのに対してLAMGではシンプルな固定撃針になっていたり、Ultimax 100 (1978)のコンスタントリコイルを取り入れていたりと、かなり血は薄まっている。
ロングストロークガスピストンな連中の方に入れようか悩んだが、ストーナー自身の手で改良が重ねられてきたこと、そしてKACから発表されたことを加味してこちらにした。
 

 
 

 

コメント


*1 F2000とかRFBとか
*2 これはブルパップ化する上での工夫は勿論だが、パテント回避といった目的もあるだろう